【ソッカー男子】開幕前特集第4弾! 井上大

開幕前特集第4弾は井上大副将(総4・國學院久我山高)。昨季は安定した守備と正確なキックを武器にリーグ戦全試合出場。今季より副将となり、「チームのため」に戦う井上選手にインタビューを行った。

 

 井上 インタビュー

―昨シーズンを振り返っていかがですか

優勝を目指しているなかで3位という結果に終わって、全体的には収穫の多いシーズンだったと思います。ただ個人単位で見てみると、優勝が懸かった最後の早大戦と流経大戦で、自分が踏ん張れず失点に関わってしまったのは、今でも悔しい思いを持っています。そういう面では個人としては最後の最後で悔しい思いをしてしまったシーズンでした。

 

―チームの収穫は具体的にはどういったことですか

監督がチームとして標榜した堅守速攻が上手く形にできて、特に後期からは前線の選手が点を取れるようになったので、しっかり守り点を取って勝つという形が自分たちより下の順位の相手には通用したことが収穫だと思います。

 

―全試合出場も果たしましたが

監督が全試合使ってくださいましたけど、毎試合課題がありました。例えば前期だったら、自分が半分以上失点に絡んでしまい、勝てる試合を引き分けにしてしまったり、引き分けられる試合を負けにしてしまったりということがありました。個人単位で課題を見つけて、それを克服していくというのができた部分もありますが、できなかった部分の方が多く、今季も毎試合課題が出ると思うので、それをしっかり克服して次に臨めるようにしていきたいと思います。

 

―優勝へ足りなかったことは最後の踏ん張りですか

最後の部分で詰めが甘いと言ってしまえば一言ですけど、最後の負けた何試合かの失点は自分たちがボールを持っているときのミスから始まっているので、自分たちがボールを持っているときにいかに攻め切るかというのは去年出た課題だと思います。

 

―チームとしてはプレシーズンにどんなトレーニングをしましたか

去年と同じくしっかり守るということに加えて、ディフェンスラインからボールを大事にして、前に運んでいく練習に取り組んでいます。

 

―個人としてはどうですか

監督から指摘されて去年から取り組んでいる守備時の寄せやキックの質のトレーニングは続けています。それに加えて今年は、右サイドの溝渕がすごく前に上がる選手なので、左側でも攻撃に厚みを持たせられるように積極的に前にチャレンジしていこうと思っています。

 

―コンディションはいかがですか

開幕へ向けて徐々に上がってきているので、良い調子です。

 

―今年の1月に行われていた全国高校サッカー選手権大会では母校・國學院久我山高が準優勝でしたが

僕が高2の時は全国に出られたのですが、高3の時は予選で負けてしまって出られず悔しい思いしたのを今年の選手権を見て思い出しました。野村や山本など選手権で活躍していた選手たちが慶大に入ってくれたので、とても刺激になっています。

 

―今年は副将に就任しましたが、副将になった経緯は

慶大ソッカ―部は学生スタッフ皆でミーティングをして決めています。気持ちを前面に押し出す宮地元貴が主将になったことで、それを冷静に後ろから支えるのは誰が一番適しているかというところで、僕のそういう部分を評価してくれて副将に選ばれました。

 

―副将として意識していることはありますか

1、2、3年生の時はなかなか自分が声を出してチームを引っ張るというのをしてこなくて、正直4年生についてきた部分が結構ありました。今年は元貴が声を出して引っ張っていくと思いますが、一人に任せるだけでは強いチームにはなれないと思います。そのため、僕も一緒になりながら引っ張っていくと同時に、冷静に周りを見て、どうしなければいけないのかという判断もしていこうと思っています。

 

―今までの3年間と副将として迎える今季、開幕前の気持ちは違いますか

すごく気合いが入っているというのはありますが、逆に過去の3年間よりは冷静な気持ちでいるのが正直なところです。去年やってきたことを継続することとこのプレシーズンに取り組んできたことを新しく披露することが純粋に楽しみです。

 

―宮地選手とは主将・副将として特別何か話しましたか

元貴とは1年生のころから同じチームでやっているので、元々よく話しますし、主将・副将になったからといって関係性が変わるということはないですが、チームのことについて話す機会は増えました。

 

