【ラクロス(女子)】早慶戦企画第1弾!チームスタッフ対談!(友岡×柳井×小出)

女子ラクロス

5月21日(日)に日吉陸上競技場で行われる第25回早慶ラクロス定期戦。昨年の敗戦により早慶戦10連覇を逃した彼女達は“Grit’n’Grind”というスローガンを掲げて2017年シーズンを迎えた。2、3月の六大学戦で優勝の好スタートを切り、記念すべき第25回の早慶戦から新たな歴史を作り上げていくであろう彼女達のインタビューを早慶戦前日まで全6回お届けする。

左から小出、柳井、友岡

第1弾はチームを裏から支えるスタッフ3人の対談。主務としてチームを支える友岡芽唯(経4・慶應NY)、副務の柳井純央(商3・県立下関西)、トレーナーリーダーの小出優香(文3・明星学園)。普段なかなか聞けない裏方として見た今季のチーム。そして早慶戦の展望を語ってもらった。

 

「裏方での対談は率直にビックリして嬉しかったのと、こういうことを話すことがないなって」(友岡)

主務の友岡

——他己紹介をお願いします

友岡柳井:1年の時からすごいしっかりしていたのですが、学年が上がるにつれてどんどん上級生としての自覚が芽生えてきて。私は今就活中なのですが、サポートを色々して頂いています。あと視野がすごく広くて、いつも助かっています。

柳井小出:途中からトレーナーになったのですが、最初だけじゃなくて今でもずっと本当に勉強熱心で、選手のこともフィールドの外からよく見ていて動きの特徴とか1人1人分かっているし、トレーナーとしての知識も豊富です。選手が怪我をしてフィールドから出す時にも安心して送り出せます!

——小出さんは1年の時から入られた訳ではないのですか?

小出:そうですね、途中からです。1年のときはプレーヤーで1年の秋ごろからトレーナーになりました。秋だったのですぐに次の新入生が入ってきてしまうという焦りもあったりして、勉強を始めました。

小出→友岡:私も含めて部員の誰もが部活にいるだけで安心する存在です。スタッフの中のリーダーを務めて頂いているので、スタッフのことをまとめて下さるのもそうだし、主務として部活全体を見て下さっていて、部活の全員からの信頼がすごく厚い方ですね。視野もすごく広いのでスタッフを一緒にやらせて頂いていてすごく安心する存在です。

 

——今回このような対談企画をやると聞いて率直にどう思われましたか?

友岡:スタッフって裏方なのでこんな対談をするってことは全く考えていなくて率直にビックリして嬉しかったのと、あとこういうことを話すことないなって。いま褒められてちょっと照れました(笑)

柳井:記事を選手が見たときに、いつも何を思ってるか初めて知られるというか(笑)

小出:選手に対してもそんなに発信する機会があまりないので。

柳井:いつも何話してるんだろうって感じだよね、選手からしたら。

 

——みなさんの仕事内容を教えてください

友岡:マネージャーとしての仕事は純央と共通になるのですが、練習中だったらタイム管理・リスク管理や幹部と練習中の進行メニューを考えたりします。あとは、トレーナーとも一緒にやっていることが多いのですが、アップ・ダウン・対練、練習中のデータを取ったり、練習試合だったら審判をやったり、タイムコールやボトル出しなど、そういうのが基本的なことです。主務としての仕事は体育会関連の書類作成やOBGの方たちとの連絡を取ったり、体育会関連の仕事が多いですね。書類作成が日々あるっていう感じです。

柳井:マネージャーとしての仕事は友岡さんと一緒です。副務としての仕事も主務の仕事のサポートなので同じような感じです。早慶戦委員としての仕事は今ちょうど真っ只中なのですが、早慶戦を企画運営する感じです。ラクロス協会の方とOBGの方と早慶みんなで協力してやっているのですが、外部の方とのやり取りも多かったり、観客も6000~7000人来るので人の動きがすごく難しいです。ぜひ来ていただきたいです(笑)

