【ソッカー(男子)】4年目の”覚悟”背負う主将&副将 角田惠風×田中雄大×西野純太/早慶クラシコ2025直前企画第14弾

ソッカー男子

2021年以来4年ぶりの勝利を目指すソッカー部。今年は慶大が1部リーグ、早大が2部リーグと所属リーグに差があるだけに絶対に負けられない展開となった。早慶クラシコ直前企画第14弾となる今回は角田惠風副将(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)、田中雄大主将(商4・成城学園/三菱養和SCユース・横浜F・マリノス内定)、西野純太副将(総4・駒大高)の3選手にインタビューを行った。

 

――他己紹介

西野角田:「サッカー小僧」という言葉が一番似合います。何においてもサッカーを軸に、学年としてピッチ内ファーストっていうのをずっと掲げてきた中で、その基準となるものをずっと示し続けてきた存在です。今シーズンは苦しい試合が多かった中で結果を残し続けてきたし、努力をし続けてきたからこそだと思います。ただピッチ外では意外と優しい一面もあって、ピッチ内でのしっかり者という感じとはギャップがあります。

角田田中:田中主将は、まさにキャプテンです(笑)。ピッチ内で言うと、試合の時はもちろん、自分たちの中心的な存在となるのがアンカーだし、雄大がチームをコントロールしてくれている、という安心感があるキャプテンです。最近は練習で熱い言葉を周りにかけてくれるし、ピッチ外でも関わりを持っている人たちは誰も怖がることはないし、気軽に喋りやすい、バランスの取れたキャプテンだと思います。

――ピッチ外での様子は?

角田:あまり自分のことを語らないタイプですね。

西野:聞いてみると意外と言ってくれるかも?(笑)

田中西野:純太は、食いしん坊(笑)。ピッチ外で言うと、お腹が空いたり、眠くなっちゃうと機嫌が悪くなってしまうので、すぐご飯に連れて行ってあげれば元気になります。試合前もいっぱい食べないと動けないという、珍しいタイプです。ピッチ内では、最初はリーグ戦の出場がなかった中でのアミノバイタルカップで復帰という形になって、結果的に明治戦で全国大会の出場を決めることができたのは、間違いなく失点を少なくしてくれた純太のおかげだと思っているし、特に守備面でチームのために、体を張りながら死ぬ覚悟でプレーしてくれているところは信頼しています。

 

――お互いの強みとなっているプレーは?
西野角田:惠風は正直どのプレーにおいても高いクオリティでできると思いますけど、最近ずば抜けているなと思うのは推進力。自陣でかなりプレッシャーをかけられている時でも、一回外してゴール前までボールを運ぶ力というのは、ここ1年くらいでより成長しているなと見ていて思います。あとはフリーキックですね。あんなに両足で蹴れる人いないので、圧倒的ですね。

角田田中:雄大は、ゲームの中心となって試合をコントロールするのがアンカーだし、このサッカーができているのは雄大がいるおかげだっていうのは全員わかっています。わかりやすい長所としては、視野の広さとキックの精度、あとボールを失わないところは、サッカーをしていて安心感があるし頼りになるかなと思います。

田中西野:純太は、とにかく体を張れる、ボールを避けない、ボールを体にぶつけられるというのが、シュートブロックの上手さにつながっていると思います。自分だったらすぐ避けちゃうんですけど、ボールを見て、シュートに反応して体だったり頭を出すっていうのは一番の武器だと思います。普通の人だったら避けるところを、思いっきりボールに突っ込めるところが強みだと思います。あとは周りに声をかけられることです。純太がいるといないだとディフェンスラインの総合値が全然違う気がします。

 

――西野選手はその自覚は

西野:声は去年からずっとかけていたし、去年からでている身としては、そういうところはやっていかないといけないなと思っていて、意識的に声をかけるようにしています。

 

――今季を振り返って

角田:試合を重ねるに連れて怪我人が復帰してきたというのもあるんですけど、どんどんよくなっているなというか、どんな相手にも戦えるなっていうピッチ内での感覚はありました。12位という結果になってしまいましたが、僕はこれからだと思っています。