―最高学年にもなりましたが

高校の時は、上の代も下の代も全国大会に出ているなかで、僕が高3の時だけ選手権に出られず、谷間の世代と呼ばれていました。そういう悔しい思いをしたので、大学では自分たちの学年のときに良い結果が出せるように3年間積み重ねてきたものがありますし、それをしっかり出せるように取り組んでいきたいです。

 

謙虚になって一戦一戦

 

―近年主力として活躍してきた井上選手の代が4年になるというのはチームにとっても大きいことだと思いますが

監督もおっしゃっていますし自分たちも思っているのですが、去年のメンバーが残っているからと言って強いというのは大きな間違いで、たまたま経験のある選手たちが残っているだけなので、ここで慢心していたら衰退していく一方だと思っています。自分たちも一人ひとりが謙虚になって一戦一戦、足元を見ながら戦っていくということが一番大切ですし、今シーズンはそこが一番重要だと思います。

 

―同期とは仲が良いですか

良いですね。高校から一緒にプレーしている山本哲平はすごく仲が良いですし、望月大知はゼミも一緒なので、1週間全部一緒にいるくらい密度の濃いコミュニケーションを取っています(笑)。

 

―ピッチの中でもそのコミュニケーションが発揮される場面はありますか

哲平とは目が合っただけで、どういうタイミングで動き出すのかというのが分かります。ディフェンスラインの元貴、溝渕、大知とは試合中にお互い指摘し合ってポジショニングを修正したり、足りない部分を補ったりという良い関係ができているので、今年もそれは続けていきたいです。

 

―久保飛翔選手(環卒・現ファジアーノ岡山)が抜けた穴はないですか

個人的にはあまり感じていないです。久保君もとても良い選手で周りに対してもコミュニケーション取ってくれましたけど、元貴だったり、大知だったり、経験のある選手が多いので、そういう選手にディフェンスラインのマネジメントを任せて、それに自分も加わり去年よりも固いディフェンスラインを構築できれば良いなと思っています。

 

―今季のチーム目標である関東リーグ制覇については

去年も同じ目標を掲げていましたが実際3位という結果に終わって、手の届く位置まで近づいたなというのは感じます。ただ、去年のメンバーが残っているから強いとか、去年3位だから上位だとかというのはなくて、自分たちの力を過信すべきではないと思います。一戦一戦しっかり相手を分析し、自分たちのやることも徹底して勝つというスタイルを継続していくことが目標に近づく一歩だと思います。

 

―昨季は勝てなかった早大に対して、「今年こそは」という思いはありますか

僕が出た定期戦は2回とも負けていますし、リーグ戦でも1回しか勝っていません。早大に勝たなければ優勝はないと思っているので、今季はリーグ戦の1試合とはいえども負けたくないし、絶対に勝ちます。

 

―個人の目標は

チームが関東リーグを優勝するために自分が何を出来るかを第一に考えるべきだと思うので、個人としてタイトルが欲しいとかはないですが、強いて言うならば自分が無失点に貢献するというのと、去年の後期は少し得点にも絡めたので、そういう回数をもっと増やして前に厚みを持たせられれば良いと思います。

 

―スローガンの「本気」にはどういう意図が込められていますか

去年は「一丸」というのを掲げて、チームが一つになろうという意図しましたが、実際それが達成できて、より一体感のあるチームになったと思います。ただ、優勝するためには一人ひとりが自立して、自分が何をするべきか考えて行動しなければいけないと思っています。そのため、一人ひとりが目の前のプレーや仕事に「本気」になるという意味やその「本気」の個が集まって初めて目標達成を目指す組織ができるという意味合いも込めて、「本気」というスローガンにしました。

 

―開幕戦の相手は明大ですが

去年最終節で負けている相手ですし、同じ相手に2連敗はできないので絶対に勝利したいです。開幕戦に勝って勢いも持たせたいので、すごく重要な一戦になると思います。

 

色紙 井上―改めて今シーズンへの意気込みをお願いします

1年生の時は残留争い、2年生の時はインカレ争い、そして、去年は優勝争いをして、たくさんの経験をしてきました。そのなかでチーム一丸となって、今年こそはリーグチャンピオンになることを目指しています。ただ、自分たちの力を過信するのではなく、一戦一戦戦って初めて目標に近づけると思うので、慶大らしく謙虚に戦っていきたいです。

 

 

 

(取材 氏家 滉登)

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