【バスケ】強い意志で掴んだ勝利。雪辱果たしての3連勝!

リベンジの為に、「モチベーションは上がって」いた伊藤。強気なオフェンスでチームを牽引した。

リベンジの為に、「モチベーションは上がって」いた伊藤。強気なオフェンスでチームを牽引した。

 

秋季リーグ2連勝と波に乗る慶大は、2年前の入れ替え戦で敗戦を喫した、宿敵である日体大との対戦を迎えた。今後のリーグ戦の行方を左右する大事な一戦で、かつての雪辱を晴らし、自分たちの意地を見せつけるために。「2年前を振り返り、モチベーションは上がっていた」という伊藤のコメントからもこの試合にかける思いの強さがうかがえる。序盤から終盤まで流れが転々と変わる緊迫したシーソーゲームを、苦しみながらも勝ちきることに慶大は成功した。開幕スタートダッシュを決め、悲願の1部昇格にむけて、また一歩大きな前進を遂げたと言えるだろう。


2013/09/07(土) @東洋大学総合スポーツセンター
第89回関東大学バスケットボールリーグ戦2部 3日目   vs日体大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 16 19 23 26 84
日体大 15 17 30 16 78
慶大スターティングメンバー
PG #21 西戸良(総1・洛南高)
SG #16 伊藤良太(環3・洛南高)
SF #14 大元孝文(環2・洛南高)
SF #4 蛯名涼(法4・洛南高)
C #23 黒木亮(環2・延岡学園高)
主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)
#16 伊藤良太:26得点

#14大元孝文:23得点

気持ちを前面に押し出した、気迫溢れるプレーを披露した蛯名。

気持ちを前面に押し出した、気迫溢れるプレーを披露した蛯名。

連勝の流れをそのままに、さらに大きな弾みをつけるためにも負けるわけにはいかない日体大戦。その第1Qでは、ボールを多方面にさばき、相手のディフェンスに的を絞らせないバランスの取れた攻撃を展開した。さらに、1Q残り5分を残したところで「3つ目のファウルを狙っていた」と話す蛯名が、2ファウルを犯しながらコートに留まっていた相手エースのファウルを誘い、試合の流れを引き寄せる。しかし、相手のインサイドからのオフェンスに対し、バスケットカウントを許してしまうなどして、大きなリードを奪うまでには至らなかった。その蛯名は第2Qでも、接触を厭わないインサイドへのペネトレイトや球際での強さを見せ、相手のファウルを引き出すことに成功。また、福元直人(環2・福大大濠高)がオフェンスリバウンドへ積極的に参加し、点差が離れそうなところで慶大の得点をしぶとくセカンドチャンスからの得点で繋ぐ。リードを奪われる時間帯が続いたが、2Q終了間際、伊藤の3ポイントとフリースローで逆転し、相手に主導権は渡さず、そのまま前半を終えた。

福元はガードながら、フィジカルを活かして相手の2mセンターを押さえ込んだ。

福元はガードながら、フィジカルを活かして相手の2mセンターを押さえ込んだ。

 

3Q序盤では今までの均衡を破り、慶大が一方的にリズムを掴んむ。伊藤の2本のスリーポイントを筆頭に得点を重ね、3Q残り5分で権田が速攻からのレイアップを決めた時点では13点もの差が開いていた。だが、その後強敵日体大は、このまま簡単に勝たせてくれる相手ではないことを見せ付ける。慶大のターンオーバーにつけこみ、反撃の口火を切ると、フルコートディフェンスを展開。「フルコートのディフェンスに対して自分たちが構え」(佐々木HC)てしまったことで慶大の対応も上手くいかず、相手に19-2のスコアリングランを決められてしまい、あっさりと2桁得点差をひっくり返されてしまった。4Q序盤は手堅いディフェンスを見せ、なんとか日体大の勢いを鎮める。そのディフェンスに対し、日体大はすでに4ファウルのエースをコートに送り出し、勝負に出てきた。一進一退の攻防が続く中残り5分を残し、慶大は相手の2mセンターをファウルアウトに追い込む。しかし、日体大はその後も差を広げられことなく緊迫した展開は続いた。試合が動いたのは4Q残り1分、権田隆人(政3・慶應高)が相手のレイアップをブロック、そのボールは相手にあたり、慶大ボールとなる。このプレーで得たポゼッションで慶大は2点をリード。さらに4Q残り50秒、権田が今度はスティールを決め、相手のファウルを誘い、フリースローを確実に鎮め、その差を4点に。日体大も粘りを見せたが、その後慶大は再びリードを奪われることなく、最終的には6点差で、息の詰まるような接戦をものにした。

