【ボクシング】完封勝利で宿敵下す 第71回関東大学ボクシングリーグ戦第1節 vs明大

昨年度2部リーグを3位(Aクラス)で終え、12月の早慶戦でも2連覇を果たした慶大ボクシング部。いまとても波に乗っている慶大は今年もAクラス入りを目指し、5月12日にリーグ戦の初戦を迎えた。初戦の相手は長年の宿敵である明治大だった。慶大は、軽量級で連勝すると、井上・松木らがRSC判定で勝利しストレートで明大戦を制した。その後も勢いは止まることなく完封勝利を達成し、リーグ戦初戦を白星で飾った。

初戦に向けて意気込む慶大

 

2018年5月12日(土)

第71回関東大学ボクシングリーグ戦 vs明大@後楽園ホール

階級

勝敗

慶大選手名

 

相手選手名

LF

古山皓介(環2・新潟江南)

5-0(30-27,29-28,29-28,29-28,30-27)

久保田辰寛

 

F

桑満隆生(文2・慶應義塾)

5-0(30-27,30-27,30-27,30-27,30-27)

工藤洸弥

 

B

井上慈元(総3・広陵)

RSC2R3’00

 

笹谷建公

 

L

松木健太(総1・鎌倉学園)

RSC2R2’09

 

犬島峻平

 

LW

森瑞季(経4・福島成蹊)

ABD1R0’49

 

入澤心太

 

W

北岡秀石(経2・清風)

5-0(30-25,30-26,30-25,30-26,30-26)

松田拳栄

 

M

林麟太郎(経4・慶應義塾)

5-0(30-27,29-28,30-27,30-26,30-27)

 

高梨正太郎

 

 

 

力強く拳を放つ古山(環2)

 関東大学リーグ戦初日を迎えた後楽園ホールは、多くの観客が集まり、慶大応援席には満席になるほどの多くの応援団が駆けつけた。明大を圧倒するような大声援を受け、第1試合ライトフライ級に登場したのは、古山皓介(環2・新潟江南)だ。1ラウンド、相手のクリンチが多く動きづらさを感じながらも、軽いフットワークで早くも試合の主導権を握る。続く2ラウンド中盤、ワンツーを着実に相手がよろつき膝をつくほどの右ストレートを当て、反撃の隙を与えない。素早いワンツーをキープしながら、3ラウンドでは、切れ味抜群のストレートを幾度も繰り出し、5-0で判定勝利。1試合目で勝ち点をとり、慶大のボルテージを一気に上げた。

 

 

長いリーチを活かす桑満(文2)

 第2試合のフライ級に登場したのは、桑満隆生(文2・慶應義塾)。慶大が毎年苦しんできた工藤洸弥選手が相手となり、ここでの勝負が今試合の結果を左右した。1ラウンドから長いリーチを活かして、相手の隙を左ストレートできちんと捉え優性に試合を進める。しかし2ラウンドでは相手も盛り返し、互いに警戒するようなプレーが続くが、ジャブを重ねペースをこちらに戻し、右のフックの有効打を当てる。3ラウンドでは途中疲れが見られた場面もあったが、最後まで力を出し切り、判定へ。手数を上回った桑密は5-0で判定勝利。試合の流れを慶大へ寄せてきた。

 

 

RSC判定で勝利を掴んだ井上(総3)

 すると、ここからの慶大の勢いは圧倒だった。続く第3試合のバンタム級には、3年ながら今年度副将の井上慈元(総3・広陵)が登場。1ラウンドでは、相手の攻略法を探りつつジャブを重ねていき、狙いを定めてキレのあるストレートを放つ。そして、2ラウンド開始直後鈍い音がする右フックを放ち、そのままリング脇まで追い込んだのちにダウンを獲得。相手が持ち直し試合再開となるが、その後放ったアッパーで立て続けにダウンを獲得。RSC判定で井上が勝利を勝ち取った。ここで、慶大は3つの勝ち点を得て、リーチとなる。

 

 

後楽園デビューを果たした松木(総1)

 慶大勝利に王手をかけた第4試合のライト級に登場したのは、松木健太(総1・鎌倉学園)。インターハイ出場経験もある松木は、この日が後楽園デビューにも関わらず、堂々とした試合を展開する。1ラウンドでは互いに力強い拳が交わるも、アッパーをしっかりと当て、相手に印象づける。続く2ラウンドでも攻めの姿勢を保ち、1分でダウンを獲得。その直後にも素早い左フックを当て2度目のダウンを獲得。RSC判定となり、松木はリーグ戦初出場を白星で飾った。同時に、ここで慶大の勝利が決まり、毎年切望してきた明大戦勝利を手にした。

 

 

 

主将そして4年生としての意地を魅せた森(経4)

