【端艇】第42回全日本大学選手権大会

銅メダルを獲得した男子舵手なしフォア

銅メダルを獲得した男子舵手なしフォア

8月20日(木)から23日(日)にかけて、戸田ボートコースにて第42回全日本大学選手権大会が行われた。慶大端艇部からは計10クルーが出場。予選から苦戦したものの、多くのクルーが敗者復活戦で意地を見せ、準決勝へ進出した。決勝に進んだのは、男子舵手付ペア、男子舵手なしフォアの2クルー。悲願の優勝には届かなかったが、見事表彰台に上った。

 

 

 

42回全日本大学選手権大会 

男子エイトは決勝進出ならず、5位

男子エイトは決勝進出ならず、5位

2015年8月20~23日  

@戸田ボートコース

 

・女子舵手なしペア 予選敗退

S:萩原 沙柚子(文1) B:笹谷 由佳(文2)

 ・女子舵手つきクォドルプル  準決勝敗退

C:池田 可南子(文3) S:流石 揚子(総3) 3:渥美 優(総1) 2:野方 千裕(政2) B:古川 のどか(理4)

・男子シングルスカル 予選敗退

比留間 量(経4)

 ・男子ダブルスカル 準決勝敗退

S:有馬 康耀(法2) B:長谷 裕太(経3)

 ・男子舵手なしペア 第5

S:細田 外嗣(法2) B: 大津 匠(政3)

銀メダルを獲得した男子舵手付ペア

銀メダルを獲得した男子舵手付ペア

 ・男子舵手つきペア 第2

S:小坂 哲生(商2) B:森崎 光洋(環4) C:今村 匠(商2)

・男子舵手なしクォドルプル 第5

S:阿部 悠平(経4) 3:舩門 啓司(法4) 2:高橋 航平(経2) B:尾辻 大将(経4)

・男子舵手なしフォア 第3

S:佐々木 多聞(総3) 3:寺坂 僚太(経2)2:舟橋 勇生(商4)B:藤枝 裕亮(商4)

・男子舵手つきフォア 予選敗退

C:小原 孝明(政3) S:笹岡 裕之(政2) 3:高林 拓海(理3) 2:宮本 星太(政3) B:小豆沢 遼(政3)

 ・男子エイト 第5

C:米澤 一也(政3) S:内田 優志(政2) 7:大河原 敦史(政4) 6:北原 敬梧(法2)5:中田 幸太郎(経3) 4:吉田 航(政4) 3:尾留川 敦(総4) 2:田中 将賢(法3) B:高田 直人(総2)

 

準決勝に進出した女子舵手付クォドルプル

準決勝に進出した女子舵手付クォドルプル

女子部の2クルーは一年生も加わり、新風を吹かせた。舵手つきクォドルプルは敗者復活戦から準決勝へ進出。しかし、壁は厚く3着でフィニッシュ。惜しくも入賞をのがした。全学年のメンバーが乗ったこのクルー。4年の古川主将は学年一人で女子部を引っ張ってきたが、それを支える下級生たちの支えが今回の結果をもたらした。結束力を高め、成長をみせる彼女らに期待だ。

 

 

昨年はどのクルーも目標の表彰台に上ることができず、悔しい思いをした男子部。今年は2クルーが表彰台に上り、慶大にメダルをもたらした。予選、準決勝と進み、最終日には順位決定戦および決勝が行われる。順位決定戦には、男子舵手なしペア・男子舵手なしクォドルプル・男子エイトが出漕した。花形のエイトは惜しくも決勝を逃したが、1戦1戦を経るごとに成長をみせる漕ぎを見せた。順位決定戦では5分53秒76・1着でフィニッシュ。充分決勝に食い込めるタイムである。調整を重ね、次の全日本選手権では力を出し切って欲しいところだ。

