ここまで2試合連続で快勝し、波に乗る慶大男子ラクロス部が明治学院大との一戦に臨んだ。ブロック最下位の相手に対して主力メンバーを温存して臨んだ慶大は、目指すラクロスを徹底できずに苦戦。目標である20-10には遠い、14-10で勝利を収めた。
関東大学ラクロスリーグ戦1部Bブロック
2011/09/08 11:40F・O@大井第二球技場
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
慶大 | 5 | 6 | 1 | 2 | 14 |
明学大 | 2 | 0 | 4 | 4 | 10 |
1Q、主力メンバーを温存しながらもMF藤澤(経3)、大山(経3)らの得点で連続得点を奪い、主導権を握る。ディフェンスでもG末弘(政3)を中心にプレス、パスカットのディフェンスを使い分けてロングボールを多用する相手に対応。8分と終了間際に得点を許したものの、チームとして崩された場面は少なく、5-2のスコア以上に圧倒した内容で1Qを終えた。
続く2Qはワンサイドの展開となる。2分にAT加藤亮(商3)がゴール前の大山に絶妙なパスを通すと、大山がそれを冷静に決める。その後もMF粟田(経3)、AT中村大(経2)、AT小鹿(政2)らオフェンス陣が得点を重ねていき、このQのスコアは6-0。11-2で前半を折り返した。
圧倒的なスコアにも「自分たちが取りたい得点が取れていたわけではなかった」(永島主将・政4)と自分たちのラクロスを再確認。社会人チームから得点を取ることを目標にしたオフェンスで後半に入った。しかし、このオフェンスが逆に慶大のスコアを止めてしまう。「1対1に頼らないで人数有利を作る」(LMF阿部・政3)ことを狙うが、パスや1人1人の動きの精度からか。中々得点は奪えない。攻めあぐねていると、明学大のオフェンスの時間は次第に増えていき、数的不利を作られて決められるシーンも出てきた。明学大に3連続得点を許すなど、苦しんだこのQの得点は15分にMF前田龍(経2)が裏からのパスを押しこんだ1得点のみ。12-6と点差を縮められて3Qを終えた。
4Qになっても慶大に攻撃のリズムは生まれない。2分に中村、7分にMF梅澤(政3)が得点を決めるが、明学大にペースを握られて苦戦は続き、14-10で試合終了。オフェンスの形にこだわった後半はわずか3得点に終わった。
グループ最下位の相手に対して「自分たちで課題を設定して臨んだ」(永島)試合。主力を温存したとはいえ、慶大の目標はあくまでも20-10というスコアだ。それに満たなかったことは「日本一を目指すための層が薄い」(永島)と語るようにまだまだ日本一には足りないということだろう。次戦の相手はリーグ1位を争う最右翼の東大なだけに頂点を目指すには結果だけでなく、内容も求められる。昨年、苦杯を舐めさせられた相手のリベンジも返すことができるかも含めて、注目が集まる。
By Tomoki Kakizaki
永島主将
(今日の試合は見ていていかがでしたか)日本一を目指すための層が薄いなと感じました。(主力を温存してのプレーになった)ブロック最下位の相手ということで、うちとしては勝ちに行くだけでは自分たちの収穫にならない試合だと思っていた。自分達で課題を設定して臨みました。(目標のスコアは)20-10です。全然達成出来なかったですね。(前半について)点が取れていて良かった。ただ僕たちがやりたいこと、社会人のチームや日本一のチームに対して今のシーズンでやらなければいけない課題を設定していてそういう点の取り方をしようと。2対1(の状況を作ることで)この相手だから取れる得点が重なっただけで、自分達が取りたい得点が取れていたわけではなかった。そこを修正してきて点が入らなくなったというのは、自分達が日本一に対してまだまだ遠い選手達だらけなんだなあと思いました。(後半について)自分達が社会人に対して取れる得点として目線を高くオフェンスをしたら3得点という結果になってしまった。社会人に対してもそれしか取れないということなので、そこに対して課題が残ったということですね。(今日の試合に出場した選手の中で印象に残った選手はいたか)満足した選手はいないですね。まだまだ誰も。出場していた選手の中には主力にも出ていた人はいるんですが、そういう人達は抜いて考えたらまだまだ成長してもらわないと困りますね。(次の東大戦に向けて)次の東大戦は去年の4年生が引退した試合。僕も本当に悔し涙を流した印象が強い試合なので、次決勝で東大と当たることがあっても慶大には勝てないと思わせるような試合をしたいです
阿部
(試合を振り返って)目標の20-10に届いていませんし、勝ちましたけど全然満足はできないです。メンツがいなかったのを差し引いてもダメですね。(ディフェンスのプレスについて)相手に助けられた面は多いと思います。自分たちのやりたいことは全然できていなかったし、コミュニケーションも取れていなかったと思います。自分たちが奪いたいように奪えていなかったと思います。(パスカットについて)パスカットでボールを奪いにいくディフェンスもあって、それを狙う意識はあったんですが、まだまだですね。このレベルなら、相手が外に回している隙とかにもっと積極的にパスカットしないと上のレベルに通用しないので、まだまだだと思います。(東大などの相手には通用しない)東大というよりも、社会人に通用しないといけないので、もっと磨いていかなければいけないですね。(後半悪かったのを振り返ると)前半も自分たちがやりたいことはできていませんでした。1対1で相手のレベルもあって勝ててしまう。そこで点を取れてしまいましたが、それではこれからは通用しないので、後半は自分たちのやりたいことで点を取ろうとしました。やりたいことは、難しいことで、それをやった結果が後半に見せたレベルでしたね。後半は調子が悪かったとかではなく、後半に出したのが本来の実力ですね。(やりたいオフェンスとは)オフェンスはゴール前の小さいところで点を取ること。1対1に頼らないで人数有利を中で作り、ディフェンスを動けなくして、空いたところで点を取ろうということです。(東大戦に向けて)東大は去年、同じ場所で、人もたくさん入っていて、負けた。今年は良い試合をして勝つとか、接戦をものにするとかではなく圧勝します。それがFINAL4の相手をビビらせることにもつながると思うので。
末広
(試合を振り返って)東大戦を見据えた試合をやろうと思っていたので、相手に関わらず目線を高くしてやろうと言っていました。1、2Qはプレスのディフェンスとマンツーマンのディフェンスの二つの切り替えができていました。プレスで前で落とす、ということもできていたので。3、4Qは少し内容が悪くなってしまいましたね。僕がゴーリーに入っていたら、声を出して統率しなければいけないと実感しました。(試合のテーマは) 僕自身としては無失点を目標にしていたんですけど、取られてしまったのでまだまだです。あとは攻撃から切り換えるところのクリアを意識していたんですけど、まだまだでしたね。(後半に外から見ていて課題に感じた点は)得点力が無かったところです。目標を20-10にしているのでそれに満たない14点しか取れなかったのは課題だと思います。(東大戦に向けて)今は上に中井さんという偉大なゴーリーがいるので東大戦までの短い期間ではありますが、差を詰めて、東大戦でも僕が活躍できるようにしたいです。
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