【ソッカー(男子)】天皇杯予選学生系の部[Aブロック]決勝 良い場面はありつつも、退場者を出し手痛い敗戦 明大戦

2017シーズン初戦となった駒大戦を1-0の勝利で飾った慶大。この日は天皇杯予選学生系の部[Aブロック]の優勝を懸けて明大戦に臨んだ。雨の中行われた試合は序盤こそ慶大がペースを握るも、37分にPKを決められ先制を許すと、そこからは終始明大ペースに。さらに慶大は78分、81分と立て続けに退場者を出すと、後半アディショナルタイム3分には追加点を許し万事休す。リーグ戦にも影響を残す手痛い敗戦となった。

 

天皇杯予選学生系の部[Aブロック]決勝

 

2017/03/26(日)13:30KO @国士舘大学町田キャンパスサッカー場

 

慶應義塾大学0-2明治大学

 

【得点者(アシスト者)】

 

【明】37分 佐藤亮、90+3分 土居柊太

 

◇慶大出場選手

GK藤川誠人(総3・桐蔭学園高)

DF手塚朋克(環4・静岡学園高)

DF沼崎和弥(商2・暁星高)

DF鴻巣良真(総3・国学院久我山高)

DF北城俊幸(総2・青森山田高)

MF落合祥也(商2・横浜FCユース)→81分 岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)

MF片岡立綺(総4・桐蔭学園高)

MF小谷春日(環3・藤枝東高)

MF近藤貫太(総4・愛媛FC)

FW池田豊史貴(総4・浅野高)

FW渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)

 

昨季のリーグ王者相手に勝利を目指した

雨の中行われたこの日の試合、慶大は先日の準決勝駒大戦と同じ布陣で試合に臨んだ。駒大戦では1-0で勝利し今季初白星を挙げた慶大だったが、試合内容にはまだまだ改善の余地があった。そんな中臨んだ昨季のリーグ王者明大との決勝戦。今季から取り組む新しいスタイルのサッカーをどこまで体現できるか、注目の一戦となった。

 

近藤のボレーシュートは惜しくもポストに阻まれた

試合は前半立ち上がりから慶大がペースを握る。まずは4分、最終ラインからのロングパスを池田豊史貴(総4・浅野高)が落とし、近藤貫太(総4・愛媛FC)がダイレクトシュート。これは枠を外れてしまうが、その直後の5分には再び同じ形から近藤がダイレクトボレーを放つ。強烈なシュートは今度はポストを直撃。手塚朋克(環4・静岡学園高)主将が「チームとしてやりたいことははっきりしていた」と話したように、はっきりしたプレーで慶大が主導権を握る。その後も細かいパスを中心に、長短織り交ぜたパスで何度も良い場面を作る。守備面でも前からの積極的なプレスがはまり、明大に好きなようにボールを持たせない。4日前の駒大戦と比べて明らかにやりたいサッカーができていた、そんな矢先の37分。雨でスリッピーになっていたピッチで足を滑らせボールを失うと、そこから明大にショートカウンターでゴール前まで運ばれてしまう。たまらず足を出したプレーはPKの判定。これを決められ先制を許す。良い流れだっただけにもったいない失点。結局前半は0-1で折り返す。

 

公式戦初出場の岩崎

何とか追いつきたい慶大だったが、後半は終始明大ペース。前半の様な良い形が作れず、逆に明大に何度もシュートを打たれる場面が多くなる。攻撃の活路を見いだせないまま苦しい時間が続いていた78分。沼崎和弥(商2・暁星高)のプレーがハンドの判定となり、この日2枚目のイエローカードを受け退場。これを受けて81分に中盤の落合祥也(商2・横浜FCユース)に代えて公式戦初出場となった岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース)を投入。10人になった慶大だったが、何とか1点を取りに行く。しかしその直後の82分。今度はこの日良いプレーを見せていた渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)のプレーが一発レッドの判定となりこの日2人目の退場者を出してしまう。厳しめの判定にも苦しめられ、最後は後半アディショナルタイム3分に明大に追加点を許し、試合終了。0-2での敗戦となった。

 

前半は駒大戦の反省を生かし、明大相手に細かいパスや裏を狙う動きを繰り返して良いサッカーができていた。攻撃だけでなく守備の面でも前からチーム全体が一体となった動きで相手を苦しめ、最後の局面でもディフェンス陣が冷静に体を張って戦えていた。それだけにミスからの失点、その後崩れてしまったことはもったいなかった。しかしリーグ開幕まであと約2週間残されている。長くも短いこの期間で、この2試合で学んだことや上手くいったことをもう一度見つめ直し、開幕戦で再び面白いサッカーを見せてくれることを期待したい。

 

※この試合で退場処分を受けた沼崎と渡辺夏は、関東大学サッカーリーグ戦第1節・法大戦が出場停止となる。

 

(記事 岩見拓哉)

 

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試合後コメント

 

