【野球】投打がかみ合わず連日の完封負け。勝ち点を落とす 明大②

前日は明大を相手に1安打完封負けと苦杯をなめさせられた慶大。この試合で勝って翌日に繋げたいところだが、序盤から守備のミスも絡み4点を失う。その後は継投で最少失点に抑えたものの、打線が繋がらず得点を返せない。四球も絡み得点圏にランナーを進めるも、要所を締める明大投手陣。終わってみれば0-5と終始相手にペースを握られ、連日の完封負け。昨季王者を相手に勝ち点を失った。

 

9月25日(日)東京六大学野球秋季リーグ 明大2回戦

 

 

明大

慶大

慶大:●高橋佑、小原大、加藤拓、菊地―郡司

明大:○星、水野、齊藤―牛島

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[5]

沓掛祥和(商4・慶應義塾)

[7]

重田清一(環4・佐賀西)

 

菊地恭志郎(政2・慶應志木)

[8]

柳町達(商1・慶應義塾)

[3]7

山本瑛大(商4・South Torrance)

[9]

山口翔大(環4・桐光学園)

[2]

郡司裕也(環1・仙台育英)

[4]

倉田直幸(法3・浜松西)

 

木村健人(政4・慶應義塾)

[6]

照屋塁(環3・沖縄尚学)

 

H3

清水翔太(総3・桐蔭学園)

[1]

髙橋佑樹(環1・川越東)

 

小原大樹(環4・花巻東)

 

加藤拓也(政4・慶應義塾)

 

天野康大(環3・智辯和歌山)

 

明渡稜(政3・桐蔭)

 

瀬尾翼(理3・早稲田佐賀)

 

先発をつとめた髙橋佑

先発をつとめた髙橋佑

前日とは打って変わって晴天の神宮球場。雨とともに敗戦の嫌なムードも晴らしたいところだ。勝ち点を奪取して優勝に近づくべく、絶対に落とせない大事な一戦。慶大の先発は今季初登板の髙橋佑樹(環1)。昨季はルーキーながら早大2回戦で粘投しただけに、簡単には得点を許さない投球に期待がかかる。

 

先攻は明大。髙橋佑が先頭打者から三振を奪うと、後続も打ち取り三者凡退。最高の形で攻撃に繋げる。その裏、先頭の沓掛祥和(商4)が四球を選び幸先の良い出だし。しかし明大先発、星の150キロを超える速球を前に三者凡退で封じられる。

 

続く2回表、四球と安打で無死一二塁とピンチの場面。明大はここでバントを選択し、勢いの殺された打球が転がる。果敢に三塁へと投げたが、これが悪送球となり明大に先制を許す。嫌な流れは止まらず、四球を挟んでレフトへの痛烈なヒットを許し3点差。併殺打でアウトを2つ稼ぎ、流れを断ち切ったかに思えたがその後もエラーで追加点を許す。2回の時点で4点差と、序盤から点差をつけられる苦しい展開となる。

 

1番打者として2安打2四球と毎回出塁を果たした沓掛

1番打者として2安打2四球と毎回出塁を果たした沓掛

早い段階で点差を縮めたい慶大はすぐさま先頭の山本瑛大(商4)が安打を放ち、四球が絡んで得点圏に進む。しかし後続が抑えられ反撃の狼煙をあげることができない。その後も3回には沓掛、4回には山口翔大(環4)、それぞれヒットで出塁するも併殺打でなかなかランナーを進めることができない。

 

3回表からは髙橋佑に代えて小原大樹(環4)がマウンドに上がる。連投となったが、復帰初戦を三者凡退で抑えた勢いそのままにこの日も三者凡退スタート。6回までヒット1本、死球が1つと手早く守備を終わらせる。直球、変化球ともに冴えわたり、奪った三振は全て空振り三振。球数も少なく小原大の快投から攻撃のリズムを作ろうと画策する。

 

中盤は両軍ともに好投が続きスコアボードに0が並ぶ。そんな均衡が崩れたのは7回表、先頭打者に四球を許し、次の打者はバント。小原大はこの試合初めてランナーを得点圏に背負う。明大はここで慶大打線を力でねじ伏せてきた星に代打を送る。セカンド正面へのゴロを倉田直幸(法3)がさばき三塁へ送球し、アウトにする好判断。ピンチの芽を摘み取ったかに思えた。しかし四球を挟み再びピンチを迎えると、次打者のライトへ上がった打球は無情にも落ち5点目。ここで小原大はマウンドを降り、前日に先発した加藤拓也(政4)が後続を抑えた。

 

点差を離された直後の7回表、慶大にこの日最大のチャンスが訪れる。明大2番手の水野は代わり端で制球が安定せず、2つの四球。ここでたまらず投手を交代し、二死になるも沓掛がこの日4度目の出塁となる四球で満塁。一矢報いたい場面ではあったが後続が打ち取られ、この回も得点をあげられない。

 

2回を無失点に抑えた菊地

2回を無失点に抑えた菊地

8回から慶大はマウンドに菊地恭志郎(政2)を投入。東大2回戦でリーグ戦デビューを果たした右腕はこの日も絶好調。速球は140キロ代後半をマークし、安定した制球で追加点を許さない。投手陣が粘りを見せたものの、最後まで快音は響かず結果は無得点。優勝に向けて最大の壁に屈し、勝ち点を献上する形となった。

 

明大投手陣から7つの四球をもらったものの、得点に結びつけることができなかったこの試合。これは打線だけでなくチーム全体の課題といえる。序盤から点差をつけられてのビハインドでは相手にプレッシャーをかけることができない。「野手も投手も繋ぐという気持ちの徹底」と大久保秀昭監督が語るように投打がかみ合えばおのずと勝利は見えてくる。優勝戦線に踏みとどまるべく、1週間空けて挑むのは法大戦。明大戦での鬱憤を晴らすかのような快勝に期待したい。

