9月10日(土)に東京六大学野球秋季リーグ戦が幕を開け、慶大は17日(土)に初戦の東大戦を迎えます。慶應スポーツでは、秋連覇に向けて闘志を燃やす体育会野球部の選手たちにインタビューを行いました!
第3回は慶大が誇る絶対的なリリーフエース、渡部淳一選手(政4・慶應)と橋本達弥選手(環4・長田)です!
――2人の他己紹介をお願いします!
橋本達弥選手(以下、橋本達):淳一は1人でいることが好きな人間で、淡々とやっている感じがマウンドにも表れていて、頼りがいがあって、リズムよく3人で抑えて帰ってきてくれる、そんな投手です。
渡部淳一選手(以下、渡部淳):達弥はやっぱり一番プレッシャーのかかる場面でマウンドに上がっていて、気持ちの強さがピッチングスタイルからもそうですし、普段の生活からも「自分が抑えるんだ」という姿勢が練習にも出ていて、練習からやっているからこそリーグ戦という緊張する場面でも強気の投球ができる、そういう投手です。
――昨シーズンを振り返って
橋本達:全然満足はしていないです。僕のピッチング次第では優勝できたかなとも思っていて、大事な試合で不甲斐ない結果だった部分もあったので、満足できなかったシーズンだと思います。
渡部淳:コンディションがあまり良くなくて、自分の中では点を取られてしまったり、思ったよりもイニングを投げられなかったというか、与えられた中では役割を果たせたとは思うんですが、与えられる場面を狭めてしまったところは、自分の中では反省点だと思っています。
――シーズン最後の早慶戦での登板を振り返って
橋本達:優勝が懸かっていない早慶戦というのは久しぶりだったので、気持ちの部分では難しかったですけど、やはり早慶戦で「ワセダに勝つ」というチームの目標があるので、そのために一生懸命腕振って投げようと決めていました。
渡部淳:早慶戦の前まではコロナの影響で観客制限があったんですが、早慶戦で緩和されたので人が多いなと感じました。1年生の時には投げていなかったので、自分が投げてきた中では一番観客が入っていて、早慶戦はこうあるべきだなと感じました。
――昨シーズンで最も印象に残った試合や場面はありますか?
橋本達:東大の井澤(駿介=農4・札幌南)に本塁打を打たれた場面です。調子自体があまり良くなくて、いろいろ考えながら投げていた時で、左足が滑ってど真ん中にいったボールを完璧に捉えられたので、すごく悔しかったです。不完全燃焼なボールをレフトスタンドに運ばれたので、どうしようもない気持ちは今でも残っています。
渡部淳:自分が投げた次第だとやっぱり蛭間(拓哉、早大=スポ4・浦和学院)に打たれたホームランは印象に残っています。勝ち負けには関わらなかったんですけど、ヒットは許しても長打をこれまであまり打たれてこなくて、蛭間に対しても得意意識があった中で、ちょっと中に入った球を打たれてしまったので、そこは今でも印象に残っています。
――試合終盤に登板することが多いお2人ですが、準備の際に何か心掛けていることはありますか?
橋本達:準備や練習は当たり前のことをやっているだけなので、あまり変わりはないんですが、僕は朝グラウンドに入ったときに、できるだけ色々な人に挨拶をしたり声をかけたり、下級生を含めて色々な人に絡むということを心掛けています。そういうことをすることによって、色々な人のために野球をしているんだなということを感じて、そうした責任が生まれることで練習の質も上がって、いざという時に力を出せると思うので、色々な人と関わりを持とうとしています。
渡部淳:試合前まで一日一日をやり切るということに尽きると思います。登板するときは今まで積み重ねてきたことしか出せないので、「これだけやってきたんだから大丈夫だろう」という一種の開き直りが最後の最後には出るのかなと思います。
――お2人の投球スタイルは真逆に近いと思うのですが、お互い投手として尊敬している点を教えてください。
橋本達:淳一の投球の良いところは、カウントが不利にならずに、自分優位のカウントで自分のピッチングができるところです。
渡部淳:達弥の良いところは、一つひとつのボールの質が高いことです。もちろん真っすぐのキレやノビもそうですし、絶対的なフォークという球種もあったりするので、抑えとしても必要だと思いますし、自分自身にない部分だと思っています。
――橋本投手は7月に大学日本代表を経験されていますが、その時の経験は今どんなところに活きていると感じますか?