小出:トレーナーとしては、選手がプレーするのにおいて一番邪魔になる怪我や痛みをどうやったら無くせるか考えています。もし怪我が起きてしまった場合は、例えばその人がどうやって怪我をしたか、単なる選手同士の接触で起こってしまったものなのか、その人の走り方が悪かったからなのか、体が硬かったからなのかとかをよく見て分析したりします。実際に怪我の原因が分かったらそれを根本的にトレーニングをしたり柔軟をしたりして、トレーナーのコーチの方とメニューを一緒に考えて、怪我をした選手に再度怪我が起きないような方法で指導していくっていう仕事をしていています。その他には、これも怪我の関連なのですが、痛みがある状態を少しでもサポートするために、テーピングをトレーナーみんなが勉強してサポートしています。あとは女性だと、スポーツをするにあたって体調不良が心配になったりということもあるので、それも怪我と一緒でどうしたら起きないかとか、体調不良が起きやすい選手には日常生活から改善させたりとか、選手が思い切りフィールドでプレーできるように身体的な面で持っていくということで関わっています。なので練習全体に関わるというよりは、選手個人個人に関わっていく仕事です。

柳井:全体として、見ることが仕事だよね。

小出:特に試合の時はウォーミングアップの段階から変な動きがないかとか、痛みがあるとどうしても隠し切れない部分があるのでそれをよく観察しています。もしおかしい動きをしている場合は試合に出るのにどうしても制限をかけなきゃいけないこともあります。そういうところで観察をすることも大事な仕事かなと思います。

柳井:トレーナーは人を個人個人で見ていて、私たちはグラウンドとか全体的なところを見ています。試合会場とかでも小出さんは一人一人を見ていて、私たちはどこでアップしようかとか、どう動かしてフィールドまで行くとかを考えています。

小出:全体を動かしてくれるのはマネージャーさんです。

柳井:練習中も私たちマネージャーは客観的に見ているので、試合から逆算して今この練習で本当にいいのかっていうことを考えています。

友岡:去年とかはあまりそういうことをスタッフから発言することがなかったのですが、今年は練習とか試合中の選手の緩さや雰囲気の悪さは気づくことができたので、選手に伝えるようになりました。そこから選手も考えるようになって選手とスタッフの間でも、意思疎通が前よりはできるようになってきたのかなと思います。

 

——みなさんのラクロスとの出会いは

友岡:私は高校が慶應NY高で、NY高で選手としてプレーしていたのが初の出会いです。大学からはスタッフとして運営側に回りたいなと思って、いまマネージャーをやっています。

柳井:私もラクロスではないのですが、高校までプレーヤーとしてバスケをやっていました。プレーヤーって自分が点決められないからって自分が頑張っても勝てないし、もちろん自分も努力するけど主体ではないというか。それに対してマネージャーはみんなを動かす立場だなと。ラクロス部は日本一という目標を掲げていて、実際グラウンドに行ってみたら雰囲気が良くて。そこでラクロスというよりラクロス部と出会ったという感じです。

小出:私は、中高は全く球技とかはやっていなかったので、大学で部活を決める時に、姉が他の大学のラクロス部に所属していたので、ラクロスを一回見に行こうかなと思って行きました。見に行った時はそもそもトレーナー志望だったのですが、その時にちょうどトレーナーの方がいらっしゃらなくて、流れでちょっとやってみることになって。初めてクロスに触ってやってみたら楽しいなと思ってそのままプレーヤーになりました。そこから何でトレーナーになったかというと、いろいろな自分の経験も踏まえて、思い切り何の痛みもなく何の不自由もなく自由にスポーツできるってすごいことだなと思って、それを自分がサポートしてきたいと思ったので、トレーナーになりました。

 

——みなさん元々はプレーヤーだったということですが、プレーヤーから裏方の役職に変わって何か見方は変わりましたか?

