【ボクシング】格上相手に攻めきれず 第71回関東大学ボクシングリーグ戦第3節 vs法大

会場中に熱いファイトをみせた武智(環1)

 リーグ戦も早くも折り返し地点を迎えた。慶大はここまで1勝1敗で、3位についていた。今回の相手は、昨年2部リーグで2位、そして今季は現在トップを走る法政大だ。強豪ぞろいの相手校にどこまで食いつくことができるかが、勝負の鍵を握った。しかし、慶大は攻撃のチャンスを得ることができないまま、多階級でRSC判定が下る。ライト級の武智琉馬(環1・新田)やウェルター級の重増耕太郎(法4・県立千葉)は最終ラウンドまで熱戦を繰り広げたが、惜しくも判定負け。結果、慶大は勝ち点をあげることができないまま、法大戦を終えた。

 

 

2018年6月9日(土)

第71回関東大学ボクシングリーグ戦 vs法大@後楽園ホール

階級

勝敗

慶大選手名

 

相手選手名

LF

竹内大祐(理2・慶應湘南藤沢)

RSC  2R2‘15

 

田中佳斗

 

F

宮内龍ノ介(法4・慶應湘南藤沢)

ABD  1R1‘25

 

杉本聖弥

 

B

江嵜歩人(法3・開智)

0-5(18-20,18-20,18-20,18-20,18-20)

鈴木魁人

 

L

矢野健太郎(理4・西大和学園)

RSC  1R2‘02

 

貫井侃偉斗

 

LW

武智琉馬(環1・新田)

2-3(28-29,29-28,29-28,28-29,28-29)

山川宗一郎

 

W

重増耕太郎(法4・県立千葉)

0-4(26-30,26-30,28-28,26-30,26-30)

佐藤脩斗

 

M

相馬一輝(法3・栄光学園)

ABD  1R0’58

 

森脇唯人

 

 

 今回の慶大は、苦戦を強いられることとなった。まず第一試合に登場したのは、ライトフライ級の竹内大祐(理2・慶應湘南藤沢)。1R、細かいジャブをつきながら攻撃のチャンスをうかがうが、先手を取られてしまい、守備に徹する。試合の流れを掴みたい2Rだったが、力強い攻撃に耐えることができず、残り45秒のところでダウンをとられ、RSC判定となる。続くフライ級の宮内龍之介(法4・慶應湘南藤沢)も1RでRSC判定となり、慶大に暗雲が立ち込める。

 第三試合は、バンタム級の江嵜歩人(法3・開智)が登場。身長差がある相手に対し、1Rの始めでは手数の多さで攻めるが、途中から落ち着きを持った試合を展開。攻守をうまく切り替え、体力を温存しながら、2Rに臨む。しかし、2R開始40秒で、熱がこもった拳が交わされたところ、当たりどころが悪く、互いに頭を負傷してしまう。その後試合を続行することができず、不完全燃焼のまま判定負けが下されてしまった。

怪我により惜しくもリングを離れることになった江嵜(法3)

 あとがなくなった第四試合のライト級に登場したのは、矢野健太郎(理4・西大和学園)だ。しかし、相手の振り下ろすような重いクロスに体力を奪われ、なかなか思うように試合運びをすることができず、1RでRSC判定となり、敗北に喫した。同時にここで、慶大の敗北が決まった。

 第五試合のライトウェルター級に登場したのは、前節から唯一連続出場をした武智琉馬(環1・新田)だ。「今回は前回の反省点を生かして、手数を増やし自分から攻めることができた」と試合を振り返った武智は、1Rで強気な姿勢で積極的に前進し、相手の隙を見つけてはアッパーやボディを狙ってダメージを与えていく。しかし、2R中盤、相手が徐々に盛り返し、武智はペースに呑まれそうになるも、きちんと応戦し手数を維持する。そして最終ラウンド、額にケガを負いながらも最後まで攻めの姿勢を緩めない熱戦が繰り広げられ、判定へ。結果は惜しくも2−3で、勝利まであと一歩届かなかったが、1年生ながら熱いファイトを会場に見せた。

 続いて第六試合は、ウェルター級の重増耕太郎(法4・県立千葉)が登場。1Rでは、細かく突かれるワンツーをフットワークの軽さでかわしつつ、大きく振りかぶって拳を放ち、試合をリードしようとする姿勢が見られた。相手も一瞬を逃さない様子で攻めのチャンスをうかがい、互いに譲らない試合が展開される。しかし2Rに入ると、なかなか流れをつかめない重増は苦戦を強いられる。相手の鋭いストレートにダメージを受けたのをきっかけにクリンチが増えてしまい、主導権を握れずにいた。その後3Rまで粘り続けたが、判定により敗北となってしまった。

 そして最終試合のミドル級に登場したのは、相馬一輝(法3・栄光学園)だ。相手は昨年全日本選手権で優勝を果たした森脇唯人(法4)だった。強豪相手に圧倒されてしまった相馬は、試合開始直後から距離をとってしまい、強烈なストレートを浴びたところでダウンを取られ、そのままRSC負けとなった。

3Rまで粘り強く戦った重増(法4)

 

 

 結果法大戦は0−7と、ストレート負けとなってしまった。格上相手にRSCなどが続出し、力を出し切る前にリングを降りることになってしまった階級が多かったのは残念であった。また、判定まで持ち込んだ武智や重増はあと一歩といったところだったが、攻めきることができなかったことが悔やまれる。リーグ戦は残り2戦。残る試合も厳しい試合になることが予想される。ここまでの前半戦を振り返り、後半戦に向けて新たな気持ちでリーグ戦に挑む姿を期待したい。

(記事:佐野ちあき 写真:伊藤史織)

 

 

以下選手コメント

 

武智琉馬(環1・新田)

今日の自身の試合を振り返って

デビュー戦のときよりは上手くというか、自分の力を出し切れたかなと思いましたが、まだ自分に足りない部分があって勝ち切ることができなかったのが、反省点です。監督も選手のみなさんも勝ちを期待していたんですけど、それに応えられなかったのは本当に悔しかったです。これからがんばっていきたいです。

デビュー戦から一階級下げての出場でしたがなにか理由はありますか

今回の相手との相性と、今後自分の主戦場をライトウェルター級にしたいという監督の意向もあってライトウェルター級で出場しました。この階級が自分のベースですね。

どんな点で自分らしい試合ができたと感じますか

デビュー戦で緊張していたこともあって、手数も少なく自分から攻めることができなかったんですが、今回はこの反省点を生かして、手数を増やし自分から攻めることができたので、自分の本来の力を発揮できたと思います。一歩前進したという気持ちです。

これから意識していきたいこと

リーグ戦で出場するチャンスがあるかはわからないですけど、まだガードが低いというところと、「高校生らしい」ボクシングから「大学生らしい」力強いボクシングへとスタイルを変えることができていないところです。なので今後は力強さを高めていって、相手を倒せるくらいのボクシングを目指していきたいと思います。

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