中断期間を挟み、最初の試合となった今節。中断期間に入る前に5連勝を飾っており、今節も白星で勢いに乗りたいところ。だが開始3分、相手選手にレッドカードが提示され波乱の幕開けとなる。数的有利に立った慶大は、右左とサイドから仕掛けてゴールに迫る。だが國學大の徹底的なDFに阻まれ、無得点のまま前半を折り返すかに見えた。すると46分、相手のパスの隙を突いた熊澤維吹(文4・國學院久我山)がボールを奪い、縦パスを受けた塩貝健人(政1・國學院久我山)が冷静にシュートを決めてゴール。すると51分には、またも熊澤からのパスを受けた荘司慈英(商3・慶應)が左足を振り抜き、ゴール右にシュートを突き刺して2点目。後半は主導権を完全に掴み、4得点を奪う。山口絋生(商3・國學院久我山)、塩貝亮太(商4・暁星)、茅野優希(政3・慶應)、香山達明(経3・慶應志木)がそれぞれ1点ずつを挙げて快勝。6連勝を成し遂げた。
2023/9/27(水)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学6ー1國學院大学
【得点者】
45+1分 塩貝健人(慶大)
45+6分 荘司慈英(慶大)
67分 山口絋生(慶大)
74分 岡田遼平(國學大)
79分 塩貝亮太(慶大)
85分 PK 茅野優希(慶大)
90+4分 香山達明(慶大)
◇慶大出場選手
GK
1 竹内秀太(商4・桐蔭学園)
DF
2 内藤豪(法3・駒澤大)
28 入江修平(商3・慶應)
5 山口紘生(商3・國學院久我山)
MF
3 山本献(商4・國學院久我山)
19辻野悠河(商2・暁星国際)→88分 27角田惠風(商2・慶應/横浜F・マリノスユース)
20 田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)
17 荘司慈英(商3・慶應)→56分 13山崎健翔(法4・桐蔭学園)
FW
7 熊澤維吹(文4・國學院久我山)→67分 29 茅野優希(政3・慶應)
30 藤井漱介(商1・静岡学園)→51分 11塩貝亮太(商4・暁星)
10 塩貝健人(政1・國學院久我山)→81分 18香山達明(経3・慶應志木)
中断期間を経て再開したリーグ戦。5連勝を達成するなど良い状態で中断期間を迎えていたこともあり、さらに成長した姿を結果で示したいところ。そんな慶大の國學大との一番は、リーグ首位の神奈川大に近づき、さらに追い抜くためにも勝利を勝ち取りたい試合だ。
だが波乱の幕開けとなる。開始3分、相手のパスの隙をすかさずついた辻野悠河(商2・暁星国際)からボールを得て、抜け出した塩貝健人(政1・國學院久我山)がファールを受ける。すると相手選手にレッドカード。早くも数で優勢を勝ち取った慶大は、このファールから獲得した絶好のフリーキックで、キッカーは荘司慈英(商3・慶應)。しかしシュートはバーに阻まれて先制とはならない。その後も主将の山本献(商4・國學院久我山)を中心に終始テンポの良いパス回しで攻撃を進めるも、得点には結び付かない。10分には藤井漱介(商1・静岡学園)も果敢にシュートを試みるも、GK正面。塩貝健人のミドルシュートもGKに弾かれるなど、観客を沸かせこそしたものの、相手も容易く得点はやらんとばかりに食い止めてくる。そんな中で、得点は0―0のまま時間ばかりが経過していく。
24分、3つ目のコーナーキックを獲得。山本からのキックに入江修平(商3・慶應)が高さのあるヘディングを見せる。だがここでも、芯を捉えきれなかったボールは弱々しく右に逸れ、ゴールネットは揺れない。左サイドからは、1年生の藤井漱介が果敢に侵入を試みる。主導権はがっちり慶大が握り、チャンスこそ作るが1点が遠い試合展開だった。45分には、内藤豪からサイドチェンジされた正確なパスを荘司慈英がシュートするが、相手GKがキャッチ。両者無得点で折り返すかと思われた矢先、相手のパスの乱れを見逃さなかった熊澤維吹(文4・國學院久我山)がボールを奪い、熊澤から縦パスを受けた塩貝健人が冷静にシュート。ボールはそのままゴールに吸い込まれた。するとさらに51分、山本献からボールを受けた熊澤維吹が右から左へとサイドチェンジをし、そのパスを受けた荘司慈英が左足を振り抜いて、ゴールの右サイドに突き刺して追加点。待望の2点目が入ったところでホイッスルが鳴り、優位な状態で後半に突入する。