友岡:選手としてプレーしていた時はスタッフ陣が色々なことをしているというのが全然分からなくて、実際にスタッフになってから、体育会っていうこともあると思うのですが、多人数の部活をこうやってスタッフが運営していくのってすごく大変なのだなと実感しました。

柳井:一番は人に興味を持つようになったなと思っています。自分がプレーヤーだった時は自分が上手くなりたいとか自分が自分がということをすごく考えてしまっていました。自分がスタッフになってからは選手をどう成長させるかっていう、主語が述語になったみたいな感じで、すごく一人一人とフラットにコミュニケーションを取るようになりました。プレーヤーだったら上手にプレーしたい相手とだけどうしたいかを話し合っているところを、そうではなくてみんなと興味を持って話すようになったなというのがあります。

小出:私も純央と似ているのですが、プレーヤーをたった半年くらいですがやっていて、その時は本当に自分のことばかりというか、そもそもラクロスが初めてで毎日いろんなことを吸収していたので、どうしたら自分が上手くなるかとかそういうことばかり考えていました。プレーヤーの時は、例えばすごくかっこ良くて上手い先輩たちは才能があるんだという感じで割り切っていたのですが、スタッフになって本当に色々な人と関わる機会が増えて、その人それぞれの努力を感じるようになりました。例えば上級生から教えてもらっている下級生が色々不満を持ったとしても、上級生は上級生で色々考えているというのがスタッフになってから色々な機会で学ぶようになりました。私がトレーナーっていうのもあるのですが、何のためにウォーミングアップやきついトレーニングがあるのかというのは、選手の時はあまりよく分かってなくて本当にやりたくないというだけだったのですが、それが選手たちがプレーするにあたって必要なことなんだとか、これがいまのラクロス部にとって足りないことだというのをすごく客観的に見れるようになったので、そこはこの立場になって良かったのかなと思います。

柳井:あとスタッフの方がすごく難しいなっていうのがあります。選手だったら勝つために自分が何をすればいいかって考えられるけど、勝たせるためにとなると、自分が思っているように人が動かないとか、自分がただ頑張れば上手くなって貢献できるという風に上手くはいかない、自分がたとえ成長してもそれをどう伝えたら選手が動いてくれるかとか、本当にそこのところが難しいなって思います。

小出:難しい…私もせっかくちょっとだけプレーヤーを経験して気持ちが分かるはずなのに、いざ自分たちが怪我をした子に「よし、これでもう送り出せる」「これをやらせれば送り出せる」と思って張り切ってトレーニングやらせようとしてもあまりやる気がないとか。選手にとっては目の前で他の仲間が練習しているので、やっぱりどうしても「なんで自分はここにいるんだろう」とか葛藤がすごくあると思うのですが、そこを相手に訴えかけるのがすごく難しくて。選手の時は人を自分が動かすっていうことないので、そこはすごく頭が疲れますね。

友岡:特にコミュニケーションが一番重要だなというのをスタッフになってから気づきました。やっぱり気づいていても伝えないと理解できないので。プレーヤーだった時はがむしゃらにただプレーすることしか考えてなくて、何がダメで何が良いのかっていう判別ができていませんでした。集中して周りが見えなくなっている選手たちにどうやって客観視している私たちが選手たちに伝えるかっていうのが重要だと気づきました。

柳井:しかもできなくても誰も助けてくれないしね…。

小出:そもそもスタッフが少ないからね。

柳井:選手はフィールド内でミスをしても誰かがフォローしてくれるじゃないですか、でもスタッフは人数も少ないし、信頼の問題もあるし。私が選手に頼まれたのに私ができないから誰かに頼むっていうのもできないので。

小出:すごくシビアなところはありますね。やっぱり選手も正直なので、スタッフはなんでもいろいろ分かっていると思っていて、パッと聞いたときに私たちが迷ったりしたらそのスタッフにはあまり聞いてこないとか、実際シビアな反応があります。そういう意味では自分の行動に責任を持たなきゃいけないところがあるかもしれないですね。選手との信頼関係を作っていかなきゃいけないなって。

友岡柳井:信頼が大事です。

 