蛯名主将と佐々木HCが共に「20点差開けられたかもしれない」と語るように、すべて納得がいく試合ではなかった。だが、厳しい展開を乗り越え、開幕3連勝という目に見える結果を手にできたことは、何よりの収穫であろう。勝ち切るということがなかなかできなかった昨年からの成長を確かに感じ取ることができる。しかし、「今日みたいないい試合をした次の試合が大事になってくる」と福元が言うように、この1勝をただの1勝ではなく、1部昇格へとつながる1勝へとするための予断を許さない長い戦いはまだまだ続いていく。次は今春のトーナメントでも対戦した駒大戦。慶大バスケ部がつまずくことなく、目標へと突き進む姿が明日も見られることを期待したい。

(記事: 岩田亮)

◆試合後コメント◆

佐々木HC

学生には言ってないけど、本当なら20点差くらいつけて勝たなきゃいけない試合だったという気がしてます。でも去年勝てなかったので、勝ったことは良かったと思うので、もっと実力的に引き離さないと1部チャレンジは難しいかなと思います。(日体大への対策)相手のセンターをどうやって抑えるのかと、外回りのスピードがある相手をどうやって抑えるか、その2つです。やっぱり外回りでやられてますね。走られすぎです。(外回りに対してのディフェンスについて)まだまだですね。最後も長いシュートを入れられてますし、小さいラインナップになった時にも外回りをやられてしまってます。もう少し外回りを抑えないといけませんね。(1対1で抑えられてない?)相手のあのスピードにちゃんと対応出来ないと、日大みたいな強いチームと当たった時にも出来ないと思います。スピードについて行くことですね。(3Qに相手に流れを掴まれた理由)フルコートのディフェンスに対して自分達が構えちゃうから、ああいう流れになるんですよね。フルコートで来た時こそ、気持ちもスピードも強く・速く行かないと。ああやって相手に合わせちゃうと、運動能力の高い方が有利になるので、あそこのパスダウンで受け身になってしまうのは、大きな反省です。ああいう形で受け身に回っちゃうから捕まってしまいますし、オーバーナンバーになってても攻め切れてないので。大きな反省ですね。(逆に最後は勝負強さを発揮したが)結局は蛯名がリバウンドやルーズボールに果敢に行くということが、零れたボールを結果的に自分達のものになってることに繋がってるんで、行くことが大事ですね。でも、蛯名以外の連中がそういうのに気付いててもやれないので、大きな課題ですよ。蛯名はカッカ来る方だからファウルトラブルになる可能性は高い方ですし、あれと同じことを他の連中が出来ないとダメですね。(明日の駒大戦に向けて)学生が色々スカウティングしてくれているものをアップしてくれているので、そこに私がコメントを入れて見るように言っているんですが、1人しかやっていません(笑)それをしっかり見てもらって、今日みたいに戦えればと思います。

[G] 蛯名涼(法4・洛南高)

