【バスケ】「額面通り」の完勝! 順当にベスト8へ

第62回全日本大学バスケットボール選手権大会

2010年12月2日@国立代々木競技場第二体育館

慶大‐関大

  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 24 25 17 36 102
関大 20 12 17 18 67
初戦の徳山大戦を120点ゲームで快勝した慶大。だが一方で失点が79点と、1対1のディフェンスに不安が残る試合となった。そんな中迎えるベスト8を懸けた今日の相手は関大。定期戦や練習試合で何度も対戦しており、互いに手の内を知っているやりにくい相手。とはいえ、優勝を目指す慶大にとっては、得意のトランジションバスケットで出だしから相手を圧倒したいところだ。

慶大のスタメンは、二ノ宮主将(環4)、酒井(環4)、岩下(総4)、家治(環3)、中島(総1)。

序盤、慶大はシュートミスが目立つ立ち上がり。だが、ルーキー中島のスリーポイントで落ち着きを取り戻すと、そこから岩下の巧みなフックシュート、二ノ宮のドライブインからのバスケットカウントなど個人技で相手を圧倒する。とはいえチームとしてはなかなか速い展開に持ち込めない苦しい展開。一時は関大に逆転を許す。終盤、ポストプレーから岩下が決めると、二ノ宮がスリーポイントを連続で決める。4年生がチームを引っ張る気持ちを見せるが、24-20 と抜け出せないまま1Qを終える。続く2Q、二ノ宮から酒井へとこの日初めて速攻が決まりリズムをつかむ。するとその直後、岩下、二ノ宮、家治の4連続得点が生まれ、リードを10点まで広げる。終盤、ゾーンディフェンスを敷く相手に対し、慶大はシューターの金子(環3)を投入。するとその金子がスリーポイントをしっかりと沈め期待に応える。落ち着いた試合運びで49-32と相手を突き離し、試合を折り返す。

後半も慶大がゲームを支配。課題のディフェンスでも、二ノ宮のスティール、岩下のブロックが飛び出す。すると岩下のリバウンドから二ノ宮、酒井、家治と見事にパスがつながる。慶大らしい美しい速攻が決まり完全に流れに乗ると、続くオフェンスでは、速いトランジションから二ノ宮が決め20点差をつける。その後も中島がバスケットカウントを決めるなど、インサイド陣がゴール下で強さを見せる。しかしここで慶大は「相手に合わせてしまった」(二ノ宮)とミスを連発。何度もターンオーバーを許すなどらしくない展開が続く。最後は家治のアシストで岩下が決めるも、嫌な流れのまま66-49で3Q終了。最終Q、そんな嫌な空気を断ち切るように、金子が持ち前の得点力を見せつける。得意のジャンパー、ドライブインなどで着実に得点を重ねていく。その後岩下がミドルを決め30点差としてからはメンバーを落としながらの戦い。速攻から矢嶋(総1)、金子がタフショットを沈めると、本橋(環1)、金岡(環4)もリバウンドに飛び込みチームに貢献。控えメンバーが存在感を見せて試合を締めくくった。結局試合は102-67で終了。危なげなくベスト8に駒を進めた。

手の内を知っている相手に対し、出だしこそつまずいたものの最終的にはしっかりと点差をつけ、「額面通り」(佐々木HC)の勝利となった。とはいえ、優勝するためにはまだまだ足りない部分も多い。だが何よりも慶大のバスケット、「ディフェンスを頑張ってリバウンド取って速攻」(二ノ宮)というトランジションバスケットを40分間続けることが出来るかが、今後の戦いの鍵となってくるだろう。

By Yosuke Okada

コメント

 

