【器械体操】男子団体1部昇格!下級生トリオ対談/小田切伊織×辻岡大歩×篠田晴三朗

器械体操
8月18日〜22日にかけて青森県武道館で行われた、第79回全日本学生体操競技選手権大会。本大会で、器械体操部が男子団体で念願の1部昇格を決めました!
 
今回は、小田切伊織(総3・慶應)選手、辻岡大歩(法1・慶應)選手、篠田晴三朗(文1・静岡学園)選手の下級生トリオにお話を伺います。

 
プロフィール

 

小田切伊織(総3・慶應)

辻岡大歩(法1・慶應)

篠田晴三朗(文1・静岡学園)

大会記録

氏名

順位

ゆか

あん馬

つり輪

跳馬

平行棒

鉄棒

合計

小田切伊織

4

13.000

12.633

11.500

13.366

12.566

13.166

76.231

篠田晴三朗

29

12.300

12.600

10.500

12.800

11.466

12.333

71.999

辻岡大歩

61

11.466

10.400

11.100

12.633

12.033

11.866

69.498

ーー他己紹介をお願いします

篠田辻岡

1年生の間ではみんなのお兄ちゃんみたいな存在で、しっかりしていて周りもよく見えている、本当に頼れるお兄ちゃんです。

辻岡小田切

伊織さんは2個上の先輩ではありますが、どこか子どもらしい一面もあって、体操が本当に好きなんだなと感じる場面が練習中でも試合中でも多くあります。そういう姿を見て、自分も同じ気持ちで頑張りたいと思っています。

小田切篠田

篠田は普段はふざけていることが多いんですが、やるべき時は本当に真面目に取り組むタイプです。自分の役割をきちんと果たしてくれるのがすごく良いところだと思います。ただ、最近はもう少し真面目にやってほしいなと思うこともありますね(笑)。それでも、いざという時にはしっかりやってくれるという信頼があります。

1年生コンビ()

ーー全日本インカレを迎えるまでのチーム状況

篠田: たくさん練習を重ねて、チームとしても仕上がってきたかなと思っていたところで、怪我人が相次いでしまって。本番までどうなるか分からない状況だったので、不安も大きかったです。

辻岡:6人中5人が怪我している状況ではありましたが、練習の積み重ねや通し練習の精度が上がっていたので、安心して本番を迎えられたと思います。

小田切:各自が苦手分野に向き合って努力する姿勢や練習の積み重ねが去年・一昨年よりも大きく、その分、怪我人がいても自分たちなら大丈夫という気持ちで試合に臨めたと思います。

 

ーー試合前の心境

篠田:不安半分、楽しみ半分みたいな気持ちで、僕はちゃんとした団体戦に出るのが初めてだったので、チームで戦うというのが不安と楽しさが入り混じっていました。

辻岡:僕はチーム戦が楽しみというのもあったし、僕自身も通せる確率は高まっていたので、だいぶ自信をもって会場練習も試合当日も望んでいました。

小田切:自分が決めなきゃいけない場所が試合の中で大きくあって、その重圧はあったのですが、前2人とは違って大学入ってから試合も経験してきたので、結構リラックスした形で余裕を持って試合に臨めたかなと思います。

 

 

ーー種目それぞれを振り返って

跳馬

辻岡: 初めて全日本インカレという舞台に立って、1種目目の最初だったこともあり、他大学の声援がすごくて自分への応援が聞こえないほどでした。それでも得意な技だったので自信を持って臨めて、着地も決められたので、自分の中では良い仕事ができたと思います。

 

平行棒

篠田: 1種目目の跳馬がチーム全体としてすごく調子が良く、盛り上がった中で迎えた平行棒でした。自分はその1番手で、少し緊張もあり、最後の着地が少し乱れてしまいましたが、なんとか通し切れました。このチームは平行棒が強いので、あとはみんなに任せようという気持ちで臨みました。自分としては満足いく演技ではなかったですが、仲間を信頼して託しました。

 

鉄棒

小田切: 個人的に一番心配な種目である反面、自分の中で最もやらなければいけないと感じていた種目でした。実はチームとしてだけでなく、個人としても「全日本インカレ2部の鉄棒で優勝する」という目標がありました。昨年はわずかな差で優勝を逃してしまい、その悔しさがずっと残っていたので、今回はその思いが大きかったです。

鉄棒は離れ技や降り技などミスの出やすい種目で、練習でも成功率が高いとは言えず不安もありましたが、平行棒のときと同じように周りの声がしっかり聞こえて、自分のリズムをつかむことができました。落ち着いてベストな演技ができ、優勝という結果につながったことは本当にうれしかったです。