優勝を狙う男子舵手付ペア

優勝を狙う男子舵手付ペア

そして、まず決勝に出場したのが男子舵手付ペア。強豪早大・一橋大に挟まれてのレースであったが、圧倒的な練習量を自信にかえて挑んだ。スタートから先頭に出た早大に、一歩遅れて追うレース展開に。ラストの追い上げで勝負に出たが、刺しきれず2着。しかし、練習通りの力を出し切り、成果としての銀メダルを獲得することができた。小坂、今村の2年生二人と4年の森崎が乗ったこのクルー。下級生の勢いが、上級生にも刺激を与えていることだろう。

この良い流れから次に決勝に挑んだのは、男子舵手なしフォア。先に出たのは予選から強さを見せてきた立教大だった。明大・慶大・日本大の3校が拮抗し、2位の座を狙う。最後まで予想ができない展開になったが、0.13秒差で明大に先着され、3位。レース後には悔しさも見せたが、念願のメダルを獲得した。この夏に向けて、それぞれのクルーがコミュニケーションを多く取りながら、結束力を上げてきた。この2つのメダルは慶大に良い流れをつくったに違いない。3週間後に迫る全日本選手権、4年生にとっては最後のレースだ。悔いの残さぬよう最後まで戦い抜いてほしい。

力漕する男子舵手なしフォア

力漕する男子舵手なしフォア

 

(記事・須佐奈月)

 

 

 

 

〇以下、選手コメント

古川 のどか(理4

(大会を振り返って)全体的に思っていたよりできたという印象があります。正直、自分達のレベルはもっと低いと思っていたんですけど、結果として僅差に迫るところまで。目標はもちろん日本一だったんですけど、でも、ようやく階段を登ってこれたなというところで、だからこそすごく悔しいです。(試合を一つ一つ振り返って)予選はあまり気負いせずにやれたのでタイムも練習の中では良く、全体でも10位で、そこは素直によかったかなと思います。ただ、そこで敗復は組み合わせも良かったので驕った部分があったのかなという感じがしました。2位になれば準決勝に上がれるということで置きに行ってしまったかなと思います。ここ数年で慶應は準決勝まで上がれていないので、ここまで来たら失うものは無いし、緊張なども無意味なので出すだけ出すというところでやれたのでそういう意味では特攻みたいにいけたのかなと思います。ラスト500mでも上げられたし良いものが出せたと思います。(新体制になっての雰囲気)一丸となってやれていると思います。クルーとしてもまとまりがあって、全体として良い雰囲気の中で練習からできていたと思います。(今日に向けての練習)やはり、一本で艇を進めるというところです。大きく一本でというところを意識して練習してきました。(全日本に向けて一言)もう二度とこんな悔しい想いはしたくないです。

 

池田 可南子(文3)

このメンバーで初めての夏の大きな大会だったのですが、自分たちが思っていたよりも力があったんだなと思いました。レースでは今までの力を出せたのですが、できたという気持ちがあったので、だからこそ悔しい気持ちもあって。次の大会はこのクルーで出るというわけではないのですが、次の大会に前向きにつなげていける大会になったと思います。

流石 揚子(総3)

他大と比べると1年から4年まで乗っている、伸びしろのあるクルーだなと思いました。3レースとも成長が感じられたので、実りある大会になったと思います。3週間後に全日本の大会がありますが、そこではもっとレベルの高いレースになると思いますが、この伸びしろを活かして、今まで引っ張ってきてくれた古川先輩に表彰台をプレゼントできるように全力で戦いたいと思います。

野方 千裕(政2)

私自身途中入部で1年しか漕いでいなくて、先輩も後輩も高校からやっていたりするので、練習中から足引っ張ってしまったのですが。その分をカバーしてくれる先輩、後輩と乗っているので、次の全日本までに自分の技術も力も成長して、先輩たちの足を引っ張らないようにもっと艇速に貢献していけるよう頑張りたいです。

渥美 優(総1)

慶應に入ってまだ一年もたっていないのですが、この全学年乗っているメンバーの中でプレッシャーも感じましたし、練習ももっとできるなという状態のままレースに臨んでしまったなと。でも練習でできた以上にレースでは力が出せたので、もっと練習から全力出していきたいなと思います。

 

 

