春季リーグ第2戦の相手は昨秋3位の法大だ。昨春0−2で敗戦しており、気の抜けない相手ではあったが、法大が先制した2点を、MF吉川大地(政4・慶應)が取り戻し、さらに先週に引き続きFW前多亮佑(経3・慶應)がフィールドゴールを挙げ逆転。最後まで手を抜くことなく戦い抜いた慶大は、3−2でこの試合を制した。
平成31年関東学生ホッケー春季リーグ Bプール
4/13(土) 14:45試合開始 @駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 |
法大 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
スタメン
GK 小川慶人(経2・慶應)
DF 望月慎之介(経3・慶應)、安田武大(政3・慶應)、高橋駿(政2・慶應)、飯室隼(経2・慶應)
MF 吉川大地(政4・慶應)、田畑智哉(政2・慶應志木)、中山正暉(経2・慶應)
FW 竹内佑太(政4・慶應)、前多亮佑(経3・慶應)、藤井貴士(経3・慶應)
先週とは打って変わって、強い日差しのもと行われたこの試合。昨秋、大健闘を見せた早慶戦でも使用した駒沢の地で、再び慶大が意地を見せる時が来た。
第1Q。序盤こそ慶大ペースではあったが、徐々に自陣に追いやられ、8分には法大にシュートを許してしまう。しかし、ここはGK小川慶人(経2・慶應)がセーブし得点とさせず。しかし、10分、サークルインした法大は混戦の中からそのままシュートし先制点をあげた。なかなかマイボールにできない慶大は、取り戻すことができずにこのQを終えた。
流れを変えたい第2Qは、2分、再び法大にチャンスが巡りサークルインするも、DF安田武大(政3・慶應)がうまくサークル外へボールをかき出し難を逃れた。6分には、慶大も敵陣へ侵入し、FW竹内佑太(政4・慶應)がボールを手にするとシュートを放つ。これは法大GKにセーブされたが、ここで慶大はPCを獲得。MF吉川がシュートしたが、またも法大GKが立ちふさがり、得点ならず。とはいえ、法大に取られていたペースが少しずつ変わり、攻守を激しく入れ替えるようになるとここでこのQは終了。依然1点ビハインドで後半に突入する。
急展開を見せた第3Q。2分、法大が獲得したPCで追加点を挙げ、差を広げられたと思ったのもつかの間、4分、DF望月慎之介(経3・慶應)のロングパスを受けたMF中山正暉(経2・慶應)がサークル内のMF吉川へパスするとそのままシュートし、待望の得点を挙げる。勢いそのままに5分、獲得したPCでまたもMF吉川が得点し、ついに同点となった。追加点がほしい第3Q終盤、MF中山のシュートが外れたものの、そのボールをキープしていたMF田畑智哉(政2・慶應志木)が、それをFW前多に渡すと、FW前多がゴールに押し込み慶大が逆転。このQだけで3点をあげた慶大は、勢いそのままに最終Qへと突入する。
運命の第4Q。流れを壊したくない慶大は、序盤から攻めにかかる。2分には、MF中山が軽々とボールを運び、サークルインするとシュートを放つ。これは得点とならなかったが、その後も攻撃の手は一切緩めない。一時数的不利となる場面も発生し、慶大ペースを崩されかけた。しかし、6分に法大に与えたPCでは、GK小川の好セーブにより、得点とさせない。その後もところどころ迎える危機にも、DF陣の堅い守備が光り、得点を動かすことなく試合は終了。2−3で慶大が念願の今季初勝利を収めた。
先週に引き続き得点を決め、さらには今回勝ち越し打を放ったFW前多は、「最高すぎました」と得点シーンを振り返り、来週の東農大戦についても「また自分が点を取って、上位進出を決めたいと思います」と前向きなコメントを残した。来週はいよいよプール最終戦の東農大戦だ。昨年は春秋2度の敗戦を喫した相手ではあるが、先週の試合では、法大に2−3のスコアで敗戦している。6点差での敗戦からわずか1週間でここまでの調整を行った慶大ホッケー部であれば、来週迎える因縁の東農大戦で、今回こそ勝利を収めてくれるに違いない。春リーグ折り返しとなる次戦も、決して目を離せない。
(記事:津田侑奈/写真:五十右瑛士、澤田夏美)
次戦 4/20(土) VS東農大
13:00 試合開始 @駒沢オリンピック公園総合運動場第一球技場
◎関東学生ホッケー春季リーグ Bプール 星取表
| 慶大 | 明大 | 法大 | 東農大 | 勝ち点 | 得失点差 |
慶大 | × | ●2−8 | ◯3−2 | 4/20 | 3 | −5 |
明大 | ◯8−2 | × | 4/28 | 4/14 | 3 | 6 |
法大 | ●2−3 | 4/28 | × | ◯3−2 | 3 | 0 |
東農大 | 4/20 | 4/14 | ●2−3 | × | 0 | −1 |
以下、コメント
吉川大地(政4・慶應)
——今日の試合を振り返って
立ち上がりは思った通りとはいかなかったんですけど、そこで自分達のやろうとしていたことを貫けたのが良かったなと思います。
——やろうとしていたこととは
自分たちの意識している、1対1の止め方だったりとか自分たちのプレスの形などを試合の緊張感の中でも変えない、そういうことを課題として今回の試合望んでいました。それを崩さずに続けられたことはこの試合の収穫です。
——後半開始直後の2得点、何か攻め方を変えたのか?
