京王電鉄杯最後の戦いが4月15日、エスフォルタアリーナ八王子で行われた。今年の京王電鉄杯でまだ勝利を収めていない慶大にとってはなんともしても勝ちたいこの試合、対戦相手は東大だ。本戦は戦略、選手ともに前戦までとは異なる体制で試合に臨み、大差で勝利を勝ち取った。そして慶大はこの京王電鉄杯を9位で終えた。
2017/4/15(土)@エスフォルタアリーナ | |||||
第33回京王電鉄杯vs東大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 28 | 13 | 21 | 20 | 82 |
東大 | 9 | 11 | 22 | 15 | 57 |
♦慶大スターティングメンバ―♦ | |||||
#9 原匠(環3・近大付属高) | |||||
#13 山崎純(総2・土浦日大高) | |||||
#14 髙田淳貴(環2・城東高) | |||||
#6 堂本阿斗ディーン(商4・慶應義塾高) | |||||
#4 トカチョフサワ(環4・国学院久我山高) |
第1Q、開始16秒で東大のディフェンスの隙をつき慶大が先制。その後、サワを中心として連続で得点を決め、強さを見せつける。序盤で流れを掴んだ慶大は勢いを失うことなくディフェンス、オフェンスともにバランスのとれた試合運びを見せる。1Q後半も工藤翔平(政2・慶應義塾高)の3ポイントを筆頭に木村能生(環4・東山高)の連続得点で東大を圧倒し、大量リードで第2Qへむかう。
第1Qで大活躍の工藤
第2Q、最初にゴールネットを工藤が揺らすものの、そこから攻撃は停滞する。約3分半慶大は得点することができず勢いを失うが、タイムアウト直後に泉友樹雄(経2・慶應志木高)が得点し流れを変える。ルーズボールが見られるもののかたいディフェンスで失点を許さず、21点のリードで試合を折り返す。
第3Q、一進一退の攻防が続き、この試合で最も白熱したQになった。サワがレイアップシュートで得点を決めると、そこから冷静にフリースローを沈める。しかし、東大も負けずに反撃。素早いパスカットで慶大はボールを奪われ失点を許すが、その後すぐにサワが主将の意地を見せつけ速攻を成功させる。残り1分を切ってから7点が動き最後まで両者の勢いがとどまることはなかった。残り7秒のところで澤近がシュートを決め、62対42で最終Qへ進む。
第4Q、開始約4分間慶大は失点を許さない。澤近智也(環3・高知学芸高)、吉敷秀太(政3・慶應志木高)、髙田が連続で得点を決め東大を圧倒。その後も髙田の絶妙なパスで澤近が得点を決めるなど慶大のチームワークの良さが顕著に現れる。その後も泉がシュートを決め、バスケットカウントも沈める。最後まで慶大は集中力を切らさないチームディフェンスで東大に隙を与えなかった。残り19秒で澤近がゴールネットを揺らし、試合終了のブザーが会場に響き渡った。結果は82対57と大差での勝利となった。
試合最後の得点を決めた澤近
ここまでの京王電鉄杯で初勝利の試合となった東大戦だが、「内容的には全然だめだった」と工藤が試合を振り返るように、今後の課題が見えた試合となった。慶大が1番の目標として掲げているのはやはり早慶戦での勝利。その目標達成のためにも、次に見据えるトーナメント戦で慶大バスケ部の力を見せつけてくれるだろう。この京王電鉄杯5戦で見えた課題を強みにして、さらなる成長を遂げてくれることに期待したい。
(記事・前田さつき)
阪口HC
(試合を終えて)いっぱいみんなが出られたので良かったです。ファウルやけがなどで選手が出られなくなることもあるので、そういう場合を想定してできました。リーグ戦では、人がいなくなることを想定してやらないといけないからね。(次戦を見据えて)春は早慶戦しか見ていないので、トーナメントはその過程です。5月にちゃんとチームを作るのは難しいからね。
原匠(環3・近代付属高)
(試合を振りかえって)格下の東大が相手というなかで、ここ二週間の練習でやっていることを徹底するということを目標としていたのですが、いまいちそれが出来ていなかったというのが正直な感想です。二番手、三番手の選手が出られる機会で同じ質のプレーが出来なかったことが課題として残りました。(実験的に色々な戦略を試したということか)そうですね。特にオフェンスの練習を色々とやっていたので、今日はそれらを試していこうという試合でした。(自身のやりたいプレーはできたか)僕は外からシュートを打つことが多いんですが、それに関してはバランスを見て要所で打つことが出来たと思います。(個人的な課題は)特にオフェンスを練習しているなかで、それが上手くいった後のディフェンスを頑張らないと流れをつかむことができないので、そっちもしっかりと精度を上げて早慶戦に繋げていきたいと思います。(早慶戦に向けて今から準備していることは)早稲田は当たりの強いディフェンスが特徴なので、ガード陣は運びの部分で頑張らないといけないです。逆にインサイドではこっちに分があると思うので、インサイド陣はポジション別に色々と練習をしています。
工藤翔平(政2・慶應義塾高)
(今日の試合を振り返って)今日の試合は格下の相手だったのですが、やりたいことが明確になっている中でディフェンスとかリバウンドとかいつも徹底していたところが抜けていました。内容的には全然だめだったのですが、次につなげていけたらと思います。(どういう気持ちで挑んだか)僕は出場する機会が少ないので、出たらリバウンドやルーズボールといったところを頑張ろうと思っているのですが、自分の中で最初の方はいい感じで入れたかなと思います。(今日の役割は)リバウンドとロングシュート、ルーズボールを意識しているので、そういうところはいつも出ているメンバーよりも頑張れるように心がけています。(いつもの試合と違うところ)できるだけもっと中を意識してその動きに合わせて外の動きをするっていうのを心がけています。(第1Qでの活躍について)今日は中の人も自分のことをしっかり見ていてくれていい形で臨めたし、チーム全体としては中を意識してやっているのでみんなの意識が良かったのかなと思います。(これからの試合に向けて)これからトーナメントが始まるので、少しでも試合に出られるように練習の中でチームが徹底していることや、やるべきことを人一倍意識してチームに少しでもプラスになれるように頑張っていきたいです。
山崎純(総2・土浦日大高)
(試合を終えて)東大戦は、だいたい勝つとわかっていたので、早慶戦に向けて今練習でやっているインサイドにボールを集めることを意識して、まだなかなかうまくいっていないのですが、勝ち負けよりはそういうことを意識してやっていました。(様々な戦略を試していたが手ごたえは)今の時点では、あまりうまくいっていないのですが、それがかみ合ったら結構良くなるのではないかと思います。(京王電鉄杯中の状態について)先々週(4月1日)はけがをしていました。先週(4月8日)から少しずつ復帰していて、けがは良くなってきています。(早慶戦に向けての練習について)春の目標は早慶戦なので、練習もほとんどは早慶戦を視野に入れてやっています。(次のトーナメント戦に向けて)早慶戦前に関東の1部大学と戦える、良い経験ができる大会だと思うので、しっかり良い形で挑んで、早慶戦に弾みをつけられるといいなと思います。