吉田航主将(政4

(大会を終えて今のお気持ちは)チームとしては成績を上げているクルーが多くて進歩しているかなと思いますが、花形のエイトは負けてしまったので、もうちょっとのところで負けてしまったのが悔しかったです。(インカレに向けてどのような練習をされてきましたか)毎年強化合宿をしていたのですが、今年は就活の関係もあり、まとまって合宿をするのではなく、いつもの場所で練習をしていました。去年よりも主体的に、考えて練習ができたかなと思います。(練習は活かせましたか)エイトに関しては、自分たちのやろうとしたことをやってできたこともありましたし、できなかった場面もありました。他のクルーも、良くできていたところは順位にも出てきましたね。(ご自身の出来については)以前に比べて仕上がりは良くなってきたとは思っていたのですが、1、2秒足りなかったということですね。(今大会通して、部の雰囲気は)クルーごとにいろんなことをしようとしていて、とても良かったと思います。去年も良かったのですが、今年は部員も増えましたし、流れが良いように感じています。(下級生の勢いはやはり刺激になりますか)そうですね。下級生の活躍があるので、上級生も気合が入って、チーム全体が上を向いているんじゃないかと思います。(全日本選手権まで少し時間がありますがどう調整を)スタートで1、2秒相手より遅れてしまうので、エイトに関しては、500mの間にその1秒を削れるかを重点的にやっていきたいです。(全日本選手権にむけて目標をお願いします。)インカレの分、全日本で取り返したいと思います。

 

 

尾留川敦副将(総4

(大会を振り返って)エイトとしてはレースの中で成長を実感できる部分もあったし、8人9人で漕ぐということを体現できた部分もあり、そういった部分は評価して良いと思いますが、やはり、相手がいてこその勝負であり、結果が出るのが試合だという意味では至らない部分があったから負けたので、そこは真摯に受け止めるべきかなと思います。(予選から振り返って)練習でいくら試合を想定してやってきていても、試合になってこそ出てしまう動きとか、8人9人がいるが故に、それぞれがそれぞれの役割を果たそうとした時に出てしまう個々の我みたいな部分が出てたかなと思います。このクルーでレースを迎えたのが初めてだったということもあり、予期しなかった動きみたいな部分が出てしまったのが予選だったと思います。良い部分も悪い部分もあったけど、総合的にみると良かったとはいえない試合だったと思います。(予選から早稲田と当たっていたが)特別意識はしていなかったつもりですが、本能的に、みたいな部分は今振り返ってみるとあったかなと思います。(敗復からは)そこから幾つか挙げてそれを潰していこうという部分で、レースプランのような戦略的な部分であったり、漕ぎの部分であったりは全員で改善させて向かったつもりでしたが、自分達が想定した100%120%の出来という部分では欠けている部分が多かったかなと。改善して、ここまで良くなると思い描いているビジョンに対しては、それを100%改善、修正して結果を出すことができたかというと、そうではなかった部分が強くて、それが敗復はたまたま上がったけど、準決でそういう部分が出てしまったかなと思います。レースを重ねる度にもちろん改善点を挙げて、修正していくということは全員が共通理解の下でレースに当たったのは間違いないけども、その徹底度合いだとか表現具合などという部分では十分だったとはいえないところが反省すべき点だったなと思います。(順位決定は)タイムとしてはこちらとしてもやりやすい、変なことをしない限りは勝てるという、ある意味の安心感みたいなものはあったけども、決勝に行けてないから、そういう意味では、どんなに頑張っても5位止まりなわけで、正直、そこに折り合いをつけて試合に臨むというのは、それ自体がかなりハードなことだったとは思います。ただ、敗復、準決と改善しようといっていた部分を、更に失うものは何もないという順位決定という場で表現しきる、集大成をだすというところが一つの目標でした。しかし、それでも尚、順位決定でも、順位決定内で最大の結果を出したにしろ、漕ぎという部分においては、まだ不十分なところがあったというのが率直な反省点であって、このままの漕ぎでは勝てないということを痛感したのが今回の順位決定だったなという印象です。(今回の大会で成長してこれたか)それは間違いなくあると思います。ただ、それが相手に至らなかったという部分ともっと出来たという部分はもちろんあるし、それが相手に向かった時に100%表現出来ない部分と、後はそれ自体が至っていないということがあると思います。(全日本に向けて)全然敵わない相手ではないと思うから、そういう意味では日本一は絶対に狙えるところにあると思うので、これまで積み上げてきたものを更に突き詰めていくという部分と、多分今とほぼ同じクルーでいくことになると思うので、今大会で出たものとか反省点をしっかり潰して、最大のものを全日本で出すというところに尽きると思います。

