【ソッカー男子】 第2節 守備陣の連係がかみ合わず、開幕2連敗 筑波大戦

前節の開幕戦では明大に完敗。その結果、慶大は最下位でのスタートとなった。巻き返しを図るべく迎えた今節の相手は昇格組の筑波大。なんとしても勝ち点3を手に入れたいところだったが、37分に連係ミスから先制点を奪われる。後半に入るとボールの支配を高めたものの、62分に再び失点してしまう。84分にCKから望月大知(環4・静岡学園高)が合わせて1点を返したものの反撃は及ばず。開幕から2連敗となってしまった。

 

前節から4人スタメンを変更

前節からスタメンを4人変更

 

第90回関東大学サッカーリーグ戦 第2

 2016/4/9(土)11:30KO @龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールド

 慶應義塾大学1-2筑波大学

 

【得点者(アシスト者)】

[慶] 84望月 大知 (井上 大) 

[筑] 37北川 柊斗 (加藤 潤)、62野口 航 (浅岡 大貴)

 

◇慶大出場選手

 

GK上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

DF溝渕雄志(環4・流通経済大学付属柏高)

DF森下翔馬(総4・大阪桐蔭高)

DF望月大知(環4・静岡学園高)

DF井上大(総4・國學院久我山高)

MF宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)

MF増田皓夫(商2・桐蔭学園高)

MF手塚朋克(環3・静岡学園高)

MF松木駿之介(総2・青森山田高)→66小谷春日(環3・藤枝東高)

MF渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)

FW矢野峻寛(文4・暁星高)→46山本哲平(政4・國學院久我山高)

 

 

 

増田は初のフル出場となった

増田は初のフル出場となった

開幕戦の敗戦から気持ちを新たにして臨む今節。前節からフォーメーションとメンバーを大きく変更した。アンカーの位置に球際の強さを発揮する宮地元貴(総4・東京ヴェルディユース)をスライドさせ、今期からCBにコンバートされた森下翔馬(総4・大阪桐蔭高)をスタメンで起用。中盤のインサイドハーフには間で受けるのが得意な増田皓夫(商2・桐蔭学園高)と渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)を選択した。

 

 

 

前から積極的にプレスに行く矢野

前から積極的にプレスに行く矢野

風下でスタートした慶大は、序盤からピンチを迎える。6分に右サイドでFKを与えると、球速が増したボールが直接ゴールへと襲い掛かるが、上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)がセーブ。これに対し、慶大はセットプレーからゴールへの糸口を探る。慶大の最初のシュートは14分。右サイドの溝渕がロングスローを中に入れると、こぼれ球を渡辺がボレーシュート。24分には左サイドの井上大(総4・國學院久我山高)がロングスローを送ると宮地が頭でそらして最後は松木駿之介(総2・青森山田高)が左足を振りぬいた。いずれも枠をとらえられなかったが、向かい風を利用してチャンスを作った。その後は追い風の筑波大がミドルシュートを打ってきたものの、両チームとも決定的な場面を作れない展開が続いた。しかし迎えた36分、慶大の中盤で高く上がったボールをDFとGKの連係ミスで奪われてしまい、そのまま失点。前半を無失点で終えたかった慶大だったが、2節連続で先制点を与える結果となった。

 

 

前半は割り切ってロングボールやロングスローにより「エアバトル」(須田監督)を展開した慶大。失点したものの、風上に立つ後半で巻き返すべく山本哲平(政4・國學院久我山高)を投入して後半に臨んだ。

 

 

小谷は得意のドリブルでチャンスをつくった

小谷は得意のドリブルでチャンスをつくった

後半最初のチャンスは慶大に訪れる。FKから井上、溝渕雄志(環4・流通経済大学付属柏高)、手塚朋克(環3・静岡学園高)、とボールをつなぐと最後には山本がシュート。その1分後にもゴール正面で得たFKを山本が狙うがわずかに枠の上へ。その後もCKから得点を狙うが決定的なシュートを放つことができない。すると62分、ロングパスから抜け出されると、GK上田が1対1の場面を迎える。そのシュートは上田が落ち着いてセーブしたが、その後も続いたピンチに切り替えていたのは井上と松木だけ。集中を切らした瞬間に2失点目を許した。なんとか反撃しようと66分に小谷春日(環3・藤枝東高)を投入。左サイドでボールを受けると「得意な形」(小谷)のドリブルを仕掛け、筑波大DFを翻弄する。すると84分、右サイドの手塚が自ら持ち込んでシュート。そこで得たCKから最後は望月が「失点を取り返したい思い」から頭で合わせて1点差に迫る。その後も左サイドの小谷を中心に筑波大ゴールに迫るが粘り強いDFをあと一歩崩すことができずに試合終了。

