【バスケ】延長にまでもつれる激しい打ち合いを制し、リーグ戦初勝利! vs明大戦

東海大、筑波大という強豪を前に連敗スタートとなってしまった今季のリーグ戦。なんとしても連敗を止めたい第3戦の相手は明治大学。昨年の慶大との対戦成績は3勝1敗と相性の良い相手ではあるが、春に行われたトーナメントではベスト4入りという好成績を残しており、その実力は折り紙付きだ。試合内容は互いの意地と意地がぶつかり合う、ハイスコアの激しい打ち合いに。延長にまでもつれる大接戦となったが、サワの決勝ブザービーターが決まり慶大が2点差で勝利。連敗をストップし、見事リーグ戦初勝利をあげた。

 

2015/09/12(土) @青山学院大学相模原キャンパス

第91回関東大学バスケットボールリーグ戦 3日目 vs明大

 

1Q

2Q

3Q

4Q

OT

合計

慶大

22

12

29

29

101

明大

26

23

25

18

99

 

スターティングメンバー

PG

#4 福元直人(環4・福大大濠高)

SG

#13 西戸良(総3・洛南高)

SF

#5 大元孝文(環4・洛南高)

PF

#22 トカチョフ サワ(環2・國學院久我山高)

#7 黒木亮(環4・延岡学園高)

主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)

#4 福元直人:14得点、7アシスト #5 大元孝文:27得点

#7 黒木亮:16得点、13リバウンド

#22 トカチョフ サワ:25得点、12リバウンド

 

この日27得点と、リーグ屈指のオフェンス能力を見せつけた大元

この日27得点と、リーグ屈指のオフェンス能力を見せつけた大元

先週と同じスタメンで試合に臨んだ慶大。試合序盤、大元の3ポイントや、その大元のスティールから福元が速攻を決めるなどし、いきなり7点のリードを奪う。対する明大はアウトサイドからのシュートで対抗。#55吉本の連続3ポイントなどで一気に点差を縮めていく。慶大も大元のミドルシュートやサワのローポストでの一対一などを中心に得点を重ねていった。互いにオールコートでのディフェンスを敷いていることもあり、トランジションの速い展開が目立つように。しかしピリオド終盤に一歩抜け出したのは明大だった。連続でオフェンスリバウンドからの得点をあげ、慶大は4点ビハインドで第2Qへと向かう。

その序盤、明大オフェンスの要ともいえる#50伊澤に対し、サワがファウルを3回連続で犯してしまう。阪口HCはやむなくサワをベンチに戻したが、ここから慶大の歯車が徐々に狂い出してしまう。ターンオーバーやフリーの状態でのシュートミス等が目立ち、オフェンスが停滞。第一ピリオドのようなアシストからの得点も見られなくなってしまった。一方の明大のオフェンスは好調を維持。3ポイントの確率は落ちないまま、オフェンスリバウンドからの得点も重ね、さらにその勢いを増していった。慶大は大元の個人技でなんとか得点をつなげるも、明大に傾いた流れを引き戻すには至らず。15点という大量ビハインドを背負い前半を折り返すことに。

ダブルダブルの活躍に加え、この日は勝負強さも光った黒木

ダブルダブルの活躍に加え、この日は勝負強さも光った黒木

東海戦、筑波戦では課題となった3Qで巻き返しを図りたい慶大は、後半の入りから3ファウルのサワをコートに送り出し勝負に出る。「前半調子が悪いと、後半絶対活躍する」と普段から自分に言い聞かせているというサワは、その言葉通りの活躍を見せる。トランジションからの思い切りのよい3ポイントや、福元のアシストからのゴール下などで得点し、チームを盛り上げる。インサイドのもう一人のキーマンである黒木もこのピリオドで躍動。積極的な一対一からの得点に加え、キックアウトパスによるアシストも供給しチームに貢献した。しかし対する明大オフェンスの勢いも留まることをしらない。西戸のパーミングを誘う懸命なディフェンスや、福元のスティールなども見られたものの、それらをはねのけて余りある高確率の3ポイントを沈め、慶大ディフェンスをはねのけた。最終的に得点差は二桁のまま勝負の第4Qを迎える。

その最初のプレーで、サワが4回目となる痛恨のファウルを犯してしまい、流れは依然明大ペース。4分を経過した時点でその点差が縮まることはなかった。しかしここから慶大の怒涛の反撃が始まる。その口火を切ったのは「後半は自分のプレーが出せないとチーム的にも勝てないとわかっていた」と語る西戸だ。要所で2本の3ポイントを効果的に沈め、一気に点差を縮める。さらにディフェンス面でも足が攣るまで懸命にオールコートで当たり続け、チームに勢いをもたらした。さらに4ファウルとなったサワも、怯むことなく積極的にプレー。ターンアラウンドからのミドルや、オフェンスリバウンドからの得点で、その勢いをさらに加速させた。そして迎えた第4ピリオド残り1分半、大元のドライブが見事に決まり、ついに同点。しかし明大もそう簡単に逆転は許してくれなかった。伊澤のアイソレーションからのミドルが連続で決まり、再びリードを奪う。これに対し慶大も黒木のミドルや、福元のドライブで懸命にくらいつき、30秒を残した時点で92-92の同点。明大は逆転の望みを託した最後のシュートを放つものの、これがリングに嫌われ勝負は延長戦に持ち越された。