やっぱり凄いレベルの選手たちが集まっていたので、自分に足りないものが明確に投げつけられた感覚というか、まだまだレベルアップしないといけないところがたくさんあったので、そういうところが明確になったという点は大きかったです。
――渡部投手が以前仰っていた「無失点で帰ってくる」意識というのは、今も変わらずに持ち続けていますか?
渡部淳:一試合ごとに自分が上がる時の役割というのは、「できるだけ点を取られずに帰ってくること」だと思っているので、登板した時には無失点で戻るということを意識しています。
――春のリーグ戦を踏まえて夏場に取り組んだこと
渡部淳:シーズンを通してコンディション不良があったので、自分の中で100%のコンディションに持っていくことは取り組んでいて、身体の機能の部分をもう一度見直してみたり、体重も春の段階から増やしてきたのを継続して取り組んでいます。
橋本達:春はストレートが納得いく球ではなかったので、ストレートの質であったり制球であったり、球速も上がればいいなと思いつつ、とにかくストレートにこだわって練習してきました。
――夏のオープン戦では負けが先行する展開だった中で、投手陣として思うところはありましたか?
渡部淳:練習試合数がすごく多い中で、疲労もあったり色々な投手が登板していたりするので、負けが先行することもあるんですが、ここからが本番とも思っています。やはり負けが先行してしまうと気持ちが落ち込んだり自信がなくなったりすることもあるので、そこを練習から自分たちはこれだけやってきたということを再認識して、秋のリーグ戦に挑めればと思います。
橋本達:オープン戦の結果はオープン戦の結果でしかなくて、そこで調子が良くてもリーグ戦では全然ダメだったという経験もこれまでしてきているので、そこはあまり考え過ぎずにある意味冷静に考えられているかなと思っています。
――リーグ戦で期待する選手
橋本達:僕は外丸(東眞、環1・前橋育英)ですね。春は初めてのリーグ戦で、相手もあまりデータがない中で抑えてくれたんですが、もう1段階レベルアップして、彼が抑えて後半僕らに回してくれれば、もっと楽に試合を進められるのかなと思うので、そこは期待しています。
渡部淳:僕は浮橋(幸太、総2・富岡西)を推したいですね。同じ部屋っていうのもあるんですけど、最近のオープン戦でも安定して結果を出してきていて、左ピッチャーが多い中で中盤で達弥に繋ぐまでに浮橋を使うという選択肢も増えると思うので、浮橋のピッチングには期待しています。
――リーグ戦で警戒する選手
渡部淳:春のリーグ戦では蛭間に打たれてしまったので蛭間を抑えたいですが、明治の上田(希由翔、国日3・愛産大三河)もそうですね。春は対戦がなかったんですが、自分が2、3年で対戦した時よりも圧倒的に力を伸ばしてきているなと思っていて、明治の強力打線の中でも核になる選手なので、左対左ではあるんですが上田をしっかり斬りたいなと思います。
橋本達:僕は篠木健太郎(法大=営2・木更津総合)です。プライベートでも仲が良くて、すごく慕ってくれているので、アイツも凄いボール投げるんですけど、先輩の意地というか「俺もスゴいんだぞ」っていうところを打席で味わわせてやろうという風に思っています!
――自分のココに注目してほしい!
橋本達:やっぱりラストシーズンなので、そこに対する意地とプライドを見て頂ければと思います。本当に最後まで諦めずに最後の1球まで腕を振るつもりなので、そこを見てもらえたらと思います!
渡部淳:僕も似たようなところにはなりますが、ラストシーズン、4年間の集大成ではあるので、今までやってきたことに自信を持って投げている姿と、できるだけ楽しんで野球をする姿には注目してほしいです!
――最後のリーグ戦への意気込みと、読者の皆さまへのメッセージをお願いします!
橋本達:春のリーグ戦は2位というすごく悔しい形で終わってしまいましたが、秋こそはリーグ優勝して、明治神宮大会で日本一を獲れるように、まずは初戦の東大戦から全力で戦っていくんで、応援していただけるとありがたいです!
渡部淳:やっぱり春のリーグ戦で勝ちきれなかったところがあるので、チームとして優勝という結果にはこだわっていきたいと思いますし、その中で自分の役割を100%こなしていきたいです。やはり優勝という形(で終わること)が皆さまに対する最大の恩返しだと思いますので、とにかく勝ち切るということを意識してやっていきたいと思います!
――おうお忙しい中、ありがとうございました!
(取材:宮崎秀太)