 勝利が決まってからも、慶大の勢いは止まらない。続いて第5試合のライトウェルター級に登場した今年度の主将、森瑞季(経4・福島成蹊)は試合開始直後、4年生の意地を見せ、フィジカルで攻めにかかる。リング脇に追い込み2度のダウンを獲得すると、セコンドからタオルが投げられABD判定。わずか50秒で試合を終えた。

 

 

 

 

熱いボクシングを貫いた北岡(経2)

 

 第6試合のウェルター級には、北岡秀石(経2・清風)が出場。力のこもった左ストレートの一撃が印象的な北岡は、1ラウンドから相手の動きをきちんと捉え、左ストレートを打っていく。気持ちを前面に押し出したボクシングで、2ラウンドでは前進し続け、粘り強く打ったフックを浴びせた。3ラウンドでも熱いボクシングで攻めの姿勢を貫き、手数で上回った北岡が判定勝利を獲得した。

 

 

 

鋭い拳を振るう林(経4)

 そして最終試合のミドル級には、林麟太郎(経4・慶應義塾)が出場した。リーグ初戦を完封勝利で飾れる可能性が見えてきた慶大応援席は、一層盛り上がる。林もそれに応えるように1ラウンドから鋭いワンツーで相手を攻撃し、ダメージを与えていく。2ラウンドでは追い打ちをかけるように、ボディとフックを組み合わせて攻めていくが、3ラウンドで相手が盛り返してくる。しかし、林も負けじと力を振り絞り、拳を放っていき、勝敗は判定へ。結果、粘り続けた林が5-0で勝者となり、慶大はリーグ戦初戦で完封勝利を果たした。

 

 

 今季のリーグ戦の行方を占う初戦で、見事完封勝利を達成した慶大。今回の結果について森瑞季主将は、「長年苦しんできた軽量級が補強されて、全体的にバランスのとれた選手層になった」と語る。これまで慶大が常に意識してきた「チームとしてのボクシング」を今年度はより一層体現しつつあるのだ。それが今回結果として現れたのは、彼らにとって自信と強みになっただろう。次節の対戦相手は、日本体育大学だ。この勢いをとどめることなく、次節でも発揮してくれることを期待したい。

(記事:佐野ちあき 写真:津田侑奈)

 

 

以下選手コメント

森瑞季(経4・福島成蹊)

(今日の自身の試合を振り返って)今日はフィジカルでいっちゃったという感じで、相手が大学始めで後楽園デビューの1年生だったので、4年生の意地を見せようかなと思いクロスを振りました。(慶大としての試合を振り返っては)全員とても良い試合をしたと思いますが、特にキーパーソンだったのが、フライ級の桑満が勝ってくれたことが一番よかったと思います。相手が工藤選手という毎年慶大が苦しんできた選手だったので、軽量級がいつも弱かった僕たちにとって桑満と古山がとれたことは今日の勝利につながりました。(今年の慶大は選手層が厚いと感じました)軽量級が補強されて、例年よりは厚くなりました。田中和樹選手(2016年度主将)のような圧倒的な強さを持つ選手はいないですが、全体的にバランスのとれた形になっています。(リーグ戦に向けて準備してきたことは)自分の強みを活かすところを意識してきました。自分は大学から始めたので1部リーグの選手のような強さを持っていないですが、フィジカル面を鍛えてちょっと泥臭くてもいいので、しっかりスタミナと力強さで勝つボクシングを意識して練習をしてきました。今日はスタミナの部分は試合では見せられなかったのですが、きちんと鍛えてきたので、自信を持った安定した状態で臨むことができました。(次節に向けて)次回もベストメンバーで臨んで、勝ちたいと思います。

 

松木健太(総1・鎌倉学園)

(今日の試合を振り返って)1ラウンド目の30秒は、初めての後楽園ということもありガチガチになっていたんですけど、そこから徐々に慣れてきて、2ラウンド目は自分のスタイルでいけたかなと思います。(大学デビュー戦であった今日の試合にどんな意気込みで臨みましたか)前の3人の先輩方が全勝してくれていて、僕でリーチがかかっていたので、自分で決めるという意気込みで臨みました。(4年生相手に緊張しましたか)学年は関係ないので、そこは大丈夫でした。(今日のプレーのプランは)今日はボディーを打ってからフックに返すというコンビネーションを意識していたのですが、初めての後楽園でガチガチになったのもあって、あまりそれは出なかったかなと思います。(今年度のリーグ戦の目標は)今回自分が出る試合は全勝するという意気込みで、またチームでは2年連続2部Aクラスを目標にしているので、それに貢献できるように頑張っていきたいです。(次戦の日体大戦に向けて)相手選手は結構強いのですが、気持ちで負けなければ勝てると思っているので、今日の勢いのままいきたいと思っています。

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