【女子テニス】新戦力が躍動!大事な初戦を制す! 関東学生リーグ亜大戦

貫録を備えてリーグ戦の舞台に戻ってきたS1西本

貫録を備えてリーグ戦の舞台に戻ってきたS1西本

男子の明大戦の激闘から1日おいた早大東伏見コート。今度は女子が関東学生リーグの初戦を迎えた。相手は昨季リーグ4位の亜大。慶大は昨季このリーグ戦で4-3と接戦を強いられている。しかし「チャンピオンになるまでの一戦」(坂井利彰監督)であるこのリーグ戦で絶対に負けるわけにはいかない。王座進出への最初の関門となったこの試合、安形(環1=城南学園高)、秋元(環1=浦和学院高)の1年生2人の活躍もあり、6-1と完勝。開幕白星スタートを切った。

2013/09/01 関東学生リーグ戦第1戦@早稲田大学東伏見キャンパス

○慶大6-1亜大

ダブルス

D1 池田・西本 2-66-26-4 山本・伊波
D2 藤岡・安形 6-06-2 伊藤・松本
 

シングルス

S1 西本恵 6-27-6(4) 山本翔子
S2 藤岡莉子 1-64-6 伊波佳苗
S3 坂元君佳 6-33-66-4 松本千広
S4 秋元玲乃 6-26-0 伊藤優花
S5 安形玲耶 6-47-5 安野聡美

リーグ戦勝利第1号を挙げた藤岡(左)・安形(右)

リーグ戦勝利第1号を挙げた藤岡(左)・安形(右)

まず2面展開で始まったダブルス。ダブルス1に池田(環2=富士見丘高)・西本(総2=岡山学芸館高)組、ダブルス2には藤岡(総3=徳島市立高)・安形組と、先日のインカレで優勝・準優勝を飾った慶大の誇る2枚看板が登場した。先に流れをつかんだのは藤岡・安形組だった。予選から決勝まで勝ち抜いたインカレの勢いが、経験豊富な亜大の伊藤・松本組を圧倒。第1セットを6-0で奪う。「自分たちのプレー」(安形)である緩急を使ったラリー戦で、相手に思うようなプレーをさせない。第2セットも二度のブレークに成功した藤岡・安形組が6-0、6-2と圧勝し、慶大に最初の1勝をもたらした。

緊迫の初戦となった池田(右)・西本(左)

緊迫の初戦となった池田(右)・西本(左)

一方の池田・西本組の相手は春関、インカレでダブルス第1シードだった伊波・山本組。昨季のリーグ戦では池田・西本組がストレートで下している。 しかし序盤は池田にミスが目立ち、そこ付け込んだ亜大ペアが6-2で先取する。第2セットに入ると、西本の積極的なプレーで流れを引き戻す。それに引きつられ池田も調子を取り戻して6-2で奪い返した。 こうして迎えたファイナルセット、序盤勢いに乗ったのは亜大ペア。一時は4-1とリードを許したが、ここから池田・西本組の驚異的な追い上げが始まる。池田のネットプレーでポイントを重ね4-4まで巻き返すと、第9ゲームでは慶大ペアがストレートコースを突いて相手を崩し、プレッシャーをかけてミスを誘う。このゲームをブレークしリードを奪うと、最後は池田の強烈なフォアボレーで勝負あり。絶対に取りたかったダブルスを慶大が2本連取し、一気に流れは慶大に傾いた。

初出場ながら気迫で勝利を掴み取った秋元

初出場ながら気迫で勝利を掴み取った秋元

  そして迎えたシングルス。ここで2人の1年生が躍動する。 シングルス4の秋元は1年生ながらシングルスでインカレ本戦に出場し、1回戦を突破した実力者。気持ちを前面に出したプレーを見せる秋元が第1セットを6-2で奪うと、第2セットではさらに攻撃的なフォアを軸にしたテニスで亜大・伊藤を寄せ付けない。 「自分の展開にできた」(秋元)という秋元がそのまま6ゲーム連取で完勝し慶大に3勝目をもたらした。これで慶大が団体勝利に王手をかける。   また、インカレで第4シードの早大・宮地を下し、存在感を増しているS3の坂元も、シーソーゲームの展開から終盤で亜大を突き放し、第1セットを奪った。慶大の勝利が近づきかけたが、このままで終われない亜大の執念に苦しめられる。坂元は足の違和感から思うようなプレーができず、メディカルタイムアウトを取って流れを変えようと試みるも、第2セットを3-6で落としてしまう。

