【ソッカー男子】開幕前特集第3弾! 手塚朋克

開幕前特集第3弾は先日の日韓定期戦に全日本大学選抜として先発出場を果たした手塚朋克(環3・静岡学園高)。昨季はリーグ戦後半から先発出場の機会が増え、相手DFを翻弄し続けた。全日本大学選抜でさらなる経験を積んだ手塚選手に開幕への意気込みを聞いた。

 

手塚 インタビュー2―昨シーズンはリーグ戦3位でしたが、インカレでは2回戦敗退でした。振り返ってみていかがですか

個人的には、1年生の時からすごく悔しい思いをして、試合にも少ない時間しか出られずにいたので、なんとか2年生では試合に多く絡んで、活躍しようとは思ったのですが、前期は途中出場が多くて、自分の役割を果たすことしかできませんでした。ただその意味というのを須田監督から常に指摘されていて、自分の特徴を出すことを今は与えられた20分間でしか出せないなとずっと言われていて、それを90分間出すためにどうしたらいいかというのをすごく考えさせられた年になったので、夏を過ぎて後期は自分として1番成長した時期だと思っています。自分の特徴を出すこと以外でどれだけチームに貢献していくかというのを自分で考えてプレーするようになってきたのでそういう意味ではすごく充実したシーズンになりました。

 

後半戦から活躍されましたが、ターニングポイントはありましたか

夏に、本来は右なのですが左サイドにポジションさせられて、そこで自分の特徴が出せないときに、どういうポジションをとればいいのかというのを考える期間になりました。もちろん、ストロングポイントとか苦手なことを練習することもそうなのですが、頭で考えるという意味ではそういう時間が一番長かった夏なのかな、と思います。

 

自分がこのチームを引っ張っていける

 

昨シーズン1番印象に残っている試合は

中大戦が、相手も相手で自分に合っていたのかわからないですが、すごく楽しめてそこで自分の自信がついたというか、何をやっても取られる気はしなかったですし、自分がこのチームを引っ張っていけるのだな、と思えた試合でもあります。それから安定して試合に出られるようになったので、一番印象に残っています。

 

昨シーズン、取材をしている中で「試合を決められる選手になる」ということをおっしゃっていましたが、これまでに取り組んだことなどありますか

自分は右足でのクロスが多いのですが、左足でも切り返すクロスというのが持ち味になれば相当幅広がるな、と感じていたので、左足は結構練習しましたし、試合でも意識してあげるようにしています。

 

ミドルシュートなどは

今シーズンの課題はシュートですね。僕はシュートが打てそうな時でもクロスをするトラップをしてしまう癖があります。得点に貪欲さがないからそういうトラップをしてしまうと思うので、気持ち的にもっと得点にも貪欲になって尚且つアシストを量産できるように意識してやっていきたいと思います。

 

先日行われたデンソーカップではメンバー入りし、決勝点となるPKを決める場面などありましたが、手ごたえはいかがでしたか

宮崎では、役割としては自分はチームの中で別のリズムと違う特徴を持っているので、リズムと変化をつけてくれと言われました。自分は比較的ボールを早いリズムで回すのですが、ボールを持っている時だけは少しでも相手の気持ち的なリズム、ボールの動かし方のリズムを惑わそうと意識してやってきました。そういう意味ではチームに変化をつけるという仕事を十分に発揮できた宮崎の遠征だったと思います。

 

―その中で課題は見えましたか

自分にボールが回ってこないときに、どう引き出していくかというのを、マレーシア遠征中に考えるときがありました。マレーシア遠征中は、相手のディフェンスの力があまりなかったので、自分の特徴を出して不自由なくできました。ただ日韓戦となるとやはり相手は強く、プレスも早かったりしてその瞬間は頭が真っ白になりました。慶應の選手はみんな特徴、どうボールをもらいたいかというのがわかっているのですが、1,2か月でできたチームなので、自分がもらいたい場所にもらえなかったり、はっきりとわからずに引き出せなかったのが日韓戦だったので、これから将来自分が新しいところに飛び込んでいったときにそこで必ず調子が落ちると思うので、引き出し方というのはすごく大事だなと感じました。

 

新チームの雰囲気はいかがですか

元貴くん(宮地元貴 総4・東京ヴェルディユース)がいなかった分、少し甘さが見られる部分もあったのですが、そこを僕だったり、上級生がまだまだ未熟ですが少しずつ3年生としての自覚が出てきて、しっかり締めさせるという役割をして、自分のプレーをぶらさないことなどはすごくできているのかな、というのを感じます。

 

