【バスケ】 自分たちのバスケを体現し、苦手な相手から価値ある1勝! vs国士舘大戦

先の白鴎大戦に接戦の末敗れ3連敗を喫した慶大。その次なる相手は苦手とする国士舘大学だ。慶大は一昨年の2部リーグ戦での勝利を最後に、国士舘大学から白星を挙げられておらず、目下6連敗中。苦手意識を払拭し、自分たちのバスケットができるかどうかに注目が集まった。試合はオーダーの変更がはまった慶大が、得意とする堅守速攻をコート上で体現し主導権を握る展開に。序盤で得た大量リードをキープし連敗をストップ。大きな1勝を手にした。

 

 

2015/10/03(土) @つくばカピオ

第91回関東大学バスケットボールリーグ戦 9日目 vs国士舘大

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

25

24

19

19

87

国士舘大

11

16

17

31

75

スターティングメンバー

PG

#13 西戸良(総3・洛南高)

SG

#21 鳥羽陽介(環1・福大大濠高)

SF

#5 大元孝文(環4・洛南高)

PF

#4 福元直人(環4・福大大濠高)

#7 黒木亮(環4・延岡学園高)

主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)

#4 福元直人 17得点、8リバウンド、7アシスト  

#21 鳥羽陽介 1得点

フローターを決める鳥羽。オフェンス面でも非凡な才能を見せつけている。

フローターを決める鳥羽。オフェンス面でも非凡な才能を見せつけている。

球離れをより良くし、速い展開のバスケットを狙った阪口HCは、1番に西戸、2番に鳥羽、4番に福元を起用し、スタメンを大幅に変更した。

1Qの序盤は国士舘大のエース#22原のシュートがよく決まりリードを許す展開に。しかし慶大も福元の1対1や黒木のゴール下で対抗した。そして大元のスティールから福元が得点し同点に。ここから試合が大きく動いていった。慶大は持ち味のディフェンス力を活かし、国士舘大のオフェンスを約5分間シャットアウト。スティールから速攻で得点というシーンも多く見られた。「迷いなく打てているのが1番大きい」と語る西戸の3ポイントも決まり、いきなり14点差をつけて第2Qへ向かった。

 

ピリオドが変わっても慶大の勢いは止まらない。現在アシストランキングで1位に輝く福元のパスを受けた大元が連続で3ポイントを沈め、得点差を一気に広げる。これを受けて国士舘大はディフェンスをゾーンに切り替えてきた。前々回の対戦ではこのゾーンディフェンスに苦しめられ、23点差をひっくり返された苦い経験もあり、まだまだ油断できる展開ではない。このゾーンに対し、「上手く流れに乗れた」と振り返る鳥羽のミドルや、福元の3ポイント等、アウトサイドのシュートを中心に攻めたてていった。さらにここからベンチメンバーも躍動。サワ(環2・國學院久我山高)は鳥羽と大元のアシストを受け連続得点。そして後藤(環3・藤枝明誠高)のブザービーターとなる3ポイントも飛び出し、慶大はリードを22点にまで広げた。

 

チーム1のスコアラーである大元は、流れの良いオフェンスに大きく貢献した

チーム1のスコアラーである大元は、流れの良いオフェンスに大きく貢献した

第3Q、なんとか流れを変えたい国士舘大はゾーンディフェンスに加え、オールコートのプレスも仕掛けてきたが、慶大はこれに対しても冷静に対応。西戸、黒木のミドルなどを中心に確実に点数を重ねていった。福元を4番に下げた影響もあってか、インサイドとアウトサイド間のパスもよく回り、アシストからの得点が多く見られた。しかしここで慶大にアクシデントが発生してしまう。チームの核である大元が、ディフェンス時に相手のスクリーナーと接触し、この影響で膝を負傷。交代を余儀なくされてしまう。嫌なムードが流れたが、その後も慶大は落ち着いてプレー。セーフティリードを保ち第3Qを終えた。

 

