【ソッカー男子】第3節 攻守がかみ合い3戦無敗 中大戦

 

2得点に絡む活躍を見せた加瀬澤

2得点に絡む活躍を見せた加瀬澤

開幕から2試合連続無失点。「堅守速攻」を体現する慶大イレブンが今節も結果を残し、開幕スタートダッシュを決めた。前節、一人退場者を出しながらスコアレスに持ち込み勝ち点1を挙げた慶大。今節の相手はここまで無得点と流れに乗り切れていない中大だ。開始10分、加瀬澤力(総2・清水東高)のフリーキックの流れから宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)が頭で押し込み、幸先よく先制。ここから慶大は開幕戦のような「1点とって守る」(須田芳正監督)堅実な試合運びを見せ、78分に途中出場の平戸奨眞(法4・暁星高)が貴重な追加点を挙げる。終盤に今シーズン初失点を喫してしまったものの、このまま逃げ切り2-1で勝利を収めた。

 

 

 

第88回関東大学サッカーリーグ 第3節

2014/4/16(水)15:30KO@湘南BMWスタジアム平塚

 

慶應義塾大学2-1中央大学

 

【得点者(アシスト者)】

慶大:10分 宮地元貴(望月大知) 78分 平戸奨眞

中大:86分 矢島輝一(山田和輝)

 

◇慶大出場選手

 

GK 峯達也(政4・桐光学園高)
DF 溝渕雄志(環2・流通経済大学付属柏高)
DF 望月大知(環2・静岡学園高)
DF 並木凌介(総4・國學院久我山高)
DF 保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)
MF 小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース)
MF 浅間翔太(理4・暁星高)
MF 山浦新(総4・東京ヴェルディユース)→59分 澤根祐(商4・清水東高)
MF 増田湧介主将(環4・清水東高)
FW 加瀬澤力(総2・清水東高)→90分 山本哲平(政2・國學院久我山高)
FW 宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)→73分 平戸奨眞(法4・暁星高)
 

慶大は出場停止の端山豪(総3・東京ヴェルディユース)に代わり浅間翔太(理4・暁星高)を起用。他の選手は3試合連続スタメンとなった。

 

 

攻守にわたり存在感を見せた増田主将

攻守にわたり存在感を見せた増田主将

澄み切った青空の下、キックオフを迎えた。最初にチャンスが訪れたのは中大。3分、コーナーキックに頭で合わせる。峯達也(政4・桐光学園高)が不用意に飛び出してしまったが、これはディフェンスがゴールライン付近でクリアし、ことなきを得た。迎えた10分、慶大が試合を動かす。相手陣でフリーキックのチャンスを得ると、キッカーは加瀬澤力。加瀬澤の右足から放たれた正確なキックはファーで待つ望月大知(環2・静岡学園高)のもとへ。望月が折り返したボールを最後は、「ボールが来ると信じて飛びこんだ」宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)が頭で押し込み慶大が先制ゴールを挙げる。開幕戦でも見られたこの形。開幕前から練習していたというセットプレーの形が「堅守速攻」を掲げる今年の慶大の重要な得点源になりそうだ。慶大が先制後は両チームともなかなかチャンスを作ることができない。26分の小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース)の思い切ったミドルも、30分の並木凌介(総4・國學院久我山高)のヘッドもわずかに枠をとらえることができなかった。慶大は大きなチャンスを作ることこそできなかったが、「ゲームプラン通り」(須田監督)の展開で前半を終える。

 

途中出場し、2得点目を決めた平戸

途中出場し、2得点目を決めた平戸

後半、慶大は両サイドバックの裏をつかれ、中大にチャンスを与えてしまう。49分、63分と「裏をとられることが多かった」と語る保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)の背後をつかれピンチを迎えるも、相手FWのミスに助けられた。71分にも相手のサイド攻撃から危ない場面になったが、ここもしのいでリードを守る。そして78分、加瀬澤が今度は左足で魅せた。バイタルエリアで前を向いてボールを持つと、相手のプレスが一瞬遅れたところを見逃さなかった。左足でのループシュートはきれいな放物線を描いて枠をとらえる。惜しくもこのシュートは相手キーパーが指先でさわりバー。しかし、このこぼれ球に反応した平戸奨眞(法4・暁星高)がきっちりとゴールに沈め、「真面目に謙虚に耐えて、必ず1回か2回はチャンスがくるので、それをしっかりと決められた」(須田監督) 慶大がほしかった追加点を奪う。86分に中大のサイド攻撃から今シーズン初失点を喫してしまったが、その後はしっかりと守り切った。慶大は今シーズン2勝目を挙げ、2位と勝ち点差なしの4位となった。

