【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 第二弾(亀山翼/齋藤凪彩/齊藤にいな)

競走

2025年春、36名が“第111代目の部員”として競走部に新たに加わった。高校時代の挫折、新たな出会い、環境の変化――それぞれの信念で競技と向き合ってきたその存在は、既に部全体に大きな刺激と活力をもたらしている。ケイスポでは「新入生紹介企画」と題し、今年競走部の門をたたいた7名の1年生にインタビューを行った。第二弾となる今回は、様々な経歴を持つ選手・マネージャー・トレーナーの3名を深堀り!

プロフィール

亀山翼 (商1・三条)

中距離ブロック所属

専門:800m、1500m

齋藤凪彩(文1・川和)

サポートブロック所属 

役職:マネージャー

齊藤にいな(経1・慶應湘南藤沢)

サポートブロック所属 

役職:トレーナー

 

――まずは、お互いの他己紹介をお願いします!

齋藤(凪)マネージャー→齊藤(に)トレーナー

「選手、同期も先輩も関係なく皆に心を開いて話している」(齋藤(凪))

にいなはずっと小さい時から、陸上競技に関わってきています。慶應にも小さい時から通っているので、慶應の競走部というところにすごい身近だったんじゃないかなというか、関わりがすごい強かったのかなと思っています。性格は、基本的にいつも明るくて笑顔で、選手、同期も先輩も関係なく、すごく心を開いて話しているので、それが彼女の魅力です。

齊藤(に)トレーナー→亀山選手

「一見すかしているように見えるけれど、話してみたら…?」(齊藤(に))

まず、競技にはめっちゃストイックです。この3人とも中距離合宿に行ったんですけれど、そこで走っている姿を見て結構心打たれました。性格的な面で言うと、一見すかしているように見えるけれど、話してみたらそんなことはなかった…?(笑) すかしてはいるけれど、話しやすいし、ちゃんと芯を持ってくれるなっていうのはわかりました。

亀山選手→齋藤(凪)マネージャー

「色々本当に合宿ではお世話になりました」(亀山)

最初に会ったのは、写真撮影の時です。その時にちょっと喋って、すごい良い子そうだなって思いました(笑)。あと、先輩から聞いた話なんですけれど、部室で誰もいない時に、1人で掃除しているらしいです。高校時代もすごい練習頑張っていたみたいで、大学に入ってからマネージャーとして実際に仕事する時も、上田ひなた(総3・県立船橋)さんたちと一緒にタイム頑張って読んでくれました。色々本当に合宿ではお世話になったので、そういうところでは尊敬しています。

 

――お互いの第一印象は?

齊藤(に):凪彩とは結構最初の方からずっと仲良いです。私は3月ぐらいからいて、凪彩を勧誘する側だったんですけれど、その時から、陸上大好きなんだなというのがすごい伝わってきていました。初対面の時に箱根駅伝の話をした記憶があります。

齋藤(凪):にいなは結構はじめの方から気軽にというか、たくさん話しかけてくれて、すごい嬉しかったな、と覚えています。

亀山:俺はにいな、正直ちょっとビビってました。

齊藤(に):えー、なんで?(笑)

亀山:最初、ホワイトボードに自分の意気込みを書いて写真撮るんですけれど、そのとき書いていたのが「矜持」で、その上に振り仮名で「ギャルマインド」って書いてあって。
「うわ、ギャルだ」と思って、最初ビビってましたね。

一同:(笑)

――「矜持」の上に「ギャルマインド」と書いたのにはどのような意図が?

「カメラマンさんに『本当に自分の心から出た言葉なの』と言われて」

齊藤(に):最初は「ギャルマインド」で行こうと思っていたんです。ただ、親に「『ギャルマインド』でいこうかな」と言ったら、「流石にやめなさい」と言われて。お父さんに「『矜持』という言葉がいいんじゃないか」と言われて、なんかいいやんと思って写真撮ったんです。そしたら、写真撮ってくださるカメラマンさんに「本当にそれは自分の心から出た言葉なの」と初対面なのに言われて。「違います」、「なんて本当は書きたかったの?」、「『ギャルマインド』です」というやり取りをして、上に小さく書かせてもらいました(笑)。

 

――競走部に入部を決めた理由は?

齋藤(凪):私は小さい時から陸上やってきて、高校で「もういいかな」って1回思ったんです。でも、受験でちょっと離れた時に、自分の生活から陸上がなくなるっていうことがあんまり考えられなくて。あと、私の高校の2個上、1個上の先輩が慶應の競走部に入部したことを知っていて、その先輩たちにすごい良くしてもらったし憧れていたので、同じ慶應に来れたなら一緒にもう1回頑張りたいなと思って入部しました。

「自分の生活から陸上がなくなるっていうことが考えられなくて」

齊藤(に):私が入部したきっかけは、まず本当に陸上が好きというのが1つです。陸上は、箱根駅伝や、100メートル、やり投、幅跳びなど、いろんな種目があって、陸上に十数年関わってきているけれど、本当に飽きないというのが理由です。なぜ大学でもやろうと思ったかというと、お父さんがOBなので、幼稚園の頃から日吉に試合を見に行ったり、練習を見せていただいたりすることが多かったんです。必然的に、私もここに将来いるんだろうなというのを漠然と思っていたので、あんまり迷いはなく入部しました。

亀山:中学高校と、全国大会には出たんですけれど、やっぱり全国のトップ層とは差を痛感しちゃうような結果になりました。その悔しさを晴らすために、大学では関東インカレ、日本インカレ、日本選手権などに出て、活躍できるような選手になりたいと思ったのが入部したきっかけです。

――ご自身を一言で表すとしたら?