 

 

望月のヘディングで1点返す

望月のヘディングで1点返す

2連敗という結果に終わったものの選手たちの「気持ちのこもったゲーム」(須田監督)が見られ、前節に比べると多くの収穫と課題を得ることができただろう。「リーグ優勝」を掲げるチームにとって、3連敗はどうしても避けなければならない。昨季の早大のように、序盤の不調をひっくり返すことができるほど関東大学サッカーリーグの実力は拮抗している。次節の法大戦に勝利し、上位浮上のきっかけをつかみたいところだ。

 

(記事 熊谷健二)

 

 

試合後コメント

 

須田芳正監督

(開幕2連敗となったが試合を振り返って)今日のゲーム自体は良いゲームでした。サッカーはミスのゲームとはいえ、決定的なミスをしてしまうと関東では勝てないと思います。ゲーム自体にはもちろん満足ですし、選手たちはよくやったと思います。これを続けることですね。(フォーメーションやメンバーを変更した成果は)初めて出たCBの森下は良かったのではないかな。増田も前節は後半から出たけれども1試合通して出たのは初めてですが、守備に関してもボールのつなぎに関してもよくプレーしていたと思います。手応えはあったと思います。前期はチャレンジができるので、そう言った意味では今日初めて出た選手はよくやったと思います。(ロングボールを多用していたが)とりあえず、前半は引いてカウンター狙いでした。相手は競り合うのが好きではないので、ロングボールでエアバトルをし、セカンドボールを拾おうというのが前半の狙いでした。風上に立った後半は、基本的にはマンツーマンで、前からプレスに行き、取ったらテンポ良く攻撃しようという流れでした。(ゴールキックを森下選手が蹴っていたが)上田が足を痛めていて、負担がかかってしまうので、キックの良い彼に蹴らせました。良かったと思います。(次節に向けて)こういった気持ちのこもったゲームを続けていくことが大切ですし、こういったゲームをすると反省点が出てきます。その反省点を1週間かけて修正して、また次のゲームに臨みます。この状況をどう乗り越えるかを楽しまなければなりません。人間の人生と一緒で負けることもあるので、それに対して下を向いたり他人のせいにしたりすることは良くないことだと思います。それに向かって立ち直ろう、乗り越えていこうという強い気持ちでトレーニングするのが楽しいと思っているので、また良い準備をして勝利を目指して頑張ろうと思います。

 

宮地元貴主将(総4・東京ヴェルディユース)

(開幕2連敗となったが試合を振り返って)全体を通してチームとして1週間やってきたことをグラウンドで表現することができたと思います。しかし、勝負事には勝負所があって、アクシデントもあったのですが、そういうところも含めて自分たちのリスク管理が足りなかったという印象です。(この1週間でどのようなことをしてきたか)まずはチームとしてやることをはっきりさせるために、守備から入りました。前半は失点を0で終えて、後半に追い風で勝負をかけようということを意識していましたが、アクシデントもあって1失点してしまいました。チームとしてやってきたことは全体を通してできたと思います。(フォーメーションやメンバーを変更した成果は)新しくスタメンで出た増田や矢野が自分のプレーをしてくれたと思います。矢野は前半だけでしたが、相手を前から追ってくれてチームの力になりました。(自身もボランチでのプレーとなったが)前節のゲームではセカンドボールを拾えなかったり、球際や競り合いで勝てなかったりというところがあったので、まずは自分の競り合うところとか球際のところとかで戦って、そのあと増田が拾ってくれたりとか、守備の球際のスイッチのところで自分が貢献できたらと思ってやっていました。(次節に向けて)開幕2連敗という結果になってしまいましたが、これが僕たちの実力だと思いますし、それを受け止めなければならないですが、前を向いてやっていくしかありません。リーグ戦は待ってくれないので、来週1週間死ぬ気で準備して、次の試合に勝つためにやっていくだけだと思います。

