【フィギュアスケート】2013年、締めくくりは最高の笑顔で 全日本選手権②

名前をコールされ、ポジションに向かう近藤

名前をコールされ、ポジションに向かう近藤

 

ソチ五輪代表の座をめぐり、歴史に残る戦いが繰り広げられた第82回全日本フィギュアスケート選手権大会。だが、ドラマは五輪を目指す者だけにあるのではない。慶大スケート部フィギュア部門主将の近藤琢哉(商4)。昨年惜しくも全日本出場を逃してからの1年間、基礎から見直して練習に励み、見事3度目の出場をかなえた。大会2日目の22日、近藤はフリースケーティング『ドラゴン』に臨んだ。

 

 

 

SP『ルパン三世』とはまた違った雰囲気を見せた

SP『ルパン三世』とはまた違った雰囲気を見せた

・近藤琢哉(商4)

12月21日:ショートプログラム 51.80点 17位

12月22日:フリースケーティング 109.47点 16位

総合 161.27点 17位

 

 

 

 

 

 

ステップの場面では笑顔がこぼれた

ステップの場面では笑顔がこぼれた

現役最後のシーズン、再び全日本の舞台に帰ってきた―。落ち着いた表情でリンクへ飛び出した近藤に、「頑張れ!」と四方八方から大声援が送られる。まずは、21日のショートプログラムでバランスを崩してしまった3回転ルッツ‐3回転トーループ。6分間練習で華麗に決めていただけに、本番でも「自信を持って」成功させた。その直後はジャンプが抜けるミスもあったが、観客が時には手拍子で盛り上げ、時には静かに見守り、近藤を支えた。東日本選手権を終えてからの約1か月半、過酷な戦いを勝ち上がってきた達成感から、「中だるみ」もあったという。しかし、僅差で全日本への切符を逃した戦友たちの前で「情けないことはできない」。後半になるにつれ徐々に持ち直していったジャンプや、魂のこもった力強いステップは、その気持ちの表れだろう。最後のポーズを決めると、会場全体からは惜しみない拍手が。「自分のスケートらしさというのは出せた」と笑顔で語った瞳には光るものがあった。しかし、近藤の戦いはまだ終わってはいない。来年1月にもインカレ、国体と大きな試合が行われる。全日本という大舞台で味わった経験を生かし、さらに磨きのかかった演技で、近藤はフィナーレへと突き進む。

(文:窪山裕美子、写真:須佐奈月)

 

 

 

見せ場である終盤のバレエジャンプ

見せ場である終盤のバレエジャンプ

近藤琢哉(商4

(今日の演技を振り返って)結構ミスしたんですけど、昨日ショートを滑って場の空気にも慣れていましたし、最初から会場を巻き込めたなというのは感じました。すごく盛り上げていただいてありがたく感じました。(普段の大会と雰囲気は違っていたか)全然違いました。自分が「ここで盛り上げたいな」と思っていたのがすぐに響くというか、大きな声援になってくるので、やっていて楽しいです。(どのような気持ちで臨んだか)細かい点でやることをきっちりやるとか、レベルを落とさないとか、失敗しないとか。そういうのもあるんですけど、もっと大切なのはとにかく一生懸命やって、全力でやることだと心がけてやっていました。(冒頭に成功させた3回転―3回転については)あれで舞い上がってしまいました(笑)。練習のときからあまり決まっていなくて苦戦していたんですけど、6分間練習でうまくはまったのが1本あって、結構自信を持って臨めました。(全日本選手権出場が決定してからは、どのような練習を)やっぱり東日本選手権というのが、全日本選手権に出るための一番大きな関門だったと思います。そこに向けて自分自身、とにかく東を通ろうという気持ちでやってきて、幸い通ることができて、その後全日本に出られるという喜びのほうが大きくて、モチベーションをどう持っていくかという部分でちょっと中だるみがありました。だけど、やっぱり枠争いが厳しかった分、本当に僅差で行けなかった人もいて、そういう人たちが見ているなかで情けないことはできないな、というのが一番自分のなかでピリッとする原動力になりました。2日間を終えて、全体を振り返って)ミスもあって、内容としては決して100点ではありません。だけど、ちょっといいように解釈しているかも知れないんですけど、自分がスケートをしてきて、すごく自分のスケートらしさというのは出せたと思うので、悔いとかは全然ないです。練習も本当に一生懸命やってきたし、そういうのは100%出せたかなと思います。(インカレ、国体などに向けて意気込みを)もう残り少ないというのもあるんですけど、一つ一つが本当に貴重な試合なので、持てる力を出せるようにしたいです。試合が大切だということだけじゃなくて、練習をとにかく大切にして、しっかり準備してやりたいと思います。アクセルを降りたいですね。

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