そして迎えた最終ピリオド。鳥羽のドライブや黒木のインサイドでの得点を中心にスコアを伸ばしていった慶大。得点源の大元を欠く中でも着実にオフェンスを展開していった。しかしディフェンス面ではやや陰りが見えてしまう。残り3分を切ってから国士舘大に3ポイントを含む連続得点を許してしまい一気に点差は10点に。第4Qだけで31得点も奪われてしまったことは今後の課題となるだろう。しかしその後は冷静にゲームを運んでいき、87-75で試合終了。苦手な相手を克服し、連敗ストップする大きな1勝を慶大は手にした。

 

福元、黒木のホットラインからは多くの得点が生まれた

福元、黒木のホットラインからは多くの得点が生まれた

「ディフェンスからブレイクにつなげることが試合の入りからできたことが一番の勝因」と福元が振り返るように、堅守速攻という慶大のバスケットを貫けたことが何よりも大きかったと言える。暫定順位で最下位に沈む国士舘大に敗れていたら、入れ替え戦もかなり現実味を帯びてくるため、ただの1勝以上の価値がこの勝利にはあるだろう。長いリーグ戦も次戦から2週目へと突入する。やや不本意に終わった前半戦の借りを、慶大バスケ部はしっかりと返してくれるに違いない。      (記事: 岩田 亮)

 

阪口HC

この2日間一生懸命考えてああいう結論を出してみたんだけど、これでちょっとはすっきりしたかな。福元はやっぱりあのほうが(4番)いきいきしてるみたいだね。やっぱりただ1番は難しいところなので西戸もこれから悩むと思います。ただこれから定着していって欲しいね。どのみちそういう計画だったんで、いいチャンスだと捉えてもらえれば。(西戸の1番はいつごろから考えていたか)もう結構ずいぶん前からだよ、ただチーム作りっていうのはそんな簡単なものではないのでね。キャプテンがぶれるとチームに与える影響も大きいしね。(鳥羽のスタメン起用については)やっぱり出場時間が長いほうがプレーは良いよね。まあこれは鳥羽に限ったことではないんだけどね、頑張ってくれたと思います。今日は後藤のシュートもやっと決まったけど、出てすぐに決めろっていうのは本当に難しいよね。(後藤のシュートが決まったこともチームとしては大きいのでは)そうだね、黒木が1番嬉しそうだったね。久しぶりにあんな黒木の笑顔を見たよ(笑)。やっぱり黒木は3、4年とのかかわりとかが特に好きなんだろうな。まあ後藤のシュートが入ったのはみんな嬉しかったけどね(笑)。(国士舘大には7試合ぶりに勝利したが)やっぱり原の状態が誰から見てもちょっとおかしいよね。ユニバーシアードでは良い活躍をしていたんだよ。4年生にすっきりプレーさせてあげないと国士舘も厳しいんじゃないかな。まあそこを抑えられたことはよかったです。(東海戦への意気込み)本当にたくさんいい選手がいて困るんだけど、前回の対戦でいやなイメージは持っていないので、あわよくばというところですかね。運びは1番練習しているので、前回みたいにそこでやられないようにしたいです。

 

福元直人(環4・福大大濠高)