田中:一緒です(笑)。

西野:自分も復帰して、全国大会の出場も決まったというのはありつつも、とはいえ無失点が一回もないというところは、今後目指していく自分たちの目標から逆算した時に足りない部分だと思っています。前線が点をとってくれるのは間違い無いと思うので、あとはディフェンスライン含めて、どう失点を減らしていくのかというのは今後の課題だと思います。

角田のゴールで勝利を決めた試合も多い

――今シーズン一番印象に残った試合は?

角田:アミノバイタルカップの明治戦ですね。明治は慶應に在籍している4年間で勝てる相手とは思えなかったので、そこに勝って全国大会出場を決められたっていうのは大きかったかなと思います。

田中、西野:同じくです。

 

――田中選手は昨年よりロングボールやミドルシュートの割合が減り、細かいパスが増えたように感じたが、攻撃参加という点で昨年と今年で変わったところはある?
田中:それは自分の意識で変えたというよりかは、少なくなっちゃったという感じですね。去年ほど自分がフリーでパスを受けるというシーンはないし、相手の逆をとって前を向くというのが自分の実力不足でできていない分、フリーで気持ちよく蹴らせてもらえないというのもあるし、ミドルシュートに関しても、チームとしてなかなか長く押し込む時間を作ることができず、相手の方が多いというところで、結果的にそういう風なプレーになってしまっているので、良くは無いかなという感じです。

 

――角田選手は昨年に比べて技術が向上しているように見えるが、精神面も含めて昨年と変わったところは

角田:調子がいいと言うよりかは実力が上がったんですかね(笑)。去年の終わりあたりから、自分たちは割と型にハマった、形があるサッカーなんですけど、1部に上がって相手のレベルが上がった中で、自分で何か起こさないという意識が芽生えて、自分でボールを持った時には相手を一枚剥がしてというのをボールをもらう前に決めてプレーしているので、メンタル的な部分に技術が付いてきたのかなと思います。

 

――西野選手は前期リーグ戦出場がなかったが、復帰するまでどのようなことを考えながら練習していたか

西野:正直、不甲斐なさや後ろめたさ、チームへの申し訳なさがありました。プレーしようと思えばできなくもないけど、自分の中での割り切るところが、妥協点を見つけきれていない状況で復帰できていなかったというところと、チーム状況としてなかなか勝つことができなくて。顕著に失点数が多いというのは去年から出ている身としては責任を感じていました。ただ一方で自分は副将でもあるし、去年から出ていたからこそ、後輩たちに伝えられることはあったと思っているし、試合に出れないなりに自分がいなくてもチームが勝っていける状況を作ろうっていう。コミュニケーションなどを心がけて、それがアミノバイタルカップ含め、チーム全体の総合力で勝っていかなきゃいけない連戦の中で、ある程度成果としてできたのかなという部分はありました。

 

――3選手とも主将・副将という立ち位置で就任から半年が経ったが、やっていて難しいこと、新しく気づいたことなどはあるか

角田:純太と雄大が周りに声をかけることができる、周りごと引っ張っていけるなというのを感じていて、自分はその中でプレー面の方を重視して周りに声をかけているという意識でやっています。最近は純太と雄大が全体の雰囲気を作り上げてくれるので、その中で練習の強度とかを自分のプレッシャーで上げていくというのを意識しています。

西野:副将という立場として、一番は自分がピッチに出て活躍するというのは求められているものの、チームとして成果を残していくところが重要になってくる中で、他の選手に対する発信、声掛けなどの周囲に対する働きかけというのは、チームを第一優先に考えてできているのかなと思います。

田中:純太と一緒で、去年に関しては4年生がチーム全体の雰囲気だったり、練習を作り上げることだったり、試合に入っていく雰囲気みたいなところを意識してやってくれていた中でその4年生がいなくなって、もちろん自分のプレーで、とか背中で引っ張るのは大前提として意識しつつ、全員の意識がないといい練習にはならないし、それが結果として出てしまうと思うので、全員一人残らずトップチームは特に、全員で練習を作って試合に入っていく雰囲気は意識的に。練習中も、その前後でもコミュニケーションをとりながら、下級生とか関係なく働きかけというのを意識してやっています。

プレー以外での貢献度も高い西野

――同じソッカー部で仲のいい選手は?