——今の役職をやっていてよかったこと・つらいことは

友岡:私は入部したときにマネージャーとトレーナーのどちらになるかすごく悩んでいました。例えばテーピングだったり体の仕組みに特化するならトレーナーで、そっちもすごくやりたかったのですが、全体的に練習中に関わりたいという気持ちの方が強くて、マネージャーはグラウンドに一緒に立って練習を進めていくので選手の成長がすごく感じられるかなと思ってマネージャーを選びました。私はその選択に後悔はしていないのですが、去年まで同期にもう一人いたマネージャーが卒業して私一人になって、自分の悩んでいることを誰かに相談できない、相談できる人がいないというのがちょっとつらい面です。選手とは悩んでいることが違うので。主務に立候補する時も、私はマネージャーとしての仕事がもうちょっとやりたいと思っていました。去年主務だったはなさん(早川芳=総4・日本女子大附属)が選手も主務もやっていてすごくつらそうにしていたのですが、私が主務に立候補する前にはなさんからお話を聞いて、私の代からは主務は選手からよりもスタッフから出てほしいというお話があって、選手の負担を少しでも軽減させてチーム運営に幹部として携わっていきたいなと思って主務になりました。なので主務になってつらいことは特にないのですが、部の運営に関わってくる仕事なので、責任は重いなと感じています。つらいことにはならないのですが、責任感が前よりも大きくなったかなと感じています。

柳井:良かったのは多くの部員と関われることです。自分が1年で入った時は、トップチームとサブチームと1年のチームと全チームつかせて頂いて、選手だと1年で4年と関わる機会もなかなかなかったのかなと思うのですが、色々な人と関われたのが、一番マネージャーとしては選手と違う良いところかなと思います。つらいことは、悩みを選手に相談できなくて、だからどうしようっていつもなってしまって、なかなか解決策が見つからないのが結構つらいです。

小出:ラクロス部には暗黒の場所があって…怪我をすると練習に参加できなくて、アウトするって言うのですが、選手が練習をできなくなったらその場所に集めていろんなトレーニングをしたり柔軟をしたり、個人メニューをしたりしています。一番自分がいる意味があるのかなと思うのが、そこに誰もいない状態になることだと思っています。そこにいくら人が来ても全然チームのためにならなくて、私がいくらその子たちにトレーニングを教えていても、「君はこういうことで怪我をしたんだよ」と怒ったとしても別にチームの得点になるわけではないので。選手たちが怪我を治して帰っていってもう二度とこの場所に戻ってこないようにする、そもそも怪我をさせないようにするのが大事なのですが、来た選手たちにどういう怪我が多いのかとか、たとえばグラウンド状況が悪くていっぱい怪我が起きていたならこういうときは練習をさせないように思い切ってしてみようとか、そういういろんな試行錯誤をして、ようやくその場所に怪我をした選手が誰もいなくなる時が、自分がいた意味がちょっとあったのかなとすごく思えます。この役職になって、特に怪我をした選手ですが、個人個人のことを考えたり、ゆくゆくはチームが勝利するためにいま何が邪魔なことなのか、なにが必要なことなのかと自分が考えたことが実際にチームに還元できるというのがすごくうれしいし楽しいところなのかなと思っています。ただ私が1年でトレーナーになったあと、2年の最後くらいにはトレーナーとして一番上の立場になることになって、まだ自分の中でも経験も浅くて、いろんな不安や迷いがある中で下の人たちを育成しながら自分も成長しないといけなくて、色々な不安もありました。お二人と一緒なんですが、自分が迷ったときや不安になったときに同じ立場の人が同期にも上にもいなくて、悩みを打ち明けられる存在がなかなかいないので、迷ったときに結局自分で答えを出して進んでいくしかなくて、そこがやっぱりつらいというか大変なところですかね。

 

 

トレーナーリーダーの小出

「ラクロス部は子供みたいな存在」(小出)

 

 

——みなさんにとって慶應女子ラクロス部とはどんな存在ですか?