 

舟橋 勇生(商4)

(本大会振り返って)予選では自分達が思っているようにレースが出来ずに、その後急遽クルーでミーティングをしました。そこで自分達はどうすればベストを尽くせるレースが出来るかをクルーの四人で話し合って。そしてそれを敗者復活戦から実現できて、正にレース毎に成長出来た、そんな大会でした。(本大会は4日間の長丁場でしたが、日を重ねるにつれて力をつけて成長出来たんですね笑)その通りですね笑(銅メダル獲得についてクルーではどう考えたのか)クルーとしては最初から優勝を目指していて、決勝でもメダルを獲得するだけで満足せずに、最後まで1位でゴールしようと全員考えていました。だから、決勝で3位に終わった事は非常に残念ですが、チームとしては昨年より一歩前進できたので、そこは素直に喜びたいと思います。(異なるクルーでも慶大が一丸となって今大会に臨んでいるように見えましたが、何か変化はありましたか?)今年のインカレのクルーを組んだ当初から、1週間に1度全クルーリーダーが集まってミーティングを行い、そこで各々が抱えている問題や取り組んでいる練習の内容を共有していました。最後の最後まで気持ちや技術的な部分も共有してこの大会を迎える事が出来て、最後まで戦い抜く事が出来たのではないかな、と思います。(全日本に向けて、どのような練習に取り組むのか、また目標をお願いします)どのクルーも今大会で全力を出し尽くしてこの結果を出したと思うので、そこは真摯に受け止めたいと。各々クルーで感じる事はあると思うのですが、技術にしろ、体力にしろまだ3週間あるので1回1回の練習を全力で課題解決とチーム、個人の成長に繋げていけたら間違いないと思います。

 

森崎 光洋(環4)

(本日の大会を振り返って)僕らの強みの後半上げて最後刺しきるというレース展開でいきたかったのですが、最後早大を刺しきれず銀メダルで凄く悔しいです。(銀メダルに満足していないという事ですか?)4位にはなりたくないなという気持ちで試合をしていて、銀メダルを取れた瞬間は嬉しかったのですが、まだ上がいると思ったら少し悔しいです。(どのような事が今回の銀メダル獲得に繋がったと思いますか?)僕らはあんまり上手くなくて、センスもないけど、他のクルーと比べて練習はニ倍位しているという自信と、ラストの伸びも練習してきたので、それが強みだと思います。(全日本に向けて)クルーは同じか分からないですけど、1位になって上に立ちたいです。(それに向けて、さらにどのような練習をしていこうと思っていますか?)テクニカルな部分がまだ足りないと思うので、最後まで同じ漕ぎで長く押していけるようになっていけるように練習していきます。(今大会の慶大の成績については?)去年までは決勝までいってもメダルが獲れない試合が多かったのでそれをどうしても断ち切りたくて。去年と決勝にいったクルー数は同じですが、クルー達が集まって何としてもメダルを獲得しようと、良い雰囲気でレースに向かえました。そして去年より良い成績を残せたのでやってた事は間違いでは無かったと思います。(やってきた事について具体的にどのような変化があったのか)今までクルーのコミュニケーションが多く無かったので、今大会ではクルーリーダーが集まって今悩んでいること、やっていること、やって良かった事などを共有する事を始めました。それをそれぞれ参考にしつつ、いいコンディションを保ちつつ、慶大が一つのチームとして勝ちにいったという感じがあります。

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