 

ゆか

篠田: ゆかは苦手種目で、パワーが足りない分、大きな技はできないのですが、その分着地の回数が多いので、一つひとつの着地を丁寧に決めようと意識していました。鉄棒までの流れも良く、不安もなかったので、試合自体を楽しめていたと思います。

 

あん馬

辻岡: あん馬は何よりも落下が多い種目なので、落ちないことを第一に意識して臨みました。落下はしなかったものの、途中で少し乱れがあり、スコアを伸ばし切れなかったのは悔しかったです。それでも、最後まで通せたという点では自分を褒めたいと思います。

 

つり輪

小田切:つり輪はチームとしてかなり苦手意識があって、他大学とも差がついてしまう種目で、最終種目なのでどうしても耐えなきゃいけない場面でした。やっている技の難易度は特段高いわけではない中で、綺麗にこなしてその差を最小限にしないといけないというのがありました。自分もそれを意識してやっていたのですが、疲労と緊張でいっぱいの中で、最終種目の演技中に肩の亜脱臼をしてしまったんですよ。そんな中でも最後どうしても繋がないといけなくて、意地で通し切ったというのがすごく印象に残っています。

 

ーー全体を振り返っての感想

篠田: 今回の全日本インカレは、まさに奇跡に近いというか、すべてがうまくかみ合った試合でした。個人的にもすごく楽しかったですし、チームとしても大きな達成感を得られたのは貴重な経験になりました。

辻岡: 高校時代は団体戦の経験がなかったのですが、全日本インカレを通して団体戦の良さを強く感じました。今回は1年生として引っ張ってもらう立場でしたが、これから学年が上がるにつれて、団体戦の良さをより引き出し、チームを引っ張っていける存在になりたいと思います。

小田切: 僕は今年初めて引っ張る側として臨みました。先輩としてこれまでの団体戦の経験を生かし、下の学年の2人をしっかりと引っ張っていけたのではないかと思います。

下級生を引っ張る立場となった小田切

 

ーー1部昇格が決まった時の心境は
慶應は2部準優勝で1部昇格のチャンス、早稲田は1部の下位に位置しており1部降格の危機だった

辻岡:早稲田の席で応援している中で、早稲田と1部でやりたいという思いと、1部に上がりたいという思いと色々な気持ちが混じっていて、結果的に早稲田も慶応も来年1部で戦えるというのはすごく誇らしいし、来年が楽しみだなと思います。

篠田:僕たちの試合が終わって次の日だったので、試合の熱も冷めていて、1部昇格が決まった時も僕自身もそんなに実感はなかったのですが、4年生の先輩が泣いているのを見て、そこから自分も嬉しさを感じました。

小田切:去年のインカレでも1部昇格を狙ったのですが、結果として0.036という僅差で1部昇格を逃した経験をしていたからこそ、今年1部に上がれたのが奇跡なんじゃないかという中で、来年4年生が自分1人だけというので、来年は1部を守らなければならないという重圧は感じます。

 

ーー1部で戦っていく中で大切なこと

篠田: 団体戦は6人が演技して、そのうち上位5人のスコアで争われます。ただ、4年生の3人が抜けると、演技できるメンバーがちょうど5人になり、全員の点数が計上されるという厳しい状況になります。だからこそ、個々の技を増やしてレベルアップしていくのはもちろん、いかに安定した演技を続けられるかが大切になってくると思います。

辻岡: 少人数で1部に挑む上では、何より安定性が重要だと思っています。その安定性をつくるためには、まず通し練習の難易度を上げていく必要があるし、5人で戦うためには一人ひとりの練習の積み重ねが本当に大切になってくると感じています。

小田切:個人的には、もう少しそれぞれが個を発揮しても良いのではないかと感じています。みんな得意種目があると思うので、それを突き詰めて、人を驚かせるような演技を見せる選手が出てきたら、チームの士気も上がり、得点にもつながると思います。あとは、自分が上級生としてどうチームに働きかけていくかが求められると感じています。

ーー来年の全日本インカレでの目標

篠田: 個人として、6種目合計で76点を取ることです。

辻岡:個人目標は、演技の難易度を上げて篠田に負けない点数を取ること、そして6種目すべてを通し切ることです。

小田切: 個人目標としては、まず鉄棒で1部の舞台の表彰台に立つことです。また、インカレの得点によって翌年の全日本選手権の出場権が決まるので、その権利を獲得できるような点数を取れる選手になることを目指しています。

ーーありがとうございました!

 

 

(取材:根本佳奈、小野寺叶翔 編集:小野寺叶翔)

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