攻めの形を少し変えました。チームとして決めていたことなんですけど、試合の中でどういう風に組み立てれば自分達の強みが一番出せるかということを意識しながらやったのが練習でやっていた通りに上手くハマった試合でした。
——4Q、しのぐ時間が続いたがチームとして意識していたことは?
自分たちで決めたこととしては、点数を取られないように、という守りの姿勢にならず、攻撃は最大の防御と言いますけども、しっかりと攻める姿勢を崩さないように、というのは共有していました。
——次戦は因縁の東農大、意気込みなど
勝って上位リーグに進むのが目標です。自分たちは春リーグで上位に進出して、最終的に王座に進出することが一つの目標でもあるので、そういった意味でも通過点としてこのリーグ、そして決勝トーナメントも取り組んでいきたいと思います。
前多亮佑(経3・慶應)
——今日の試合を振り返って
1・2Q目が受け身になりすぎて、3・4Q目で自分たちが敵陣に行って、プレッシャーを与えるホッケーをしました。3Q目にコーチから話があって、それから修正して、自分たちの持っている得点力の自信を成果につなげることができた試合だったと思います。3点取れたことと、逆転できたのが良いと思いました。
——前後半で慶大のプレーの雰囲気が変わりましたが
僕たちはハーフプレスと言って、自分たちが引き気味で相手の攻めを受けるという形でやっていたんですけど、そこを75ヤードプレスに変えて、積極的に前に自分たちが行きました。あと、大地さん(吉川大地=政4・慶應)から3点取るぞと言ってもらって、士気が上がりました。
——先週に引き続き得点されましたが
最高すぎました。自分が点を取って勝ちに導きたいなと思っていて、今日もずっと緊張していたので、先週に引き続き今週も結果が出て良かったです。
——次戦は、昨年2度敗戦している東農大戦ですが意気込みは
FWを引っ張る立場として、また自分が点を取って、上位進出を決めたいと思います。
中山正暉(経2・慶應)
——今日の試合を振り返って
最初は向こうの流れに押されている場面が多かったのですが、自分達は普段の練習と違うことをせずにしっかりとやるべきことをやったから後半に巻き返すことができたので良い試合だったと思います。
——前回の敗戦から今日まで何をしてきましたか
前回の敗戦の原因としては、普段と違うことをしたり、みんなが上がってしまいボールを見失ったりしたことだったので、今日は落ち着いていつも通りやろうということでした。
——今日の攻撃の手応えは
慶大は速攻を得意としているのでそこが上手くいったと思います。ハーフにして高いところでボールを取ってからスクープで前に飛ばしたり、相手の人数的不利を利用したりも出来たので良かったです。
——前半は1点ビハインドで折り返しました
1点先制されていましたが、みんな負ける気は無くて、落ち着いていたので選手たちはそんなに焦っていなかったです。いつも通りやろうということだけ話していました。
——次戦に向けての意気込みを
東農大も今日の法大と同じような雰囲気を持ったチームなので、雰囲気に圧倒されないように戦術というよりも、とりあえず声を出して勢いで勝ちに行こうと思います。