仲間の期待を受けてファイトした安形が慶大の勝利を決めた

仲間の期待を受けてファイトした安形が慶大の勝利を決めた

そして秋元の後に入ったシングルス2の藤岡は亜大のエース・伊波の攻撃力に圧倒され、リードを許す展開に。この嫌な流れを断ち切ったのが、S5に登場した1年生・安形だった。 「しぶとく戦ってきた」(安形)相手に苦戦しつつ、第1セット・第2セット共にキープ合戦が続く。この緊迫した展開の中、安形は伸びのあるフォアハンドをコースに打ち分ける。そして両セットとも終盤で攻勢を強め、ブレークに成功。若々しい勢いと試合の情勢を見極める冷静さを兼ね備えた安形が6-4、7-5と接戦をものにし、これによって慶大の勝利が決まった。

万全の調子とはいかなかったが、執念の逆転勝利を挙げた坂元

万全の調子とはいかなかったが、執念の逆転勝利を挙げた坂元

さらに、ファイナルセットに突入した坂元も不調をこらえ必死のプレーを続ける。すると坂元の気迫のプレーに相手のミスが増え始める。 それを見逃さなかった坂元が最後の最後まで攻め手を緩めず、最終ゲームはウィナーで攻めきった坂元が大逆転で勝利をつかみとった。 残すは第1セットを落とした藤岡と、西本と亜大・山本のエース対決の2試合。伊波の攻撃に苦しむ藤岡は得意な粘りのテニスでリードを奪ったが、最後まで長いリーチを生かした伊波の攻撃を止めることができずストレートで敗れてしまった。

強烈なストロークで因縁のS1対決を制した西本

強烈なストロークで因縁のS1対決を制した西本

そしてエース対決。山本に「今まで勝っていなかった」(坂井監督)西本だったが、コースを突いた鋭いストロークでポイントを重ねていく。「しっかり自分のプレーをするということを決めて」(西本)いたという西本が怒涛の勢いで6-2、5-4と追い詰めるが、そこから山本も意地を見せタイブレークに突入。序盤の勢いが鍵となるタイブレークで先に抜けだしたのは、西本だった。最後は西本のフォアのクロスがラインをかすめ、ストレートで難敵を下した。 途中で流れが亜大に傾きかけた場面もあったこの試合。しかし、今の慶大にはそれをはね返すだけの地力がある。「自信をもっていけた」という西本のコメントが象徴しているように、春関・夏関・インカレで培った経験、残した結果がもたらす自信がその原動力になっている。西本・池田という両エースに秋元・安形ら若い力が上手くかみ合えば、リーグ優勝、さらに悲願の王座優勝は現実的なものとなっていく。昨季慶大の夢を打ち砕いた山学大、そして最大のライバル・早大。リベンジを果たすべく、女子庭球部の戦いが今始まった。

(記事 飯田駿斗)

◆試合後コメント

坂井利彰監督

(今日の試合を振り返って)まずダブルス2がしっかり取ってくれてそれが弾みになって、ダブルス1も逆転勝ちして2-0で折り返したので、シングルスの下位が非常に楽になって、それで4-0になってスムーズに乗り越えられました。最後に西本が今まで勝っていなかった山本に勝ったので今日は収穫も多かったです。(新1年生の活躍が目立ったが)1年生全体的に良いんですけど、この2人(安形、秋元)は特に自信を持っているので、初めての出場でしたが下位で出すことには何も躊躇しなかったです。しっかり勝ってくれたという感じです。(逆に今後に向けての課題は)負けた試合もそうですし、坂元のシングルスやダブルス1の試合はストレートで勝てたと思っているので、それをどうやってストレートで勝つか、自分達の良さを早くから出せるか。勝負強いから最後は勝つんだけど、早くから持ち味を出して欲しいと思っています。(次の試合に向けて)我々は王座で優勝するまで満足せず、チャンピオンになるまでの一戦だとあくまでも思っているので、リーグ戦を通過しても満足することはないし、とにかくチャンピオンになるために今日課題として出たことをしっかり埋めて試合に臨むということだけですね。