一同:難しいな…(笑)

柳井:なんか、子供みたいな…(笑)

小出:分かる!本当に子供みたいな存在。

柳井:やっぱり立場は違うけど同じ部員として愛情持って育てているというか。

小出:本当に愛おしい子供みたいなところがありますね(笑)

柳井:怪我から復帰すると「よかったね~」って感じになります。

友岡:選手たちも結構私たちスタッフのことを頼ってきていて、分からないこととかあったらすぐ聞いてくるのでそういった面でも「ああかわいいな」みたいな(笑)

小出:試行錯誤しながらどんどん選手を良い方の道に寄せていく感じで、それが子供育てるみたいなところはあります。

友岡:チームとしては本当に色々な人がいて、良い刺激を受けます。

柳井:みんなバックグラウンドとかも様々ですごく大人数の部活なので、日々刺激を受けています。

小出:60~70人くらいの部員が一人一人本当に色々なことを考えていて…それが全部チームの勝利のためだし、人数多い中でいろんな葛藤とか、たまにすれ違ったりすることはあるのですが、みんなが同じ方向を見ているってすごいことだなと思います。尊敬できる人もいっぱいいるし、良い刺激があります。

 

——今年のチームはどんなチームですか?魅力はどこだと思いますか?

友岡:チームが始まった当初は4年でミーティングをして話し合って、仕組みや今後の方向性を決めたのですが、それがあまり詰め切れていなかったのかなと思っています。ただ今年の3年は思ったことをすごく言ってくれるので、その場で言って解決することがあっていいなと思っています。私の代の選手も言っているのですが、本当に今の3年には頭が上がらないです。

柳井小出:いやいや…(笑)

友岡:すごくしっかりしていて、チームの勝利のために自分たちが何をすればいいのかっていうことを考えていて、いま4年が就活の時期で6月末くらいまで3年に幹部を引き継いでいるのですが、何の心配もいらないというか。

柳井:3年は結構肉食というかガツガツしてる(笑)

小出:4年は一人一人が部のこともそうだし自分の成長にすごく貪欲だし、その背中が後輩に伝わっていってみんなが成長に貪欲で努力を惜しまないという感じになっているので、パワフルなチームだなと思いますね。始まったばかりなのでまだ見えてない部分も多いのですが、4年がすごくパワフルでそれに3年が続くみたいな感じなので、このまま加速していけるかなと思います。

友岡:スタッフとして見ていて思うのは、色々な問題はあるのですが、選手一人一人が本当にラクロスが好きでラクロスと向き合っているんだなというのはひしひしと伝わってきます。それを見ていて今年もどんどん成長できるんじゃないかなっていう期待はしています。

柳井:新1年もいっぱい来ているのでそれもまた楽しみだなって思います。

小出:私が新歓係をしていて、去年も割とたくさん入ってくれたのですが、今年は新歓のイベントに対する反応もすごく多くて、たくさん入ってくれるんじゃないかなっていう期待があります。そうなったらすごくチームも勢いづくので楽しみです。

 

——出原主将(#99・経4・慶應女子)はどんな方ですか?

小出:変わってる人です(笑)

友岡:パワフルだけどちょっと繊細なところもあって。1年の時は、自分がチームに与える影響とかをあまり考えられていなかったのですが、上級生になるにつれてすごく上級生としての自覚が芽生えていって、3年の時とかは自分の言動一つ一つでチームが上がったり下がったりするのに気づいたみたいで、その時から私はかよこは主将になるんだろうなというのは想像していました。今年は主将なのでいろいろ考えることがあるみたいで、仕事とかもあってすごく辛そうにしているのですが、その中でも自分の軸はブラさずに、日本一に向けて自分はなにするべきかをちゃんと考えていてすごいです。

柳井:素敵です、すごくついていきたくなる。

小出:ラクロスが大好きなのもラクロス部が大好きなのも見て取れるし、絶対大変なはずなのにそれを全く見せないで、一人一人をすごく見てくれている気がします。自分がつらいのを見せないのはすごいことだなと思います。いつも笑顔なので、後輩みんなに不安を与えないような人かなと思います。

 

——今のチームの雰囲気はどうですか?