 

 井上大(総4・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)開幕戦でひどい試合をしてしまったので、今日が開幕戦のつもりでもう一度自分たちのサッカーをしようと思い、まずは守備から入ろうということを意識していました。(2失点目のシーンについて)(上田)朝都がビックセーブで止めてくれたのですが、そのあと守備に切り替えていたのが、僕と松木だけでした。ピンチを防いだ後こそ集中しなくてはいけないですし、そういう少しのところで失点につながってしまうので、全体的に攻守の切り替えは速かったですが、細かいところをもっと詰めていかないと関東リーグでは勝てないのかなと思います。(得点につながったコーナーキックについて)練習の時から大体どこに蹴るか決めていますし、得点のシーンではうまく入り込んできてくれたと思います。ただ、試合の中では2,3本ミスがありますしそのミスをなくせるように練習していきたいです。(次の試合に向けて)後がないので、相手の分析をしっかりして1週間準備して、次は必ず勝ちたいです。 

 

望月大知(環4・静岡学園高)

(今日の試合を振り返って)チームとして不甲斐ない形で前節負けてしまい、今節は気持ちを入れ替えて臨みましたが、今日の1失点目も自分の判断ミスで失点に繋がってしまい、チームの流れが悪くなってしまったので悔しいです。(ゴールシーンについて)ゴールに向かって勢いを持って入ることは意識していましたが、ファーにボールが来たのは偶然でした。自分で失点を取り返したい思いが得点を生んだと思います。DF,GKのメンバー変更で連携ミスが生まれたのでは)自分がもっと判断してプレーしなければとは思いましたが、前節と比べたら、チームのとしての守備は良くなったとは思うので、次の試合はより良くしたいです。

 

森下翔馬(総4・大阪桐蔭高)

(今日の試合を振り返って)チームとして0で抑えようという目標を持ってスタートしたのですが、結果として前後半それぞれで1失点してしまい、残念でした。ただ、今週1週間試合に向けてやってきた準備というのは実践できたと思っています。それは特に守備のところです。前節3失点、今節2失点ということで、負けは負けなのですが、徐々にチームの状況は良くなっているので、次は勝てるように頑張っていきたいと思います。(ミス絡みの失点からのスタートでしたが)自分たちの守備ができてきたなかでの失点だったのですが、そこはちょっとした気の緩みでしたし、良い教訓として次回につなげていきたいです。(個人としては)自分は今までFWで、今季からCBにコンバートして今回が初出場でしたが、個人的には肩の力を抜いてできていると思うので、次の試合はもっと個人として良くしていきたいと思います。(筑波大・中野誠也選手とのマッチアップは)噂でも聞いていて、全日本の日韓定期戦でも外から見ていて、韓国相手にあれだけ裏に抜けて自分のスピードを生かせるというのはすごい選手だなと思っていたので、マッチアップする上でも簡単に止められる相手ではないなという思いでプレーしていたのですが、特にやられているような場面もなかったので、そこは上手く対応出来たかなと思います。(次節に向けて)開幕2連敗ということで結構厳しい状況ですが、チームとして来週の1週間も備えて絶対勝ちたいと思います。

 

矢野峻寛(文4・暁星高)

(今日の試合を振り返って)前節0-3で負けて、自分たちのやりたいことが全く出来ないで終わったので、今週1週間はしっかり相手を分析して、自分たちのやりたいことをはっきりさせて試合に臨みました。前半はある程度割り切って、思うような試合展開でしたが、ミスから失点してしまって、そこから上手く立ち直せず、良い形も作れずに終わってしまったと思います。(では後半勝負という狙いだったのですか)フォーメーションも4-1-4-1にして、相手はポゼッションが上手いチームだったので、そこは割り切って、まず自分たちは守備から入ろうという意図でした。(矢野選手も前から懸命にボールを追っていましたが)前半で交代するというのも事前に言われていて、前半は筑波の守備をかき回すような守備を求められていたので、そこは自分の中ではある程度できたかなと思います。(連敗となってしまいました)自分たちは優勝を目指しているので3連敗は許されないですし、今日は自分たちの強みであるセットプレーから1点取れたので、ここから1週間自分たちでコンディションを上げて、まずは勝ち点を1つでも取れるように頑張っていきたいと思います。(次節に向けて)今節初めてスタメンで出場させていただいたのですが、自分はFWなのでもちろん得点を取りたいと思っていますし、攻撃面でもっと活躍できるようにやっていきたいです。

