【ラグビー】惜敗も、Fwdが奮起し互角以上に渡り合う/明大戦

 

この試合キックでも貢献した主将宮川(環4)

この試合キックでも貢献した主将宮川(環4) 

 

 

静岡にて行われた明大との招待試合。前半24分にFB児玉のトライで先制した慶大は、WTB服部のトライで12-0と順調にリードを広げていった。しかしその後は明大に攻め込まれ、一時は逆転も許す展開に。試合終盤にFwdが奮闘し、再び慶大がリードを奪ったが、試合終了間際に明大に逆転のトライを許してしまう。19-21で悔しい敗戦となった。

 

 

 

 

招待試合 vs明大

5月12日(日)14:00K.O.@静岡県草薙球技場

 

得点
慶大 チーム 明大
前半 後半 前半 後半
PG
DG
12 小計 14
19 合計 21
 

得点者(慶大のみ)

T=児玉、服部、三谷

G=宮川2

 

出場選手
ポジション
1.PR 三谷俊介(総4・国学院久我山)
2.HO 神谷哲平(総3・桐蔭学園) →17.中尾廣太朗(環4・長崎北)
3.PR 青木周大(商3・慶應) →16.秋田智樹(総4・川越)
4.LO 小山田潤平(経3・慶應)
5.LO 白子雄太郎(商3・慶應) →18.大塚健太(環2・国学院久我山)
6.FL 木原健裕(総3・本郷) →19.山城慎平(商4・慶應志木)
7.FL 石橋拓也(環3・小倉) →5.白子雄太郎(商3・慶應)
8.NO8 森川翼(環3・桐蔭学園)
9.SH 南篤志(総2・清真学園) →20.宮澤尚人(経3・慶應)
10.SO 宮川尚之(環4・成蹊)
11.WTB 服部祐一郎(総3・国学院久我山)
12.CTB 佐藤龍羽(環4・茗溪学園) →7.石橋拓也(環3・小倉)
13.CTB 大石陽介(環4・修猷館)
14.WTB 浦野龍基(政3・慶應志木)
15.FB 児玉健太郎(環4・小倉)
 

先制点を挙げ、チームを勢いづけた児玉(環4)

先制点を挙げ、チームを勢いづけた児玉(環4) 

前半、風上に立った慶大はSO宮川やFB児玉のキックから陣地を取りにいこうとするも、明大Fwdの圧力により押し戻され、自陣での守りの時間が多かった。17分に左サイドで余ったWTB服部にボールが渡り、このまま独走かと思われるプレーがあったが、ここはスローフォワードをとられ、好機を作ることができない。慶明両チームともミスが目立ち、スコアレスのまま試合が進んでいった。試合が動いたのは24分。NO8森川がタックルをかわして抜け出すと、右サイドにいたFB児玉へとパスをつなぎ、そこから児玉が持ち前のスピードで相手を置き去りにして中央にトライを挙げた。宮川のコンバージョンも決まり、7-0と慶大が先制した。その後は慶大Fwd陣が奮闘。相手ボールのスクラムをターンオーバーするなど、徐々に流れは慶大へ。32分、敵陣で辛抱強くフェーズを重ねた慶大は、最後は隙の空いた左サイドへボールを回しWTB服部がトライ。12-0とリードを広げた。しかし前半終了間際の40分、ディフェンスが一瞬乱れたところをつかれ明大にトライを許し12-7で試合を折り返した。

 

相手を抜きにかかる木原(総3)

相手を抜きにかかる木原(総3) 

後半は緊迫したクロスゲームとなった。風下の慶大は、明大にキックから攻め込まれていく。後半11分にトライを奪われ12-14と逆転されてしまう。しかしこの逆転で再び慶大が奮起する。ディフェンスでもナイスタックルが飛び出し、Fwdの活躍により徐々に明大ゴールへとボールを近づけていく。後半29分、敵陣深くで得たラインアウトからボールを押し込み、最後はPR三谷がトライを挙げた。宮川のゴールも成功し19-14と再び慶大がリードを手にする。残り時間もわずかとなり、慶大は明大の猛攻を必死で耐える時間が続く。すると後半39分にFL山城のタックルが明大のノックオンを誘い、慶大ボールとなる。このボールをなんとかノーサイドの笛が鳴るまでキープし続けたい慶大だったが、後半40分にオーバーザトップの反則をとられてしまう。再び明大ボールとなり、そのままFwdに押し込まれてトライを許してしまった。明大のコンバージョンが決まり19-21でノーサイド。逆転負けを喫した。

明大相手にFwd陣が奮闘した。体格で上回る明大Fwdに対し、慶大は「運動量を増やす」(三谷)ことで対抗。「スクラム、ラインアウト、相手のモールの攻撃もよく止めていた」(和田監督)と、明大Fwdを見事に封じ込めた。しかし、慶大の武器であるはずのラインアウトで明大と競られる部分があったほか、アタック面でもなかなかチャンスを作れず、課題を残した。昨季対抗戦優勝の明大を相手に互角以上のクロスゲームを繰り広げた慶大だが、選手たちは決して満足していない。「もっとやれると感じる」(宮川主将)と言うように、まだまだこのチームは始動したばかりだ。この春シーズンを通して大きく成長し、秋の対抗戦では明大に勝利を飾ってくれるにちがいない。

 

【ケイスポ的MOM】チームを支えるFWの大黒柱 PR三谷俊介

Fwdリーダーとして活躍する三谷(総4)

Fwdリーダーとして活躍する三谷(総4) 

