アメフト早慶戦直前取材、第1弾は坪井祐太朗(政4)。坪井選手はディフェンス時にDB(ディフェンスバック)として出場するだけではなく、一年の時からスターターとしてK(キッカー)も任されている。今年の早慶戦は昨年同様僅差の試合になると予想されており、彼のFG(フィールドゴール)が勝敗を分けるターニングポイントになるかもしれない。今回はアメフト初心者の方でもわかるポジション解説を含め、昨季を振り返ってのお話や早慶戦への意気込みを語っていただいた。
―まずは簡単に自己紹介(アメフト歴など)をお願いします
慶應義塾大学体育会アメリカンフットボール部の坪井祐太朗です。大学からアメフトを始めました。CB(コーナーバック)としては去年からスターターで、Kとしては一年からスターターで出ていました。KとしてはFGとトライフォーポイントを蹴ります。
―それぞれのポジションの解説をお願いします
CBは基本的には1対1が多いポジションです。とくに、相手になるのは敵のスピードの速いWR(ワイドレシーバー)なので、それに負けないスピードだったり瞬発力だったり、身体能力の部分が一番求められるポジションです。ディフェンスの中では職人というか、少し孤立していて、周りの助けもあまり無く、本当に1対1で勝たなければいけないそういう責任の大きいポジションです。
Kに関しては、数少ないチャンスの中で、1回しか蹴るチャンスがないので、それを決めなければいけない責任重大なポジション。接戦になればなるほどFGの3点だったり、トライフォーの1点だったりが大きな差になってくるので、そういうところで大事になってくるポジションです。どちらのポジションも後ろに誰もいないので責任感があります。
―そのポジションにおいて気をつけていることは
CBに関しては、気をつけていることというか、1対1なので攻撃的に、自分から攻める。後ろに誰もいないというのはあるんですけれど、そんなのは恐れずに、1対1で果敢に挑んでいく。
Kに関しては、もう単純に、絶対外さないようにやるっていうだけです。
魅力……ですか(笑)そうですね、あえていうなら、スピード・瞬発力があって、負けず嫌いであれば、ぜひともCBをやるべきです。 Kは、高校までサッカーやってたんですけど、キックに自信があれば是非(笑)
― 昨シーズンを振り返って
昨シーズンは早慶戦に5年ぶりに勝って、チームとしてはそれまでは良かったのですが、少し浮足立ってしまって、春に中大に負けてしまった。そこから一応立て直して秋に行ったのですが、日本一を目標と掲げていた中で、天王山となった日大戦と法大戦で、特に全勝対決だった日大戦で完敗してしまい、本当にいつもどおりな感じで終わってしまいました。強豪相手に惜しくも負けてブロック3位で。毎年の慶應の癖というか、弱いところには普通に勝てるのに、強豪相手になるとやっぱり勝てなかった、といういつもどおりの慶應というシーズンになってしまいました。
―なぜ強豪相手に勝てなかったのか
多数の細かいミスや、今までやってきた自信というのが、強豪相手には通じなかったというのがありました。いつもだったらできるプレーが強豪相手だったらできなくて、試合の中でどんどん自信を失っていったのかな、と思います。
―改善点はどこになりますか
就活の面接みたいですね(笑)秋が本番なのでチームも、春は強いところと(試合を)組んでいる。そういったところでいつも通りの慶應のプレーができるように、そして恐れずにプレーするための練習をしっかりする。そこで自信をつけて、秋そのままのプレーができるようにやるしかないと思います。
―具体的にディフェンスで強化していく点は
個々で、相手に負けないように力をつけていくこと。毎年課題に挙がるのは、フィジカル。フィジカルの部分で負けないようにするのと、あとはタックル。一人がタックルをミスすると、そのままゲインされてしまう。タックルミスがうちは多いので、一人で仕留められるようになる巧さというのが大事になってくると思います。
―話が変わりますがユニコーンズ内のライバルは