2年間チームの一員として「人間性」を大事にする須田監督の元でプレーして、1、2年生に伝えたいことは

自分とか小谷(小谷春日 環2・藤枝東高)は、特徴がはっきりとしているので、自分のことばかり考えてしまうと、チームに還元できないというのは今シーズンに気がついたので、聞く耳や、コミュニケーションをとって自分の意見だけを押しつけず、周りの意見を聞きながら上手く溶け込ませていくのがすごく大事だということを感じました。そういう意味ではまだ小谷とかは自分のプレーを出そう、出そうというプレッシャーに押しつぶされてしまっていてまだまだ自分が高校時代に見てきたのびのびとしている彼をしっかり見られていないので、彼だけではないですが、自分に似ているプレーヤーなので聞く耳を持って、頑固さも大事ですが、その頑固さを生かすためには、常に広い心を持って周りの力を借りようとしてほしいです。

 

1年生の印象はいかがですか

(全体練習が23日から始まったため)1年生は本当に何も関わっていないですし、トップチームに入ってきた1年生もまったくコミュニケーションがとれていません。まだわからない部分があると思うのですが、自分が1年生の時に思ったのは1度でも遠慮してしまうと、ずっと長いこと遠慮することになってしまうので、がつがつ自分を出してほしいな、というふうに思います。

 

溝渕雄志選手(環4・流通経済大学付属柏高)が現在負傷中で、同じポジションとして手塚選手に須田監督が期待を寄せているそうですが、どうこたえていきたいですか

もともと溝渕くんに負けないように、サイドバックとしてこのチームに入ってきたので、本来であれば僕が前でプレーして一緒に組みたいのですが、「溝渕がいないから右サイドの力が無くなった」というふうに絶対に思われたくないです。溝渕くんとは違う部分を持っているし、須田さんにも「攻撃でガンガンいけ」と言われているので、自分のほうが攻撃の部分では上と思っているので、遠慮せずに高校の時を思い出してガンガンいきたいと思います。

 

ライバル校やライバル選手はいますか

対峙する選手で、去年は高橋諒選手(明大卒・現名古屋グランパス)とやるのが本当に嫌で、正直ビビッていました。ただそういう選手というのは絶対1シーズンに1人はいると思うので、今シーズンはデンソーカップとかで見ていて、高野遼選手(日体大 4年)が個人的に怖いというか、去年日体大は2部で相当いい成績で勝ち上がってきているので、その立役者として多分左サイドバックがすごく力があると聞いているので、すごく楽しみですね。

 

目標にしている選手はいますか

目標とする選手は、自分を持ちたいのでつくりたくないです。ただ、参考にしたり、この人みたいなプレーをしてみたいというのがあって、ドグラス・コスタ(バイエルン・ミュンヘン)選手の動画をよく見ます。

 

仲のいいチームメートはいますか

渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)、田中健太(法3・横浜F・マリノスユース)、中井建太(総3・青森山田高)が同じ学年で昼食を食べますし、去年は群れるなと言われるくらいずっと群れていたので、すごく仲はいいです。

 

みなさん昨シーズンはサブとして出場する機会があったと思いますが、お互い高め合うことなどしましたか

あまりサッカーの話はしないですね。ただ学年でミーティングをするときだったり、そういう時期は真剣な話をして、ご飯食べるときは食べるというふうにオンとオフをしっかりしています。ほとんどオフでずっとふざけています。

 

ディフェンスと中盤だったら今季は正直どちらでプレーしたいですか

僕はサイドバックをやりたかったのですが、今はサイドハーフで勝負していきたいな、という強い気持ちがあります。

 

今季のチームの目標、個人の目標をお聞かせください

去年3位という形で終わってしまいましたが、優勝争いできたという経験はすごく大きいと思います。去年から残っている選手が多くて強いと思い込んでいるかもしれないですが、どこのチームもそうだと思うので、去年の3位という成績を忘れて1から「関東リーグ優勝」に向けて頑張っていきたいです。個人としては、去年は毎回ケイスポさんにも「クロスを上げたが合わず」と書かれた記事がすごく多い、ということを友達に言われ、そういうのばかりだねというのを話していました。アシストってやっぱり気持ちいいじゃないですか。得点というよりアシストするのが好きなので、アシストを狙いに頑張っていきたいです。

 

色紙 手塚

今季の意気込みを

これまでチームを離れて遠征など行ってきて、日韓戦で本来ならばチームメートに自分がこれだけマレーシアでやってきたのだということを証明する場だったのですが、なかなかうまくできず、自分に与えられた時間が終わってしまいました。まず第1戦の明大戦は自分がどれだけ成長してきたかというのを示す場でもありますし、上級生としてチームを引っ張っていって、自分の特徴を出しつつ身を削って、チームに貢献していきたいと思います。

 

 

(取材 椙本彩愛)

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