西野:みんな仲良いっす。

角田:まじまじ。

西野:結構自分たちの代は例年に比べて仲良い方かなと思います。みんなそれぞれカテゴリー問わず、仲良いですね。

 

――サッカー以外の趣味は?
田中:純太は食べ歩きじゃない?

西野:まあまあ、食べ歩き(笑)。雄大はゴルフか。

角田:俺は別にないかなぁ。あ、海辺を走る。波の音が好きでよく聞いています。負けた日とかは。家が江ノ島の近くなので。

 

――最近はいつゴルフに

田中:先々週くらい?同期と行きました。引退したら監督(スタッフ陣)と一緒に行きたいです(笑)。

 

――食べ歩きは最近どこかに

西野:いや毎日ですよ毎日。誰といく?まあ同期とかとオフの日に。ラーメンとか、焼肉とか。直近は、祐天寺にある「ぶひぶひ」っていうオムライスのお店に是非行ってみたいなと思っています(笑)。

 

――後期リーグを踏まえて後輩に託したいこと、チームとして成し遂げたいことは?

田中:結果を出せば、後輩たちは来年以降も頑張ってくれると思うし、言葉で何か伝えるのももちろん大事だと思うんですけど、とにかく自分のプレーだったり、4年の意地みたいなものを感じとって、来年それが結果として出せればいいと思います。

西野:泥臭さ。去年の早慶戦で完敗した時に、ワセダの方が泥臭く、チームとして競争していたのを感じたので、泥臭さは結果とともに慶應に必要な伝統みたいなところとして残していけたらなと思います。

 

――期待する後輩は

角田:試合を変えることができる選手が必要だと思っていて、それで言うと三浦大其(経2・慶應)です。新人戦でも必ず結果を出していますし、アミノバイタルカップでも出ているときは結果を出しているし、観客を魅了するプレーもできるというところで、彼のドリブルには注目する価値があるかなと思います。

西野:自分は斎藤大雅(文3・立命館宇治/京都サンガF.C.U-18)と三浦成貴(商3・浜松開誠館)です。成貴は去年から出ていたけど、やはり勝つためには守備が必要だし、2人はその自覚があるからこそ試合に出ていて、それを姿勢で下の代とかにも見せてほしいなというところでこの2人です。

田中:石田航大(政3・慶應/ブリオベッカ浦安U-18)出してあげるか(笑)。不器用だけど一生懸命だし、なんかやろうとしているっていうのは一緒にやっていても感じます。一人で何かできるわけでも無いし、特別立つような選手では無いかもしれないけど、それでも泥臭く、できることを最大限やろうとしてくれている姿勢は注目してほしいです。

角田:ちょっと茅野さん(=茅野優希、令7卒・慶應)に近いよね。

 

――憧れの選手は

角田:いないです。

田中:特にいないです。

西野:自分アンドレア・ピルロ(元イタリア代表MF)ですね。

角田田中:嘘だろ(笑)

西野:これはほんとに、幼少期から憧れていたんですけど、だんだん踏み外してポジションが後退していくっていう(笑)。

 

――サッカーを始めるきっかけになった選手

角田:いないですね。

田中:全然わかんないです。

 

――サッカーを始めたきっかけ

田中:気づいたらやってました(笑)。

角田:兄がやってたからです。

西野:自分も兄が。

 

――好きなサッカーチームは?