齋藤(凪):私はちょっと色々考えたんですけど、「シミュレーター」です。結構慎重派というか、自分の良くないところでもあるんですけど、本当に準備を重ねないと、色んなことが不安で、仕事するにも色々考えちゃうんです。あらゆることをシミュレーションして仕事に臨んでいるというところで、「シミュレーター」にしました。

齊藤(に):私は「未熟」という言葉を選びました。まず、トレーナーとしてまだデビューできてないのもそうですし、凪彩は準備を重ねて、淡々とやっていくタイプなんですけれど、私は結構ギリギリにならないとできなかったり、思いつきで行動してしまったりするところがあるんです。先輩や同輩を見て、自分が未熟だなというのを日々痛感しているので、「未熟」です。

亀山:「悟空」、孫悟空だなと思っています。

“孫悟空”

一同:(笑)

亀山:1つは、悟空の師匠に亀仙人というやつがいるんですけれど、亀仙流の教えに、「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べ、よく休む」というのがあるんです。それ俺だなって。もう1つが、悟空は結構強い敵にぶち当たっても、1回負けても、絶対強くなって帰ってくるんです。そうなりたいなと、ちょっと願望も含めつつ、悟空にしました。

 

――同期との関係性や、競走部の雰囲気について教えてください

齋藤(凪):最初の方はサポートブロック内で一緒にいるのが基本だったんですけれど、特に夏休み期間を通して、その他のブロックの選手たちの同期とも話したり、ご飯一緒に行ったりすることもできるようになりました。女子は結構攻略してきたかなと思うので、人数の多い短距離男子あたりとコミュニケーション取れたらいいなと個人的には思っています。部の雰囲気としては、すごい優しい人が多いというところに加えて、この前、日の丸を背負った先輩もいらっしゃるので、レベルの高さ、意識の高さというものも感じます。今まで私が過ごしてきた小中高の陸上の環境とは全く違う、ハイレベルな環境なんだなというのをすごく感じています。

「すごい優しい人が多い」

齊藤(に):半年経ったというのもあって、同期とは結構打ち解けてきているんではないかなと思います。競走部の雰囲気としては、すごく優しい人ばかりで、中距離合宿に行った時も、ケアしたら「ありがとう」とか「応援、声かけめっちゃ聞こえたよ」とか、そういう言葉をたくさんいただきました。サポートは見返りを求めないというのが鉄則というか、共通認識なんですけれど、やっぱり言われたら嬉しいなと思ったし、もちろん言われたからにはその言葉に応えようって思えるような組織なので、すごい居心地もいいです。

亀山:まず同期は、最初は中距離ブロック内で固まっていて、あんまり打ち解けてはいなかったんです。最近になって、記録会の補助員などで交流する機会があったので、ちょっと仲良くなってきたけど、まだまだこれからかな、と。短距離の先輩も正直関わる機会があんまりないので、話しかけようと思います。部の雰囲気は、もうみんないい人ばかりで、自分も中距離の先輩方には良くしてもらっているので感謝しているし、いい意味で友達みたいな感じなので、そういうところがすごくいいなと思います。

 

――憧れの先輩・選手はいますか?

齋藤(凪):引退した4年生のマネージャーの先輩2人、園田翼(文4・中京大中京)さんと黒住綾音(文4・三田国際)さんをあげさせてもらいます。

強く憧れを感じたのは関東インカレの時で、まだ入部して1ヶ月も経ってない状態で、関東インカレに宿泊ありで自分も行くことになりました。結構緊張していたし、ものすごく忙しかったですけれど、そこで翼さんたちが、選手の見えてないところで、本部とのやり取りに関わる資料を夜通し作っていたり、その話し合いの場でものすごく本気で戦っていたりするところを見て、すごいいいなと思いました。それで、涙を流しているところを見て、見えないところでも頑張れる人になりたいな、と。

「見えないところでも頑張れる人になりたい」

翼さんと綾音さんに共通しているのが、とにかく仕事を効率的に進めるのが上手いところです。自分の仕事をしながら、私たちのこともしっかり見て的確な指示を出してくれていたので、そういうところに憧れを持っています。

