第87回関東大学バスケットボールリーグ戦
2011/10/22 (土)@明大和泉キャンパス
慶大‐専修大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 17 | 19 | 20 | 29 | 85 |
専修大 | 18 | 18 | 20 | 22 | 78 |
慶大のスタメンは家治主将(環4)、蛯名(法2)、中島(総2)、本橋(環2)、伊藤(環1)。
1Q、開始早々から慶大は家治がチームを引っ張る。ジャンプシュート、バスケットカウントと連続得点。更に蛯名、中島も主将の奮闘に続き得点を積み重ねる。しかし専大も個人能力の高さを見せ、一歩も譲らない。一進一退の展開の中で、慶大は本橋のディフェンスリバウンドから速い展開が生まれるようになると、そこから加点していく。しかし依然として専大も積極的なオフェンスを見せ、17-18と慶大1点ビハインドで1Q終了。2Q序盤、ベンチから出てきた権田(政1)が強い攻め気を見せて、「チームに活気を与えられるようなプレー」(権田)で連続して得点。更にはオフェンスが手詰まる場面も伊藤がゴールに果敢にアタックして慶大の得点を増やしていく。徐々に慶大のディフェンスが機能し、専大を苦しめ始めると、オフェンスでも家治が3Pを沈め、36-31と慶大が5点のリード。しかし最後の最後で立て続けに専大にアウトサイドシュートを沈められ追い上げられる。結局36-36と両校譲らず、同点で前半終了。
3Q、またもや序盤から家治が気を吐く。インサイドの本橋へのアシストを演出すると更に自ら連続6得点。課題であった後半の出だしも主将自らが打開していく。この時間帯、泥臭い部分でも慶大が上回った。蛯名もオフェンスでリバウンドに積極的に絡み、セカンドチャンスを作り出していく。慶大はコートの5人が集中力を保ちながらしっかり役割を果たす。そして速い展開も出始め、慶大に流れがさらに傾きかけたが、対する専大は思い切りの良いアウトサイドシュートとドライブで必死に食らいついていく。慶大は専大のラストワンプレイも止めることが出来ず56-56と再び同点で最終Qを迎える。最終Q、出だしからお互いの意地と意地がぶつかり合い、ゲームは拮抗する。その中で慶大は中島を中心に家治、権田が緊迫した場面でしっかりと加点していく。慶大が決めては専大もやり返す緊迫した展開に。この状況下で勝機をしっかりつかんだのは慶大。伊藤がタイトなディフェンスからスティール、これが専大のアンスポーツマンライクファウルを引き出し、さらには伊藤がドライブで得点し80―78。次の専大オフェンスも守りきり、後のない専大はファウルゲームを敢行。フリースローをもらった家治と蛯名はしっかりと沈め、85―78で試合終了。最後に慶大が専大を振り切り、見事勝利を手にした。
ようやく長く苦しい8連敗から抜け出した。単に勝利を収め、連敗から脱出しただけではない。「1人1人が自分の役割を果たすことが勝利に繋がった」(中島)とコート上5人の充実感、40分間続いた集中力、7週目までのチームから一皮むけ、一体感がより増したのは大きな変化であり収穫だ。今までなら崩れてしまっていた勝負所でも、今日は慶大が一枚上手だった。まだまだ課題が残るものの、安定感を取り戻した主将の家治を中心に、経験を積んできた若い選手達の歯車が噛み合い、チームとして機能してきたことがうかがえる。まさに「この1勝は今後につながる大きなもの」(家治)となったはずだ。けれども長いリーグ戦、一喜一憂している暇はない。まだリーグは残り3試合、そしてすぐ後に1部残留をかけた入れ替え戦が控えている。今の慶大にとって重要なことは、この1戦で生まれた上昇気流にうまく乗り、そのままの勢いでベストな結果を残すことだろう。
By Shigehisa Osajima
コメント佐々木HC
伊藤が良くやってくれています。それに尽きますね。(4Qまで集中が続いたように見えたが)僕に言わせるとこういう試合で点差をつけられないというのは寂しいです。学生は勝てていないから喜んでるみたいで、それはそれでいいんですけど、下級生しか頑張れないというのは私としては辛いです。でもその点では家治が頑張ったかなと。(なかなか点差を離せない展開だったが)ミスが多いです。それが僕にとっては一番残念です。(リバウンドについて)前半で9本ぐらい我々の方が多く取っていたので、それはすごく良かったと思うし、この一週間の練習でハリバックしてピックアップをするというディフェンスの練習と、リバウンドを取るということをやったので、若干そこの意識付けが出来たかなと思います。あとはいつも相手は大きいのを3枚ぐらい出して、リング下でゴリゴリやってくるんだけど、それがなかったので助かったね。(4Qでは、中島の強気なプレーが目立ったが)最近練習でしっかりやれているのは中島しかいないんですよ。彼はリーグ戦の前半はスッキリしない感じだったんだけど、去年の実績もあるので、そこらへんの気持ちが整ってきたかなという感じですね。全体的にパスミスが多いので、ノーマークだったらどんどんシュートを打つこと、前が空いてたら抜いていくというバスケットの原点をしっかりやりなさいという話をしたので、それが良かったのかなと思います。(最下位から抜け出したが)まだまだじゃない。もう1つ勝たないとダメですね。(東海大戦に向けて)東海はいいチームだけど、10点ぐらいの所で捕まえていけば自信になると思うし、勝機を見いだせるかもしれないので、しっかり臨んでいきたいですね。