須田芳正監督

(試合を振り返って)残念だね。天皇杯はこれで終わりだからね。(退場者が出てしまったことについては)ノーコメント(笑)。しょうがないよ。(PKのシーンについて)この(雨の)状況の中でああいう軽いプレーというか、足の裏を使ったらコントロールしづらいので、不用意なプレーだったんじゃないかな。(先制を許すまでは攻守両面で良いサッカーができていたが)我々がずっと練習してきた良い距離感で攻守が一体となる、そういったことを心がけて本当によいプレーができていたと思います。でもあそこで一本欲しかったよね。自分たちのペースの時に1点取れれば先手が取れていたと思うので、結果が変わってきたかもしれないけど。まあ、でもやろうとしていたことはあの時間にはすごくできていたので、これは自信にして、またリーグ戦に向けてトレーニングして質を上げていければと思います。(途中出場となった岩崎選手について)ああいう状態だったんでね、ケガ明けだったんで、そんなに長い時間じゃないんでまだそんなに分からないけど、今年は彼にすごく期待してるんでね、特にセンターバックとして、ケガも治ったんでこれからコンディションを上げたり、プレーの質を上げていって欲しいなと思います。(修正すべき所は)やっぱり、良い時間帯はあったんだけれども、もっと自分たちでボールを動かして、相手を動かして、相手の穴をついていく、そういった事ができたと思うんだけど、0-1になったら、逆にちょっと消極的になっちゃったという感じで相手に合わせてしまった。こっちがもっと主導権を握って回してゴールを目指す。そこの時間帯をもう少し後半増やして行けたら得点シーンも多くなるだろうし、距離感が良くなってボールをテンポよく回せるようになれば、ボールを取られてもすぐ準備できるから相手陣内でプレーできるだろうし、そこの所をもっと自信を持ってやるためにも練習したいなと思います。(リーグ戦に向けて)一番の目標はリーグ戦で勝つことなんでね、まだ2週間あるんで、今回明治と駒澤と1部のリーグのチームと真剣勝負ができたので、できた部分もあったし課題点もあったので、まあただ良い経験になったので、そういった修正点を修正して、もうひとレベルアップしたいね。レベルアップしてリーグ戦の初戦の法政戦に持っていきたいなと思います。

 

手塚朋克(環4・静岡学園高)主将

(試合を振り返って)明治という強いチームとやれて、正直できた部分もできなかった部分もあり、課題も山積みなんですけど、こういう試合で勝ち切れなかったということはまだまだ僕たちは足りない部分が多いということを感じたので、そういう面ではすごく良かったのかなと思います。(前半は攻守に良いシーンがあったと思うが)前半は特に自分たちのリズムという時間があって、それと同時に相手の時間の時にも自分たちでうまくコントロールして試合を運べたのでそれは良かったんですけど、ただ、時間が経つにつれて相手のプレッシャーに負けて正直自分たちのサッカーを見失っていた部分があったので、そこをそのまま後半にズルズルと持っていってしまったので、そこは変えていかなきゃいけない一番のポイントだと思います。(今日の狙いは)今日というよりかは、自分たちは下でしっかりつないでテンポ良く攻撃につなげていくというのが僕らの今年やりたいサッカーなので、そういう意味では、まだまだ足りない部分が多くて、自信を持ってできなかったのかなと思います。(退場者が出てしまったことについて)何とも言えないですけど、退場するのもチームの状況と言うか、そういうことを把握しつつ試合を運ばなければいけないところだったので、あそこで少し気持ちが切れたりというのは無かったんですけど、チームを立て直すという主将の役割はもう少しできたんじゃないかなと思います。(リーグ戦前の2試合、主将として戦って今の気持ちは)準備期間が長かったのでいろんなことを確認できましたし、正直今日やった明治よりもチームとしてはやりたいことははっきりしていたと思うんですけど、リーグ戦に向けてもっともっと自信をつけてやっていれば、自分個人としても自信を持ってリーグ戦の目標達成、リーグ優勝に向けて進めると思うので、そういう意味ではあと2週間を短いと思わずにたくさんのことを追求できればと思います。(リーグ戦に向けて)今日分かったようにまだまだ足りない部分があるので、その足りない部分というのをしっかり追求していって、かつ自分たちができた部分とかストロングポイントをもっと引き伸ばしていけば必ず僕たちは優勝できると信じているので、負けたということには危機感を持たなければいけないので、しっかり全員で一丸となって練習から始めていきたいと思います。

 

片岡立綺(4・桐蔭学園高)副将

(試合を振り返って)最初前半はすごく良い形でディフェンスもできたんですけど、残り10分くらいのところで自分がミスをしてしまって流れを変えてしまったかなと思います。(先に失点して難しくなったか)あの時間帯にもうシンプルにやって前半は0-0で終わった方が良かったかなというのがあって、良い課題ではないですけど教訓になりました。(ゴールを奪えなかったがリーグ開幕までに突き詰めていく必要があるか)できたところもあったと思うし、でも相手に押し込まれた時間帯に耐えてもう1回自分たちの時間帯になるというのがあまり無かったので、そういうところは練習で突き詰めていきたいなと思います。(この2試合で完全に崩されての失点というのは見られなかったが守備面の手応えは)崩されての失点というより、今年は背が低いんでセットプレーでの失点がすごく嫌だなと思っていたんですけど、そういうのも特に無かったので、そこはみんな責任感を持ってやれている部分なのかなというのはありますね。(リーグ開幕戦では沼崎選手と渡辺夏選手が出場停止となるが)そこはもちろん痛いんですけど、ただ全員で戦おうと言っている中でそういうことは他の試合でもいっぱいあると思うので、そういう意味ではチーム一丸となってやりたいなと思います。

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