スポーツに欠かせないもの、それは応援である。慶大應援指導部は、今年も数々の慶大体育会の試合で応援を後押してきた。今回はそんな彼らの年間の役割や、当日の活動について紹介する。
應援指導部は部員が約１５０人におよぶ大所帯だ。そんな彼らをまとめる役割の一つに、＂応援企画責任者＂がある。「私たちは、３年生が提案した当日の企画に対してのアドバイスや、試合後にはその日のパフォーマンスへのフィードバックをします。これを全ての競技班で行うことで、部全体の応援を統括しています。」こう語るのはMさん。Ｍさんを含め今年度は３人の４年生が応援企画責任者を務める。
４年生が部全体の応援を統括する
３年生が務めるのは一つの競技に特化した＂〇〇サブ＂。今年度の野球サブを務めるＥさんは以下のように語る。「サブという役割は競技ごとに数人が担当します。試合当日や事前練習における応援システムを詳細に取り決め、それを応援企画責任者に提案することが仕事です。」このように、各競技の応援は４年生の応援企画責任者と３年生の競技サブの共同作業で一から作られる。
野球サブとして応援を先導する
では試合当日はどのように役割分担しているのか。野球応援の場合、先述した野球サブ数名により当日の人員は決められる。「人員は、ブロックサブ（応援席の各ブロックに配置）・チアリーダー・ボード掲示担当など細かな役割まで決めています。」Ｅさんたち野球サブは、試合ごとにその陣容を変更している。
応援は流動的だ
また、応援指揮（メイン台に立つ役割）や鼓手（太鼓を叩く役割）は別でそれぞれの責任者により任されている。責任者の一人であり、試合当日にはメイン台にて応援指揮も務めるＩさんは当日の声かけの極意をこう語る。「一番意識していることは、部員を含めた応援席の人々を奮い立たせるような言葉を簡潔に伝え、すぐ応援歌に入ることです。そこにユーモアが加わればなお良い。」
ユーモアを交えながら
ただ、こうした周到な準備力だけでは應援指導部員は務まらない。スポーツの現場ではいつ何が起こるか分からない。状況に応じて臨機応変に対応する力も求められる。
野球秋季リーグ戦・立大戦では応援中にメイン台の板が壊れるアクシデントが発生。この事態に対し即座に話し合いを行い、部員が交代で台を支えることで乗り切った。
アクシデントにも動じない
声かけについても同様だ。Ｅさんはこう語る「目の前の状況に対して＂今しか言えない言葉＂があります。だからこそ、自分で状況を理解してそれを分かりやすく観客に伝えることを意識しています。その一方で、試合に向けて温めてきたコメントもあるので、この２種類を上手く使い分けています。」
部員全員で戦い抜く
應援指導部は、一人一人が最善を尽くし成長を遂げてきた。その裏にはこうした周到な準備力と柔軟な対応力があったのである。
（記事：竹腰環 取材：岩切太志）
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