1部残留に向け負けられない慶大は流通経済大との一戦に臨んだ。流経大が優位に試合を進める中、堅い守備で凌いでいた慶大だったが前半終了間際にCKから得点を許す。後半の立ち上がりにPKで追加点を献上し一時2点差に。宮本稜大(商3・國學院久我山)のゴールで1点を返すも反撃はここまで。厳しい状況が続く中で、手痛い1敗を喫した。
2021/10/17(日)11:00ko @AGFフィールド
【スコア】
慶應義塾大学1―2流通経済大学
【得点者】
0-1 43分 佐々木旭(流通経済大学)
0-2 56分 佐々木旭(流通経済大学)
1-2 65分 宮本稜大(慶應義塾大学)
◇慶大出場選手
GK 荒貴史(商4・横浜F・マリノスユース) |
DF 酒井綜一郎(政4・慶應) |
DF 小林誉貴(商4・清水東) |
DF 谷本竜一(総4・FCトリプレッタユース)→71分 田嶋凛太郎(総4・三菱養和SCユース) |
MF 日川優太(商4・高崎) |
MF 山口鉱生(商1・國學院久我山) |
MF 山田大敬(総4・京都サンガF.C.U-18)→HT 平田賢汰(法4・慶應) |
MF 小山内慎一郎(総4・青森山田) |
MF 松本雄太(商4・國學院久我山)→53分 飯塚亮貴(法4・慶應) |
MF 橋本健人(総4・横浜FCユース) |
FW 宮本稜大(商3・國學院久我山)→78分 廣田尚(環3・暁星) →90分 森友紀(環3・FCトリプレッタユース) |
降りしきる雨と時折吹き付ける冷たい風。残留を争う流経大との大一番は、難しいコンディションの中行われた。2年連続の1部残留へ、残り試合も少なくなり崖っぷちに立たされた慶大。何としても白星をつかみたい一戦だ。
開始直後から、風上に立った流経大が有利に試合を進める。6分、いきなりフリーキックのピンチを迎える。ゴール前の嫌なところにボールを蹴りこまれるがMF日川優太(商4・高崎)がヘディングでクリア。ピンチの芽を摘む。10分には相次いで相手のCK。しかしここも最近数試合スタメン出場が続いているGK荒貴史(商4・横浜F・マリノスユース)がパンチングで逃れるなど決定機は作らせない。自陣でのプレーが続き苦しい展開となったが粘り強い守備で得点を許さない慶大。30分を過ぎると、両サイドを中心とした攻撃から相手ゴールを脅かすシーンが増える。38分、右サイドの日川からのクロスにMF松本雄太(商4・國學院久我山)が合わせるも相手DFに当たり惜しくもゴール左へ外れる。徐々に前がかりになっていた慶大だったが43分、CKを与える。左サイドからのクロスを明確にクリアできず、こぼれ球を押し込まれ失点。前半終了間際の痛い失点で先制点を献上した。1-0で前半を終える。
雨がさらに強まった後半も流通経済大の時間が続く。シュートまで持ち込まれる展開の中、荒の好セーブも光り追加点を与えない慶大。しかし56分、浮かせたボールを飛び出した荒と相手FWの接触がファウルと判定されPKに。これを冷静に沈められ重い2点目が入る。連戦の疲れから徐々に運動量が落ちた流通経済大に対し、敵陣深くまで攻め込む展開が増えてきた慶大。65分、相手GKのショートパスをインターセプトした平田賢汰(法4・慶應)から小山内慎一郎へ(総4・青森山田)。小山内のスルーパスに抜け出した宮本が鮮やかに右隅にシュートを決め1点差。その後は平田と橋本健人(総4・横浜FCユース)の左サイド中心に攻撃を組み立てるも、流通経済大に押される展開が目立ちチャンスらしいチャンスを作れない。試合終了間際に左サイドから平田がカットインして入れたボールのこぼれ球を詰めていた日川がシュートを放つもバーの上。残留へいよいよ赤信号が灯る結果となった。
残留のためにはラスト3節全勝が求められる。1敗も許されない中残り2週間を戦い抜くことになったが、「変に悲壮感を漂わせることなくやるべき事をやる」(淺見監督)だけだ。どんな結末が待っていようと、黄色の戦士たちは最後まで慶應の意地とプライドにかけて目の前のボールを追い続ける。
関東大学サッカーリーグ順位表はこちら→https://www.jufa-kanto.jp/league_data.php?keyno=5&ctg=1
(記事:松田英人、小林由和 写真:松田英人、小林由和)
※共同取材のため、インタビューは一部抜粋しています
淺見友峰監督
ーー試合を振り返って
全体的に良く頑張ってくれましたし内容もはまっていたと思うのですが、その分1失点目が特に前半終了間際でクリアできたと思うので。そのクリアのところも含めて1失点目がなければなというところは正直あります。
ーー後半は好機を演出するシーンがふえました
前半はクオリティーが高いので相手側になると思いましたし、流経さんも連戦で後半は多分落ちるだろうなというところはあったので。戦術的なところはフォーメーションを変えたり、並びを変えたりしました。それは戦術の部分もあったと思うのですが、相手が落ちてくれたというのもあったかなと思います。
ーー残留へ向けて
他のチームさんの状況を見ると1試合も落とせない状況ではあるのですが、ただ選手はミーティングもしてチームとして個人としてしっかりやってくれているので。そこは変に悲壮感を漂わすのではなくて、やるべきことをしっかりやっておっしゃるように一丸でやっていきたいと思います。
宮本稜大選手(商3・國學院久我山)
――残り試合が少ない中、どのようにこの試合に臨んだか
(この試合含め)残り4試合で、立場も崖っぷちというところでチームとしてもこの試合勝ち点3をとる、という強い気持ちで臨んだんですけど、もったいない失点が出ちゃったなという感じですね。
――得点シーンを振り返って
そうですね。あのシーンは小山内選手から良い縦パスが入ってきました。関東1部のディフェンスというのはプレスも速いですし、自分がボールをこねても食われてしまうだけなので、トラップから早くシュートを打つことを心掛けてたまたまいいところにシュートが行って、入ってくれたかなと思います。
――前半はなかなかチャンス生まれない中、後半はやりきるシーンが増えた。前半と後半で変えた点は
前半は風下ということもあって、ボールが前に運べず、流経大に押し込まれることも多かったんですけど、後半自分たちが風上取れたことで、勢い持ってやっていこうとは話していました。そういう意味では立ち上がりからいい攻撃ができていたのかなと思います。
――次節、早慶戦に向けた意気込み
チームとして、残留するために勝つしかないですし、早稲田さんが相手ということで慶應の大学としてのプライドもかかっていると思うので、残留のために、慶應を背負って、しっかり勝ちたいと思います。