【ソッカー男子】第3節 90分で「甘さ」ぬぐえず、まさかの敗北

集合

千葉に集合した慶大イレブン

4月24日(土)、千葉県総合スポーツセンター東総運動場にて、第3節順大戦が行われた。

試合内容は、李監督して、一言「甘い」。ミスに対する叱咤ではない。確かに残り5分のバックラインの油断は、失点につながる致命的なミスを生んだ。しかし敗因は、相手を崩しきることのできない85分にあった。3度口に出されたこの言葉からは、ペースを掴むも決めきれない、チーム全体の攻撃の緩さに対する不満が感じられた。

 

第84回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第3節

2010/4/17(土)11:30 KO@千葉県総合スポーツセンター東総運動場

慶應義塾大学0-2順天堂大学

{得点者} 後半44分原田開(順大)、後半45(+3)分天野純(順大)

山浦

ロングボールを送る山浦

試合は序盤から互いに何度かチャンスを掴む。慶大はU-19に選出された藤田(政2)らがサイドを崩し、中盤から縦に速いボールを供給してチャンスメイクを図る。しきりに裏を狙う順大も、8分にはGKのこぼれ球に天野純が詰めかけほぼノーマークでシュートを放つなど、ひやりとする場面もあった。対する慶大は28分、コーナーキックのクリアボールを拾った河井(政3)からパスを受けた山浦(商2)が正面へ切り込み右の川久保理へ。一端ボールを下げたボールに笠松亮太がダイレクトで反応。力強いシュートはわずかに枠の上へ外れたが、この一連の動きからリズムを掴み始めると、32分、33分にも山浦のFKなどからチャンスを掴み、前半終了間際の44分にも山浦のFKに笠松(総3)が飛び込んで得点の臭いを感じさせた。

川久保

キレのある動きでDFラインをかき回した川久保

だが、後半は両チームとも決定機を欠く膠着状態に。慶大はボランチの大塚(総3)に変え松下(総1)、FWの風間(商3)、森田(経2)を投入。中盤と前線の活性化を図る。30分過ぎからはペースを握りだしたものの、サイドを崩しても最後までつながらないもどかしい時間帯が続く。56分には、PA線上の中央やや左から放たれた順大のFW、井村雄大のFKがポストを叩くあわやのシーン。しかしその後は互いに冷やりとする展開もなく、刻々と時間が過ぎていく。

そして試合が動いたのは、残り時間も少なくなった89分だった。

GKの中川(総3)は、ゴール前に放り込まれたボールに対して自ら対処しようと前に出た。ところが、CBの笠松は前を向いたままバックヘッドでクリア。2人が交差し、ぽっかりと空いたゴール前のスペースにボールが落ちる。さらった順大の原田開の前に障害は何もなかった。呆気なくシュートが決まる。

さらに、その4分後のロスタイム。最終ラインからフィードのタイミングを図る三上(政4)が右に2人交わし、中央から右前へパスを出す。ところがそのボールがペナルティーエリア付近でカットされるを見るや否や、危機を察知した三上はすかさずカットしようと足を出してしまう。判定はファール。蹴り放たれた天野純のフリーキックは、鋭い直線上の軌道を描いて力強く慶大ネットを突き刺した。それまで鉄壁とも感じさせる強固な守りを築いていたデフェンスラインは、些細な連携ミスが引き金となってあっけなく崩された。0-2。時間して約5分。あっという間の連続失点劇だった。

「結果が全て」(三上)という現実が突き刺さる。内容では押していたとはいえ、結果は数値のみで記される。「1点取っておけば全然問題なかった試合」(李監督)。敗因は、随所に甘さが感じられた攻撃の緩さにあった。「得点に繋がるプレーの精度を上げていかないといけない」(藤田)と選手らも反省点を口にした。

次戦は、昨年インカレ出場枠をかけて一騎打ちの戦いを繰り広げた駒沢大。「とにかく次の1試合に向けて全力で準備していきたい」と話す主将のもと、シビアな攻撃で今年こそ因縁の相手を打破したい。

By Shina Hatano

コメント

李監督

一言でいうと甘い。(どういった部分が)全部。内容は試合ではうちが足らなかったかもしれないが、攻めていた時間のラストのパス、クロス、シュートなど。このくらいでいいみたいな中途半端なクロスをあげたり、これはというところでミスしたり、パスも。そういったところが結果につながった。ちゃんとここで1点取っておけば全然問題なかった試合。甘さが出た。 (DFに関しては失点シーン以外の連携はとれていたが)それがサッカーの怖さ。1つのミスで結果が変わる。0ー0、勝ち点1取っとかないといけない試合だった。全ては結果です。(3試合終えて手応えを感じた部分は)去年と少し違った形で挑戦しようと思ってて、3ボランチとかそういったところはチャレンジしている。一応2勝しているから、もうちょっと自信持っていいんじゃないかと思うんですけど。今日に関しては本当に勝たなきゃいけなかった。まぁうちも先週早稲田に勝ったりしたたけれど、それがサッカーなので。まだまだどこかに隙があったかもしれないし、そういった意味で意識するものとかやり方とかを修正して臨みたいと思う。甘い。甘い。(田中選手の復帰は)来週あたりだと思いますけど、金房も悪くないので。