家治
(今のお気持ちは)正直に嬉しいですね。この前専修に勝ってからは早稲田だったり明治を相手に接戦で勝ちきれてなかったんですけど、今日こうやって力を出し切って勝つことができたのでよかったです。相手にシュートを決められたところでいつもなら流れを持っていかれていたんですけど、今日は皆気合を入れてシュートを決めてくれたし、ディフェンスもオフェンスも今日の勝ちで成長できたと思います。(連敗中で気持ちが沈みがちになる中で、どういう姿勢で試合に臨んだか)負けが続いていると言っても1試合1試合僕たちがやるべきことは変わらないので、毎試合気持ちを作って臨んでいます。だけどそれでも勝てないのが続いていたので、先週チーム全員でミーティングし直して試合出てる人、出てない人関係なく全員が思っていることを皆に伝えるというミーティングの場を設けまして、今日に向けての皆の気持ちを確認しました。そういうことが今日のゲームの集中力につながったと思います。(後半は緊迫した場面が続いたが振り返って)いつもなら相手に追い上げられたり、引き離されるところでうちはターンオーバーやシュートミスで後手に回る場面が多かったんですけど、今日は決められても決め返したり、相手をじらしてシュートが外れたところで逆にうちが点を決めることができました。シュートに関してもディフェンスに関しても皆最後まで集中してくれたと思います。(自身のプレーを振り返って)先週くらいから個人としてはシュートタッチが良くなってきて、今までは変にプレッシャーを感じてリズムを崩すことがあったんですけど、今は自分の気持ちをコントロールできるようになりましたし、去年のように自分のタイミングでシュートを打てるようになったと思います。先週に続いて今週もいいプレーを継続できたのはいいことなのでこれからも続けていきたいです。(この勝利を受けチームの雰囲気は)頑張ろうと皆で声を出してもやっぱり勝てないと沈んじゃう時があるんですけど、それでも毎日全員で頑張って練習をしてきたし、先生も頑張ってたらいつか成果は出るとおっしゃっていたので、僕たちは今日それを体現できたのでこの1勝は今後につながる大きなものです。皆も自信が持てたんじゃないかと思います。(明日の試合に向けて)明日は東海戦でアウェーなんですけど、去年はその中で延長で勝てましたし今チームはいい雰囲気なので、入りをしっかり集中すれば絶対に勝機はあると思います。まずは入りから今日の流れを継続できるように皆で声を掛け合いたいと思います。
蛯名
やろうと決めたこと、例えばリバウンドだったり基本的な部分をしっかりできたことで、相手がイライラして、最後シュートを外したところをうちが取りきって速攻につなげられたことが勝因だと思います。(リバウンドについて)専大は大きいですけど、リバウンドに対する意識がうちの方が高く、その穴を埋められるのがガードの仕事だと思っていて、今日はオフェンスリバウンドを取れる場面が3,4本あったのでその点については良かったです。(今日の集中力がよかったことについて)専修はやりやすいかもしれないですね。相性とかもあるので。専修のチームカラーは個人の能力を生かしたバスケットで、僕らはとりあえず走って動いてという全員でやんなきゃいけないバスケットをしていて、それが対応されきれてないところが相性で考えたときに僕らに利が出てるのかなと思います。(最後のシュートについて)最後リバウンドとって、5秒あったので家治さんにパス出そうかなと思ったんですけど、出しにくかったですし、これを外すとかっこ悪いと思ってシュートに行きました。伊藤が点取ってたので僕も取らないととも思ってました。パス出そうと思ってたんですけどね。(リーグ戦終盤に向けて)もうちょっと試合に出ていたいです。やっぱりファールがかさむとどうしても出してもらえないですし、それだけじゃなく何かチームにとってプラスにならないと出してもらえないので。今日だったらディフェンスだったりシュートを決めることだったり、何かしらプラスになる部分を出していきたいです。試合に出ていないと信頼を得られないのでそういう部分も考えていきたいです。(明日の東海戦に向けて)東海とやるということで、みんなマッチアップする人は自分よりもうまいので、盗めるものは盗んでいきたいです。特にインサイド陣はもっと成長しないといけないので、ぶつかってって自分達のできることをやって、足りない部分を見つけるという意味のある試合にして、そのうえで勝ちたいです。
中島