 

今節は「組織力の高さ」を見せた慶大が勝利を収めた。戦術の浸透こそが勝利の要因である。ただ今節では、今まで好調であった守備にもほころびを見せた。特に後半、サイドバック裏を突かれる場面が多く見受けられた。こうした課題を、勝って見つけることができるのは最高なことだろう。慶大がもう一つ上のステージに上がるためには、結果が出ているうちに課題を改善し、成長につなげることができるのか。この1点に尽きる。次節の相手は、ここまで3試合、13得点で全勝中の専修大学。今シーズンも専大の強さは本物だ。そんな専大相手に慶大は爪痕を残せるのか。慶大が「どれだけできるか楽しみ」(増田湧介主将・環4)なこのゲーム、いま「真価が問われる」。

 

(記事 太田悠貴)

 

 

 

 

試合後の監督・選手のコメント

 

 

須田芳正監督

 

(今日のゲームプランは)

 

1点とって守る。それだけです。

 

(後半中大にボールを持たれる時間が長かったが)

 

1点入れた瞬間、守り切ろうといっていたので、あわよくばカウンターで追加点が奪えればという感じでした。なので問題はありませんでした。

 

(明大戦と同様に追加点を奪うことができたがその要因は)

 

みんなが真面目に謙虚に耐えて、必ず1回か2回はチャンスがくるので、それをしっかりと決められた結果です。本当に選手たちがゲームプラン通りに真摯に取り組んでいるからだと思っています。

 

(前線の選手が結果を残しているが)

 

それが1番いいよね。とるべき人がとって勝つというのが。まだ3節なので、うちはディフェンスからということでやっていきます。

 

(3試合で勝ち点7ですが)

 

ある意味、去年からメンバーは変わってないので他のチームと比較しても、強い弱いは別としてチームとしての成熟度はあるかな。なので、なるべくスタートダッシュで勝ち点を稼ぎたいと思っています。

 

(次節に向けて)

 

彼らはチャンピオンなので、まさにチャレンジャーの気持ちでぶつかりたいと思います。

 

 

増田湧介主将(環4・清水東高)

 

(今日の試合を振り返って)

 

最後失点してしまったんですけど、全体を通して自分たちのやりたいことができて勝ててよかったです。

 

(3試合で勝ち点7だが)

 

1試合1試合しっかりと目の前の試合に臨んだ結果だと思っています。また切り替えて次の専修戦に向けて頑張っていきます。

 

(前線の選手の活躍が顕著だが)

 

(加瀬澤)力、(宮地)元貴の2年生の二人が頑張っているので自分も前線の選手として負けてられないです。

 

(失点してしまいましたが)

 

しっかり失点シーンを確認して改善していきたいです。

 

(次節に向けて)

 

ここまで自分たちは非常にいい流れできているので専修相手にどれだけできるか自分自身楽しみですし、みんなも楽しみだと思うのでしっかり準備して臨みたいです。

 

 

保田隆介(法4・横浜Fマリノスユース)

 

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)

 

全体的な内容は良くなくて、最後浮き足立ってしまいました。立ち上がりに点がとれたことと、後半カウンターから追加点が奪えたというのは良かったです。

 

(中大について)

 

昨季は個の力が際立っていましたが、今季は組織的に戦うという意図が見えました。しかし、組織力は慶大の方が高かったです。

 

(自身のプレーを振り返っていかがでしたか)

 

早い時間に先制点を取れた関係で、守備を第一にということで攻撃参加は多くなかったです。守備では裏をとられることが多かったのが反省点です。

 

(初失点を喫してしまいました)

 

いつかは失点しますが、とられ方が良くなかったです。点を取られたあと浮き足立ってしまい、チームとして勝ち試合の終わらせ方の統一が出来ていなかったです。

 

(専大戦に向けて意気込みをお願いします)

 

自分にとっても良いイメージがなく、今季は失うものはないので、失敗を恐れずにみんなでチャレンジしていきたいです。

 

 

浅間翔太(理4・暁星高)

 

(試合を振り返って)

 

まずは守備という部分で、前半はしっかり守れた中で1点とれたことはよかったと思っていますが、後半1点とった後に失点してしまったことは課題だと思うし、無失点で乗り切ることができないとこれから試合に勝つことが厳しくなっていくと思うので、失点の部分をしっかり反省して次の試合に生かしていきたいと思います。