徹底しなければいけないと思ったのは2Qで僕が下がってた時のミスが続いた試合運びで、あそこで離せるか離せないかでだいぶ違うし、楽に勝てたのに結局競ってしまって、やっぱりまだまだ甘い部分が多くて、結局去年もミスで自分たちで首絞めて負けたということがあったので、今日は勝てたんですけど、結局まだ甘いところが全面に出てしまった試合だなと感じました。あとは終盤のディフェンスが最初からできればいいのかなと、声でてあれだけ守れたの、最初からできればもっといい展開というか、20点くらいは開けられたかなと思います。(相手のファウルが多くなった要因は?)あれは運がよかっただけですね。うちが取られてもおかしくなかったし、最後の2分間くらいで相手が4つだったってことが1つうちの余裕にもつながって、その要因は、ディフェンスを手堅くやっていたのが1つあると思います。(北川選手{日体大#11}とのマッチアップを振り返って)これも本当に運が良くて、3つ目のファウルとか狙ったりもしたんですけど、あれをとってくれるかくれないかでまた違ったし、でも高校からやってて負けたりやられるイメージはなくて、ただファウルだけ気をつけようと思って、何とかうまくいったんで、次はこんなにファウルこむこともないと思いますし、そしたらもっとついていかなきゃいけないと思います。最後のほうで相手がスクリーンをやってきたときに、上4人で抑えられたことがディフェス面においては勝利の要因かなと思いました。(次の試合に向けて)これからもう山しかないので、法政大、神大、国士舘大、日大、山しかないのでどれだけその山を崩していけるかですね。そのうちの一つの山を越えられたのが収穫であり、その収穫をつなげられるかで、また明日の駒大戦も結構重要で、まだまだこれからですね。

[G] 伊藤良太(環3・洛南高)

2年前に日体大に敗北したことで2部リーグに落ちてしまったため、モチベーションは上がっていました。日体大は非常に速いペースで攻めてくるので、それに走り負けないようにこの1週間徹底して練習をしてきました。(開幕から3連勝となったが)1週間、やるべきことを目標立てて練習に取り組んできたので、それをしっかり達成できたことがよかったと思います。(3Q終盤、日体大に一気に追いつめられるシーンがあったが)あそこは自分が良くなかったところだと思います。ポイントガードとしてあの攻められている場面にしっかり落ち着かせること、相手のペースからいかに自分たちのペースに持っていくかということを考えてプレイしなければいけませんでした。そしてプレスで来られた時にしっかりボールを運ぶことを徹底できなかったのが、今日の反省点です。(明日に向けての意気込み)今の慶應には積み重ねが一番大切だと思っているので、まず練習を意識してやることを徹底して明日しっかり勝ち、来週につなげていきたいと思います。

[G] 福元直人(環2・福大大濠高)

もうちょっと離せたかなと思います。3Qの追い上げられたところは課題だなと感じています。そこの流れを左右したプレーに自分も関わっていたので、そこは反省です。(日体大の印象について)北川さんと周率さん(日体大#12)の所が中心となって、そこのドライブに合わせてアウトサイドのシュートが多いチームだと思っていたので、その2人を潰して全員でという感じで考えてました。(相手のセンターとのマッチアップについて)練習で僕が4番5番につくシチュエーションというのを佐々木HCに作っていただき、試合でもそのプレーがあるからしっかりディフェンスしろと言われてたので、試合で少しは表現できたかなと思います。(その出来について)前にどんどん出て、後ろのパスはみんながフォローしてくれるという形だったんですけど、まだ相手の動きに対して遅れたり、フラッシュに対してパンプができていなかったり、まだ詰めるべき所はあるかなという印象です。(逆転勝利について)福島監督には仰ってもらっているのですが、去年はがんばって終わるチームで、今年はがんばるチームから勝ち切るチームになろうと言われています。練習中からスクリーンイメージの中でも競っているゲーム展開で勝ち切ったりというシチュエーションを多く作ったり、意識の上で勝ち切るというのを念頭に置いてやりました。その成果というのはこの3試合で出し切れているのかなと思います。(リーグ戦の目標について)今はバックアップというか6人目7人目の選手なのですが、もっと自分の持ち味だったりチーム内での役割を確立させて、スターターとして試合に絡みたいというのが個人的にあります。明日の試合からなのですが、もっと練習して成果を出せればなと思います。(明日の試合に向けて)駒沢大とはトーナメントで当たっていますが、やっぱり気が抜けないですし、今日みたいな良い試合をした次の試合が大事になってくると思います。2週終わって4連勝で第3週を迎えるというのは、チームとしてもプラスだと思うので、明日も気を抜くこと無くできればなと思います。

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