今季パーソナルベスト(PB)を連続更新し慶大記録も塗り替えた豊田兼(環2・桐朋)選手へのインタビューを公開します!9月10日発行の「スポーツの秋号」3面でも取り上げますので、ぜひ紙面もご覧ください。
※新聞は9月10日の早慶クラシコ会場・味の素フィールド西が丘、または日吉・三田キャンパスのラック(順次設置予定)からお取りいただけます。
――専門種目は
400mハードルを軸に110mハードルと400mの3種目をやっています
――得意な種目は
今シーズンの結果だけ見ると110mハードルが一番結果を残せていると思うのですが、一番可能性を秘めていて自分の中で専門だと思っているのは400mハードルです。
――ハードル特有の難しさ
インターバルが決められて、そこを決まったリズムで走って、10回繰り返すことが大変です。
――110mと400mの違い
110mはインターバルが9.41mで自分にとって3歩で行かないといけないのは狭いです。400mは35mあり、逆に大きく行かないと届かないことが決定的に違っていて難しいです。
――練習でも意識して分けて取り組んでいるか
そうですね、練習計画も自分で立てるときにフィフティーフィフティーで、この日は110m、この日は400mと分けるようにしています。
――なぜハードルをやろうと思ったか
中学の時に4種競技という混成競技をやっていて、そこでハードルが自分に適性があると思ったので継続してやっています。
――適性があるというのは
一番結果を残していたことと、自分は身長がある程度伸びると分かっていて、ハードルは身長が高い人の方が有利ということもありやっています。
――慶大の自由な練習環境は
他の大学だと監督がすべて指示するのだと思うのですが、自分は高校の時からそういうスタイルではなく自分で計画を立てて自分でやることが好きだったので、大学でも実践できていると思います。それが自分にとってプラスです。
――練習メニューは
週5日練習があり、1日はウェイト、残りの4日間をショート2日、ロング系2日と分けています。そのうちショート1日を110m、ロング1日を400mをやる日、残りの2日はランメニューをしています。試合に向けて1つ目標を作ってそこに計画を立てるので、あまりテンプレートはないです。
――今練習で意識していること
全カレ(天皇賜盃第91回日本学生陸上競技対校選手権大会)前なので、自分は試合に継続的に出ていて、パワー不足というかウェイトが足りないと思っているので、しっかりそこを強化するようにしています。
――他の慶大選手からの刺激や意見の交換は
ありますね。ウェイトが苦手で動きも下手なのですが、先輩にその動きを指摘してもらうなど、教え合いながら高め合っています。
――ご自身の強み
身長があるので400mハードルの場合ですが、インターバルが13歩で8台目まで挑戦して7台目までが自分のテンプレートです。(13歩で)7台目まで行けるのは日本でも数少ないと思うので、そこがすごく強みです。
――自己ベスト更新の要因は
今年は頻繁に試合に出たのですが、その試合で「ベストを更新しよう」と思ったよりも、試合で試したいことがあって試し続けたら毎回ベストが更新されていったという形です。自分の課題を解決していった結果、PBが連続したのだと思います。
――今季ここまでを振り返って
出だしの試合で大きな失敗をしてそこから奮起してPBを連続して出せたのですごく良いシーズンです。
――関カレ(第101回関東学生陸上競技対校選手権大会)を振り返って
自分が点を取らないと慶大が2部に落ちてしまうという思いがあったので、何としても自分が点を取るという気持ちでやりました。結果ああいう形になり安心しました。
――関カレ後に「国際大会を視野に」というコメント、パリ五輪を目指しているか
そうですね、2年後にビッグイベントがあるのでそこを目標に進んでいます。
――全カレに向けた意気込み
全日本インカレは大学の日本一を決める舞台ですので、自分もトップを狙ってやっていきたいです。
――今後のタイムの目標
来年の世界陸上の400mハードルの標準記録が48.70で、それを標準締め切りまでに突破したいです。
記録を更新し続け、飛躍のシーズンになっているが、落ち着いた口調で謙虚に答えた豊田。今後のさらなる飛躍に期待が懸かる。
(取材:長沢美伸)