【ソッカー男子】アミノバイタル杯1回戦 大幅なメンバー変更も安定した戦いで勝利! 城西大戦

前期リーグ戦を5位で折り返し、優勝を狙うチームとしてはやや物足りない結果となった今季の慶大。気持ちを切り替え、アミノバイタルカップへ挑む。昨季この大会では格下相手にPK戦で競り負け、まさかの初戦敗退。慶大が苦手とする大会だが、過密日程を考慮して2チーム編成で大会に臨んだ。リーグ戦とは大きくメンバーを代えた城西大との1回戦は前半41分にリーグ戦でも活躍を見せるMF加瀬澤力(総4・清水東)のゴールで先制。後半には56分にこの日ゲームキャプテンを務めた小坂慎太朗(総4・浦和レッズユース)の素晴らしい縦パスに反応した片岡立綺(総3・桐蔭学園高)が追加点。慶大が安定した戦いで勝利した。

キャプテンマークを巻いた小坂

キャプテンマークを巻いた小坂

アミノバイタルカップ2016 第5回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選 1回戦

2016/6/26(土)12:30KO@時之栖スポーツセンター裾野E2グラウンド

 慶應義塾大学2-0城西大学

【得点者(アシスト者)】

[慶] 41分加瀬澤力、56分片岡立綺(小坂慎太朗)

◇慶大出場選手

GK田野稔明(経3・慶應義塾高)

DF鴻巣良真(総2・国学院久我山高)

DF野村京平(総1・国学院久我山高)

DF沼崎和弥(商1・暁星高)

DF北城俊幸(総1・青森山田高)

MF佐藤海徳(政1・桐光学園高)

MF小坂慎太朗(総4・浦和レッズユース)

MF増田皓夫(商2・桐蔭学園高)→74分松木駿之介(総2・青森山田高)

MF加瀬澤力(総4・清水東)

FW片岡立綺(総3・桐蔭学園高)

FW池田豊史貴(総3・浅野高)

 

 

強風吹き荒れる中、静岡・時之栖で行われたアミノバイタルカップ1回戦。須田監督は「2チーム制で挑む」という予告の通り、ターンオーバー制を敷き大幅なスタメン変更をした。序盤から最終ラインを高く保ち、ロングボールを主体に積極的に攻撃を仕掛け勝利を目指す。序盤は敵陣の深くまで押し込む展開が続くが、ピッチが滑りやすく、ゴール前で足をとられ決定機を逃してしまう不運もあり、先制することができない。流れに乗れない慶大は20分にピンチを迎える。右サイドから相手FWに侵入を許し、ディフェンスをかわしシュートを放たれる。ここは田野稔明(経3・慶應義塾高)のファインセーブがチームを救った。そして41分、今季リーグ戦でも好調の加瀬澤が先制ゴールを生み出す。細かくワンツーパスの交換をしながら、相手ディフェンスの隙間を縫い、最後はトラップからシュートを放ちゴールを決めた。

加瀬澤のゴールで先制

加瀬澤のゴールで先制

前半の間に得点できたことで流れに乗れた慶大は、後半も最初から積極的に攻撃を仕掛ける。最終ラインを中央付近に置き、一方的に攻め込む展開を作り出す。そして54分、慶大に追加点が生まれる。ゲームキャプテンの小坂から出された絶妙なスルーパスは片岡に渡り、最後は落ち着いてゴールキーパーをかわしゴール左隅に流し込んだ。

追加点を奪った片岡

追加点を奪った片岡

その後は相手のカウンターに遭い、79分には左サイドからゴール前まで攻めこまれ、キーパーと1対1の局面を作られてしまう。ここで田野がまたしてもスーパーセーブを見せ、ゴールを死守。その後は慶大有利で試合が進み、2-0で勝利を収めた。ほとんどの選手たちは中1日で戦わねばならないアミノバイタルカップにおいて、選手層の厚さを活かしターンオーバー制を敷いて負担を軽減できたことは2回戦以降で大きなアドバンテージとなるだろう。大阪で行われる総理大臣杯に出場するためでなく、後期リーグ戦に向けて良い流れを作るためにもアミノバイタルカップで良い結果を残す必要がある。次戦は6月27日、早大との対戦である。全員で力を合わせ、宿敵早大を撃破し全国大会への切符を掴んでほしい。