友岡:今年から人数が多くて、何を考えているか分からなくなってきているということで、一人一人と話す機会を設けています。ファミリーという縦割り制度があるのですが、私の学年では何か月に何回やると決めています。あとビッグ4という選手たちの縦割りのグループがあって、そういうグループでも下級生と上級生が密にコミュニケーションを取る場を設けていて、全員が関わる場が多くて雰囲気もいいのかなと思います。下級生から上級生ってやっぱり色々言いにくいこととか怖気づいちゃって言えないこととかも多いと思うのですが、私たちは下級生に自分たちから絡みに行って会話をしたり色々吸い上げていこうと取り組んでいて、だんだん雰囲気は良くなっているのかなと思います。

柳井:話しやすいよね、下級生としては

小出:話しやすい。1・2年の時はしゃべりづらいというのもあるかもしれないのですが、やっぱり今の4年はそもそも4年自身が自発的というか思ったことをすぐに行動する人たちが揃っているような気がするので、その背中を見て私たちの学年もそうだし後輩がついていきやすい話しやすい気がします。

柳井:いい意味で壁がないというか。

友岡:嬉しい言葉だ(笑)

 

——Grit’n’Grindというチームスローガンにかけて、「これだけはチームメイトに負けない!」という磨き続けていることはありますか?

柳井:私はチーム全体を見るのが好きだしそういうのが得意だと思うので、練習とか技術とかじゃなく「これが足りないんじゃないか」とか、そういうのに気づいて、どうやって形にするかというのがまだ私の課題なのですが、発信していってそれをもっと磨いていきたいなって思います。

小出:本当にトレーナーって知識がないとどうにもならないところもあって。上級生になったからといって別に学びが終わる訳ではなくて、知っておかなければならないこともたくさんあるし、今は1・2年の時よりは、例えば何かが起きた時にあたふたしたりということはあまりなくなったのですが、いくら冷静でも知識がないと行動に移せないので、学ぶことなのかなと思います。

友岡:私は純央に結構似ているのですが、下級生の時からスタッフという立場なので色々なことに気づくことはできてはいたのですが、上級生になるにつれて本当はもうちょっとそういうことを発信していかないといけないと思っているですが、やっぱり発信というのが結構難しくて、気づいてもそれをどうやって発信するかというのを日々悩んでいます。選手はプレー面で結構磨き続けるところがあると思うのですが、スタッフってなんだろうって結構思ったりすることもあって。ヘッドコーチの大久保さんから「スタッフは仕事がないのが一番ベストなことなんだよ」と言われて、仕事がないってことは選手が万全な状態で勝っている状態ということなので、そこまでにたどり着かせるのが私たちの役目なのかなと思っています。そういったことも自分ができることを日々見つけていって、仕事がないとまではいかないと思うのですが、そういったことを日々見つけて発信していくというのを頑張っていきたいです。

小出:スタッフって自分の成長とか自分の存在意義とかを見失いがちというか、自分が成長したなって実感する機会ってあんまりないので。選手みたいにシュートが入るとかそういうことではなくてあまり目に見えるものではないので、磨き続けるのって難しいですね。

 

——オフの日はどのように過ごされていますか?

友岡:ずっと寝てます(笑)「オフの日だから出かける!」っていうのは私はそんな無くて結構家でぐーたらしたり、本当にすごくたまになんですが、元気な場合は同期で集まってご飯食べたりとか軽く遠出したりとかはします。

小出:寝だめしますね。私は一番多いのは前日に部活やって「明日オフだ!」と思ってその日の夜は友達とご飯行ったりとかして結構遅くまで楽しみます。その次の日は始発乗らなくていいんだと思ったら結構遅くまで遊びますね。オフの日自体は逆に次の日がもう部活なので、もう寝とかないとみたいな感じです。

柳井:夕方くらいから明日の準備に頭が回るよね。

小出:トレーナーは誰が今怪我をしていてどういう状況で次の明日のメニューはどうするかとか、色々そういうことも考えたりすると、オフの日はもうイコール部活の前日なので、一番気が楽なのはオフの前夜ですね。そこで遊びます。

友岡:前夜はご飯食べに行ったりします。

 

副務の柳井

「私たちじゃなくてチーム慶應ラクロス部で戦えるのが早慶戦」(柳井)

 

 

——早慶戦に向けて裏方として行っていることはありますか?

