【ソフトテニス】王者早大に力負け 第58回慶早定期戦

626日(日)第58回慶早定期戦

初夏の陽気を思わせる慶應日吉下田グラウンドにて、宿敵早大との伝統の一戦が行われた。男子2戦目の青山・松野ペアが勝利まであと1ポイントのところまで追いつめるなど、全日本の王者早大に善戦するも、結果は10セット全て奪われてしまった。

円陣を組む男子部

円陣を組む男子部

 

◇男子

慶大

スコア

早大

芳村玲・芳賀晋之輔

●3-5○

飯沼・小西(健)

青山歩希・松野翔

●4-5○

川村・佐藤

伊藤幹・野口航

●2-5○

内本・岩本

尾崎佑馬・松本政

●1-5○

船水・星野

川崎敦史・竹田一貴

●1-5○

高倉・井山

栗原直志・須藤虎歌

●2-5○

高橋・田嶋

新保一磨・高柳壮

●2-5○

安藤(優)・松本

 

今年で58回を迎えた慶早定期戦。通算成績は慶大13勝・早大44勝、また慶大は現在30連敗中と大きく負け越している。なお、試合はダブルスで9ゲーム(5ゲーム先取)行う。

 

最初に登場したのは、芳村玲(総3・宇都宮短期大学附属)・芳賀晋之輔(商4・慶應義塾)ペア。第1ゲームから芳村のボレーが冴えペースを握った。その後第2・3ゲームを連取されビハインドを負うも、必死に食らいついていった。ゲームカウント2-4で迎えた第7セット、相手のマッチポイントから驚異の粘りで5連続ポイントを奪いこのゲームを取り返した。第8セットも一時はリードを奪うも取り切れず、ゲームカウント3-5で落とした。

初戦に登場した芳村、芳賀ペア

初戦に登場した芳村、芳賀ペア

 

第2戦は、青山歩希(経3・慶應義塾)・松野翔(経3・慶應義塾)ペア。序盤から青山の低い位置からの鋭いストロークで相手を崩していく。第4セットは松野のサービスエース、第5ゲームには青山のグラウンドを対角線に切り裂くストロークで、ゲームカウント4-3とリードした。第8ゲーム、拮抗した戦いは幾度となくデュースを繰り返した。しかし、マッチポイントからのあと一本を取り切れずこのゲームを落とすと、第9ゲーム(7ポイント先取)も一進一退の攻防。最後はミスに泣き惜しくも敗れた。

青山、松野ペア

青山、松野ペア

 

第3戦は、伊藤幹(総2・高岡商業)・野口航(総1・岡山理科大学附属)ペア。最初の2ゲームを連続で先取し流れに乗った。第2ゲームではネット際での技ありショットを見せた。しかし、第3・4ゲームと連続で取られると相手の流れを止められず5連続で取られてしまった。ゲームカウント2-5で落とした。

伊藤、野口ペア

伊藤、野口ペア

 

第4戦は、尾崎佑馬(総1・慶應義塾)・松本政(法2・慶應義塾志木)ペア。立ち上がりから連続でゲームを落とすも、尾崎のコースをつくストレートなどで第3ゲームを取り返す。その後も、長身の松本が前衛で球を叩き落すシーンが何度も見受けられた。尾崎が気迫のこもったガッツポーズを見せるなど、見せ場を作るも相手のスピーディーな攻撃についていけなかった。

前衛の松本

前衛の松本

 

第5戦は、川崎敦史(環4・北海道尚志学園)・竹田一貴(環4・小松市立)、唯一の4年生ペア。幸先よく第1ゲームを奪ったものの、その後は5連続でゲームを落とし完敗。狙いのサーブで崩しきれなかった。「相手はその一歩上をいくプレーをしてきました」この言葉の通り、力の差を見せつけられる結果となった。

サーブを放つ竹田主将

サーブを放つ竹田主将

 

第6戦は、栗原直志(環1・神辺旭)・須藤虎歌(環1・三重)ペア。早慶共に1年生ペアの1年生対決となった。左右の揺さぶりで相手のミスを誘い2ゲームを取った。しかしここ一番で相手のショットが冴え勝ちきれず、ゲームカウント2-5で落とした。

栗原、須藤ペア

栗原、須藤ペア

 

第7戦は、新保一磨(環2・松山)・高柳壮(経4・慶應義塾)ペア。粘りのテニスを見せ、簡単には主導権は渡さなかった。第3ゲームには、高柳が相手のボレーを後ろ向きのバックハンドで打ち返すスーパーショットを見せると、グラウンドは大きく沸いた。しかし、相手のネットインなどツキもなくゲームカウント2-5で敗れた。

強烈なショットを放つ新保

強烈なショットを放つ新保

 

地力の差を見せつけられ0-7。これが今の早大との差そのものだ。目標のインカレ優勝には早大撃破は必要不可欠だ。練習は嘘つかない。さらなるレベルアップを誓い、持ち前の一体感で日本一へ駆け上がりたい。

 

◇女子

慶大

スコア

早大

黒見奈央・秋本きらら

●1-5○

木村(理)・平久保

大久保京香・草野亜衣奈

●1-5○

永井・上原

山本真衣・中井理穂

●2-5○

杉脇・佐々木

 