池田は相手にとって脅威となり続けた

ボールを収める池田は相手にとって脅威となった

(記事 中村駿作)

試合後コメント

須田芳正監督

(試合全体を振り返って)トーナメントだから1回負けたら終わりなので、この勝利を信じ目指して戦ってきた中で結果に繋げられて良かったです。全国大会に出場するためには大会で2勝する必要があるので、2チーム制を敷いて挑みました。今日出た選手たちの中には始めて公式戦に出場する選手や、今年の出場機会が少ない選手たちもいたが、プレッシャーの中しっかりと戦ってくれました。2回戦に出場する選手たちは、1回戦の選手たちが繋いでくれたという責任感を持って必ず勝ってほしいです。(キャプテンを小坂に指名した理由は)オーダーに4年生が2人いたが、自分から指名したわけではなくチームの中で選手たちが決めました。また、いつも4年生には「自分がチームキャプテンだという意識を持つ」というように言っています。(2回戦に向けて)全国大会に出場することが後期にもつながり、選手たちの成長に繋がると思うので、1回戦の選手たちから勝利というたすきを受け継いだ選手たちには責任感を持って、しっかり勝って欲しいと思います。

小坂慎太朗(総4・浦和レッズユース)(ゲームキャプテン)

(今日の試合を振り返って)2-0で初戦勝利を飾れてよかったですが後半にペースを明け渡すこともあったので、そこは反省点です。(後半、アシストになったスルーパスを通したことについて)いつも練習の時から同じメンバーでやっていたため、今日もいい形でパスを出して、しっかりつながったのでとても良かったです。(キャプテンマークを巻く重みについて)シーズン中はリザーブだったことが多かったので、大学入って以来キャプテンマークを巻いたことはなかったですが、4年生という立場からチームを引っ張ることが多いので、巻いても今までとすることはあまり大きく変わりませんでした。キャプテンマークを巻いた事によるプレッシャーはありませんでした。(次の試合にむけて)次の試合の相手は手強いので、中一日とはいえ100%の力が出せるように調整を万全にして、出場機会があったらチームに貢献できるようにしたいです。

北城俊幸(総1・青森山田高)

(試合を振り返って)自分たちは関東1部リーグというステージでやらせていただいていて、相手は埼玉県リーグというのがあって、そういう意味でリーグとしては力の差があるように思えますが、サッカーというのは勝つのが難しくて、周りは「慶應が勝って当然だろ」というなかで、この1回戦を突破するのは難しいことでした。(初戦であり初出場で緊張はあったか)初めて試合に出させていただいて、緊張していて納得のいくプレーはできませんでした。チームとしても、1年生が多く若いチームでいい経験をさせてもらったんですけど、緊張はみんなあって課題の多いゲームになりました。(相手の11番とのマッチアップについて)自分としては守備にプライドをもってやっていますが、今日は背負われて自分のファールがすごく多くなってしまって、納得はなかなかいかないというか、自分自身反省点の多いマッチアップになりました。(上下のバランスはどのように意識していたか)自分はバランスを取るタイプのサイドバックでやってきたのですが、今チームで求められているのはいいタイミングでどんどん攻撃に参加していくことだと思うので、攻撃に対するかかわり方をもっと工夫してサイドから攻略していけるサイドバックになれたらと思っています。(今後に向けて)まずは優勝というよりも目の前の試合を1つ1つ勝つことが大事だと思うので、自分がピンチに立っていてもベンチという形になっても、勝利のことだけを考えて、一生懸命チームに貢献したいと思います。

佐藤海徳(政1・桐光学園高)

(試合を振り返って)自分としては初めての公式戦で、正直堅かった部分もあると思うので、この経験を生かして次につなげたいと思います。(緊張をどう受け止めていたか)自分の中では緊張しないと思っていたんですけど、パスミスとか普段ではないようなミスをしてしまい、やっぱり堅かったと思います。(小坂選手とのボランチの関係は)最初は慎太朗くんが下がり目でロングボールを供給するので、自分はそのセカンドを拾ったり、ロングボールが出た後にサポートをしてボールを動かすというところを考えていました。(ボランチとしてほかに意識したことは)相手が引いてきたので、どんどんボールを動かすということをやっていました。(今日の手ごたえは)全然よくなかったと思います。自分の力を100%出せていないと感じるので悔しいです。(今後に向けて)これから練習もあるのでそこでアピールして、試合に出られるように頑張りたいと思います。

