【應援指導部】応援席を盛り上げた１年生　上級生が語る彼らの＂これまで＂と＂これから＂／秋季野球慶早戦特集No.2

今年度の應援指導部には、未来を担う１年生部員、吹奏楽団とチアリーディング部門を合わせて約６０人が入部した。今回はその１年生について、應援指導部の上級生から話を聞いた。

２３年の慶應高校野球部の甲子園優勝、そして慶大野球部の明治神宮大会制覇の影響もあって、今年度は例年よりも多くの新入生が入部したという。入学式での應援ステージや新歓ステージを見て入部を決意した新入生もいれば、そもそも入学する前から應援指導部への入部を志していた部員もいたそうだ。とは言っても希望者全員が入部できるわけではなく、４年生のＩさんによると「チアリーディング部門は衣装の関係で２５名程度まで。練習態度や練習についてこれるかなどを見ながら、５月に入部者が決まる」という流れだったようだ。

未来を担う１年生部員

入部したばかりの１年生。活動の中で、やはり大変なことも多いという。まず、応援の＂土台＂を作るために新入生は、入部直後にチャンスパターンや様々な曲の歌詞、さらに踊るメンバーであればその振り付けを覚えなければいけない。また、応援席での活動の１つにお客さんの応援する手助けを行う＂平サブ＂というものがあるのだが、お客さんへの接し方や応援指導の方法は、そのコツをつかむまでが大変なのだそうだ。４年生のＭさんは「私たちが１年生のときは外野で応援していたのでやりやすかった。今の１年生は応援を知らない人にも応援指導をしていかないといけないから、私たちの時より大変」と話していた。

土台を作っている最中だ

ところで、應援指導部には部門の垣根を越えた＂ファミリー制度＂というものがある。２部門全体で意識の統一をするため、そして絆を深めるために、学年関係なく＂ファミリー＂を作って仲を深めているそうだ。Ｅさんの話では「合宿の中日のレクリエーションはファミリーごとに行った」ということで、やはりファミリー同士の絆で合宿も乗り越えることができたのだろう。

「ファミリー」で絆を深めた

１年生は入部してから合宿まで、多くの試練を乗り越えながら成長してきた。それが発揮されたのが、９月８日に行われた夏季成果発表会だ。今夏の合宿地だった新潟県五泉市で行われたこのイベントでは、１年生が初めてチャンスパターンを踊り、応援指揮を振って日々の練習の成果を披露した。１年生のパフォーマンスは、その姿を舞台袖で見ていたＲさんも思わず「うるっときた」と感慨深げに語るほど、素晴らしいものだったようだ。

練習の成果を発揮した

成果発表会でこれだけの成長を見せた１年生。やはり今季の応援席にとって、そしてこれからの應援指導部にとって貴重な戦力となることは間違いないし、それだけ上級生からの期待も大きい。１年生への期待として上級生から共通して出てきたキーワード、それは＂フレッシュさ＂だ。Ｒさんは「何事にも恐れずに取り組むこと、怒られないように言われたことをやるのではなく、自分から発信していくこと」を、Ｍさんは「自分が好きな応援、頑張ることができる応援を見つけること、間違っても失敗してもいいから、勇敢に立ち向かっていくこと」を１年生への期待として挙げていた。