早大は日本一の相手であり、目標である東日本ベスト4、インカレベスト4を達成するために、今の実力を示すことができる最高の相手だ。

まず、登場したのは黒見奈央(環2・和歌山信愛女子短大附属高)・秋本きらら(環1・金沢学院東高)ペア。黒見・秋本ともに後衛を得意としており、ダブル後衛の陣形で臨んだ。相手の巧みなドロップショットに苦戦を強いられ3ゲームを先取されると、第4ゲームでは接戦を演じる。しかし、このゲームも落とし後がなくなる。第5ゲームでは粘りを見せ、奪取したものの、続く第6ゲームを落とし、1-5で敗れた。

黒見、秋本ペア

黒見、秋本ペア

 

続いて登場したのは大久保京香(環3・植草学園大附属高)・草野亜衣奈(環1・高崎健康福祉大学高崎高)ペア。チャンスを確実に決めきれないままペースをつかめず、4ゲーム連取されてしまう。第5ゲームでは大久保のショットが冴えわたり、追いつこうと食らいつく。しかし、第6ゲームでは力尽き、敗戦となった。

ショットを放つ草野

ショットを放つ草野

 

3戦目は山本真衣(環4・宇都宮中央女子高)・中井理穂(環1・和歌山信愛女子短大附属高)ペアの戦い。この試合もダブル後衛という新しい陣形で「後に悔いがないように」臨んだ。終始ラリーの主導権を握られる厳しい展開。果敢に挑み、ポイントを獲得していったが、ゲームを取るには至らず。0-5と悔しいストレート負けとなった。

中井、山本ペア

中井、山本ペア

 

結果を振り返れば、学生女王に対し0-3の完敗に終わり悔しさが残った。いずれのペアもダブル後衛という今年からの新しい陣営で挑み、収穫も多く得られただろう。ここから上げていかなければならないのは「コースを狙う精度」と「チャンスボールを攻めきれないこと」(山本主将)だ。対戦相手の早大のように、細かい精度にこだわっていけば、まだまだステップアップしていくことができる。目標である東日本ベスト4、インカレベスト4へ向けて、これからの成長に期待が掛かる。

 

(記事 若林晃平、熊谷健二)

 

竹田一貴 男子部主将(環4・小松市立)

(男子部全体を振り返って)完敗です。サーブで崩して攻めようと準備をしてきたのですが、それ以上に相手がレシーブで上回っていて、そこで得意なところを出し切れなかったという印象です。(自身の試合を振り返って)毎回対戦する相手で苦手意識もあって、前やられたことを今回はやられないようにと思ったんですけど、相手はその一歩上をいくプレーをしてきました。準備不足だなと思いました。(早稲田に対して慶應が足りない部分)サーブとレシーブの差が大きいと思います。特にサーブです。早稲田は大事なところでファーストサーブが必ず強いサーブが入ってくるので、そういう風に打てる練習をしているということが強い理由だと思うので、もっと競った場面を想定した練習をやっていかなければいけないと思いました。(慶應の良かった点)気持ちの部分です。相手が早稲田だけど誰も諦めずに勝とうという思いがありました。今までだったら諦める人もいましたが、本気で勝とうという思いで準備できたことが今日のプレーにも出ていたと思います。(今後へ向けて)目標はインカレ優勝です。結局は早稲田に勝たないと優勝できないので、2か月後にインカレがあるので、そこに向けてサーブ、レシーブを強化していかないといけないと思っています。あとはチームの一体感を一つの団体戦で力を爆発させるために仲の良さもそうですが、競争力や一体感を兼ね合わせて試合に臨みたいと思います。

 

山本真衣 女子部主将(4・宇都宮中央女子高)

(早慶戦に敗れてしまったが今の気持ちは)正直に一言でいえば悔しいと思っています。(4年生としてどのような意気込みで臨んだか)4年生で最後だったので、相手の方が強いかもしれないけれど、向かっていく気持ちで、後に悔いがないように臨みました。(今日の結果に悔いは)結果としては悔いが残るんですけど、内容的には今年はダブル後衛という新しい陣形にチャレンジして、その中でできたポイントとかできたゲームもあったので、そこに関しては悔いはないです。でも、結果としては少し悔しい思いがあります。(試合後、監督にどのような声を掛けられたか)同じようなことですが、結果は悔しいねと。でも、自分たちがやろうとしていることを、少しずつできているから、この早慶戦で日本一という相手に対してこういう時に試合ができてよかったと思うから、東日本とかインカレに向けて、また精一杯努力していきましょうという話をいただきました。(今回出た課題は)コースを狙う精度が、早稲田は30㎝とか10㎝とかを狙ってきているんですけど、私たちはそこがまだ50㎝とか1mを狙っているに過ぎなくて、まだまだコースの精度が甘いなということと、チャンスボールを攻めきれなかったことが課題だと思っています。(今後に向けて)東日本ベスト4、インカレベスト4という目標があるので、それに向けて新しい陣形で「慶應やるじゃん!」って思ってもらえるように、頑張りたいと思います。

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