【ソッカー男子】第3節 連敗同士の対決を制し今季初勝利 東学大戦

  

前節は欠場した藤田だが、今節で復帰を果たした

春の海風が吹く中、関東サッカーリーグ第3節東京学芸大学戦が夢の島競技場で行われた。ともに開幕2連敗同士。絶対に勝ちたいという両チームの思いが随所に見られた好ゲームは、後半、近藤(総1・愛媛FCユース)のFKから松岡(商4・慶應湘南藤沢高)が頭で合わせた虎の子の1点を守りぬき、1-0で勝利。苦しい試合展開の中、第3節にして初勝利をあげた。

第86回関東サッカーリーグ戦【前期】1部リーグ 第3節

2012/4/21(土) 13:50KO @夢の島競技場

慶應義塾大学1-0東京学芸大学

{得点者}69分 松岡淳(慶大)

良いサッカーをしながらも、開幕2連敗となかなか結果のついてこなかった慶大。前節からスタメンを数人入れ替え、前の試合は怪我のため欠場していた藤田主将(政4・藤枝東高)も復帰し、試合に臨んだ。

一年生ながら、慶大の攻撃をけん引する近藤

前半序盤は慶大らしいパスサッカーが機能する。選手間の距離を近く保ち、細かいパスをつないで相手ゴール前に侵入する場面を多く作った。しかしラストパスの精度を欠き、18分までシュートが打てず、試合のペースを完全に自分たちのものにすることができない。その後は自陣でボールを奪われ、東学大のショートカウンターを受けることが多く、主導権を相手に明け渡す場面が目立つ。25分にはクロスボールのこぼれ球を至近距離からシュートを打たれるもボールは枠の上へ。続く32分にはセットプレーからフリーで合わせられるも、GK峯(政2・桐光学園高)のファインセーブもありゴールを許さない。その後、慶大は磨見(文2・横浜FCユース)や近藤の個人技でチャンスを作るが、単発な攻撃に終わってしまい決定機を生むには至らない。両チームチャンスは作るものの決定力を欠き、ゴールネットを揺らすことのないままスコアレスのまま前半は終了。

今季から頭角を現し、開幕からスタメン出場を続ける磨見

後半に入っても流れは変わらず、東学大に押し込まれる場面が続く。慶大は自分たちのサッカーであるショートパスを主体とするサッカーを貫こうとするが、前半と同様相手の守備網にかかってしまいFWに収めることができない。その後しばらく試合の流れは変わらなかったが、1つのプレーによって試合の流れは一変する。69分に相手戦手がこの日2枚目のイエローカードで退場。そしてそれで得たFKで近藤がゴール前にふわりとあげたボールを松岡が頭で合わせ待望の先制点を奪う。得点直後に森田(経4・川崎フロンターレU-18)に代えて武藤(経2・FC東京U-18)を投入。慶大は試合を決定付ける2点目を狙いにいく。「ボールをつなぐことによって相手も動くから、絶対足が止まってくる」(須田監督)と言うように前半から激しくプレッシャーをかけ続けた東学大は徐々に足が止まり始める。膝の調子もまだ思わしくない武藤も相手DF2人を一瞬に置き去りにするような切れ味鋭いドリブルを見せるなど、試合は慶大が完全に支配する。75分にはリーグ戦初出場の澤根(商2・清水東高)を投入。慶大は守りに入らず試合終了まで追加点を奪いにいく姿勢を貫き、相手にチャンスらしいチャンスを作らせないままタイムアップ。第3節にして初の勝ち点3を手に入れた。

松岡は今節、チームを勝利に導く決勝点を決めた

「常に攻めの気持ちを忘れずにもちろんもう1点欲しかった。できればもう1点とって試合を決定付けたい」(須田監督)というように、苦しい試合展開の中でも自分たちのサッカースタイルを見失わず、勝利を手繰り寄せた慶大。「ビルドアップの面でミスが多かった」(松下・総3・国学院久我山高)という言葉通り、まだまだ改善すべき点もある。それでも先制後のような戦い方を試合開始からすることができれば、勝利を重ねることができるだろう。「チームの目標はインカレ出場」(峯)である荒鷲イレブンは今節の初勝利にも満足することなく、この先の試合も戦い続ける。

(記事・青山直樹)