オーバータイムで先制したのは慶大。サワのスクリーンを利用した福元のミドルや、大元のドライブからの得点で4点のリードを奪う。しかし明大もすかさず吉本の3ポイントで反撃。さらに黒木の懸命のディフェンスの上から、伊澤が再びアイソレーションからミドルを連続で決め、明大が再逆転。残り1分で2点のビハインドを背負うことに。外した時点で敗色濃厚のプレッシャーがかかる場面で活躍したのは4年生だった。福元がオフェンスリバウンドをもぎ取ると、そのアシストから黒木が値千金のミドルシュートを沈め同点。試合時間は残り28秒で明大ボール。逆転を狙う吉本のミドルは外れ、福元がリバウンドを獲得。この時点で残り7秒。福元はそのまま自分で運びドライブを狙うもこれがブロックされてしまう。しかしサワがそのこぼれ球を拾い、ゴールへとねじ込んだ。微妙なタイミングではあったが、これが決勝ブザービーターと認められ、慶大が劇的な逆転劇を演じて見せた。

サワは決勝ブザービーターを決め、この試合の殊勲者となった

サワは決勝ブザービーターを決め、この試合の殊勲者となった

最終スコアは101-99。互いに死力を出し尽くした大接戦を見事に制し、慶大は秋リーグ初勝利を飾った。「接戦ながらも勝ったことが一番チームにとっての刺激になった」という大元の言葉からも、この勝利が持つ意味の大きさがうかがえる。さらに先週からの課題であった第3ピリオドでの失速も改善され、ターンオーバーの数もこの試合では延長戦まで含めて一桁に抑えることに成功した。着実な成長が結果として現れたことは、選手たちにとっても自信につながったに違いない。            (記事: 岩田 亮)

 

阪口HC 

見てる方にはすごい試合だったよね、やってる方からしたらたまらないけど。点差が離れたときは諦めちゃおうかと思ったけど、今までダメだった3ピリが良かったんで、これは選手たちにとっても自信になるんじゃないかな。明治のシュート力もすごかったけど、最後の2,3本は疲れてたね。(スタメンの出場時間が長いタフなゲームだったが)3ピリからはずっと出るようにあいつらには言ってました。前半はこれから出そうな選手をたくさん出してたんだけどね。本当によくやってくれたと思います。もうボロボロだけど明日が休みになって本当によかったです。(次戦への意気込み)東海と筑波にやられて失っていた自信が今日の試合で取り戻せたと思うので、またしっかり準備して次につなげていきたいと思います。

福元直人(環4・福大大濠高)

お互い、相手も僕らもいいところを出して試合ができたので、そういう意味でいいゲームでした。その中でも僕らが粘って粘ってビハインドから勝ちきれたことはすごい自信になる試合だったと思います。(先週との変化は)プレー的には大きく変えたことはなくて、自分たちが信じてきたこと、夏やってきたことをやっただけです。心境としては二敗してるけど自分たちが信じてやれば絶対結果はついてくるし、この一勝をとればチームとしてまた落ち着くと思っていたというところで、先週の試合もいい意味でモチベーションにして今週臨めました。そういう意味では少し変化がありました。(明治への対策は)ガード陣と、伊澤選手のところがキーポイントになるってわかっていたのでそこを意識するというのは対策は練っていたんですけど、ちょっとやられてしまったので、二戦目に向けて練り直さないとなぁと思っています。(勝敗を分けたものは)ブザーのタイミングはどっちにしろ、タイムアウトの時とかやちょっとした空いてる時間でチームや5人集まって気持ちの面で負けないということを意思統一したり、本当に最後の1秒、残り0秒になるまで何が起こるかわからない、最後まで勝ち切るというのをチーム全員が信じていたのが最終的にいい結果になったというか、審判をも味方につけたのかなと思います。(主将からみた今年のチームは)具体的なことをいうと、試合後に一試合一試合感想を書くんですけど、去年のチームが悪いとかじゃなくて、去年よりも一人一人分析をして、書いてくれる量もすごい多いんですね。っていうのはやはりチームに対する愛とか当事者意識があるチームなのかなと思っていて、そういう人のためにも一人一人が頑張れるし、一人一人がみんなのことを思って一秒でもコートを駆け回れるチームなのかなと思っています。

大元孝文(環4・洛南高)

接戦ながらも勝ったことが一番チームにとっての刺激になったんじゃないかと思います。(明治大に対しての意識は)前の週で東海と筑波とやって、その中でも自分たちのいい部分をチームの全員で認識できたので、明治戦というよりも自分たちの役割をしっかり意識していこうということを話し合って、後半でオールコートで仕掛けられたというのは今後もチームの特徴として継続していきたいなと思います。(途中オフェンスが停滞した場面について)うちのチームの持ち味はディフェンスだということはみんな認識していたので、ディフェンスを頑張って点差を縮めていこうとして成功して、ああいう形で追いつけたので、それは続けていきたいです。(次の試合に向けて)今後も負けられない試合が続く中で、4年生の真価が問われると思いますが、福元、僕、黒木をはじめチームの核となる選手が活躍すれば勝てる相手だと思うので、頑張っていきたいと思います。