佐々木HC

額面通りです。ということはよくやったという感じです。いつも額面通り出来てないので最近。(立ち上がりについて)むこうにとって定期戦で何回もやっているから相手もやりやすかったと思います。あっちは思い切りが良かったのでああいう立ち上がりになったと思います。(家治選手については)ちょっとシュートの精度をあげなければならない。足首がおかしいのかなと思って下げる時間が多かったんだけど、そうではないということなので良かったです。でもポイントゲッターなので、今日の得点力じゃ困ります。(4年生の出来は)二ノ宮と岩下に自分でやれと言ってあって、2人の入りが積極的だったのはそれを意識したからだと思います。明日からは少し良くなるんじゃないかな。いずれにしても2人とも入りが悪い。(金子選手について)自分の感覚でやっていて、やらなければならない仕事が的確に出来ていない。(金子選手に求めていることは)長いシュートと突破。ドライブからのシュート。ディフェンスが課題なのとシュートの時、相手のディフェンスに対して無駄な動きが多いのが課題です。(チーム状況は)悪くないんだけど、全員が揃っての練習が少ないので不安な要素はあるけれど、4年の3人が十二分に出させるようなことを徹底したいです。(去年の今との比較は)去年はある意味危なげなくというか青学に大差で勝てたので、向こうが100だったら今年は70くらいかな。去年の決勝は悪かったんですけど。(明日に向けて)京産も夏練習試合をやっているし、思いきり今日みたいにぶつかってくると思うのでオフェンスで上回って試合をしたいです。

二ノ宮主将

全体的に悪くはないんですけど、まだうちのやりたいバスケットが出来ていないので。特に3Qで相手に合わせてしまった部分を明日は修正して、40分間うちのバスケットが出来るようにしていきたいと思います。(ディフェンスの出来は)おとといよりは良くなったと思うんですけど、まだまだ出来ると思うので、上を目指して今日よりもいい試合を出来るように頑張りたいです。(具体的な改善点は)簡単なミスとか、あとはディフェンスリバウンドも相手にセカンドチャンスを何本も与えてたので、そういう所を改善していって、ディフェンスを頑張ってリバウンド取って速攻という形を多く出せればいいかなと思います。(セットオフェンスでインサイドに頼ることが多かったが)まだセットプレーを使ってないというのもあるんですけど、今日はインサイドで得点が欲しかったので。岩下に頑張ってもらって相手のディフェンスを縮めて、そこから攻めようという感じだったので、意識的に中から攻めようとはしてました。(優勝するために必要なこと)うちのやりたいバスケットを貫くことと、簡単なミスを減らすこと。あとは本当に気持ちの持ちようでプレーも変わると思うので、強い気持ちを持って明日もやっていきたいと思います。

酒井

今日勝つのと勝たないとでは最終戦まで残れるかっていう。しかも相手は関大でお互い知りつくしている相手だったんで、より一層気を引き締めてやったんですけど、逆にそれが出だしの固さに繋がったかなと思います。でもある程度うちの展開に出来たんで。おとといの反省点を反省した分、ちょっとはいいゲームが出来たかなと思います。(2日目を終えてチームの状況は)そうですね。初戦があまりにも悪かったんで、これから上げていかないとやっぱ優勝っていうのは到底ありえないんで。過程としては上々の出来じゃないですかね。(改善点を上げるとすれば)うちのスタイルのディフェンス頑張ってプレッシャーかけて、リバウンド取って走るっていうそういう単純なことをしっかり。あと一人一人のチーム内での役割っていうのを徹底出来れば。自分だったらリバウンドだったり…まあ色々あるんですけど。そういったところをもう一回、スタートの5人だけじゃなくてやっぱベンチにいる全員が。更には応援席で必死に声を出してくれれば、それがやっぱうちの強さだと思うんで。そこを高めていけたらと思います。(明日に向けて)京産(京都産業大)なんですけど、まあここも練習試合とかよくやっててお互い知りつくしてる相手だと思うんで、今日以上の内容で。内容っていうか、あと気持ちを強く。ここで勝っていかないとやっぱ準決・決勝は勝っていけないと思うので。もう一回……まあ頑張るだけですね。あと四年の最後の学生だけの大会なんで。やっぱ悔いを残さないように頑張るのみです。

岩下

最初噛み合わない部分が多くて苦労したのですが、後半は自分たちのバスケットをすることができました。その結果としてこのような良いゲームになったと思います。(2日目だがチームの状態は)僕たちはこの大会で優勝を目指してやっていて、そのためには全員でバスケットをすることが重要であると思っています。それが今日の試合では体現することができたので優勝という目標にチームが一歩近づけたと思います。(改善点は)自分のポジションでたくさん点をとられてしまったので、ディフェンスをもっと頑張らなければと思います。(明日にむけて)明日も関西勢で、関西の大学は打倒関東を掲げてきていると思うので、そういう彼らの強い気持ちを僕らがしっかり跳ね返せるように強い気持ちを持って頑張りたいです。

