4月12日に開幕を控える東京六大学野球春季リーグ戦。昨春は3位、昨秋は5位も、早慶戦で宿敵・ワセダに2連勝を収め、今季の逆襲に繋がるシーズンとした。ケイスポでは、毎年恒例の開幕前対談を実施し、逆襲を誓う慶大野球部の選手たちにインタビューを行いました!
第4弾は、吉野太陽(法3・慶應)と上田太陽(商3・國學院久我山)の三遊間を守る同級生”太陽”コンビです!

太陽ポーズを決める吉野(左)と上田(右)
ーー他己紹介
吉野:こいつはやっぱり何よりも野球がうまくて。というのも、守備ももちろんそうなんですけど、フィールドに立ってるときの余裕とか。周りの見え方とか。そういう点が野球選手としてずば抜けてるっていう印象ですね。1年生からずっとリーグ戦出てますし。ホームランを打つタイプじゃないですけど、1年生のときの早慶戦のタイムリー打つし、野球の巧さはやっぱり上田太陽を表す上で1番必要な言葉かなと思いますね(笑)後は愛されキャラというか。そういうのも一応入れといてもらってっていう感じですかね。
上田:吉野はすっごい努力家。ホームラン打つじゃないですか。センスとか思われるかもしれないですけど、裏での努力、エグくて。ずっとグランドにいて。立場に甘んじ無い努力というか。こいつ普通に考えたら絶対試合出るんですよ。けど、誰よりもグラウンドにいて、誰よりも練習するっていうのが、もう僕には絶対できないので憧れますね。あとバッティングめっちゃ良いんで、僕には無いもの持ってるのはすごいなあっていう。あと、人付き合いが上手で、先輩とかになんかうまく付き合うのがうまいなと思いますね。
ーーグラウンド上でのお互いのいいところ
吉野:やっぱ守備はとんでもないんで。僕も流石だなと思ってるんですけど。三遊間の打球はもうだいたい任せます。できるだけ上田さんの邪魔しないようにって思ってます。
上田:とってもいいよ。全然。
吉野:上田君が最も輝く瞬間なんで。邪魔しないように、邪魔しないようにっていうことだけは常に考えてやってますね。
上田:取ってくれていいからね。吉野はやっぱりバッティングかなと思いますね。こいつ自分で言ってたんですけど、「シングルヒットいつで打てる」みたいな。でも本当に打つんですよ。でもそれでも満足しないで。なんか「あれは長打できた」とか「ホームランできた」って言うんで。そこはすごいなあっていうのと、あとチャンスに強いバッターなんで。やっぱ3番とかチームの軸になる選手だなって。打線にこいつがいないと点が入らないなって感じですね。
ーー逆にお互いの直してほしいところとかありますか?
吉野:ちゃらんぽらんですね。基本的には真面目にやらなくて。でもそれが多分いいんですよね。軽さを生み出すというか。なんか行くとこ行くしみたいな。まぁでも強いて言うなら、いつもデブゲーマーみたいな生活してるんで。パソコンでネットフリックスで見ながら、携帯でなんかゲームしてるみたいな。デブゲーマーみたいな生活はちょっと卒業してほしいですね。早く。もう三年生なんで。
上田:別にいいだろ(笑)
吉野:それ以外はほんとにあんまないですけどね。
上田:吉野はあんまり野球について教えてくれないですね。チームなんで、やっぱ高め合いたいじゃないですか。でもこいつ一人で黙々とやるんですよ。めっちゃいい選手なんですけど。やっぱりバッティングとか教えて欲しいなっていう。けどそんぐらいしかないですね。
ーー2人はやっぱり仲がいい?
上田:全然違うかー。
吉野:なんかこのノリをずっとANDTVでやってて。俺たちが仲良いみたいになってたんで。「ちょっとそこはちょっと違うよ」っていうのを上田がずっと言ってたら、お母さんに「そんなこと言わないで」って言われたらしくて(笑)ノリが通じない人もいるからって(笑)。
上田:そうそう(笑)。
吉野:そういう感じですね。普通にご飯食べに行ったり、20歳になったんでお酒とか飲んで語りあったりとかそんな感じですね。
ーー上田選手は吉野選手以外になんかいい選手とかいますか?
