【野球】高橋由伸「僕が学生だった頃より技術的に優れている」 侍ジャパン大学代表直前合宿2日目高橋由伸氏インタビュー全文

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29日から平塚市内から行われている侍ジャパン大学代表直前合宿。30日からは慶大野球部OBの高橋由伸元読売ジャイアンツ監督が打撃指導を行った。指導1日目(合宿2日目)の練習終了後に高橋氏が報道陣の取材に応じた。

 

ーー代表合宿一日目の指導を終えた今の率直な感想を教えてください。

アマチュア選手に指導することは初めての経験でしたのでとても楽しみにしていました。練習を通して感じたことは、さすが選抜された選手、走・攻・守 随所に上手さが見られました。僕が学生だった頃より技術的に優れていると実感しました。今日は打撃練習中心にはなりましたが、一日中練習を拝見し、監督や選手達と色々お話をさせていただきました。練習時間は限られていますので、あまりにも厳密な指導は僕が言える立場ではないと思いました。なので、なるべく皆に共通する事柄を重点的に指導しました。また、選手側からの個別の質問については、彼ら各々に自分なりの考え方があることを踏まえた上で、僕の野球における理論をいくつか提案させていただいたつもりです。役立つかはさておき、今後の彼らの選択肢の一つになれば幸いです。

 

ーー練習中はたくさんの選手から個人的な質問を受けられていました。具体的にどういった質問が一番多く聞かれたのでしょうか? 

球の待ち方、内角の打ち方などについての質問が多かったので、ティーバッティングなどの実演を通して、僕が昔から行ってきたやり方をお伝えしました。ボールの待ち方に関しては、大学野球はプロ野球に比べ短期決戦であるため、戦い方が異なる部分は多少あると思います。ただ、将来“更に上の舞台”を目指している選手が多いわけですから、“プロ野球選手”としての技術的な指導は僕なりにさせていただきました。

 

ーー打撃練習の終盤では内角の打ち方を指導されていたのでしょうか?

内角もそうですし、バットの出し方ですね。バットには打つ部分というのは少ないわけですので、いかに球と合わせるか、いかなる過程をふむのか等における感覚・イメージを選手たちに示したつもりです。ただ何度も言いますが、これはあくまで僕が行ってきた例にすぎません。今は昔に比べて“正しい打ち方”もよりたくさん存在するわけですから、選手たちには僕の考え方を含め様々な選択肢の中から自分なりの最適解を見出して行ってほしいと思います。

 

ーー高橋さんによるティーバッティングの実演において高いフライボールを何度も打ち上げていました。意識的に行われたことなのでしょうか?

僕はフリーバッティングにおいて“ゴロが飛ぶバッティング”とはあまり良いバッティングとは言えないと考えています。良い打撃フォームで打つときには、ライナー性から若干上方向に打球が飛ぶものです。だからこそ、今日の練習ではその意識を持ち打撃指導を行ないました。

 

ーー日本野球界の未来を背負うであろう大学球児たちと過ごした時間は高橋さんにとっていかがでしたか?

今回のような活動こそ、才能ある選手たちがプロの世界でも活躍する手助けとして僕らが協力できることです。今後も代表選手に対してだけでなく、当然母校であったり、何か違った形で貢献できることはあると思うので、求められる機会があれば張り切りすぎない程度に力になれればと思います(笑)。

 

ーー有意義な時間だった

「何かを吸収したい」という彼らの向上心は非常に強いものを感じました。逆に一生懸命になりすぎてあんまり真に受けすぎないでほしいんですけど(笑)。

 

ーーどなたか印象に残った選手はいらっしゃいましたか?

同じ左打者というのもあると思いますが吉納君(翼、早大スポ4・東邦)とは打撃に関してかなり細かいことまで話しましたし、母校の後輩である松下君(歩叶、法大営3・桐蔭学園)とも少し話しました。本当はブルペンの方も見学に行きたかったんですけど、打撃練習の時間と重なってしまったため、今回投手の方々とは、外丸(東眞、慶大環3・前橋育英)と多少喋った程度で、あまり話す機会がなかったのは残念ですね。

報道陣の取材に応じる高橋氏

ーー明日(7月1日)からは実戦

実践形式でも見せていただきますし、試合前練習での指導も継続して行うと思います。その両方を見つつ、自分が何か新たに感じたことがあれば、丁寧に伝えていければと思いまし、選手たちからも何か聞かれることがあれば、しっかり向き合って答えていければと思います。

 

ーー明日の練習試合では投手陣の練習もより長い時間ご覧になると思います。その点についてはいかがですか?

神宮球場で投げているのを見たことがある選手も中にはいます。全員が投げるかはわかりませんが、実戦練習の中でそういった選手を中心になるべく多くの選手の投げる姿を見ることができればと思っています。

 

ーー高橋さんは大学時代一年生の頃からスタメンとして試合に出続けられていました。現在、慶應義塾大学の後輩・外丸投手も同じように一年の春からここまで投げ続けている。疲労回復や調整方法において、高橋さんが学生時代より心がけてきたことは何かありますか?

いや~僕らの時代のやり方とかあまり参考にならないと思いますよ(笑)。プロ野球でも大学野球でも、食事や疲労回復、トレーニングなど何にしたって今の方がはるかに技術は進歩していると思います。なので、僕らのやり方はあまりお薦めできないですね(笑)。

 

(取材:大泉洋渡、工藤佑太、写真:ウジョンハ)

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