シュートがすごい入ったのも勝因の一つなんですけど、ディフェンスからブレイクにつなげることが試合の入りからできたことが一番の勝因かなと思います。(今日は4番での起用だったが)今までやった8試合の課題としてボールが止まってしまうシーンがすごい多かったので、その時間帯はうちにとって悪かったので、その解決策として僕が4番に入ってパスの軽さというかプレーの軽さを求めたというのが今日の取り組みだったんですけど、それが試合の入りからいい方向にいって点差も離せたので良かったと思います。(1番と4番はどちらがやりやすいか)オフェンスは相手の4番がついてくるのでやりやすいですけど、その反面ディフェンスですごい疲れますね。まあどちらも求められることをやるだけなので、そこまで堅苦しさはないですし、やりやすいとは感じています。(国士舘大には7試合ぶりの勝利となったが)そんなに意識はしてないですけど、確かに毎回毎回 負けているなという相手で、ただ相手の抑えるポイントというのはわかっていたし、今までは相手をスカウティングしてそれに合わせていたんですけど、そうじゃなくて自分たちの強みを出して、自分たちのバスケットを楽しむということに重きを置こうとした結果、今日の勝利が得られたのかなと思います。(現在アシスト王だが)意識はしてないし、しないようにしてしてるんですけど、だいぶみんなも言うようになってきて意識せざ るを得ない状況ではあるんですけど、まあアシストありきのバスケではないので、しっかりゴールに向かうことを意識して、その結果アシストが生まれていると思うので、これからも変わらずゴールに向かっていきたいと思います。(前半戦を振り返って)すごい脆いチームだなと最初は思ったりしていて、勝負所で追いつけないところもそうですし、離せないところもそうですし、それは相手に合わせようとしてしまっていて、例えば相手のセットプレーを抑えようとか、というのがあったのかなと思っていて、そうじゃなくて自分たちのやりたいバスケとか、そもそもバスケットを楽しむという部分を全面に出して明るくすると、また違った戦いができるのかなと思います。2周目はそういう根本の部分 とか、うちらしい去年の先輩が築き上げてくれた土台とかも見せれたらと思います。(東海戦への意気込み)もちろん勝ちを目指していくのはそうですし、先週やった時もやれると感じる部分はあったので、そこは継続するというところと、できなかった部分をいかに克服できるかが重要ですし、強いチームはディフェンスがすごくて、それに対して引いてしまうのがうちの悪いところだと思うので、常にどんなプレーでも立ち向かって、東海さんの胸を借りてやりたいなと思います。

 

西戸良 (総3・洛南高)

ここまでリーグ戦で苦しい試合が続く中で、自分たちの展開を上手く出せた試合だったかなと思います。試合に臨む前もそういう意図をもって戦おうと意識していたので 、すごいよかったなと、今後に繋がる試合だったなと思います。(今日は1番での起用でしたが)ここまで負けが込んでて、チームの流れを変えなきゃいけないという阪口さんの意図で、ポジションを若干いじったんですけど、それがパスを速く繋いで、速攻を重視した攻めにつながったと思います。自分がPGになったときはそこが持ち味だと思っているので、そこは積極的に活かしながら、あとはフロントコートに入った後はミスなくプレイできるように意識していました。(外角のシュートが好調だが)迷いなく打てているのが1番大きくて、今年のチームは自分も点を取らないと勝てないという状況にあるので、やっぱりシューティングもしっかりしていて、その成果が試合に出たのかなと思 います。(国士舘大には7試合ぶりの勝利となったが)嬉しいですね。ただ国士舘は1部を見ると絶対勝たなきゃいけない相手で、その中で後半ああいう展開になってしまったのは反省点でもあるので、チームとして1試合通して良い流れで勝てるように、これを反省点にして次の試合に臨めればと思います。(前半戦を振り返って)正直あっという間で、1試合1試合振り返るのは難しいんですけど、個人的にもできると思えるプレーが増えてきて、それが求められているのもわかっているので、個人的にもチーム的にも1周通して成長できたのは、2周目やインカレに向けての大きな収穫になったと思います。(東海戦への意気込み)やっぱり1周目の試合が前半良い展開でできていて、 後半に離されてしまった試合だったので、どうなるかはわからないですけど、前半から良い流れを保ちつつ、後半で勝負できるように、あとはけが人なく2周目が終えれるようにしていきたいです。

 

鳥羽陽介 (環1・福大大濠高)

今シーズン初めてスタートで起用してもらって、僕は原選手を抑えるように言われていて、最後はやられてしまったんですけど、1試合通して言われていたことはできたんじゃないかなと思います。(オフェンス面でも活躍していたが)あんまり意識していたわけではないんですけど、全体としてもディフェンスで抑えることができていたので、それがいい攻撃に繋がって、自分も上手く流れに乗れたと思います。(国士舘大への苦手意識は払拭できたか)相手がどうこうというよりは、自分たちのバスケをしようということを試合前に確認していて、それができたので勝てたんじゃないかなと思います。(前半戦を振り返って)結果的に負け越してしまったんですけど、絶対に勝てない相手はいないなと感じたので、2巡目はしっかりと対策を練って、1巡目よりもいい結果が出せるように頑張っていきたいです。(東海戦への意気込み)やっぱり1巡目は1試合目ということもあって、引いてしまった部分があるんですけど、チャレンジャー精神を忘れずに全力でぶつかっていきたいと思います。

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