「重戦車」と形容される明大のFwdに対し一歩も退かぬ競り合いを見せた慶大。その先頭に立っていたのがPRの三谷だ。この日はトライも挙げたほか、元FLの運動量を活かしたサポートとタックルでチームを支えた。今季からFwdリーダーに就任した三谷。「慶應は小さいので運動量で勝たないといけない」と、目指すは走り勝つことのできるFwdだ。「もうひとつ順目に走れていない」と冷静に課題を見極めながらも、明大相手に「充分フィジカルで戦えた」と確かな自信ものぞかせている。タイガー軍団の最前線で体を張り続ける三谷の活躍に注目だ。

 

(記事・大貫 心明)

 

コメント

 

和田監督

(試合を振り返って)春の試合は秋冬に向けてのステップアップのための位置づけなので、そういう意味では競ったクロスゲームを経験できて、緊張感のある試合でした。そういう試合を経験できたこと自体も大きいです。相手も明治大学でしたし、間違いなく選手にはプラスになった試合です。ただ反省することもたくさんあるので、そこは明日から修正していきたいと思います。(前半は風上でしたが、ゲームプランなどは)思ったより風も強かったので、やっぱり風上のときはキックを上手く使うというのが定石です。風下では蹴れないぶんボールをつないでいくというのが基本ですから、忠実にやろうという話はしました。(明大を相手にFWはいかがでしたか)FWはよく頑張ったと思います。スクラム、ラインアウト、相手のモールの攻撃もよく止めていたので。今日の試合のテーマはそこだったんですけど、だいぶ意識高くやってくれて、結果として失点を少なく抑えられたのでよかったです。課題はどちらかというとアタックですね。(今後も毎週試合が続きますが)最終的には秋の対抗戦と大学選手権で結果を出すためにやっています。今日の試合や来週の試合でも絶対に課題は出てきますが、その課題が細かいことなのかチームとして本質的な課題なのかをよく見極めることが重要です。チームとしての幹となる部分に課題があればそれは修正しないといけないです。細かい一個一個のミスをいちいち言っていても仕方ないので、その辺りは個別で調整しますが、チーム力が一段階レベルアップするためには何が重要なのかを間違えずに見極めるようにしていきたいです。時間も限られているなかで、重要な部分、ベースとなる部分に時間を配分していく。秋には今より間違いなくレベルアップしているようにチームを持っていきたいと思います。

 

SO宮川主将

(今日の試合をふりかえって)ディフェンスではラック周辺と前に出るディフェンスを重視してアタックではしっかり形のある深さのこもったアタックをしようと臨みました。ディフェンスでは良いところが随所にあったのでこの前2試合の課題は修正できていると思うんですけど、アタックはまだまだ浅くなってしまった部分があり、ミスもしてしまったので今後はそこを重点的に修正していけたらなと思っています。(明大相手にいい戦いをしたことは自信になると思うが)まだまだ僕たちのミスで流れを崩してしまう場面があったのでもっとやれると感じます。秋にはしっかりリベンジできたらいいなと思います。(東海大戦にむけて)東海大も明大と同様に大きなFwdがいてスピードのあるランナーがいっぱいいるんですけどディフェンスでは今までのようにラックサイドのディフェンスを注意してアタックでしっかりトライを決められるようにしたいと思っています。

 

PR三谷

(試合を振り返って)今日のゲームターゲットとして、順目のアタック、ディフェンスの運動量を増やそうとFWには言いました。ディフェンスではけっこう順目に行けていましたが、アタックで行けないところや行かないところがありました。そこを上手くできなかったので、最後は競った試合になってしまい、とりきれなかったという印象です。(明大FWを相手にどうだったか)当たり負けてしまいますが、思ったよりは当たり負けしませんでした。乗られる部分も修正できれば、もう少し食い込まれることもないかなと。明治には16番の太田選手にしか前に運ばれていないので、そこだけ気をつけていればFWは特にないかなと思いました。それよりもラインアウトで競られた部分が多くて、慶應の方が有利に立つべきところなのに、そこで有利に立てなかったのが競った試合になった原因や、ミスが多くなった原因かなと思います。(秋に向けての手応えや課題は)手応えは充分フィジカルで戦えたことです。アタックをすればとれるというのは手応えになりました。修正点としてはFWが乗ってきたときに、もうひとつ順目に走れないといけないです。慶應は小さいので運動量で勝たないといけない以上、順目の運動量を増やしていく必要があります。(今後に向けてどうしていきたいか)一つはセットプレーの安定です。FWがBKに安定した球を出せないとBKもスムーズなアタックができないので、そこはしっかりやっていきたいです。あとはブレイクダウンでの球の出しをスムーズにしたいと思います。オフェンスでも相手にターンオーバーで食い込まれたり、人数が少なくて球が出せないといった機会が増えると、すぐにアタックできなかったり、早いリピートができなかったりするので、そこを秋に向けての課題としてやっていきたいと思います。

 

FB児玉

(今日の試合を振り返って)個人的にはミスが多く悪かったです。(今日の試合に向けての意気込み)1年ぶり以上の黒黄ジャージだったので、爆発的な活躍をしようと思っていましたが、空回りしてしまいました。(リハビリ中に強化したポイント)体を大きくしました。また、走力も上がりました。(自身のプレーを振り返って)キックは自信がなかったですが、練習すれば大丈夫だと思います。しかし、まだチームと上手くフィットしてなくて、それがミスにつながりました。(トライシーンを振り返って)あれは森川が上手いパスを出してくれたので僕は走るだけでした。(次にむけて)爆発的に活躍できるように修正してまた頑張っていきたいです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました