前節の東洋大戦で手痛い黒星を喫した慶大。入れ替え戦圏内の4位以内をキープするためにも、ここでの連敗は絶対に避けておきたい。この日の相手は2mの留学生ビッグマンを擁する明星大。勝利という結果はもちろん、前節全く振るわなかったオフェンスの部分での改善も求められる。果たしてこれまでの勢いを取り戻すようなバスケットができたのだろうか。
2018/9/19(水)@とどろきアリーナ | |||||
第94回関東大学バスケットボールリーグ戦第8節vs明星大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 18 | 22 | 21 | 22 | 83 |
明星大 | 21 | 15 | 14 | 11 | 61 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
#4 鳥羽陽介 (環4・福大大濠) | |||||
#6 小原陸(政4・慶應義塾志木) | |||||
#7 澤近智也(環4・高知学芸) | |||||
#8 吉敷秀太(政4・慶應義塾志木) | |||||
#10 髙田淳貴(環3・城東) |
1Q、まずは鳥羽のプルアップジャンパーで先制すると、続けて髙田が3ポイントやドライブからのバスカンで次々とポイントを重ねる。さらに吉敷の力強いドライブや、澤近の巧みなステップワークなどゴール下から得点を奪うも、前節に引き続き外のシュートが不発。形は悪くないもののリングに嫌われ、逆に相手の速攻やインサイドの攻めに押されリードを許してしまう。残り1分で吉敷との連携から小原がシュートを沈めるも、18-21で最初のQは終了した。
2Qも序盤はアウトサイドが決まらない苦しい展開に。しかし残り6分過ぎに澤近がロング2、鳥羽が3ポイントを沈めると、ようやくオフェンスが機能し始める。鮮やかなパス回しから髙田のゴール下や小原の3ポイントが決まり、32-30と逆転に成功。相手のタイムアウト後も勢いは止まらず、寺部勇佑(環2・洛南)と髙田の連続3ポイントで一気に点差を広げた。しかし終盤は再び反撃を許し、前節と同様リードはあるものの、どこかすっきりしない印象のままハーフタイムを迎えた。
迎えた3Q、慶大は鳥羽と髙田が爆発。この日再三見せてきた流れるようなパスワークから、3ポイントやフローターを次々にリングに沈めていった。一方で守備でも工藤翔平(政3・慶應義塾)と髙田が完璧なブロックを決め、相手のインサイドを封じ込めた。残り5分には吉敷がオフェンスリバウンドからのシュートを連続で決め、持ち味を存分に発揮。終盤には甲谷勇平(環2・東山)の3ポイント、寺部のフリースローが決まるなどベンチメンバーも素晴らしい働きを見せ、良い流れで最終Qへ繋げた。
4Qも勢いそのままに、吉敷の合わせからの工藤のゴール下、髙田のカットインとドライブからのシュートで加点。さらに吉敷のハッスルプレーで繋いだボールを鳥羽が決めるという、開幕戦を彷彿とさせるシーンも飛び出し盛り上がりは最高潮に。最後は小原の3ポイントで13-2のランを締め、残り3分で74-54と勝利をほぼ決定づけた。終盤は得点王争いに加わる髙田にボールを集めると、それに応えるように得点を荒稼ぎ。終わってみれば83-61の圧勝となった。
前日の東洋大戦からしっかりと立て直し、特に後半はコートに立つ全員が自分の持ち味を発揮して伸び伸びとプレーすることができていた。前日はチーム全体で4本しか決まらなかった3ポイントが、この日は12本も決まったようにアウトサイドが復調したのも、2日後に迫る次戦を戦う上で自信に繋がるはずだ。その次戦は5勝3敗で並ぶ駒大との大一番。連戦続きで疲労もあるはずだが、今日の調子を維持することができれば、自ずと結果はついてくるはずだ。
(記事:徳吉勇斗、写真:内田貴啓・染谷優真)
鳥羽陽介(環4・福大大濠)
――試合を振り返って
昨日負けて切り替えて今日勝てたっていうのが、この一勝にはすごく意味があるんじゃないかなと思います。それをチーム全員でもぎとれたのは良かったと思います。
――オフェンスで意識したことは
やっぱり昨日決めるべきシュート、イージーシュートを落としてああいう展開になってしまったので、思い切ってシュート打っていこうというのと、相手がドライブにすごく寄ってくるので積極的にアタックして空いてる人が打とう、ということを意識していました。
――相手ビッグマンへの守備では
相手にセンターに対しての1対1の部分ではセンター2人使ってダブルチームで守ろうというのと、ディフェンスリバウンドがキーになると思っていたのでガード陣も飛び込んで取ろう、ということは意識していました。
――自身が昨日から修正できたところは
昨日すごくディフェンスにつかれて苦しい思いをしたので、自分がチャンスを積極的に作るのと、その作ったところで思いっきり打つということをひたすら意識してやっていました。