それはいますよ!去年からずっと争ってきたんですけど、一個下の後輩の松崎(経3)がライバルです。今年はCBとして2人共出場しているのですが、安心せずにチーム内では常にトップのCBでいられるようにします。松崎には負けないように、これからもがんばっていきたいと思います。
―松崎選手のすごい点とは
松崎のすごい点はもうそれはいっぱいありますよ。やはり何といっても圧倒的なスピードと瞬発力、あとはやはり経験値ですね。日本代表の経験もありますし、高校からずっとやっているし、世界を知っているので。世界の松崎なので(一同爆笑)
―今年大注目の選手を教えてください
DL(ディフェンスライン)の唐神選手(経2)です。今年は一気に化けてスターターをとるのではないかと。練習で見ていてもチームで一番強いし、すでに試合に出て活躍しているので、化けるんじゃないかと思っています。
―今のチームの仕上がりは
まだ試合を一回この前専修とやったばかりで、ほかのチームがどんな感じかはわからないのですが、まぁ悪くないという感じです。専修という1部のチームに50-0で完勝し、ディフェンスはボールをたくさん奪い0点に抑えられた。早稲田とやって仕上がりは初めてわかると思いますが、まぁ悪くはないというところですね。ただチーム内に4年でも甘い奴はいるので、詰めの部分でまだまだかなと思いますが。
―芦名前主将(商卒)が抜けた穴については
ディフェンスに関してはスターターが結構抜けて、どうなるかなぁと思ったのですが、末富主将(経4)や大橋ディフェンスリーダー(経4)を中心に、去年よりは全然ですが、新しい奴らと徐々に徐々にいい形が作れていっているんじゃないかと思います。
―坪井選手自身のコンディションは
最高です。就職活動も無事決まったので(一同拍手)、メンタル的にもバッチリです。
―話を早慶戦に移しますが今年の早大の印象は
去年の関東チャンピオンなので、相当強いと思っています。去年早慶戦には勝ったのですが、末吉選手が出ていなかったので勝てたと自分では正直思っている。今年は彼も最終学年で相当気合いいれてくると思うので心してかからないとまずい相手だな、と思っています。
―早大で注意する選手は
もちろん末吉ですね。あとは名だたるWRが3-4人いるので、CBとしては末吉だけでなくWRにも細心の注意を払ってしっかりやっていきたいと思っています。
―早大にライバルはいますか
そんなに意識はしてないですね。対面に来たレシーバーに注意するだけです。あえていうならDBにひとり、坂梨選手というすごい奴がいるのでそいつには負けたくないかな、というのは多少あります。
―慶大が早大に勝っている点は
OL(オフェンスライン)は相当強いんじゃないかなと思う。後はスピード。特に徳島選手(政4)。彼は早稲田相手にも通用する全国区のスピードかな、と思います
―逆に早大が慶大に勝っている点は
1番はやはり経験。去年最後までいっているという経験と、あとフィジカルですね。
―早慶戦においてキープレーヤーとなる選手は
徳島と末富主将。キャプテンがいかにチームを鼓舞できるか。キャプテンがいかに末吉を止めるか。あと大橋ですね。オフェンスは徳島を中心としたQB陣、あとはOLがいかにコントロールできるか、ですね。
―早慶戦の展望は
難しい試合になると思う。フィジカル的にも精神的にも。去年も相当僅差で、まぁ早慶戦は毎年僅差になるので、一筋縄にはいかない競った試合になると思います。差はキックでつく。あと細かいミスが多い方が負けると思います。
―最後に早慶戦への意気込みをどうぞ
スポーツを本気でやるのは今年が最後になるのかな、と思っています。そういった意味で、慶應にずっといて、早稲田には絶対に負けられないという意識を常にもってやってきた。なので早慶戦だけは、早稲田だけには絶対に負けられないのが慶應だと思うので、必ず勝ちたいです。
By Masanosuke Kondo
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