鴻巣良真(総2・国学院久我山高)

(今日の試合を振り返って)やりたいことをできた時とできなかった時の差が激しい試合だったかなって感じですね。できれば自分たちで主導権を握ってやろうということをしてたんですけど、後半の最後のあたりは自分たちのやりたいことができずどんどん押し込められるシーンが多くて、トーナメントの難しさっていうのを感じました。(そのカップ戦の初戦ということでどんなところに難しさを感じたか)まず立ち上がりのカウンターから一発やられそうになったやつとか、ちょっとでも一つでも一つサボったらそれがビッグチャンスになるということを一番初めに分からせてもらいました。(試合を通して果敢な攻撃参加が見られたが自身の出来は)上がった時の質がまだちょっと低いからもうちょっとそこを上げていかないとダメですね。(次の試合に向けて意気込みを)もっと自分をアピールして、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

沼崎和弥(商1・暁星高)

(久しぶりの出場となりましたが)チーム全体としてサブもスタメンもすごく調子が良くて、監督が誰が出ても良いと言っていたので、このような時に使ってくれることに感謝しています。(前からプレスをかけてボールを奪う場面が多かったが)意識してやりました。全体としては良かったと思います。(2回戦に向けて)たぶん全員入れ替えると思うんですけど、次勝ったら大臣杯に出場できるのでチーム全体で勝って大阪行きを決めたいです。

増田皓夫(商2・桐蔭学園高)

(今日の試合を振り返って)1試合目がトップサブで2試合目にたぶん早大が来ると思うんでトップが出るということでたすきを繋げるという意味で、トップサブは普段からボールを速いテンポで回して相手より先手を取るというサッカーをやっている中で、練習の中とかでもトップ相手にボール回しでは結構上回っているというのが須田さんとかみんなに中にあって、今日は100%ではなかったけど8割はできたと思います。(カップ戦の初戦ということで難しさは感じたか)後ろの(4人中)3人が1年生で、そこがちょっと緊張するかなっていう部分はあったんですけど、加瀬澤力さんがまだこのチームで経験者で、僕もこのチームの中ではたぶんまだ経験している方で、そういった中で4年生を中心に主体的に引っ張ってくれたと思います。(1年に対して何か声かけは)「緊張しないで普段通りいつも通りやって」って話しました。 (攻撃面においてほかの前線の選手との関係性は)2点目なんかはずっとボールを回した中で1回ボランチに入った中でワンタッチでFWに付けるという結構理想的な形で、ああいうのをもっと増やしていければなと思います。(自身の出来は)自分はいつもボランチをやっているんですけど、サイドも最近やらされていて、ボランチというのは6割〜7割でずっと走ればいいんですけど、サイドはわりと9割〜10割でスピードを変えて走っていかなければいけないので、そういうところはやっぱり難しくて。でも間で受けるというのは8割くらいはできたと思います。(次の試合への意気込み)次は早大か明学大か分からないですけど、しっかり準備をしていい戦いができたらいいなと思います。

 

加瀬澤力(総4・清水東)

(今日の試合を振り返って)経験が少ない選手がたくさん出た中で勝つということはすごく難しいことだったし、経験がある選手が出ても去年は1回戦で負けている大会なので、いろいろなプレッシャーがあって難しかったのですが、その中で2-0と無失点で勝ったということはプラスに考えて良いと思います。(メンバーが違う中での自身のプレーについて)自分として不安だったのは練習試合だったり、紅白戦だったりはすごくいい形ではできていたのですが、それがプレッシャーがある中でどれくらいできるのかということが不安要素と思っていました。案の定上手くいかない部分もたくさんあったし、もっともっと自分たちはできるんですけど、それがプレッシャーがかかるとこれくらいの実力だというのが分かったのが一人一人が良い経験だととらえて、次に繋げてくれればチームとしてもっともっと底上げできると思います。個人としてはその中でしっかり点が取れたというのはあるけど、まだまだ足りない部分とか4年生として、チームの中心としてやっていかないといけない部分がもちろんあると思うので、その辺りを追求して一個一個解決できるようにポジティブにとらえたいと思います。(得点シーンについて)あれは練習中からやっている形で、片岡だったり、増田だったり、3人で上手く絡んでシュートまでもっていくという形は何回もやっている形なので、その形が上手く点に繋がって良かったかなと思います。(2回戦に向けて)自分たちは1回勝っただけでまだまだ全国が決まったわけではないので次の試合に勝たないと今日勝った意味が全くないのでしっかり良い準備をして次の試合勝てるように、この後から気持ちをしっかり切り替えて浮かれることなく地に足を付けてやっていきたいと思います。

