2017年3月18日、新チームとして初の対外試合が開幕した。東京六大学バスケットボールリーグは今年で第14回目となる。慶大含め各チームがこの春の練習の成果を発揮する場として、この大会は絶好の機会である。慶大はこの日2試合戦うこととなった。1試合目は東大との一戦。慶大は計12名の選手を使い序盤から危なげない試合運びで新チーム初勝利を勝ち取る。2試合目は宿敵早大戦。接戦になるかと思われたが、序盤から慶大が試合のペースを握り17点差で快勝。新生慶大にとってこれ以上ない最高のスタートを迎えることに成功した。
2017/3/18(土)@明治大学和泉キャンパス | |||||
第14回東京六大学バスケットボールリーグ戦 vs東大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 30 | 20 | 30 | 31 | 111 |
東大 | 18 | 10 | 7 | 11 | 46 |
◆慶大スターティングメンバー◆ | |||||
| #13 山崎純(総2・土浦日大高) | ||||
| #9 原匠(環3・近大附属高) | ||||
| #8 鳥羽陽介(環4・福大大濠高) | ||||
| #11 澤近智也(環3・高知学芸高) | ||||
| #4 トカチョフ・サワ(環4 國學院久我山高) |
4年生が引退し新体制となった慶大の初戦の相手は、東大。1Qは序盤アウトサイドシュートが不調気味ながらも、新主将サワを中心とした粘り強いディフェンスとオフェンスリバウンドから流れを引き寄せ、12点差で1Qを終える。2Qは髙田淳貴(環2・城東高)を中心にアウトサイドシュートが冴え、リードを22点差まで広げる。後半は前半とはメンバーを代え、サワ、原、澤近、山崎、工藤翔平(法2・慶応義塾高)となった。後半に入っても慶大ペースは変わらず、堅いディフェンスからの速攻という慶大の持ち味を存分に発揮し、東大を111対46で下した。
慶大の勝利に貢献した髙田
2017/3/18(土)@明治大学和泉キャンパス | |||||
第14回東京六大学バスケットボールリーグ戦 vs早大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 23 | 16 | 16 | 13 | 68 |
早大 | 9 | 14 | 15 | 13 | 51 |
◆慶大スターティングメンバー◆ | |||||
| #9 原匠(環3・近大附属高) | ||||
| #8 鳥羽陽介(環3・福大大濠高) | ||||
| #14 髙田淳貴(環2・城東高) | ||||
| #4 トカチョフサワ(環4 國學院久我山高) | ||||
| #7 木村能生(環4・東山高) |
初戦に勝って波に乗る慶大の2戦目の相手は早大。新体制初の早慶戦というだけでなく、関東大学リーグの1部昇格を目指している慶大にとって、1部である早大に勝つことは今後の自信につながるだろう。
1Q開始20秒、味方が外したシュートを木村がゴールにねじ込みまずは慶大が幸先よく先制する。早大は序盤からオールコートディフェンスを展開してくるが、慶大は原を中心とした冷静なボール運びでミスなく突破していく。サワのバスケットカウントや鳥羽の速攻からのスリーポイントシュートなどで点差を広げ23対6で1Qを終える。
先制点を決めた木村
2Qに入っても慶大はサワ、鳥羽を中心に得点を重ねていくが、早大も食らいつき一進一退の攻防となる。しかし徐々に早大のオールコートディフェンスに苦しめられるようになり、後半に向け一抹の不安を残す形となった。
3Q開始2分、髙田がトップからスリーポイントシュートを決めこのまま一気に突き放したいところだったが、早大のオールコートディフェンスにつかまりターンオーバーが増えてしまう。しかしディフェンスでは木村を中心にゴール下で簡単にシュートを決めさせず、リバウンドもしっかり取り相手に流れを渡さない。このQは両チーム気迫のこもったディフェンスで締まった展開となった。
4Qに入っても両チームのディフェンスが冴えロースコアの展開となり、1Qの得点差を慶大が守り切り68対49で逃げ勝つかたちとなった。新主将のサワは最終Qの7得点を含み両チーム最多の15得点を取る活躍をみせた。
サワは新主将としてチームを率いてくれるだろう
新体制として最高のスタートとなった。2試合通じて、新主将サワの言っていた「ディフェンス、リバウンド、ルーズボール」という慶大の持ち味を存分に発揮できていたように見える。大差で勝っている試合終盤でもルーズボールに飛び込む姿勢は、今年の慶大はなにかやってくれるのではないだろうか、という期待を抱かずにはいられなかった。また1部の早大に勝ったことで今年の1部昇格への期待はグッと高まったことだろう。主将サワの率いる新生慶大バスケ部に今年も目が離せない。
(記事:内田貴啓)
トカチョフ・サワ選手(環4 国学院久我山高)
(今日の2試合振り返って)東大戦は序盤ディフェンスが緩い部分があったので点を取られすぎましたが、後半からは立て直せて練習してきたことがしっかり出せたと思います。早大戦は、OBの方々も言ってくださいましたが、自分たちもディフェンスの手ごたえを感じることができました。あとは、ディフェンスからオフェンスの切り替えの精度を上げられたらもっといいチームになると思いました。(今日は速攻がよく決まっていましたが)昨季は速攻から外のシュートを狙うようにしていましたが、今季からはシンプルにパスを縦に繋いでゴール下でシュートを決めるように変えました。その成果が出たのだと思います。(春はどのような練習をしていましたか)5人のディフェンスのローテーションの練習と実戦形式のゲームをやっていました。細かい技術的な練習は去年相当やったので今年はあまりやりませんでした。(個人としては)去年のこの時期に体がでかくなって体力がついていかなくなってしまったので、今年はその反省を生かして体をでかくしつつ走れるような体型づくりをしていました。あとはゴール下で力強くシュートを打つ練習と、ひたすらミドルレンジのシューティングをしていました。(今季から主将ですが)周りからは主将っぽくないって言われますが、みんなが期待してくれているのでその期待に応えられるようにしたいです。みんなに支えてもらって、みんなの意見を引き出してチームをもっとよくしていきたいと思います。(どのようなチームにしていきたいですか)慶應は昔からディフェンスとリバウンドとルーズボールのチームなので、いいディフェンスをしてリバウンドもしっかり取ってルーズボールも負けないでオフェンスにつなげられるようにしていきたいです。そうすれば結果的に楽しい雰囲気になって強いチームになると思います。孔子の名言で「天才は努力する者に勝らず、努力する者は楽しむ者に勝らず」って言葉があるので、楽しくやっていきたいと思います。