柳井:早慶ラクロス定期戦実行委員の仕事は色々あるのですが、私はパンフレットが主な仕事で、今年は25周年ということで25周年企画をどう面白い企画にするかというのがあります。早慶戦ってまずラクロスを知ってもらう・ラクロスの知名度あげるのと、あとは普通に早慶の仲を深めるという目的があって、25年の歴史を比べてラクロスが進化してきたんだというのが分かるパンフレットにできたらいいかなって思います。

友岡:スタッフとして早慶戦のために特に行っていることはないのですが、メーリスとかでも早慶戦まであと何日というのをつけていて。そこでもでもどんどん早慶戦が近づいてきて選手たちも「あと何日しかない」ってなっているのですが、私自身も4年で最後の早慶戦で、去年は10連覇がかかっていて負けてしまったので今年は絶対に奪還したいという気持ちがあります。それに対して自分が特別に何かをしているということは無いのですが、日々の自分のすべきことを考えてそれが勝利につながるならいいなと思います。

小出:早慶戦前だからこういうことをしているってことはないのですが、去年負けているので選手としても勝ちたい気持ちや焦りもある中で、早慶戦だけに限らずなのですが、もうさすがにこの時期から怪我をしてしまったら試合に出るのは厳しいんじゃないかという時期がもう来ているので、日々のリスク管理の部分だったりは変わらず行っていて、私も絶対に怪我が無いように願っています。やっぱり今一番頭がいっぱいなのは怪我ですね。それが無いように自分がどうしたらいいかとか、コンディションをそこに向けてどうやって上げていったらいいかとか、そういうことを考えて行動していくという感じですね。

 

——早慶戦を見ている人に注目してほしい選手は

柳井:私は同期のかな(伊藤香奈=#73・経3・慶應女子)です。今年のディフェンスでインターを作りたいと言っていて、彼女はもともとインターが上手だったし、インターを取る役のところに入ると思うので、ディフェンスからのターンオーバーっていうインターをやるのを注目してほしいなと思います。

小出:私も同期のあみ(友岡阿美=#32・政3・慶應女子)です。あみは、かなもそうなんですが、初心者だったのにあそこまで上手くなって。あみの場合は運動神経がすごく良いのでそういう部分も大きいと思うんのすが、大型の選手が多い中で、ラクロスのあんな大きいフィールドをあんな小さい体で走り回ってシュートを決める姿は、たぶんラクロスを全く知らない方が観てもすごく迫力もあると思います。トレーナー観点から見ても結構選手としてのコンディションもすごくいいですし、私自身すごく注目しているのでぜひ見てほしいなと思っています。

友岡:そうですね、なんかありきたりな人を言いたくない(笑)去年の夏頃からずっとアウトをしていてリーグ戦に全然出られなかったまさ(山﨑茉莉花=#89・政4・渋谷幕張)ですね。人一倍努力をしていて、1年の時からオフの日も必ず新丸子にいるっていうくらいすごい努力家です。本人はフィジカルリーダーというフィジカル面での選手の立場でのリーダーを務めていて、チームに自分がどういったことをしたらいいかというのを日々悩んでいます。ダイナミックなプレーをして、今年からアウトではなくなって復帰したのですごく期待している選手です。

 

 

——去年の早慶戦は10連覇を果たせず悔しい結果になりましたが、どのような思いでご覧になっていましたか?

友岡:私はベンチに入ったのですが、準備をもう少しできたのかなと思っています。当日すごくあたふたしてしまって、時間配分を考えてはいたのですが、それが色々押したりして、自分の中でもちゃんと臨機応変に対応できなかったなというのもあります。選手たちも準備というものが、試合に対して上がっていたのですが、いざ試合になったら去年初めて早慶戦という舞台に立ったような選手もいて、すごく緊張していて声もあまり出ていなくてミスしてしまって。慶應のダメなところなのですが、ミスしたら下がってしまうところがあって、そこからどう挽回するかというのもあまり考えられていなかったのかなと思っています。負けたことは私も悔しくて、今まで早慶戦に関しては勝つことが当たり前だと思っていたので、早稲田に負けたことで、常に勝ち続けることはやっぱり難しいんだなと思いました。やっぱり他の大学のチームも常に日本一を目指して頑張っているので、色々な大学と競っている中で私たちも勝利に対して貪欲にいかないなと痛感した試合でした。去年のシーズンが始まる当初は、選手たちも、私も含めなのですが、心の中のどこかで「勝てるでしょう」みたいな思いがありました。やっぱり負けてから気づくのでは遅いので、今年は常に貪欲に勝利に対しても目指していかないといけないなと思います。

