【男子テニス】特集③ 4年生の強さⅡ長谷川主将編

しなやかなプレーが異彩を放つ長谷川

偉才の副将・長谷川、復活の兆し

 今年の慶大の中核を成す4年生の内の一人、長谷川副将(総4)は強烈な個性でチームをリードする。そのプレーはまさに繊細でしなやか。シンプルな動きの中で自身の意図を表現する様には、生まれ持ったセンスの高さが伺われる。力任せにボールを叩かずにトップで戦う長谷川のスタイルは大学テニス全体を見渡しても一際異彩を放っている。4年目の不調

  しかし今季の長谷川はスランプに陥っていた。春の関東学生で敗退したことにより、「試合で勝てるという自信」を喪失。テニスに「迷い」が生じ、夏の関東学生でも結果を出すことができなかった。そうした不振が響き、インカレでは前年度ベスト4にも関わらず予選からの出場となってしまった。

  だが予想外にも、これをきっかけに長谷川の調子は好転した。予選を地道に勝ち上がったことで、試合勘が回復。本戦でもベスト8まで駒を進めた。残念ながら準々決勝では痙攣を起こし敗れてしまったが、リーグ戦へ向け良い流れができていた。

  そして迎えたリーグ戦初日、不測の事態が長谷川を襲った。真夏のような日差しのためか、突然全身が痙攣。長谷川は痛みを抱えながらもコートを降りなかったが、当然手足は思うように動かない。なすすべもなく相手に勝ち星を献上する結果となってしまった。

体調との駆け引き

  この半年で「フィジカル的には良くなった」と感じていた矢先だけにダメージは少なくないだろう。さらに長谷川を欠いては法大に勝ち王座に進むことは難しい。2年ぶりの王座進出が、そしてその先の日本一が遠退いたように思われた。

  しかし驚くことに長谷川は、中一日で回復してコートへと戻ってきた。痙攣があったことなど感じさせない軽快な動きで第二戦での完全勝利に貢献。さらに運命の法大戦では井上主将(総4)と共に単複で二勝をあげ、慶大の窮地を救った。二重の逆境の中でも、チームが必要とする場面で白星を挙げた長谷川。副将として選手として、「求められているのは結果だけ」。ストイックなまでのその意識が長谷川を勝利へと駆り立てている。

日本一に王手

 全国の舞台でチームを引っ張るほどの選手である長谷川だが、「卒業後は就職」だとすっぱり言い切った。15年間毎日を費やし、「自分そのもの」となったテニス。だが泣いても笑ってもこの王座で最後だ。だからこそ今までで一番の笑顔を、日本の頂点で見たい。チームと共に戦い、成長してきた長谷川が、今最後の花道へと歩みだす。

 

その手に勝利をつかむ

◆長谷川祐一(はせがわゆういち)

私立名古屋高校を経て現在総合政策学部4年。使用ラケットはBLXTour95。安定したストロークと広いコートカバー、流れるようなネットプレーが特徴。特技は「ハイパーヨーヨー」と言うとおり、ヨーヨーのようなしなやかさに注目だ。

~選手の選ぶここまでのMVP~

近藤大基選手

〈理由〉1年生で春関ベスト3。元気だから。早慶戦で勝ったから。今だんだんポテンシャルを引き出してきた。今後に期待できる。など。

加藤大地選手

〈理由〉荒ぶってるから。大車輪の活躍でした、期待しています。ポテンシャルがある。など。

志賀正人選手

〈理由〉強くなってチームのために勝ってる。夏関のファイナルタイブレーク5-6の場面でセンターにエース級のサーブを入れたから。など。

選手の皆さんアンケートにご協力ありがとうございました!

By Asuka Ito 

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