試合後コメント

須田監督

(今日の試合を振り返って)ここ2試合連敗続きで、その負けから学ぶことが多かった。この勝利はそこから学んだ、特にその戦う気持ちとか、そういうのが出ていて非常にいいゲームだったと思います。(前回の試合は球際の弱さを指摘していたが、今回はそこがしっかりできたか)そうだね。球際だったり走り負けないとか競り負けないとかそういうベースの部分っていうのがしっかりしてないと、このリーグでは勝っていけない。そこはベースとして、それをプラスαとして我々のフットボールである攻撃についてはしっかりとポジションを早くつくって、パスコースを早くつくってボールをしっかり回していく。それでボールを奪われた瞬間ディフェンスをすぐやると。そんなところができていたんじゃないかと思います。(後半は相手のキーパーを狙えという声がでていたが)キーパーに戻したときはプレッシャーをかけなさいといいました。(ロングボールで狙えというわけではなかったのか)そうではなくて、キーパーの最初のキックがあんまり良くなかったんで、キーパーにバックパスいったときはプレッシャーをかけなさいと。(メンバーを替えてきた意図は)二連敗したっていうので、どこか替えなきゃいけないってので人を変えたと。それからポジションを変えた。それでチームの雰囲気だったり左サイドやっていた山浦新、我々がイニシアティブをとってボールを支配して攻撃する中で、彼はそこの起点として考えていたのだけれども、なかなかそれができなくて、逆にディフェンスの方がストレスになっていたので、そこの部分から解放させてあげようってことで本来のポジションに変えた。それとディフェンスに今回出た保田が一対一の対応だったりディフェンスの能力に関してはチーム一なんでね。彼を入れることによってディフェンスを安定させたいと。そんな意図があってメンバーの変更をしました。(ピッチのコンディションが悪かったがそれについての指示は)悪いといっても我々のフットボールをつくるためにはキーパーから基本的にはパスをつないで、相手のゴールまでいこうと。ボールをつなぐことによって相手も動くから、絶対足が止まってくる。そういった意味では前半から、もちろんミスはあったんだけども、芝も悪いんだけども、我々のリズムを使うためには蹴るよりかはしっかりとつなぐことがプラスじゃないかなと。別にグランドが悪いからといって指示はしませんでした。(最後まで攻め続けていましたが、守るように指示をしなかった理由は)もう守りに入った瞬間気持ちも守りに入ってしまうんで、それで相手にあれこれやられることは多々あるし、そういった経験もあるので、常に攻めの気持ちを忘れずにもちろんもう1点欲しかった。できればもう1点とって試合を決定付けたいというのがあって。引くなと。とにかく攻撃しようと。相手も10人だったんで、そういう指示をしました。(初勝利となりましたが、チームの流れは変わりそうか)変わるでしょう。間違いなく変わると思いますし、変えていかなくてはいけない。選手たちも今日の試合をかなり力をいれたというか重要な試合っていうのをわかっていたので、3連敗するともっとチームの雰囲気っていうのが悪くなるのでね。大事な試合でここで1勝したのは安心感もあるし、これで勢いにのれるんじゃないかなと思います。(次に向けての意気込みを)今日のゲームは最低限、気持ちの部分はベースとして、我々のフットボールの質を上げていきたい。次の国士戦ですけど、大事なのはこの一週間の準備。いろんな体の手入れだったりもちろんサッカー的な戦術面、そういった部分で良い準備をして次の試合に向けて頑張りたいと思います。

MF藤田息吹主将(政4・藤枝東高)

(3試合目にして初勝利となりましたが、今の気持ちは)正直ホッとしている部分があります。(今日の試合を振り返って)今日の試合は自分たちのサッカーをしようということを心掛けていて、その中で自分たちのサッカーをしつつも、相手よりも上回って、戦う気持ちだったり、勝負にこだわる気持ちを全面にだせたので、勝ちにつながったと思います。(相手の選手は再三藤田選手に対してアプローチしていたが)やっぱりパスサッカーを目指しているので、ボランチでとられたら話にならないので、そこを上手く周りを使いながら、展開できたり打開できたらいいなと思ってやっていました。(先週は藤田選手は欠場していましたが、怪我の具合は)徐々に上がってきています。少し痛かったんですけど、試合になったら問題なかったです。(無失点勝利も今後の自信になるのでは)そうですね。ここから連勝して波に乗っていければと思います。(連敗同士の対戦という状況のなか、監督からは何か言われたか)もちろん危機感を与えられたというか、すごい練習中も厳しいことをいわれて、本当に選手がその中で、須田さんの期待に応えられたかなと思います。(次節の意気込みを)さっきもいったんですけど、ここから連勝して波に乗っていきたいので、またチーム一丸となって頑張ります。

DF松岡淳副将(商4・慶應湘南藤沢高)

(初勝利となりましたが、今日の試合を振り返って)開幕から連敗していたので、素直にうれしいという気持ちです。今週、チームとしてできる準備というのはすべてやってきたのでその成果が出たかなと思います。(決勝点を決めた感想)素直にうれしかったですね。今節はもう本当にやるしかなかったので、本当にうれしかったです。(相手の印象)結構ディフェンスラインから縦に速い攻撃でやってくるというのは試合前から分かっていたので、それの対応というのはディフェンスラインで試合を通じてできたかなと思います。(次節への意気込み)今年のチームというのは、全員で戦うと普段から言っているのでこの1勝というのをいい機会にして波に乗っていきたいと思います。

DF松下純土(総3・国学院久我山高)

