【バレーボール】あまりにも痛すぎる一敗　順大戦

絶対に落とせない一戦であったが・・・

慶大のホーム、日吉記念館で行われた春季関東リーグ第６戦。前の試合で東海大から大金星を挙げ優勝戦線に浮上した慶大であったが、この日は上背の高い順大のブロックに苦しめられ敗北。優勝が一気に遠のく一敗となってしまった。

５月１２日（土）春季関東大学１部リーグ　慶大×順大　＠慶應義塾大学日吉記念館

得点
慶大	セット	順大
２８	１	３０
２５	２	１６
２５	３	１４
２６	４	２８
８	５	１５

出場者

サイド	柳田将洋（環２・東洋高）
セッター	野口剛志郎（環２・東福岡高）
センター	星谷健太朗（理３・渋谷幕張高）
サイド	岡田拓巳（商３・熊谷高）
サイド	間宮秀太（政４・慶應高）
センター	稲田聡典（環２・日向学院高）
リベロ	前田優介（環４・日向学院高）
リベロ	野瀬将平（環１・東福岡高）
途中出場	村上拓也（法４・慶應高）
	山本悠登（環４・東亜学園高）
	棚橋真之（経３・慶應志木高）
	益田万太郎（政３・慶應高）
	林謙次（経２・岡山白陵高）
	丸谷将大（環２・東筑高）

前試合で東海大から大金星を挙げ、勢いに乗る慶大。セット率で他大学に劣るため、優勝争いに絡むにはできる限りセットを落とさずに勝利したいところである。迎え撃つ相手はスタメン平均身長が１９０ｃｍを超える、「高さ」を活かしたバレーを展開する順大。今季は波に乗り切れていないものの、かなり手強い相手である。

リーグ戦初出場を果たした林謙次

第１セット。前試合から約２週間空いたということもあり、序盤は両チームともに硬さの残る立ちあがりとなる。そのような中でチームを鼓舞したのはやはり主将の間宮（政４）。間宮の切れ味鋭いジャンプサーブで相手レセプションを崩し、３連続得点で８－５とリードを奪う。しかしこのリードを保って迎えた中盤、順大ブロッカー陣のプレッシャーに慶大アタッカー陣が押され始め、１６－１６の同点に追いつかれると、そのまま一進一退の攻防へ。途中何度もリードを許すが、星谷（理３）のブロックやリーグ戦初出場の林謙次（経２）の効果的なサーブで必死に食らいつく。しかし、最後まで粘り切ることはできず、このセットを２８－３０で落とす。

もうこれ以上セットは失いたくない慶大はここから本領発揮。第２セットは中盤まで競り合いとなるも、好調を維持する柳田（環２）のスパイクや稲田（環２）のクイックが相手に襲いかかり、リードを広げていく。終盤にはサイドとして途中出場した山本（環４）がスパイクを決め、このセットは２５－１６と相手を圧倒する。続く第３セットも相手に付け入る隙を与えない。安定感抜群のリベロ野瀬（環１）・間宮のレセプションは全く崩れず、確実にサイドアウトを奪って順大攻撃陣を封印する。セット終盤は集中力の切れかかった相手のミスにも助けられ、２５－１４とこのセットも大差をつけた。

スパイクに跳ぶ山本⑤とセッター野口②

第４セット。このセットも慶大はいきなり５－１とリードを奪い、たまらず順大ベンチはタイムアウト。慶大の勝利はもう手の届くところにあるはずであった。しかしここから、順大はブロックからリズムを取り戻し、息を吹き返す。慶大は柳田のサイドアタック・バックアタックで応戦し、息詰まる展開へ。終盤には星谷のクイックや山本のブロックが決まり流れをつかみかけるが、このセット慶大はその流れをしっかりとその手に収めることはできなかった。２６－２８でこのセットを落としてしまい、決着はフルセットへ。

最終セット。ここまでボディーブローのように効いていた相手のブロックに、岡田（商３）・柳田の両エースが完全にとらえられてしまう。いきなり１－６とリードを奪われると、この差を縮める勢いはもはや慶大には残っていなかった。このまま相手に傾いた流れは変えられず、このセットを８－１５で落とし、フルセットの末に敗れてしまった。

　優勝争いを続けていくためには、あまりに痛すぎる一敗。東海大戦に勝って、どこかに「油断があった」（宗雲監督）というように、本来の力を出し切れないまま終わってしまった試合であった。春リーグも残すところあと３試合。上位に食い込んでいくために、悔いのないバレーで突き進んでいってもらいたい。

（文・古尾谷拓真）

宗雲監督

（敗因は）敗因というか、前から学生にも言っていた通り、向こうはブロックで勝負するチームなので、ブロックにかからないようにという話をしていたのですが、ブロックにつかまってしまいました。（試合日程が２週間空いたことへの影響は）うーん・・・油断したな。昨日の練習では士気が全く上がっていなかったんです。前回の東海大戦への準備の１週間は、絶対勝つぞという気持ちが本当に練習に出ていて、今週は東海大に勝ったことで逆に練習で油断しているような、練習中に悪くても修正することが見られなかったですよね。修正しようとしても今一つというか、油断があった。（修正すべき点は）昨日練習後にも話したのですけどね。あまりにも油断しているというか、気持ちが入っていないので。どうして東海大に勝てたのか、それはチャレンジャー精神だったでしょって。うちはチャレンジャーなんだからって。東海大戦では本当にそういう気持ちでやってくれたのですけどね。まあ、その原点を思い出すしかないですよね。（明日へ向け）気持ちを入れ替えるしかないですよね。修正しなければいけない点はたくさんあるんですけど、明日までに修正するのは難しいので。一番手っ取り早いのは、自分の体を動かしているのは脳なので、そこで吹っ切って、明日のための準備をしてくれれば、力はそこそこあるので、勝つチャンスはあると思います。

山本

(今日の試合を振り返って)他の大学よりも高さのあるチームだったので、うちとしても戦い方から見ても苦手だったと思うんですよ。でも勝てない相手ではないので、落とさないようにと１週間やって来たんですけど負けてしまったので残念です。(東海大戦からは少し間が空いたが)最後に東海に勝ってすごい盛り上がったんですけど、それはそれとして気持ちを切り替えて次の順天で挑もうと。順天は試合前まで1勝4敗で端から見たら勝てるだろうというのがあったと思うんですけど、足元すくわれる可能性もあるから気合いを入れて、気持ちを落とさずにやっていこうとこの1週間取り組みました。(ここ数試合はスタメンから外れていたが)個人的には悔しいんですけど、チームが勝てればそれでいいので、監督の判断で稲田の方が適正だったというのもあったと思うので、ベンチから見えることだとか外れたから分かることを噛み締めて、稲田にアドバイス出来ることがあればしっかりしてチームの勝利に貢献しようと思っていました。(今日はブロックも決まりましたが)スタメンから外れていたとはいえ、出される可能性もあったのでアップなどしっかり準備して、出たら自分のプレーがしっかりできるようにしていました。若干まぐれ的なところはあったんですけど、ああいうプレーが出来て個人的には良かったです。明日からは実力を出せるようにしっかり準備していきたいなと思います。