――今週は計4試合となるが疲労は
そうですね、ゲームタイムも長くなってきて疲れもたまっているんですけど勝たなければいけない相手なので、一勝一勝、勝ちを取りに行きたいなと思っています。
――次戦に向けて
駒澤はタレントも揃っていて強い相手だと思いますが、自分たちのバスケットをして勝利したいと思います。
小原陸(政4・慶應義塾志木)
――試合を振り返って
昨日の試合からちゃんと切り替えて自分たちの持ち味を出せたのが勝ちにつながったのかなと思います。
――昨日の試合からの改善点は
やっぱりディフェンスリバウンドがなかなか取れなかったのと、シュートの確率が悪かったっていうところで、今日は相手のディフェンスを崩し切って攻めることができたので確率の良いシュートにつながったと思います。
――相手がゾーンディフェンスを敷く時間が多かったが
基本的はセットプレーで、今まで確認してきたことを全員で意思統一しながら攻めました。
――良い試合ができたという手応えはあったか
そうですね。全員が気持ち良く攻めて、その中からズレを作って全員がノーマークでシュートを打てたので、本当に良い試合だったのかなと思います。
――次戦に向けて
試合が続いてキツい状態なんですけど、全員で意思を統一して勝ちに向かっていきたいと思います。
吉敷秀太(政4・慶應義塾志木)
――試合を振り返って
これまでリバウンドやディフェンスに重きを置いてずっとやってきたけど、昨日はそこが崩れてしまったと思います。でも今日はそこで崩れずに我慢できたのが、勝利以上に大きな意味を持っていると思います。
――前節から立て直せた要因は
前半は相手の7番にたくさん決められて我慢の時間が続いたけど、3Qの勝負所で相手のシュートが落ちたときに、それを全部拾えたのが良かったかなと。リバウンドで集中できていたと思います。
――自身もリバウンドにアシストに大活躍だったが
昨日は東洋の佐久間選手にやられてしまって悔しかったので、今日はリバウンドでチームに流れを引き寄せられて嬉しかったです。
――応援に来ていた前主将から何かアドバイスは
戦術的に細かいこととかは言われなくて、とにかくモチベーションや身体の部分を整えて頑張ってほしいと言ってもらいました。こうやって応援に来てくれるのはありがたいことですし、それだけ期待されている証拠だと思うので、より一層頑張っていきたいです。
――次戦に向けて
相手のチームカラーがどうであれ、自分達はリバウンドやディフェンスをハードにやるというのは変わらないので、連戦にはなりますけど、それが体現できるように気持ちとコンディションの部分をしっかり整えて、次の試合に臨みたいと思います。
髙田淳貴(環3・城東)
――試合を振り返って
昨日勝たなければいけない試合を落として、気持ちを切り替えることが難しい一戦でしたが、出だしから集中して昨日は入らなかった外のシュートも全体的に入って、最終的に20点差以上つけて勝てたということは良い形で終われたと思います。
――3Qで離せた要因は
相手の外国人がベンチに下がった中で、7番のシューターや2番のポイントガードを徹底して守れたので、相手が苦しいシュートを打つしかなくてリバウンドから走っていい流れでオフェンスができたことが良かったです。
――相手がゾーンディフェンスを敷いてくる時間が長かったが
ゾーンはどのチームもしてくるだろうと思っていて、普段の練習からゾーンアタックを練習してきました。前半は焦って思った動きができませんでしたが、後半はハーフタイムで意思疎通してやるべきことを決めたので落ち着いて攻められたと思います。
――次戦に向けて
次が駒澤と上武で強い相手ですが、2連勝するしないで2巡目のリーグ戦の戦い方が変わってくると思うので絶対に2連勝したいです。
寺部勇佑(環2・洛南)
――試合を振り返って
全員がやるべきことをやって、全員で勝ち取った勝利なので嬉しいです。
――初の3ポイントも決まった
シュートを全然リーグ戦に出ても打ててなかったので、今日やっと外から1本打って決められたのは、自分の中でも嬉しかったしみんなも喜んでくれたので良かったです。
――開幕前の対談でディフェンスを頑張りたいと言っていたが
相手の2番が、結構攻めてくるということで、エースガードで点取り屋ということだったので、厳しいかなとは思っていました。ただ自分がついているときは点も取られていなかったので良かったかなと思います。
――試合に出る中で見つかった課題は
まだパスの精度とかフィジカル面とかで課題があるので、そこを補えるようにこれから色々と考えながら練習をしていきたいと思います。
――次戦に向けて
次の2試合は絶対1部にあがるために負けられない試合なので、ひとりひとりが全力で、僕自身もチームに何か貢献ができるようにやっていきたいと思います。