 

池田豊史貴(総3・浅野高)

(今日の試合を振り返って)まずは今日勝てて良かったと思います。次のステージに行けるので。そこは自分たちでも評価できると思うけど、自分たちが目指しているサッカーというものをもっと体現しなければいけないし、もっとミスを少なくしないといけないと思います。時間が経つにつれて自分たちのペースが失われていったと思うので、1試合通してできるように、このチーム全員でできるようにならないといけないと思いました。(自身の出来は)ボールを収めることは僕の役割でその点は良かったのですが、FWとしては点を取るということが必要で、何回もチャンスがあった中で出来なかったのでそこはもっと追求しなければいけないし、質を高めて、点の取れるストライカーになるために努力しないといけないと思います。(これからに向けて)27日は早慶戦で来週も早慶定期戦があって、慶應は常に早稲田を意識しながらやっているので早稲田には今年は1年間を通して負けないように全員が一致団結してやっていきたいと思います。

田野稔明(経3・慶應義塾高)
(デビュー戦を振り返って)もう自分がやれることをやろうと思って、練習でやってきたことを試合で出せるように意識してやりました(田野も含めてバックラインが経験の少ないメンバーだったが)つなげつなげと言われていたので、しっかりつなぐことを意識したが、その中でも危ないところはしっかりと蹴ることを判断しました。まだ、自分の声掛けが甘くて、危ないところもあったけど守れたし、1年生には感謝したいです。(試合の入りについて)入りは完全に相手が前から来て、イケイケムードで若干飲まれるような雰囲気がありましたが、力さんが決めてくれたおかげで流れを引き寄せられて、良かったと思います。(後半には大きなピンチを迎えたがしっかりの防いだことについて)あれは練習でやった場面だったから、それを出せて良かったです。(自分のプレーの評価)今日は入ってきたクロスをパンチングで行ってしまったが、全部キャッチングできるようにしていきたいです。(ポジションを奪うために必要なこと)自分の持ち味であるシュートストップをしっかりと出していくことです。自分のやれることをやっていれば、結果は出ると思っています。

片岡立綺(総3・桐蔭学園高)
(今日の試合を振り返って)とりあえずチームとして2セットで行こうという風にしていました。初戦勝たなければ次につながらないということで、俺たちにかかるプレッシャーは結構大きかった試合でした。(立ち上がりが不安定だったのはその点が大きかったのか)慣れていない選手が多くて、少しずつあたふたした場面もあったんですけど、練習試合と同じように下からつないでいこうと話していました。それが、ちょっとずつ良くなってきて僕たちのリズムが出てきたし、前半に一点取れたことが良かったと思います。(前半最初、片岡選手がフリーなのに縦に入らない場面が見られたが)それはボランチやセンターバックがまだあたふたしている場面で、そんなに自分としては焦っていませんでした。チームとして前にボールは運べていたし、自分たちがどう関わるかは二の次だからそんなに気にはしていませんでした。(後半のゴールシーンを振り返って)ハーフタイムにあと二点取って、相手を沈めるということをチーム全体で共有しました。とりあえず前からいこうと話していた。早い段階で二点目が取れたことはチームとして大きかったし、個人としても結果が出て、すごい良かったです。(相手を沈める点が取れなかったことについて)チーム全体が公式戦に慣れていない部分を露呈したかなと思います。ピンチもあったし。またこういうメンバーでやれることがあったら、次は試合の流れもつかめると思うので、いい経験になったかなと思います。

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