上田:まぁ僕はみんなと仲がいいんですけど、最近は吉開(鉄朗、商3・慶應)ですね。ロッカーも隣で、趣味とかも似てるんで。結構一緒にいますね。あとは昔からはずっとなんですけど、今津(慶介、総3・旭川東)ですね。特にエピソードとかはないんですけど(笑)。
ーー吉野選手は上田選手以外には
吉野:一浪組と仲良いですね。山口瑛士(商3・郡山)とか福井怜侑(商3・三重)とか。ずっと練習したり、ご飯も行きますし。大体オフの日って美味しいもの食べに行くんで、野球部にいる太ってる人は基本仲いいですね。神宮とかで太ってる人見かけたら大体僕の友達ですね。
ーー同級生で憧れる選手
吉野:それは本当に上田選手で。なんかもう違うんですよね。その守備がうまいとか、技術があるとかもそうなんですけど、フィールドに立っているときの余裕というか安心感。野球選手として持っているものが違うなって感じですね。僕はもうそういうこととは無縁な野球人生だったんで。本当に憧れですね。
上田:吉野って言わないと気まずいじゃん。
吉野:そんなことないって。
上田:僕の代は本当にすごい選手がたくさんいるんですよ。バッティングでいえば小原(大和、環3・花巻東)とか吉田(雄亮、商3・慶應)とか、それこそ吉野とか。それはもうえぐいですから。
吉野:めっちゃバカだと思われるぞ。
上田:プロもめっちゃ出ると思うんですね。ピッチャーだと広池(浩成、経3・慶應)とか157キロ投げるし。竹内(丈、環3・桐蔭学園)はコントロールいいし、渡辺和大(商3・高松商)なんてもうプロ注レベルのピッチャーなんで。同級生から1人選べって言われるとムズイですけど。やっぱり、吉野かな。才能と努力とすべてが超一流だと思うので。センスではないと思うんですけど、努力がすごいと思うので。
吉野:センスがね。センス。
上田:センスじゃなくて努力ね。センスではないから。
ーー仲の良い先輩、尊敬する先輩
吉野:今泉将(商4・慶應)さんで。そもそも境遇がずっと似てて。去年なんかは春は僕も今泉さんも全然ベンチも入れなかったりして。同じぐらい辛い思いをしてて、その中でこうお互いいろいろ話して、そういう考え方で行けばいいんだみたいな助けられたこともありますし。本人は野球は好きじゃないって言ってるんですけど、結局負けたくないって気持ちでずっと練習してますし。辛い時間を共にした先輩としていろんなことを聞いてたりとか。同じ時間を過ごしたっていうのでやっぱり尊敬しますし、今年こそ2人でなんとか活躍したいなと思います。
上田:同じ部屋は前田晃宏(商4・慶應)さんと小川琳太郎(経4・小松)さんが一緒なんですけど、、外丸東眞(環4・前橋育英)さんって言います。
吉野:何それ。
上田:外丸さんは仲良くさせてもらってて、キャンプ中もいろんなとこ連れていってもらって、いろんな経験させてもらってますね。あとはもう大エースというところで、見えない景色を日本一とか見せてもらってるんで。尊敬できる先輩ですね
ーー期待する後輩
上田:林純司(環2・報徳学園)ですね。こいつはなんか弟子みたいな感じで。すごい練習する選手なんですけど。タイプは僕と似てて、内野で守備で魅せる選手って感じなんですけど、報徳から来たっていうのと、1年から出てるっていうので、期待とかプレッシャーとかあると思うんですけど。それでもひたむきに野球と向き合っていて。多分あれはセンスですね。センスで守備とかめちゃめちゃうまくて。成功してほしい後輩っていうか。一緒に活躍して行きたいなって言う後輩ですね。
吉野:僕は中塚(遥翔、環2・智辯和歌山)なんですけど。あいつは僕が今まで見た中で初めて自分なんかまだまだホームランバッターじゃないんだなって思わせてくれたバッターで。というのも体も大きいですし、飛ばす能力、技術、考えてることとかいろいろ話を聞いてから。もう後輩というか師匠という感じになっていて(笑)期待する後輩というか期待する師匠?いや師匠に期待させていただく点なんですけど(笑)あいつは今シーズンたくさん取ってくると思いますし。チームの優勝は中塚の成績次第かなと、僕は個人的に思ってます。あと太ってるので。
上田:あと丸田(湊斗、法2・慶應)もですね。同部屋なんで。可愛いです。
吉野:薄いなぁ。
上田:メインは一応林純司で、付け加えて丸田もって感じで。あの一番仲いい後輩なので、一応言っておきます。
吉野:仲良いから気遣ってるやん。
上田:期待する後輩は林純司なんですけど、一番仲良い後輩は丸田ってことで。
ーー丸田選手に期待するところは