家治

1回戦は入りからうちの流れでバスケットが出来なかったんで、今日は40分間うちのバスケットをやり切ろうということでいきました。入りこそちょっとリバウンドを全員で見ちゃったり、相手にセカンドチャンスを与えてしまったりしていたんですけど、途中からうちのトランジションゲームが出来たんで良かったかなと思います。(セットオフェンスの出来は)相手も定期戦やってる相手で、うちがどこ狙ってくるかわかっていたと思うので、そこを上手いこと守られて手こずった所はあったんですけど、そこで岩下さんが頑張ってくれて、うちに流れが来たかなと思います。あと、中島だったり祐典さん(酒井)だったりがリバウンドを取ってくれてセカンドチャンスで得点できたので、そこは良かったと思います。(ディフェンスの出来は)1回戦は1対1で簡単に抜かれてしまって、そこでかき乱されてシュートを決められることが多かったんですけど、今日は相手の特徴を抑えようという所では、スリーポイントを抑えようと言っていました。40分間は出来なかったかもしれないですけど、それなりに抑えることが出来たので1回戦よりは改善されたかなと思います。(優勝するために)やっぱり1対1のディフェンスも抑えられてないし、40分間うちのバスケットは出来ていないと思うので、最初から最後まで、自分達のディフェンス頑張ってリバウンド取って速攻っていう形をやっていきたいと思います。(明日に向けて)練習試合をやったことがある相手なんですけど、すごい気持ちで向かってくる相手なんで、その相手よりもさらに強い気持ちを持って、次も勝ちたいと思います。

金子

定期戦とかでもやっていて仲良いというか交流のある相手で、普通の試合とは別に交流という意味でも自分達の力を100%出すことで、関大もここで負けたらしょうがないなと思わせる試合をしました。(個人的な出来は)入りが良くなかったです。練習とこの大会のボールが結構違っていて、1試合目からその調整が出来なくて、今日は1本入った所から気が楽になったんですけど、最初からアジャストしていきたいと思いました。(コンディション調整は)消極的になっていた前半では自分の力を出せなかったと思います。怪我とか全然しないんで、体のコンディションは大丈夫なんですけど、気持ちの所が大きいです。どうやって点をとるかというのをその日のコンディションによって変えればコンスタントに取れるなと思っています。(チームの雰囲気は)日大戦で2勝出来たことで上を向いていることは間違いです。自分自身試合の終わり方、しっかりとしたプレイを出来ることが次に繋がると思っています。今日なんかは100点取れるかどうかで次のステップになると思いますし、チームの調子も上に向くと思っています。(明日に向けて)京産も毎年練習試合やっていて、今年やった時は二ノ宮さんと岩下さんがいない状況で勝てたと思うんで、気を抜くということは全く考えないですけど、自分達の力をしっかり出せれば間違いなく勝てると思います。ここでスタメンの人を休ませることがすごいこの先に繋がってくるというのは去年愛知学泉に競ったことでみんな身にしみていると思います。明日出て調子良ければ長い間使ってもらえると思うので、積極的にプレイしてスタメンの人を休ませられたらなと思います。

中島

チームの雰囲気も良い感じで終われたし、明日に繋がる試合だったと思います。個人的にもオフェンスリバウンドを取れたし、スリーポイントも入ったので自分の仕事が出来たと思います。(試合前の心境は)先輩方にはまず自分の仕事だけこなすことを考えるように言われていたので、自分の仕事に集中しようとしました。(自身の調子はどうか)昨日ちょっと体が重くて不安だったんですけど、今日は結構動けたのでいい感じになってると思います。(初のインカレですが慣れてきたか)最初は負けたら4年生が引退ということで固くなったんですけど、2試合終えて少し気持ちが楽になりました。(反省点は)一時的に相手のペースになる時間帯があったので40分間自分達が主導権を握れるようにすることと、後は試合の入りですね。先行逃げ切りというのが慶應の勝ちパターンなので、今後の試合でそういう展開に持ち込みたいです。

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