西本恵(総2=岡山学芸館高)

(今日のシングルスを振り返って)勝負はもう決まっていたんですけど、どういう試合をするのか、勝敗によってはチームの雰囲気が変わると思って入りました。(何度も対戦している相手だと思いますが、特に違う点はありましたか)いつもは相手がうまくペースを変えてきたり、戦術的にも上手な方なので、そこにはまって負けていたんですけど、今日はしっかり自分のプレーをするということを決めていました。(第1セットはあっさり取りましたが、良かった点は)思いっきり自信をもっていけたところだと思います。(第2セットでは苦戦されていましたが、第1セットと変わった点は)相手がペースを上げてきて、プレー自体もすごく上がっていたのと、自分のミスが少し出始めたりしていて、なかなか相手の方がサーブがいいのでブレークできずにタイブレークまでいきました。(最後は風が強く吹いていましたが、難しさは)ボールが曲がったりはしたんですけど、足を動かすことを考えました。(ダブルスを振り返って)ダブルスはファイナル1-4というかなり危ないところまで行ったんですけど、やるべきことをやりきるということを徹底しました。(初戦で6-1という勝利を収めましたが、スタートダッシュとしてはいかがでしたか)昨年4-3だったので、それに比べると比較的にいい試合ができたかなと思うんですけど、まだまだあと4戦あるので、一戦一戦勝っていきたいと思います。

秋元玲乃(環1=浦和学院高)

(今日の試合を振り返って)相手は成績を残していて格上の相手だったんですけど、サポートの方に色々分析とかしてもらって作戦を練ってその作戦通りやったら上手くいって、相手がダブルスで疲れていたというのもあるんですけど、自分の展開にできたと思います。(初めてのリーグ戦で緊張はなかったか)アップの時が一番緊張したんですけど自分の試合に入る時にはコートにも慣れて、2-0でやるしかないなと思っていたのでそれほど硬くはならなかったです。(最後まで気持ちの入ったテニスを展開していましたが)すごく「乗れた」試合で、周りの応援のお陰もあったので最後までできたと思います。(今後に向けての課題は)まだまだできないところがあって今後レベルが上がってくると思うので、気を抜かずに中日で練習を通して課題を潰していきたいです。(次の試合に向けて)今回「乗れた」というのもあるんですけど、気を抜かずに、試合に出れるかわからないですけど試合に出れたら自分のやることだけを、チームを盛り上げていくことを一番にやっていきたいと思います。

安形玲耶(環1=城南学園高)

(今日のダブルスを振り返って)出だしから目の前の1ポイントを取ることに集中していい入りができたと思います。それでいい流れを作ることができたので、自分たちのプレーが貫けたかなと思います。(シングルスを振り返って)シングルスに関しては、相手もしぶとく戦ってきたので、長くなるだろうなとは思ってて、前日から相手に関する対策をいろいろ練っていたので、焦りはなかったんですけど、やっぱり最後決めきるところだったり、まだ甘いミスがあるのでそこを修正していきたいと思います。(初めてのリーグ戦出場でしたが、プレッシャーはありましたか)春に比べて、チームの応援の方を見れたりとか、やっぱり戦っているのは自分だけではないので、プレッシャーに感じる緊張はそれほどなくて、思いっきり自分の力を出し切ることに集中できたので、良かったです。(次戦にむけて意気込みを)まだ単複出れるかどうかは分からないですけど、出場させていただけるのであれば、勝ちにこだわって、全力で潰しにいきたいと思います。

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