黒木亮(環4・延岡学園高)

今日の結果はラッキーといえばラッキーなのかもしれないですけど、でも結果は結果なのでとりあえず1勝できてよかったです。(明大への対策は)インサイド陣のポストプレーと飛び込みリバウンドがやっぱり明治は強いので、そこをスカウティングしてきたんですけれど、結果的にはやられてしまった部分もたくさんあるので、そこは課題ではあるんですが、後半昨年だったら多分引き離されてたと思うんですがそこを5人で粘り強く頑張れたのでよかったと思います。(初勝利だが)1週目は筑波と東海ということでどちらも学生チャンピオンだったので、そこに対して前半ちゃんとやれて後半についても課題が明確に見えてきていたので、チーム的には落ち込むことは全然なかったです。(伊澤選手とのマッチアップについて)前半はサワと高橋が伊澤選手につくということで僕は宮本選手についていて、後半変えてみようということで伊澤選手についたんですけど、案の定やられてしまったんですけどそこをどう守っていくかというのが課題にもなりますし、個人的にやりにくかった部分はありますね。(ファウルへの意識は)再三再四言われていて、チーム的にも僕が抜けてはいけないということは重々わかっていたので、ファウルケアについては今日意識してプレーしたつもりです。(勝敗の決め手は)落ち込むことなく自分たちのバスケットをやれば追い上げられるというのは共通意識として持っていたので、そこでひるむことなく空いたら打つことであったりとか、しつこく絡むというような慶應らしさが出たことだと思います。(次週の試合に向けて)専修については、昨年は伊藤さんがブザービートを決めて勝ったんですけど、正直慶應としては相性が悪いというのがあって、勝てそうなのに勝てないというのがみんな思っているところなので、スカウティングに基づいた練習をしっかりやっていかなければいけないと思います。この1週間でもっと詰めれる部分を詰めてやっていきたいです。

西戸良(総3・洛南高)

明治の得意なパターンで攻められてしまって、それをうまく守れないまま続けてしまって、それでも後半では断ち切ろうという意識のもと戦ってそれがうまく4ピリで出せて、勝ちにつながりました。良いところと悪いところ両面があった試合だったと思います。(前半と後半の気持ちの変化は)前半はうまく自分のプレーかできなかったので、後半はどうしても自分のプレーが出せないとチーム的にも勝てないということがわかっていたので、ハーフタイムで気持ちを切り替えて後半戦うことができたことが、今日の結果につながったと思います。(明大への対策は)50番の一対一は事前からスカウティングしていたんですけど、やられてしまった部分が多くて、そこは反省点なので二週目の明治戦ではやられないようもう少し徹底したディフェンスを出来るようにします。(斎藤選手とのマッチアップについて)スピードがあるガードなので、そこは意識して守っていたのですが、自分がヘルプ行っているときに外を開けてしまって、外のシュートを入れられてしまったことがあったので、そこはもう少し間合いを詰めて守ることが必要だったと思います。(延長戦になったが)阪口さんに足が攣ってると4ピリで相談して、攣ってもいいからそのままやれって言われていたので、攣るまではやろうと割り切ってやっていました。それが自分のプレーにつながったと思います。

トカチョフ サワ(環2・國學院久我山高)

今日のように差がついた状態から巻き返して、最終的に勝つことができたのは、今後の自信につながったと思いますし、つらいときにこそみんなで声を出して頑張れたのはすごいよかったと思います。(連敗後はどのような練習をしていたか)いつも通りスカウティングは田辺さんと丸岩さんが徹底的にやってくださって、コピーチームを作って実践的な練習に取り組んだ結果、3ポイントと伊澤選手のところはやられてしまってはいたんですけど、みんなそれに動揺はしていなかったです。そういった実戦的練習を重ねてきたからこそ冷静でいられたんじゃないかなと思います。(3ファウル後の対応は)僕はいつも自分に「前半調子が悪いと、後半絶対活躍する」言い聞かせていまして、全然沈むことなく気楽にプレーしていました。(タフなゲーム展開だったがプレッシャーは感じなかったか)出ているメンバーの中では自分が最年少なんで、思いきりプレーすることが大事なのかなっていつも思っているので、特にプレッシャーは感じていませんでした。(決勝点を決めた感想は)人生初だったんで、嬉しかったです。ボールが来たんで、あと1秒くらいしかないと思っていたのでとりあえず放り投げたら入ってくれて、やったと思いました。(次週への意気込み)法政も専修も能力の高い選手が多いので、今まで慶應が練習してきている運動量と激しいディフェンスの部分を40分通してできるかが勝敗を分けると思うので、やってきたことを信じてまた頑張りたいと思います。

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