三上主将

(振り返って)結果が全てだと思う。内容ではずっと(後半は特に)自分たちがペースを握れていたが、結局サッカーで大事なのは結果なので、今日は負けということでそれだけの実力しかなかったということ。真摯にこの結果を受け止めてまた次に取り組んでいきたい。(失点シーン以外のDFの連携に関しては良かったと思うが)必ずミスはあるものなので。DFとしてはああいうミスはなくさないといけないが、試合をやっていれば必ずミスはある。みんなで正していかなければならない。(逆にペースを握りつつも攻めきれなかったチームとしての要因は)今日に関して言えば、サイドは崩せてクロスも何本も入れられたが、それが結局シュートやゴールに繋がらなかった。クロスの精度だったり入る人の精度だったり、そういうところをもう一度練習で見直していかなければならない。(3戦を終えた時点での主将としての実感は)始まったばかりなので、2勝1敗っていうのも全然考えてないし結果も全然気にしてない。3戦振りかえってどうっていうよりも、とにかく次の1試合に向けて全力で準備していきたい。(昨年はインカレ争いを演じた駒沢との試合に向けて)例年に比べてボランチにボール持てる人が入って、今までのようにどんどん蹴ってこないで、ちょっとサイドに散ったりしてサイドから放り込んでくるというような印象を開幕戦見ていて受けた。ちょっとやりずらいという風には思うが、しっかりとひとりひとり戦って一個目空中戦で勝てなくてもセカンドを集中して拾うとか、そういうところを集中して出来れば自分たちのペースになるかなと思う。意識していきたい。

笠松選手

(ふりかえって)あれだけ攻めていた中で点が取れずに、最後にああいうミスをしてしまったということは自分個人としても本当に致命的で。自分としては直さなければいけない、集中しなければいけない部分だったなと思いますし、チームとしても決めるところは決めないといけないとわかった試合かなと思います。(ただ、最後の5分をのぞけば、DFラインはかなり安定していたと思うのですが、手ごたえなどは)あれだけ攻めていて、カウンター1本きりというのは、そこまでは集中できていたということだと思うんですけれど…そうですね、85分まではしっかりできたのかなと思います。(監督は敗因は「甘さ」と言っていましたが、具体的にどう思われますか)準備段階での甘さであったり、球際での甘さであったり色んな部分でそれが出た試合だったと思うんで、気持ちの部分だったり、準備の段階から、甘さというもの、どれだけ甘かったのかということを意識して修正していきたいと思います。(駒大戦に向けて)今回は負けてしまったんですけれど、一試合一試合を見て、その相手に勝つということが一番大事だと思うので。今回あったことはきちんと心に受け止めて、もう1回甘かったということを意識して全力で勝ちに行こうと思います。

川久保

(今日の試合を振り返って)チャンスは何度もあったけど、決めるべきところで決められなかったのが痛かったです。(ドリブルが冴えていたが)確かに自分でチャンスは作れていたが、決められなかったので…。ただ自分のプレーは前の2試合よりも良くなっているので次はゴールを決めたい。(ゴールを奪う為に必要な事は)最後の詰めのシーンで絶対に決めるんだという気持ちを持つことが必要かなと思います。(次節、駒大戦に向けて)今日の反省を生かして、もう一つ精度をあげないといけない。ゴールを奪って勝ちにいきたいです。

藤田

(今日の試合を振り返って)本当に遠くから応援にきてくれた部員の思いとかもあったので勝ちたかったのですが、ふがいない結果になってしまい申し訳ないです。(攻守に貢献していたが自身のプレーについて)センタリングの精度が低かったり、点に絡むプレーが出来なかった。最後得点に繋がるプレーの精度を上げていかないといけないと思いました。(昨年と比べ、得点が少ないイメージがあるが)去年とは別のチームで、今年のチームカラーなので。しっかりと守って、縦に早くというのが今年やりたいサッカー。(次の駒大戦に向けて)去年は駒大とインカレをかけて争ったが負けてしまったので、その借りを返したいと思います。

慶大メンバー

GK 中川翔太(総3)

DF 黄大城(総3)

DF 笠松亮太(総3)

DF 三上佳貴(政4)

DF 金房拓海(商4)77分→森田達見(経2)

MF 藤田息吹(政2)

MF 大塚尚毅(総3)65分→松下純土(総1)

MF 山浦公裕(商2)

MF 河井陽介(政3)

FW 川久保理(理2) 69分→風間荘志(商3)

FW 深澤良(理4)

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