上田:丸田は多分プレッシャー、期待値と注目度えぐいんでやりづらいと思うんですけど、その期待をさらに越えて来る活躍はまぁあと3年で、3年のうち、どこかでやってるんじゃないかなって感じですね。
ーー2024年のシーズンを振り返って
吉野:僕はもうなんか幅がすごい大きいシーズンだったなと思ってて。
上田:幅。
吉野:鹿児島キャンプはたくさん出させてもらってたんですけど、結果が出せなくて。結構自分のことばっか考えて、なんとかレギュラー取りたいって感じでやってて。結局春のシーズンになって、もうそのまま全然外されて。その時は今までせっかくやってきたのにって思ったんですけど、よくよく考えてみたら実力がないだけだったんで、そっからもう1回頑張って、何とかタイミングがあって使ってもらうようになって。そういう点で上も下も経験したシーズンだったなと思います。でもやっぱり今年はその経験を活かして、安定させるのも実力なんで。安定して高いアベレージと打点とチームの勝ちに貢献するような打撃、守備もそうですけど、去年させてもらった経験をなんとか今年に活かして、引っ張っていければと思います。
上田:去年は悔しい一年間で。新チームの初めの方に怪我をして。最初の方は本当に棒に振ったというか、何もできなかったんですね。でも去年の失敗というか挫折を今年に活かして。今も怪我しちゃったんですけど。
吉野:怪我しちゃってるじゃん。
上田:去年ほど大きいじゃなくて、すぐ復帰できそうな感じなので。去年みたいなシーズンはもういいかなって。去年は悔しい思いをしたので今年は頑張りたいです。
ーー2025年のオープン戦を振り返って
上田:手応え。手応えはありましたね。キャンプ中、打率は3割弱ですけど、自分の期待よりは打ったかなと思います。ただやっぱり守備。守備ですね。守備でチームの軸にならないといけないと自負してるんで。チームを引っ張っていけるような守備はまだまだこれから頑張らなきゃいけないですね。バッティングはそんな期待されてないので。けどまあその3割ぐらい打ちたいですね。
吉野:えぐいな。
上田:ノンエラーで3割目指したいです。キャンプ1ヶ月ぐらいだったんですけど。最後怪我しちゃったんですけど、1ヶ月やり切れたのは自信に繋がりましたし、ケガしないことが大事っていうのを学びました。
吉野:去年と一緒じゃん。
上田:去年の怪我とちょっと違うんですよ。突発的にというか、ヘッドスライディングしちゃったんで。去年よりやむを得なかったというのはあるんですけど、しっかりそういうのも防げるように。準備して行きたいなという感じです。
吉野:僕はポジションがサードに変わって冬にもうとにかく練習しまくって。高校の時やってたんサードやってたんですけど、全然で。ほとんど素人から始めて、とにかくノック受けまくって、たくさんコーチにやってもらって、コーチとかマネージャーが結構手伝ってくれて。そういうのをずっと続けて実践に入って。最初は全然感覚とかも良くなくて、大丈夫かな?って感じだったんですけど、もうキャンプ中もずっとノック受けて、試合もたくさん出ている中で、だんだん形になってきたかなと自分では思ってるんですけど。やっぱり僕の一番のテーマがショートの上田さんを邪魔したことなんで。それだけは絶対守って、まぁそれだけやれれば問題はないかなっていう感じです。バッティングに関しては当たり前のレベルをあげたっていうか、自分の中で1試合2本は絶対に打つという風に思ってて。それで多分2本ずつ打って10試合で20本打ちたいなって今シーズン思ってて。でも練習試合のレベルだったら3本、4本打たなきゃいけないって自分で思ってるんですけど、やっぱりランナーがいなかったりすると集中力が持たなくて。集中力をちゃんと9イニング続けるっていうのと、あとは2ヶ月あったんで、疲労との向き合い方とかいうのは結構学んだ気がしますね。今振り返ってですけど、やっぱりリーグ戦2ヶ月をどんだけ怪我しないで続けるかの選手としても大事だと思うので。 プロになってからもそういうのは大事だと思いますし。疲労との向き合い方とか、調子の保ち方とか。もちろん試合で満足いかなかったこととかいっぱいあるんですけど、それをパパッと終わらせて早く風呂上がって寝るとか。そこがやっぱり2ヶ月で続けてわかったことかなと思いますね。あとは結構計画通りにきてるかなと思ってます。
上田:おまじで。
吉野:あーでも1本もホームランが出てなくて(笑)そこだけが計算外でしたね。中塚さんが代わりに打ってくれた感じです(笑)。
ーーポジションが変わったのは監督に言われて?
吉野:そうですね。ことちの、今年の。
上田:ことち?
