【野球】「あの場所で実力を出せないのが、今の自分の実力」 川﨑彩乃 侍JAPAN選出ならず ~侍JAPAN2016女子野球日本代表トライアウト~

2月27日(土)、28日(日)侍JAPAN2016女子野球日本代表トライアウト @JR東日本野球部グラウンド(千葉県柏市)

 

軽いキャッチボールから

軽いキャッチボールで緊張をほぐす

春の訪れを感じつつある2月最後の週末に、全国から書類選考を通過した64名の女子野球の精鋭がJR東日本野球部グラウンドに集結した。今回のトライアウトは2016年9月3日~11日まで韓国釜山広域市キジャン郡にて行われるWBSC第7回女子野球ワールドカップに出場する選手を選考するためのトライアウト。慶大からは慶應義塾体育会野球部H27年卒部の川﨑彩乃(法4)が投手として参加し、2日間のトライアウトに挑んだ。

 

 

 

 

第一日目 27日(土)

 

まずは守備練習

まずは守備練習

午前10時半、全国から侍JAPAN2016女子野球日本代表を志し、書類選考を通過した64名がJR東日本野球部グラウンドに集まった。慶大からは川﨑彩乃(法4)が投手として参加。前回2013年に行われたトライアウトにも参加したが落選。今回はリベンジを果たしに来た。慶大のユニフォームに赤の9番のゼッケンをつけ準備万端。太陽の光が暖かく感じられる春の陽気のもと、小倉孝一代表監督の開会の話を聞いて軽いキャッチボールを開始。その後、11時からはシートノックで守備練習。ピッチャーゴロをとって送球。アウト!慣れないグラウンドの中、ミスもあったが約10分間懸命なプレーでアピールする。

 

強風の中での登板となった

強風の中での登板となった

午後はシート打撃。一人に割り当てられた時間は7分間だ。登板前は2か所で投球練習をし、時間も場所も有効に使う。そして迎えた川﨑の登板。緊張に強い風の影響もあってかコントロールが定まらない。結局、打者5人に対して17球を投じ3四球。試合後は「明日こそしっかりできるように気持ちを切り替えます」と覚悟を決めた。

 

 

 

 

第二日目 28日(日)

 

この悔しさは忘れない

この悔しさは忘れない

二日目も晴天。今日は実戦ということでA,B,C,Dの4つの班に分かれて練習試合が行われた。昨日思うような投球が出来なかった分、今日にかける思いは人一倍だ。ブルペンでは昨日同様入念な調整を行い、川﨑は14時頃に登板。野手との声かけをし、チームプレーを心掛ける。しかし、今日も思うような投球が出来ない。ストライクゾーンを大きく外れる球も見受けられ、持ち味のコントロールの良さを出せない。この日も打者8人に対して31球を投じ、2安打 3四死球 1失策。およそ10分間の登板は悔しさが残る内容となった。15時半に全てのテストが終わり、室内練習場へ移動。合格者24名の名前が発表されたが、そこに川﨑の名はなかった。

 

 

まだ力は足りなかった

大倉代表監督の話を聞く川﨑

JAPANの代表を選ぶ試験。緊張するのは当たり前。しかし、選ばれた選手はそんな場面でも自分の持ち味を出していた。2日とも納得のいく力を出し切れなかった川﨑は「あの場所で実力を出せないのが、今の自分の実力」と、潔く悔しい現実を直視した。今年慶大を卒業してからは不動産会社で働きつつ母校の駒沢女子高校で投手コーチを務め、ヴィーナスリーグでも野球を続ける。そして次回の侍JAPAN選出を目指し、雌伏の時を過ごす。

 

 

 

 

 

慶應スポーツ新聞会が川﨑彩乃さんを取材するのは、おそらく今回が最後です。いつも快く取材を受けてくださってありがとうございました。今後の活躍も期待しております。

 

記事:木下 恵

 

川﨑彩乃(法4)

1日目コメント(囲み取材より)

初日を終えて、今日は自分らしいピッチングが出来なかったので、そこが反省するところです。実戦練習から遠のいていたことが、今日うまくいかなかったことにつながってしまったのかもしれません。明日こそしっかりできるように気持ちを切り替えます。大倉代表監督がおっしゃっていたように今日集まっている選手はすごい方達ばかりなので、その中で野球が出来るというのはものすごくいい経験になったと思います。慶大の大久保監督からは「慶應で学んだことを活かして頑張ってこい」と来いと言われました。チームメートも応援して送り出してくれました。多少の緊張はありましたが、神宮ほどではなかったです。慶應のユニフォームを公式の場で着るのはこの2日間が最後です。慶應野球部で学んだことは具体的にこれとは言えませんが、4年間で培ったのは技術もそうですし、チームプレーも、野球はピッチャー一人でやるわけではないので、周りに声をかけてやるということは今日意識して出来たと思います。今年卒業して社会人として仕事をしながら母校の駒沢女子で投手コーチを務め、Rise(ライズ)というOGチームで野球を続けていきます。

 

2日目コメント(囲み取材より)

緊張したのはもちろんですが、日本を背負うとなったらそういう緊張はつきものです。一発勝負の場で自分の投球が出来ませんでした。女子野球も年々レベルが高くなってきていると感じました。今回集まったメンバーは特にレベルが高く、その中で野球をやらせてもらえたというのはとてもいい経験でした。この経験を活かしたいと思います。今回は5連覇がかかっていますけれども、いつか自分も侍JAPANのユニフォームを着て、6連覇、7連覇に貢献出来たらと思います。私は変化球とコントロールを武器にしています。もちろんまっすぐあっての変化球です。でも今日はバッターではなく、ストライクゾーンと勝負してしまって、自分らしさが出せませんでした。

 

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