 

記事:村上慶太

 

◆打撃成績

 

 

[5]

沓掛

四球

 

 中安

 

 

右安

 四球

 

 

[7]

重田

投飛併殺

 

 一ゴロ

 

 

 一ゴロ

二ゴロ

 

見三振

菊地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[8]

柳町

空三振

 

三邪飛 

 

 

 中飛

 

空三振 

 

[3]7

山本瑛

 

左安

 

空三振 

 

 四球

 

 四球

 

[9]

山口

 

投犠打

 

 右安

 

 中飛

 

投併殺

 

[2]

郡司

 

四球

 

 一直併殺

 

 

 四球

 

一ゴロ 

[4]

倉田

 

 捕邪飛

 

 

 遊ゴロ

 

 空三振

 

 

H

木村健

 

 

 

 

 

 

 

 

空三振 

[6]

照屋

 

 空三振

 

 

 二ゴロ

 

 

 

 

H3

清水翔

 

 

 

 

 

 

四球

 

右飛

[1]

髙橋佑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小原大

 

 

空三振

 

空三振

 

 

 

 

加藤拓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H

天野

 

 

 

 

 

 

 

 

 

H

明渡

 

 

 

 

 

 

空三振

 

 

瀬尾

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

●髙橋佑

11

54

小原大

4 2/3

18

78

加藤拓

1/3

菊地

24

 

◆監督・選手コメント

 

大久保秀昭監督

2連敗したということで、負けたらどんな試合でも悔しい。明大の投手は良かったが、昨日も2回までに2点、5回までに3点、今日も2回までに4点を失った。力のある投手を相手に3点、4点のビハインドは攻撃側からしたら1点ずつ返したいが簡単に出せず、しんどかった。沓掛が2安打4出塁したが、本来はあのようなバッティングができる選手なので、時間はちょっとかかったが続けて欲しい。投手陣は頑張ったと思う。四球が5個だったので、それをもう少し減らしてミスなくいけば明大を相手に2対0くらいの試合になったかもしれない。昨日もそうだが2点差だったらもう少しプレッシャーをかけられていた。レベルアップは確実にしている。菊地が頭角を現しているが、少しずつ経験を積みながら自信をつけてもらえたらいい。チームの立て直しはまず加藤拓がしっかり投げる。そしてミスを少なくすること。野手も投手も繋ぐという気持ちの徹底だと思う。連敗は痛いが、チームとしては最後まで戦う姿勢を見せ、応援してもらえるようなチーム作りをしている。結果で応えられず申し訳ないが、選手も頑張っているので、来ていただいた慶大ファンにこれからもよろしくお願いしますと伝えたい。

 

沓掛祥和副将(商4)

負けたというのが一番悔しい。ヒット二本、チャンスメークはできても得点に繋がらなかったのであまり良くなかった。相手のピッチャーはまっすぐ速くという印象だったのであまり大振りせずコンパクトに打ちにいこうと思っていた。全員勝負弱くチャンス一本打てないというのが敗因だと思う。ここから負けられない戦いなので2連勝できるように頑張りたい。

 

小原大樹(環4)

序盤の方は、春と比べると良くなっている部分もあった。ただ結局5点目を取られてしまって、流れを渡してしまった。次の試合まで2週間あるので、そこをしっかり突き詰めてやっていきたい。三回からの登板となったが、今日は投手をつないで、最後は勝っている状態で加藤(拓也=政4)に繋ごうという話だったので、しっかり準備は出来ていた。林助監督から、「最後の登板となってもいいように、悔いを残すな」と言われていた。僕自身も悔いを残さないつもりで投げたが、勝ちにつながらなかったので意味はなかったと思う。最終的にはまっすぐを打たれてしまったが、まっすぐを投げて打たれたことに関して悔いはない。その他の球種はまっすぐがあったからこそ活きたと思う。春はランナーを出してから崩れてしまうところが僕の課題だった。今はワインドアップとセットポジションで、どちらも同じフォームで投げられるように練習している。(慶大投手陣について)春と比べて一気に若くなったと思う。そういった意味では、僕と加藤は経験があるので、少しでも下級生のプラスになるアドバイスや、準備の仕方を伝えていければいいと思う。僕らはゼロに抑えて、得点に繋がるように流れを作ることが仕事だと思う。これからも辛抱強くゼロで繋いでいきたい。

 

菊地恭志郎(政2)

7回裏にこちらはチャンスを潰してしまったので次の回絶対0点に抑えなきゃいけないという気持ちで登板して強気に投げた。ブルペンから調子は良かった。練習の時から明治の打者をイメージしてやっていたため、いい形で相手の4番を三振に取れてよかった。チーム一丸でなんとか点を返そうとしていた。9回2アウト3塁のピンチは点を取られたら一気にチームの士気が下がってしまう。だからこのランナーだけは返さないように思い切って投げた。常に毎試合0点で抑えるということを意識している。相手はレベルが高く気を抜ける球はないので全力で投げた結果が0点につながった。ストライクを投げることをずっと意識してきたのでストライク先行の投球ができたことは良かった。捕手の郡司とは夏のオープン戦からずっと組んでいて配球は2人で話し合って考えてきた。リーグ戦でこれまでやってきたことを出せた。絶対にチームとして勝たなければいけない。もうあとがない。自分が投げた試合は絶対0点で抑えてチームとして絶対勝ちたい。

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