齊藤(に):4年生の松尾(直樹、文4・八王子東)さんと羅ヘス(文4・盆唐大眞)さんです。

松尾さんは陸上が本当に大好きで、私、正直競歩は有名な選手数人ぐらいしかわかんないんですけれど、松尾さんは競歩の海外の有名選手まで知ってて、戦略などの話も、この前、世界陸上を見てて話していました。そういう陸上競技に対する愛もそうですし、あとは、選手とのコミュニケーションの仕方も適切な距離だなっていうのは毎回思っています。踏み込みすぎないけれど寄り添っているというか、松尾さんは安心感がすごくて、部のお兄ちゃんって呼ばれているんですけれど、個人的には、お父さんかな、と(笑)。松尾さんがいればどうにかなるんじゃないか、松尾さんにテーピングを巻いてもらえれば痛くないんじゃないか、という安心感がある先輩の1人です。

「選手を応援できるようなサポーターになりたい」

ヘスさんは関東インカレで、担当選手の鈴木太陽(環4・宇都宮)さんがメダルを取ったんですけれど、その時にすごい涙を流していたのが印象的でした。担当選手が結果を遺したら、嬉しいって思うけれど、やっぱ涙を流すというところまで私はできるのかな、選手1人にそこまで心から応援できるのかなというのが、不安なところでもあります。私も、そういうふうに選手を応援できるようなサポーターになりたいなと思ったので、2人をすごい尊敬しています。

亀山:自分が1番尊敬しているのは、成沢翔英(環3・山梨学院)さんです。というのも、自分が入学した4月からの、横田真人さんという本当にすごいOBの方がいて、その方が、成沢さんの練習パートナーとして、自分を推薦してくれて、そこから成沢さんとほぼ2人で練習するようになりました。この前、その成沢さんの家に泊まって、2人で13日共同生活みたいな合宿したんですけど、そういうところから、成沢さんのすごさがわかりました。

亀山の憧れの存在である成沢(3年)

成沢さんのすごいところは、勝つためにどうしたらいいんだろうという思考力と、それをすぐ行動に移せる行動力だと思っています。もう本当に破天荒なので、ちょっと見習えない部分もあるんですけど(笑)、競技力やそういう行動力と、自分に対してストイックというところは、誰よりも尊敬できると思っています。

 

――サポートブロックのお⼆⼈に質問です。選⼿と関わる際に、選⼿の⾃主性をどこまで尊重していますか?

齊藤(に):トレーナー的には、選⼿から「ケアして」と頼まれたらやる感じですね。もちろん⾃分たちから、今足はどうかとか、最近⾜の調⼦はどうかとか声掛けもするけれど、向こうから来たらやるというのが基本ですね。

齋藤(凪):マネージャーとしては、基本的な業務が練習帯同でのタイムや動画に関することが多いので、その役割を果たしつつ、練習前、早く来ている選⼿に声をかけてもらったらサポートするし、逆に誰も動画を撮っている⼈がいない場合は、選⼿に声をかけることもあります。動画撮影の後にフィードバックを求めてくる選⼿もいるので、そのときはこちらも⼀緒に考えています。基本は私たちからやって、選⼿側から求められたときには、それにも対応しています。

「向こうから来たらやるというのが基本」

――選⼿が苦しんでいるとき、どのような距離感で接していますか?

齋藤(凪):選⼿によると思うんですけれど、私はご飯に誘っています。全然競技に関係ない話をした⽅がいい⼈もいるし、逆に聞いてもらいたい⼈もいます。こちら側としても、話を引き出して、普段のサポートの仕⽅について考えられるので、聞けそうな感じがあれば、話を聞ける環境を作るようにしています。

齊藤(に):私はトレーナーなので、怪我をして挫折した選⼿がいれば、⼀緒に原因を究明します。ディープな問題になると思いますが、そこにしっかり寄り添えるトレーナーになりたいです。逆に、“どこも怪我をしていなくて、毎⽇練習に励んでいるのに、タイムが伸びない”という選⼿もいるので、⼀緒にフォームの動画を観たり、話し合って⾃分の考えを⾔ってみたりしています。そういった⾯でサポートができればなと思います。

 

――選⼿の性格に応じて、アプローチの仕⽅は変えていますか?

齋藤(凪):あまり後ろ向きな姿を⾒せたくない⼈もいるので、周りに⼈がいる中でそういった話題を持ち出すのは、選⼿にとってしんどいことだと思います。その場合は、⼆⼈きりになったときに調⼦を聞いたりしていますね。

齊藤(に):⾃分の気持ちを⾒せたくない⼈もいるし、⼀⾒気持ちを出したそうに⾒えても、実は違うという⼈もいるので、しっかりアンテナを張って、観察しているつもりです。

111代の今後の活躍に期待!

 

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齋藤凪彩マネージャー(【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 齋藤凪彩 | KEIO SPORTS PRESS

齊藤にいなトレーナー(【競走】ルーキーたちよ、集まれ!! 新入生紹介企画 齊藤にいな | KEIO SPORTS PRESS

 

(取材:吾妻志穂、竹腰環、中原亜季帆 編集:中原亜季帆、吾妻志穂 写真:竹腰環)

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