数的優位もあり、2ー0で迎えた後半。序盤は國學大のペースで試合が進み、我慢の時間が続く。53分ごろからは、何度もゴールに迫られヒヤリとする場面も。ピンチの度に、内藤豪らDF陣をはじめ、全員で声をかけ合いしっかりとカバー。その後も、パスを回しながらゴールに迫ろうとするが、数的不利を感じさせない國學大のプレーで思うようにパスが繋がらない。それでも57分、竹内のゴールキックから、慶大は徐々に勢いづいていく。主将・山本献、塩貝亮太(商4・暁星)、塩貝健人が立て続けにシュートを放つも、わずかに外れてしまう。
3点目がなかなか奪えない慶大。そんな中、辻野悠河のスルーパスで山崎健翔(法4・桐蔭学園)が左サイドを駆け上がると、山崎のクロスが相手選手に当たりコーナーキックを獲得。大きなチャンスを迎える。67分、山本のコーナーキックからルーズボールをDF・山口紘生(商3・國學院久我山)が左足で力強いボレーシュート。ボールはわずかに弧を描くとGKを超えてゴールに吸い込まれ3−0と、リードを3点に広げる。
73分には、セットプレーからこぼれ球を押し込まれ1点を返されるが、慶大の勢いは止まるところを知らない。パスが乱れたところでも、田中雄大(商2・成城学園/三菱養和・SCユース)がしっかりと収め、精度の高いキックで攻撃へと舵を切る。79分には、田中の縦パスを受けた塩貝健人がゴール前にスルーパスを出すと、塩貝亮太がしっかりと合わせてゴールネットを揺らす。3点リードで迎えた85分には、茅野優希(政3・慶應)がPKをしっかりと決め切り5−1とする。さらに90+4分、途中出場の香山達明(経3・慶應志木)がDF3枚とGKを抜く鋭いゴール。ダメ押しの6点目を追加すると、直後に試合終了のホイッスル。慶大は、6−1で國學大にリベンジを果たした。
1ヶ月半の中断期間を挟みながらも、6連勝を飾った慶大ソッカー部。現時点で、勝ち点33の慶大は2位(10月3日時点)。プレーオフまで7試合を残し、首位の神大とは2点差がある(10月3日時点)。着実に勝ち点3を積み重ね、8連勝の良い流れで10月15日の神大戦に臨みたいところだ。“3部初代王者”となるべく、慶大ソッカー部の負けられない戦いが続いていく。
(取材:愛宕百華、長掛真依、佐藤光)
田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)
――6連勝ですが、今日の試合を振り返って
5連勝で迎えた中断明けの1試合目で、チームとしても6連勝を掲げていて、その結果として勝ち点3を取ることができて良かったです。
――ご自身の強みである精度の高いキックや、ルーズボールへの対応などでの活躍が目立ちましたが、チームの中でどのような役割を意識されていますか
今言ったような強みだったりというのを、前の塩貝健人だったりという良い選手がいるので、そういう選手を自分が活かせるように、役割というのは意識してやっています。
――以前、ゴールを決めたいとおっしゃっていましたが
今日は相手が1人少なくなった中で、ゴール、アシストもそうですけど点に絡むというのは意識していたのですが、結果的に取れなかったので、次はしっかり決めていきたいと思います。
――次節への意気込み
今日はちょっとラッキーな相手が1人少なくなって11対10という中で、結果的に6点とれたということで、次はそんなに簡単な試合にはならないと思いますし、チームとしては7連勝勝ちに行きたいので、3日しかないですけれど良い準備をしていきたいです。
山口絋生(商3・國學院久我山)
――ゴールシーンを振り返って
相手が1人少ない状況で、あと1点でゲームがかなり勝利に近づくという場面だったのではやく1点欲しいなと思っていました。それを自分で決めることができて良かったです。
――6連勝です。7連勝に向けて、他のディフェンダー陣との連携も含め、ご自身はどのようなプレーで試合を担っていきたいですか
6連勝はしているんですが内容が良かったわけではないのかなと。失点に関しては自分のせいなところもあると思っています。もっと切り替えやセットプレーのところで集中を切らさずにやれば7連勝や8連勝も見えてくると思うので、自分を中心に頑張っていきたいと思います。
――次節に向けた意気込み
ここ最近はこれだけの連勝数を重ねたことがないと思うのでその記録に挑戦するというところもそうですし、「3部初代王者」という目標に向けて大事な試合が続くので、次節も気を引き締めて頑張ります。