(勝利の瞬間の率直な気持ち)やっと、という感じでした。ずっと負けが続いていて、チームでやりたいことができなくて悪い流れがありました。でも、あの瞬間が良いきっかけになってくれればいいですね。とりあえずほっとしました(試合展開について)途中、相手の3Pとか、宇都選手のシュートが入り始めた時に自分たちもついていくことができたのが良かったと思います。それが最後に離すことのできた要因の一つだと思います。(集中力が続いていた印象があったが)1人1人が自分の役割を果たすことが勝利につながったんだと思います。(自身のプレーを振り返ると)3Pが入ったのは良かったんですけど、最後の方でゴール下やオフェンスリバウンドを取られたのは反省です。その点は明日の東海戦で切り替えていきたいと思います。(リーグ序盤は3Pが入っていなかったが、自身の調子については)先生から空いたらシュートというのを強調していらしたので、入って良かったです。調子も良くて、シュートタッチも良かったですし、気持ちの問題もあったと思います。中盤にドライブをやるようになって、3Pの感覚がちょっとずれたのかもしれません。(撃ちやすくなった)その面もありますね。今日は両方ができたと思います。これからも両方できるようになるのが理想です。(4年生が少なくて不安定な部分があるが2年生としては)2年生なんですけど、去年から試合には出させてもらっていますし、もっと周りを見る力を付けなければいけないと思います。(2年生同士でそういった話はするか)そうですね。蛯名、本橋、矢嶋とかと、引っ張っていかなければいけないので、自分たちで勝負を決めるくらいのプレーをしていこうと話しています。(勝率的に入れ替え戦になってしまうが今後について)勝ち負けというより、今はディフェンスとリバウンドを意識しているように良い内容で終わろう、入れ替え戦に繋げようと話しています。個人としてもチームとしても内容にこだわってやっていきたいと思います。
伊藤
やっと勝ててよかったです。それが一番の今の気持ちです。一度勝った相手という自信もありましたし、今まで負けてきてチームの雰囲気も悪かったですし、ここで一発勝って、もう一回仕切り直しで、チームの雰囲気がよくなればいいなと思っていました。周りの方々にもずっと応援して頂いているので、恩返しはまだできていないですけれど、勝ててよかったです。(一試合通じて強気なプレーが目立ちましたが)勝ちたかったのですし、先生にもどんどんシュートを撃っていいと言われたので、その通りしっかり攻めていくことを意識しました。(ディフェンスについて)残り三分で仕掛けようかなと思って、ずっとシーソーゲームだったので、その前に我慢して、最後、勝負に出ました。(リーグ通じての収穫)こういう風に経験させてもらっていることはありがたいことですし、この経験をこれからに生かしていきたいと思っています。リーグ戦ではどのチームにも素晴らしいガードがいっぱいいるので、すごくいい経験ができていますし、負けたくないので、これからも練習を頑張って、一番目指して頑張りたいです。(チーム内の雰囲気について)応援してくださった皆もベンチのメンバーも喜んでくれて、それが本当に嬉しいです。いい雰囲気だと思います。(速攻が多く出ましたが)速攻がでたのもやっぱりセンター陣がしっかり守ってくれたからこそだと思います。中島さん、本橋さんが一生懸命頑張ってくれた結果だと思います。(東海戦に向けての意気込み)明日は強敵なので、チームの雰囲気を維持しつつ、チャレンジャーという気持ちを忘れないで、勝ちたいので、勝ちにいって、結果はどうかわからないですけど、チーム全体で勝ちを目指して頑張りたいと思います。
権田
苦しい時間帯もあったんですけど、離されないで最後まで行って、ああいうせめぎ合いの所で伊藤だったりがしっかりと点を取れるというのは、チームとして成長してるのかなと感じますね。(途中から出る時の心境は)スタートから出てる人より、ベンチから出てくる人の方が元気はありますし、そういうチームに活気を与えられるようなプレーを出したいと思って試合に出るようにはしてます。(リバウンドが取れていたが)今日はたまたまです。センター陣がボックスアウトを頑張ってくれていたので、落ちて来た所を拾うだけという感じでしたね。(出場機会が増えているが、個人としての手応えは)シュートが通用するのかなというのは自分の中では感じてきてて、あとはチームの中で少しずつ認められてきたのかなという所もあるので、チームの中心になれるようにやっていきたいと思います。(東海大戦に向けて)前回は大差で負けてしまって悔しい思いをしたんですけど、今僕らはチームを立て直すためにミーティングを重ねたりして頑張ってるんで、勝負云々じゃなくても自分達がやるべきバスケットをやれれば、入れ替え戦に向けてもいい方向に繋がっていくと思うんで、しっかりとやっていきたいと思います。
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