角田:今のバルセロナが好きです。やっぱり昔と今とでサッカーは変わってきてて、速いサッカーの中で、擬似カウンターとかではなくしっかりと自分たちのスタイルを持っているところ。中盤の選手として参考になります。

西野:俺はもうACミラン一択で。小学校1年生くらいからずっと見ているので。なんでかはわからないですけど、魅了されて今があるという感じです。

田中:自分はあんまりピンとこないですね(笑)。

早慶クラシコは4度目となる田中

――3人とも昨年の早慶戦に出場したが、昨年を振り返って

角田:個人的にはかなりひどい内容で、4失点目にも絡んでしまって。チームも大敗して、思い出したくない試合の一つです。今季は借りを返せるのが早慶戦だけなので、なにがなんでも勝ちたいなと思っています。

西野:2失点目は自分の守備対応の甘さで、明らかにそこからチームの流れを悪くしてしまったので、自分自身4失点ということも含めて大きな責任を感じました。ただやっぱり何よりあの舞台で完敗するという悔しさもありました。今季ワセダと試合ができるのはあと一回っていうことと、自分たちが在籍しているうちに定期戦で勝っているところを見たことが無い、実現していないので、慶應がワセダを上回っているというところをしっかり見せたいなと思います。

田中:個人的にも何もできなかったし、リーグ戦では慶應はワセダより上の1位か2位にいて、チームとしてもどこか「いけるっしょ」みたいな。声では謙虚にって言っていたけど、どこかで慢心や隙がでてしまって、4失点で負けたとも思うので、隙はピッチ内外で一つもなくして、今年は最高の状態で試合に臨めたらなと思います。

 

――今年の早慶戦の注目選手は?

角田:大下崚太(商4・慶應 /東京ヴェルディユース)じゃないですか?

西野:復活の(笑)。大下が復活することでチームに与える影響は大きいと思います。それも込みの大下で。

 

――今年の早慶戦で注目してほしいプレーは?

角田:圧倒的存在感を出して、チームを勝たせる仕事をするという決意を持ってプレーします。見ていて10番目立ってるなとか。仕事してるなって思ってもらえるように頑張ります。

西野:戦う姿。自分のプレーもそうだし。声掛けも含めて。誰よりもチームで体張って戦っている姿を見せて、勝ちたいと思います。

田中:自分のプレーもそうですけど、とにかく勝てればなんでもいいかなと思っているので、勝つために自分含めてチームとして最高の状態で。心身共に最高の状態で入れるように準備したいと思います。

 

――今年の早慶戦は誰に見てほしい?

西野:自分は家族とか、今までお世話になった人たちに見てもらいたいです。今までの感謝も含めて、等々力の舞台でチームを勝たせるプレーをして、プレーで感謝を伝えられたらなと思います。

角田:試合に出れない選手たちに大きい背中を見せたいなと思います。

田中:自分も他の部員だったり、1年から4年の間まで関わってきたOBの人たちだったり、今いる後輩たちに自分の成長したところを表現したいと思います。

 

――早慶戦に来てくださる方々にメッセージ

角田:こういう選手たちがどんどん上にいくんだなって思ってもらえるようにプレーしたいので、もしサッカーやっている子やサッカーファンの人が見に来てくれるなら、そういう人に印象に残るようなプレーをしたと思うので、ぜひ来てください。

西野:また来年以降も来たいと思ってもらえるような試合をするので、楽しみにしていてください。

田中:攻撃的なサッカーをする中で、献身性というところも表現したいと思っているので、綺麗なところだけじゃなくて、一生懸命さや泥臭さというのを見てもらいたいと思います。

 

――早慶戦への意気込み

西野:絶対に勝ちます!

角田:代を振り返った時に、早慶戦に勝ってるか負けてるかはスタッフ陣がよく口にしているので、もちろんリーグ戦やインカレなどで結果を残していくつもりですけど、やっぱり早慶戦で勝って、あの代は早慶戦で勝ったよねって言われるようになりたいので、何が何でも勝ちます。

田中:必ず若き血を全員で歌えるように、勝ちます。

主将副将が4年ぶりの勝利を導く

(取材:塩田隆貴 記事:林佑真)

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