(今日の試合を振り返って)2連敗していた中で0に抑えることが出来たのは大きいと、守備陣として0に抑えることができてうれしく思っています。(個人の出来)個人的には、長所であるビルドアップという面でミスが多かったので合格点は与えられないんですけど、0に抑えたというのは大きかったと思います。(攻め込まれていたと思うが)結構攻められていて、峯に助けられたという面も大きいと思うんですけど、チーム一丸となってゴールを割らせないという意識があったんで、シュートに対して皆で体を寄せるであったり、そういうことが良かったと思います。(攻撃面について)ポジション柄、守備が一番ではあるんですけど、自分の長所というのは攻撃に関わっていることだと思うので、それでも、今日はそれがまだまだ足りないというのがあって、後ろから組み立てていくというコンセプトでやっていく中で、もっと前にパスを出していけたらと思います。(チームの完成度)開幕戦で、自分たちのサッカーはある程度できていたんですけど、前節はそれが出来なくて、今日はまた出来ていたと思うので、7,8割はできているかなと思います。(次節に向けて)連敗を止めて、いい流れができていると思うのでこのままの勢いで勝ちたいと思います。

MF磨見朋樹(文2・横浜FCユース)

(今日の試合を振り返って)前回の試合は自分たちのサッカーができなかったので、今日の試合は結果はともかくとして内容のある試合をしようと言っていて、それができたことで結果もついてきたので良かったです。(自身の出来を振り返って)全体的に悪くなかったと思うんですけど、決める所を決めていればもっと楽な試合になったと思うので、個人としては反省の多い試合でした。(プレーで意識したことは)今サイドをやっているんですけど、サイドに開いてプレーするというよりは、中に入って相手と相手の間でボールを受けてチャンスを作ることを意識してます。(運動量が多いように見えたが)監督から流動的にやれと言われているので、運動量を増やしてなるべくボールに絡むことを意識していました。(次戦に向けて)来週も今日のようにいい試合をして勝ちたいと思います。

GK峯達也(政2・桐光学園高)

(今日の試合を振り返って)本当に嬉しいですし、ホッとしています。(自身のプレーを振り返って)ここ2週間、ずっと至近距離のシュートを止める練習をしていて、前節は止められなかったんですけど、今節止めることが出来て良かったです。(プレーする上で意識していること)ディフェンスが前からいくので裏のスペースが空いてしまうので、そこで自分が前に出ることを意識してやっていて、今の所3試合やって大きなミスもなくやれているんですけど、そういうことは意識してやっています。(攻撃の起点となるプレーも多く見られたが)前節神奈川大戦の時はロングボールを蹴ることが多かったんですけど、今節は繋ごうということでフィールドの選手もボールを受ける意識を強く持ってやってくれたのでやりやすかったです。(開幕から3試合が経過したが手応えは)去年1年間公式戦に出ることはできなかったんですけど、Iリーグだったり練習試合でいい経験をさせてもらって、今年からスタメンで出させてもらっていて、正直開幕戦とかは少し不安もあったんですけど、ある程度感触は掴めてきているので、これからはチームに救ってもらうのではなくチームを救う選手になれたらと思います。(次戦に向けて)この勝利は本当に嬉しいんですけど、チームの目標がインカレ出場なので、また次も勝てるようにやっていきたいと思います。

MF武藤嘉紀(経2・FC東京U-18)

(今日の試合を振り返って)今日は自分は途中出場で出たんですけど、まずは得点の意識を持っていたのですが得点に絡めなくて残念でした。(個人の出来は)個人としてはまだ5割くらいしかたぶん力出せていないと思うので、そこでいかに次節までに自分の体調とか膝の調子とかを上げているかが問題になるかなと思います。(どういうことを意識してピッチに入っていったか)入る前は点が入っていなくて、グラウンドの目の前に立ったときに点が入ったのですごくやりやすい、1-0というリードしている状態だったのでやりやすかったんですけど0-0の状態だったら自分は点を決めるために監督が出してくれたと思うのでそういう意図がある中で今日もまた点が取れなかったというのはダメだったんじゃないかと思います。(次節に向けて)自分の活躍よりチームのために走りまわって得点も決めてチームの勝利に貢献できればいいと思います。

FW近藤貫太(総1・愛媛FCユース)

(今日の試合を振り返って)勝てたことが良かったです。自分が試合を決めることが出来なかったという面では、悔しかったです。(前半攻めあぐねていたが)個人的にも、なかなかボールを回せないという時間帯というのが長かったんですけど、後半30分過ぎからボールを回せるようになって、自分としても良いプレーが出来たのでそこは良かったです。(大学サッカー3試合を戦ってみて)自分の持ち味を出せば通用しないというレベルではないですし、まだまだ出せていないという面もあると思うので、そういう面ではこれからだと思いますが、ピッチに立てば学年関係ないんで、思い切ってやりたいと思います。(次節に向けて)連敗はこれ以上避けたいですし、これから波にのれるように一戦一戦戦っていきたいと思います。

 

慶大出場選手

GK峯達也(政2)
DF松岡淳(商4)
DF 松下純土(総3)
DF保田隆介(法2)
DF岩田修平(総3)
MF 増田湧介(環2)
MF 藤田息吹(政4)
MF山浦新(総2) →77分澤根祐(商2)
MF森田達見(経4) →70分武藤嘉紀(経2)
MF磨見朋樹(文2)
FW近藤貫太(総1) →89分長尾賢太郎(総2)
 

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