【野球】投打共に精彩欠き完封負け 明大②

4月26日(日)東京六大学野球春季リーグ 明大2回戦

6回裏2死満塁、髙山に満塁本塁打を浴び、がっくりうなだれる先発の三宮

6回裏2死満塁、髙山に満塁本塁打を浴び、がっくりうなだれる先発の三宮

昨日の明大1回戦で今季初勝利を挙げた慶大。連勝して勝ち点を奪取したい一戦で、大久保監督が先発のマウンドに送ったのは“明大キラー”三宮舜(商4)。好投が期待されたが6回に満塁本塁打を浴びるなどしてまさかの7失点。上昇の兆しを見せていた打撃陣も今日は明大投手陣の前に沈黙し、無得点に終わった。これで明大との対戦成績は1勝1敗となり、決着は明日以降に持ち越された。

 
慶大
明大 ×
 

慶大:●三宮、加嶋、亀井―小笠原、須藤

明大:○上原、水野、星―坂本

◆慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[6] 山本泰寛(環4・慶應義塾)
[4] 北村祐樹(商4・丸亀)
  濱田匠(経3・宇都宮北)
  亀井倫太朗(商3・慶應義塾)
[9] 谷田成吾(商4・慶應義塾)
[5]4 横尾俊建(総4・日大三)
[7] 齋藤大輝(商3・慶應義塾)
[3]5 沓掛祥和(商3・慶應義塾)
[2] 小笠原知弘(環4・智弁和歌山)
  須藤隆成(環3・創志学園)
[1] 三宮舜(商4・慶應義塾)
  加嶋宏毅(商4・慶應志木)
  H3 清水翔太(総2・桐蔭学園)
[8] 梅野魁土(環4・福岡大大濠)
 

この2日間は「若き血デー」と銘打ち、慶大応援席の観客がスタンドを赤く染めた

この2日間は「若き血デー」と銘打ち、慶大応援席の観客がスタンドを赤く染めた

昨日同様晴天のもと行われた慶明2回戦。慶大の先発は三宮舜(商4)。三宮は昨年のシーズンだけで明大から3勝を挙げている“明大キラー”。今日も明大打線を封じる投球が期待された。対する明大の先発は上原。長身から投げおろす力強い直球と鋭い変化球を武器とし、今年のドラフト候補とも噂される手強い投手だ。

序盤に好機を得たのは慶大。2回表、横尾俊建(総4)の四球、小笠原知弘(環4)の中前打で2死1、2塁とするがここは三宮が一直に倒れる。3回表には、先頭の梅野魁土(環4)が三塁方向に絶妙なセーフティバントを決めると、これを処理した上原の悪送球も絡み、梅野は2塁まで進塁。続く山本泰寛(環4)の送りバントで1死3塁とし、迎える打者は北村祐樹(商4)。北村の打球はサードへのゴロとなるがここで三塁走者の梅野が飛び出してしまい、三本間でタッチアウト。またも先制点の好機をものにすることができない。

3回表二死1塁、明大1回戦に続いてセンターへのクリーンヒット放った小笠原(写真左)は塁上で笑顔

2回表二死1塁、明大1回戦に続いてセンターへのクリーンヒット放った小笠原(写真左)は塁上で笑顔

試合が動いたのは4回裏。3回まで無安打投球を続けていた三宮だったが、この回先頭の宮内に左翼線を破る2塁打を浴びると、続く佐野恵に犠牲バントを決められ、1死3塁のピンチを迎える。続く菅野が放った打球は二遊間を襲う強烈なゴロ。これを遊撃の山本泰が好捕。先制点こそ許したが、頼れる副将の守備が三宮を助ける形となった。

5回裏、今度は追加点のピンチを迎えてしまう。坂本にセンターの頭上を越す三塁打を浴び、無死3塁とされると、ここで明大ベンチが動く。ここまで好投を続けていた上原に代え、西村を代打に送ったのだ。追加点を与えたくない三宮は西村を見事三振に打ち取ると、続く強打者高山、4回に2塁打を浴びた宮内をそれぞれ力のない外野フライに打ち取り、この回を0点で切り抜けた。