 

渡辺夏彦(総3・國學院久我山高)

(今日の試合を振り返って)チームとして、良かったのではないかなと思います。というのも、前半はアクシデントに近い失点以外はほぼパーフェクトにできていたし、相手にも全くやらせませんでした。後半も狙いとしていたことは90分通してやることができたと思います。あとは、須田さんも話していましたが、失点シーンなどの細かい点は詰めなければいけません。ただ、次にはつながるし、良い試合ができたなと感じています。(渡辺選手、増田選手という間で受けることが得意な選手がいるにも関わらず、ロングボールを多用していたが)基本的にはあれで狙い通りでした。後半の初めに少し変えることは考えていましたけど、前半の45分間は守ることを意識しました。風下だったし、かなり難しかったから、間でもらうというよりは、奪ったらシンプルに前に蹴って、押し上げてセカンドを拾うことが大事でした。間で受けられたらベストだけど、だからといって全て足下につけるのではないということです。狙い通りでした。(この一週間は何を意識して取り組んできたか)チームの前提として、もう一度謙虚にやるということです。自分たちは強くないし、去年のメンバーが残っているだけなので。守備や球際の部分をしっかりとやらなければ、戦術うんぬんの話にもならないですから。もちろん、筑波大に対しての戦略も考えていました。(次節への意気込み)各段に1試合目よりは良くなったし、それは自分たちも感じている部分で、3試合目はもっと良くなると思います。慌てないといけないけど、慌てる必要はないかなと思っています。昨季の早大も最初は良くなかったし、まだまだ優勝は狙えるし、チーム状況が悪いとも思っていません。むしろ、最初が良くなかった分、あとは上がっていくだけなので、法大に対しても一週間準備したいです。

 

小谷春日(環2・藤枝東高校)

(今日の試合を終えての率直な感想を教えて下さい)最後の方は追い付けたかなと言う試合であと一歩という感じでした。(前節に続いて2戦連続での途中出場となりましたが)今日は特に最後の方は押せ押せの展開だったので、点に絡みたかったというのが正直な所です。でも、ドリブルとか体の動きもキレているので次は得点に繋がるプレーが出来ればいいなと思います。(何度か左サイドから仕掛ける場面もあったと思いますが)得意な形なので、交代で入ったらそのストロングポイントを出していこうと考えていました。(逆に次に向けて改善すべき所はありますか)クロスの質ですかね。今日は特に相手の選手より慶應の選手の方が高さもあったので、最後見方選手に合わせられなかったというのが改善点だと思います。(次節に向けての意気込みを教えて下さい)2連敗して後がないという状況で、自分達は優勝を目指してやっているので次は必ず勝ち点3をとりにいくということと、個人的には自分が点をとるなりアシストするなりして得点に絡めればいいかなと思います。

 

上田朝都(総1・横浜F・マリノスユース)

 (今日の試合を振り返って)勝てなかったんですけど、先週に比べると自分たちが練習でやっていることができたと思うので、そういう面では前回よりは良くなったと思います。(1年生ながら開幕からスタメンを任されていることについて)試合に出ていたら学年は関係ないと思っていて、3年生とか4年生が環境とかを配慮してくれるので、しっかりと自分ができることをやろうと思います。(1失点目はDFとの連携ミスでしたがどのように改善しますか)チームに入ってまだあまり時間が経っていないということもあって、コミュニケーションからのミスが出てしまったのですが、それは練習や試合で経験して防いでいければいいと思います。(開幕から5失点と失点数が目立つが上手くいかない点など)2試合で5失点はすごく多い数字ですが、うまくいってないというよりは、負けてるし失点もしているんですけど、練習とかでもチームは良い方へ向かっていて、今日も前回よりは良い試合ができたので、僕は5失点についてそんなには悲観していません。(次節法政大戦にむけて)また今回の試合でたくさん反省点も良い点も出たので、1週間しっかり練習で修正して活かして、また法政大戦で自分たちの力や練習でやっていることを出せればいいなと思っています。
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