吉野:ちょっと可愛い自分もアピールしとこうかなみたいな(笑)。
上田:だる(笑)。
吉野:ポジションは去年1年外野をやって、僕は外野ではそもそも勝負できないと思ってて、去年はたまたまそこにフィットさせてもらったんですけど、今年は出るならサードかなっていうのと。後々のことを考えたら、セカンドとかもできたら幅も広がると思うんですけど。それで監督と話してじゃあやろうかという話になりました。
ーー2025年春季リーグで対戦したい選手
上田:松本慎之介(=東大、理Ⅱ2・國學院久我山)ですね。久我山時代に同期で、久我山から一浪で東大っていうすごいキャリアの選手ですね。
吉野:久我山ってそんなすごいん。
上田:まぁ一応センバツベスト4。
吉野:えぐ。まぁでもそのセンバツ帰りの久我山に僕らボコボコで勝ってます。しかも僕、松本慎之介からホームラン打ってます。しかも5回投げて抑えてます。
上田:僕だけヒット打ってます。
吉野:小っちゃかったんで、油断したっす。
上田:テスト明けで、テスト終わった日の午後に試合で、みんな眠くてしょうがなかったです。
吉野:いうて勉強してないでしょ(笑)。
上田:めちゃめちゃしました。
吉野:過去問とかもらってるでしょ。それで勉強してますみたいな顔されてもね。
上田:答え覚えるのに必死だったので(笑)。まあていうのもあって。慎之介は東大戦で今年は投げてくると思うので、対戦できたらと思います。
吉野:僕は髙須大雅(=明大、法4・静岡)さんで。確実に今年プロに行くっていうのと、あとは去年の秋に本当にもうこれは無理だと思ったので。進化してる髙須さんと対戦することで僕の成長をどうかを確かめたいです。やっぱり明治はピッチャー陣いっぱいいますけど、その中でもやっぱ髙須さんを打てるか打てないかが僕の将来に関わってくると思うんで。その髙須さんを打つためにここまでやってきたので。対戦して腕試ししたいと思います。
ーー2025年シーズンお互いのどういったところに期待するか
上田:吉野は守備ですかね。
吉野:間違えてるわ。
上田:三遊間、しっかり守って欲しいですね。っていうのは冗談で。吉野は去年、2割ぐらいでホームラン3本ですけど。ほんとは 3割5分とか打てるバッターなので。今年はまずは打率。ホームランもそうですけど、打率をちょっと上げてほしいですね。あとは打点。打点はこいつが取らないと勝てないと思うので。打点王と首位打者とってほしいですね。ホームランはいいや。
吉野:上田は犠打で。
上田:犠打!?
吉野:犠打でお願いします。というのも、やっぱり打線のつながりを考えたら、結局そういう小技が今年は勝ちに繋がると思うので。
上田:冗談とかじゃなくてガチで犠打か。
吉野:今シーズンの上田選手は犠打だけに注目して貰えばいいかなって感じです。まぁもう分かってるじゃないですか守備とかも。やっぱ犠打で稼いでちょこちょこ打って3割みたいなのがやっぱ斎藤快太(令7卒・県立前橋)超えられるか越えられないかみたいなとこだと思うので。
上田:たしかにね。
吉野:これはバズるか。
上田:バズるか。注目のプレー犠打って。
吉野:ボケみたいになっててよくないわ。野球ってめっちゃバンド大事だからなぁ。もう15犠打ぐらいしてもらって。
上田:15犠打って。
ーー2025年春季リーグへの意気込み
上田:まずはリーグ優勝と日本一を目標に。そこに貢献するっていうことで。試合に出続けることで貢献する。出続けることって競争も激しいんで難しいんで。まずはそこを目標にして、、、そうですね、、試合に出続けます!あとは、チームに貢献します!日本一に貢献します!
吉野:えっと、僕はやっぱり一番はチームの優勝、日本一で。これに向けて、自分の成績の目標は3割5分4本打15打点。タイトルはやっぱり欲しいですけど、周りの選手がやることなんで、まあできればたくさん欲しいですけど。まずは自分のできることに集中して、タイトルよりもチームが優勝できればもうそれでいいんで。こういう気持ちがやっぱり大事だと思いますし。また、普段支えてくれるスタッフ、コーチたちをはじめとしてスタッフに対する感謝はもちろん普段から伝えてますけど。結局結果しか僕は返せないと思ってるんで。そういう人たちはあの表に出られるわけじゃないんで。なのでやっぱり表に出る以上はそういう責任も、プライドも背負って絶対優勝したいと思います。
上田:あー支えてもらってる家族、サポートメンバー、マネージャー。みんなのため。恩返しですねって入れといてください。
吉野:薄。
(取材、記事:塩田隆貴)