6回から明大のマウンドには右腕の水野が上がる。5回までは上原の投球に苦しめられていただけに、慶大に得点のチャンスが訪れたかのように思われたが、2番から始まる好打順を三者凡退に封じられてしまう。

その裏、それまで安定していた三宮が突如崩れる。佐野恵、菅野の連打で1点を失うと、その後も石井、竹村にストレートの四球を与えるなどして2死満塁。ここで迎える打者は投手の水野。ストライクを先行させたい場面だったが、制球の定まらない三宮は3球連続でボール球を投じてしまう。そして5球目、直球がわずかに外れ、まさかの押し出し。明らかに本来の姿ではない三宮。続く高山にも2球連続でボール球を投じると、3球目をミートされる。「打った瞬間はレフトフライだと思いました」(三宮)と振り返るように、詰まった打球のように思えたが、白球はレフトスタンドへ。満塁本塁打を浴び、この回まさかの6失点。慶大にとっては悪夢のようなイニングとなってしまった。

8回裏には亀井倫太朗(商2)が今季初登板。防御率0.00を目標に掲げる右腕が明大を無失点に抑えた

8回裏には亀井倫太朗(商2)が今季初登板。防御率0.00を目標に掲げる右腕が明大を無失点に抑えた

反撃したい慶大打線であったが、6回以降は明大投手陣の前に無安打に封じられ、結局試合は0-7のまま終了。決着は明日以降に持ち越されることとなった。

昨日の試合から一転、「課題は多すぎて何をしていいかまだわからない」(横尾)との言葉通り、投打共に精彩を欠く一戦となった。しかし、1点差での敗戦だろうと、7点差での敗戦であろうと、同じ1つの負けであることに変わりはない。慶大ナインには悪い雰囲気はここで一度リセットして、明日の大一番に臨んでほしいところだ。

 

【Today’s Legend】  驚異の出塁率.500 梅野魁土

韋駄天・梅野が神宮のダイヤモンドを駆け巡る

韋駄天・梅野が神宮のダイヤモンドを駆け巡る

昨年は主に代走での起用だった梅野。今季は中堅のレギュラーに定着し、「自分の役割をしっかり理解して、繋ぎに徹している」(大久保監督)と、見事監督の起用に応える活躍を続けている。梅野の今季の活躍ぶりを示す指標に5割という出塁率の高さがある。ここまで盗塁は3戦連続成功中とその足は止まらない。慶大打撃陣のアクセント、いや主役級の存在感を見せる梅野のプレーに今後も注目だ。

 

記事:小沢 光市

 

◆打撃成績
   
[6] 山本泰 二ゴ   投犠   空三振     右飛  
[4] 北村 遊ゴ   三ゴ     遊ゴ      
濱田               投ゴ  
亀井                  
[9] 谷田 空三振   左飛     空三振     投ゴ
[5]4 横尾   四球   空三振   右飛     右飛
[7] 齋藤   空三振   一安     見三振   空三振
[3]5 沓掛   中飛   二ゴ     中直    
[2] 小笠原   中安   右飛     右直    
須藤                  
[1] 三宮   一直     一ゴ        
加嶋                  
H3 清水翔               右飛  
梅野     投安   右安     四球  
◆投手成績
  投球回数 打者数 球数 安打 三振 四死球 失点 自責
三宮 52/3 28 95
加嶋 11/3 15
亀井 22
 