 

(リーグ戦初スタメンだったが)

 

初スタメンということもあって緊張しましたけど、自分のできることは決まっていて守備の部分はしっかりやらなくてはと思っていたので、そこをしっかりやって守備はできたと思います。

 

(4年生として普段心がけていることは)

 

4年生として昨季の残留争いをしていたときに一丸となったことによって残留することができたと思うので、4年生がしっかり引っ張ってチームをまとめあげるということを中心にやっています。

 

(ボランチでレギュラー定着するためにアピールしていきたいことは)

 

自分の特徴である守備の部分で勝ることは重要だと思っていて、攻撃の面では端山と小坂の方が上手いと思うので、守備では誰にも負けないようなプレーをできるように今後の試合や練習でアピールしていきたいです。

 

(次節は王者・専大との一戦だが)

 

自分自身はまだ専大とやったことがないので、チャレンジャーの気持ちでしっかりと試合に臨めるようにまずは自分の準備をして、チームとしても最高の状態で臨めるようにやっていきたいと思います。

 

 

並木凌介(総4・國學院久我山高)

 

(試合を振り返って)

 

正直なところプラン通りのゲームでした。セットプレーで1点とって後は逃げ切りを図って、相手が出てきたところでカウンターで1点とるという完璧なプランでしたが、今季初の失点をしてしまったことと、ポゼッションをしっかりしてくるチームに対しての守り方を次の専大戦までに修正しなくてはいけないと反省点が出た試合だと思います。

 

(中3日ときつい日程だったが)

 

ケアは各自でやって、試合の翌日は試合に出た組はリカバリーで積極的な回復をして、あと2日は戦術の確認程度の練習をしてこの試合に臨めたので、身体はきつかったですけど戦術が浸透してきているので結果が出てよかったと思います。

 

(副将として4年生として心がけていることは)

 

自分が心がけているのは、自分はあくまでも副将で、主将がいる中でその主将ができないことを保田と僕が副将として補うというのがチームとして一番良いと考えています。自分からアクションを起こしてできることは少ないので、補助的な感覚でチームに足りないことやマイナスの部分を補うように毎日やっていて、増田だけでは練習の雰囲気などを良くできなかったときに僕が声を出して盛り上げたり、補助的な役目を意識して第一に自分のプレーを集中してやってその次にチームに足りないことを補うように毎日やっています。

 

(次節は王者・専大との一戦だが)

 

僕はまだ本当に強い専大とやったことがないので緊張すると思いますけど、やることは変わらないのでどれだけ攻められてもしっかり守って一発を狙うということをやれば王者相手でも十分やれると思っているので、負けても良いという考えではなくてあくまでも勝利を目指してやっていきたいと思います。

 

 

平戸奨眞(法4・暁星高)

 

(今日の試合を振り返って)

 

しっかり守って少ないチャンスをものにするという自分たちのサッカーができたのでそれが一番良かったと思います。

 

(自分が入るまでの試合をどう見ていたか)

 

相手にボールを持たれていたんですけど、自分たちがしっかり引いて守れていたので点を取られる気はしなかったですね。いいペースでした。

 

(途中交代の時に監督からどういう指示をうけたか)

 

「しっかり点を取って、守備からやっていこう。」と。

 

(ゴールシーンを振り返って)

 

シュートを決めたくて、たぶんキーパーもボールをはじくと思っていたので、しっかり反応できて良かったと思います。

 

(次節は専修大学だが)

 

やるサッカーを継続することが大事。今2勝1分けときていて、次はチャンピオンのチームで自分たちの真価が問われると思うし、チャレンジしていきたいと思います。

 

 

宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース)

 

(先制点を振り返って)

 

1度自分の頭をボールが超えたが、ファーサイドに仲間が多く走っているのが見えたので中にボールが来ると信じて飛びこみました。

 

(今日の試合全体を振り返って)

 

前節から言っているのだが、90分を通してプレーすることができなかった。そこは自分の課題だと思っています。だからといってプレーの強度を落としてプレーすることでは意味がないので、プレーの強度はそのままに90分間継続できるように今後やっていきたいです。

 

(開幕3戦での自分の動きについて)

 

ボールを収めることはできています。だが、ただのポストプレーヤーにはなりたくないのでプレーの幅を広げるという意味ではまだ足りないと感じています。

 