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

(今日の試合を振り返って)途中までは良い試合だったけど、(6回の)押し出しと満塁ホームランでちょっと決まっちゃったかなっていう感じだね。(先発の三宮投手が7失点と、本来の投球が出来なかった)それまで粘り強く投げてて、良い時もこういう悪い時もあるし。どうしても先発の投手が踏ん張って、中軸が爆発してくれないと慶應らしさは出ないので…。しょうがないですね。(後続の加嶋投手、亀井投手は走者を出しながらも0点に抑えた) なかなか使いどころが難しいので、また考えて、失点を少なくできるよう切り替えて頑張ります。(野手陣では梅野選手が3出塁と存在感を示した)持ち味とか自分の役割をしっかり理解して、繋ぎに徹しているんでね。受験で入ってきて文武両道で頑張っているっていうのはまさに慶應らしいんじゃないかなと思いますけどね。(明日に向けて)総力戦で、負けたら終わりなので、全力で戦うのみです。

横尾俊建主将(総4)

(今日の試合を振り返って)負けてしまったので悔しかったです。(先勝してからの第二戦目に臨んだチームの雰囲気は)いい雰囲気でこれていましたが、相手のいる勝負なので仕方ないかなとは思います。(1回のファインプレーについて)打球が来る気はしていたので体が上手く反応してくれました。(打っては9回、惜しくも安打とはならなかったが感覚としてはどうだったか)そんなに調子はよくないので、これから調整したいと思います。(これまでの4戦で見えてきたチームの課題はあるか)課題は多すぎて何をしていいかまだわからないので、とにかくがむしゃらにやるだけです。(明日へ向けて一言)とりあえず勝ち点とって、勢いに乗りたいと思います。

三宮舜(商4)

(今日の投球を振り返って)終盤、というか中盤に大量失点をしてしまったというのと、あとは先制点を与えてしまったことが今日のピッチングの反省点です。(3回まではノーヒットでした。調子自体はよかったのでは)はい、調子は悪くなかったです。(6回は珍しくボール球が先行したが、疲れが出たのか)自分の中ではあまり疲れている感じは無かったんですけど、まぁ、そういうことなのでしょうね。(髙山選手に打たれた球は失投だったのか、うまく打たれたのか)失投ですけど、打った瞬間はレフトフライだと思いました。でも、入っちゃいましたね。(明日の第3戦に向けて)明日は今日みたいなピッチングをしないように頑張ります。

梅野魁土(環4)

(今日の試合を振り返って)いい試合してたと思うんですけど、どっちが先に点取るかということが大きかったと思うんで、出来れば先制したかったなと思います。(3戦連続安打と打撃好調だが、秘訣はあるか)いつもと同じように入るということだけは意識してますけど、あまり考えてないです。(バント安打もあったが、自身の走力を生かしてということか)そうですね。出塁したいという思いがあるので、そういうこともやっていけたらなと思ってやってます。(盗塁も3戦連続となったが、出塁したときに意識していることはあるか)どういうタイミングで走ろうかなということは常に考えていて、あとはピッチャーの配球だったりとかを考えています。(次の試合に向けて一言)勝つだけなんで頑張ります。

亀井倫太朗(商2)

(本日を振り返って)今シーズン初登板だったのと、法政戦ベンチ外れた悔しさもあったので絶対抑えてやるという気持ちでした。(登板時は7点差ありましたが)気楽に投げろと言われました。負けている分気持ち的には楽だったのですが、いいバッターが続くので少しの緊張はありました。(2安打無失点に抑えましたね)高山選手に1本献上してしまったのは、自分のフィールディングがよければアウトにできたので悔しい結果でした。(次回に向けて)今年の僕の目標が防御率0.00で、今のところまだ維持できているので、次いつ投げるかわからないですが0に抑えたいと思います。

清水翔太(総2) (試合が終わった今の気持ちは)こういう負け方だったので、とりあえず明日ですね。明日勝てば勝ち点をとれるので気持ちを切り替えていきます。(神宮初出場でしたが、打席に立ったときの気持ちは)いつもと変わらない気持ちで立てて、意外と自分のスイングができたので悪くはないと思いました。(その後は守備にもついたが感想は)神宮のグラウンドはきれいだなと思いました(笑)。めちゃくちゃ居心地がいいので、早くレギュラーを取って守りたいなと思いました。(明日に向けて)自分はサブで、いつ出るかわからないのでいつでも出れるように準備したいと思います。

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