(今日の試合の監督からの指示)

 

「決めてこい」というシンプルな指示でした。起用してくれた監督の期待に答えることができてよかったです。

 

(次節専修大戦に向けて)

 

自分達は挑戦者であるので謙虚な姿勢を忘れずに全力で頑張りたいです。

 

 

加瀬澤力(総2・清水東高)

 

(今日の試合を振り返って)

 

自分たちのサッカーというか、しっかり守って少ないチャンスをものにするということが全体的にできていたと思います。それが結果にも出ていますし、良かったかなと思います。

 

(2得点で絡む活躍となったが、ご自身のプレーを振り返って)

 

2得点には絡んだんですけど、自分自身では点を取っていないし、もっともっと積極的にシュートを打ちに行くだとか、ボールを受けて前を向いて運ぶだとかというプレーはできていませんでした。自分の中ではまだまだ物足りないというか、もやもやしている部分はあるので、それを次節改善してやっていければなと思っています。

 

(試合前、個人的にはどのような指示が与えられたか)

 

とにかく最初は裏に抜け出して、前でキープしたりしっかりディフェンスから入ったり、という基本的なところでした。その動きに関しては結構意識できていたかなと思うんですけど、もっと効果的にできる部分はあったのかなと思うので、それも改善点かなと思います。

 

(守備から攻撃へのスピードの変化に関して、チームとして手応えを感じているか)

 

そうですね。本当に守備に関しては皆意識が高くなっていると思うので、その切り替えというのは今すごくキーになっています。速くするのが当たり前というのが、皆の共通認識ではないかなと思います。できていなかったらダメだし、できていてももっとできるという勢いで、切り替えをとにかく集中していきたいです。

 

(開幕4連敗を喫した昨季と比べ、好調の出だしだが)

 

チームとしてやることがはっきりしています。しっかり守って攻めるという、去年にはなかったところがいいところではあります。正直去年の開幕には自分は出ていなかったので、そういう点では自分が出てこういうふうに結果が出ているというのは、自分の中の自信として受け止めていいのかなと思います。前向きにこれからもやって、勝ち点をしっかり一つずつ積み上げていきたいなと思います。

 

(次節・専大戦に向けて意気込みを)

 

本当に強敵ですし、チャンピオンですし、しっかりとにかく守って少ないチャンスの中で点を取って、ひたむきに前向きにやっていければなと思います。勝ちたいですね。

 

 

望月大知(環2・静岡学園高)

 

(今日の試合を振り返って)

 

攻め込まれる時間が長くて苦しい試合だったんですけど、最後粘って勝ち点3が取れたので良かったです。

 

(中大は昨季後期に6失点した相手だったが、どのような守備を心がけたか)

 

自分はその昨シーズンの試合で退場してしまってチームに迷惑をかけてしまった中で、まず守備から入ってセットプレーやカウンターから1点を取って守りきろうという戦術だったので、うまくハマって良かったです。

 

(開幕4連敗を喫した昨季も比べ、好調の出だしだが)

 

確かに勝ち点7を取れて昨シーズンよりもいいんですけど、まだまだ課題が試合をするごとに出てくるので、そこは改善しつつ過信せず頑張っていきたいと思います。

 

(次節・専大戦に向けて意気込みを)

 

やっぱり専修は王者なので、チャレンジ精神を常に持って謙虚にプレーしていきたいと思います。

 

 

小坂慎太朗(総2・浦和レッズユース)

 

(今日の試合を振り返っていかがでしたか)

 

良い形で2点取れましたが、そのあと守備が崩れかけてしまったので、勝てたのは良かったですが、守備をもう一回再確認したいです。

 

(自身のプレーを振り返っていかがでしたか)

 

自分はセカンドボールを拾うことが役割なのですが、守備の関係でポジションが低く、セカンドボールを拾えず、ボールも散らせなかったので良くなかったです。

 

(初失点を喫してしまいました)

 

失点の場面は自分が中盤で潰しきれなかったのが原因です。また、クロスを上げられる時に3人行きましたが、対応しているのは1人だったので、対応しない人は素早く中に戻ってマークの確認をするべきでした。

 

(今日は浅間選手とボランチのペアを組みました)

 

練習時間は短かったですが、うまく行きました。

 

専大戦に向けて意気込みをお願いします)

 

まずは自分たちができる準備をしっかりすれば勝利できると思うので、しっかりと準備していきたいです。

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