柳井:私は委員で当日あまり見れなかったのですが、早慶戦で負けたことによってその後の練習も上手くいかなくなってしまって、結局開幕戦も負けてFINAL4にも行けなくて。早慶戦で勝って自信をつけることがその後のリーグにも気持ちの面では結構大きいのかなと思ったので、早慶戦ももちろん今年は勝ちたいですけど、それに勝たないとリーグ戦も勝てないと思うので、そこで勝って勢いつけてリーグ戦に臨めたらいいなって思います。

小出:去年の試合は10連覇がかかっていると言われていたのですが、そもそも10連覇というのはその代その代の先輩たちが勝ってきたものであって、実際私にとっては実質初めての早慶戦というか、部に入って部で活動してきてそれを発揮する場として、私の同期も、そのフィールドに出ていく人にとってはそれが初めてだったりするので。10連覇がかかっているというのは慶應全体を見てくれていることなのですが、16チームにとってはそれが初めての早慶戦なので、それで勝てなかったというのは、それこそその前の先輩たちが勝ってきて早慶戦に勝てる自信みたいのがどこかにあって、でもそれが負けてしまったのはそのチームが相手の早稲田より努力が足りなかったというだけのことだと思います。あの負けがあったからこそ、負ける辛さというか、自分たちが努力してきたつもりでも負けて、応援してくれていた人も含めてみんなが悲しい気持ちになるし悔しい気持ちになる、それが嫌だからみんなで笑いたいから勝ちたいみたいな、勝ちに対する貪欲さが出るきっかけになったのかなと思っています。慶應がスマートに勝ち続けるみたいな印象が私も入部するときにはあったのですが、やっぱり努力をしなければ勝てないし負けたんだったら相手よりもっともっとやらなきゃいけないしというのがすごく学べた良い機会だったのかなというのが、私にとってもありますね、去年の早慶戦は。

 

——早慶戦はどんな舞台ですか?

柳井:委員目線で言うと、全日本選手権とかも盛り上がるのですが、それに筆頭するくらい他大学の人やOBGの方々がたくさん来て下さるので、私たちだけでなくチーム慶應ラクロス部というか、みんなで戦えるのが早慶戦かなと思います。

小出:早慶戦ってすごいなって思うんですよね私は(笑)わざわざ早稲田と慶應にいろんな人が注目して早慶戦という名前で色々なスポーツでやっていて。リーグ戦とかはラクロスというものに焦点が当たっていると思うのですが、早慶戦は大学対大学で全くラクロスを知らない人たちも慶應を応援していたり早稲田を応援していたりっていう、ラクロスを知ってもらう機会でもあれば、慶應を知ってもらう機会でもあって、私たち慶應女子ラクロス部という中だけでなく色々な人とのつながりを実感できる舞台です。

友岡:私も同じような感じなのですが、本当に色々なところからOBGの方や友達や保護者の方とか色々な人が来て早稲田と慶應の試合に注目していて、あの場のあの雰囲気が私もすごく好きだし、あの舞台で走って点を決める選手ってすごい爽快感なんだろうなと思います。OBGの方は結構地方からも早慶戦のためにわざわざ来てすごく期待して見て下さっているので、絶対に勝たなきゃいけないなと思っています。あとは他のリーグ戦とは違う盛り上がりだし、リーグ戦で早稲田と戦う時ももちろんそうなのですが、やっぱり早慶戦という舞台で戦って勝つのがその後のリーグ戦に向けても一番大事な試合だなと思います。

 

——早慶戦に向けて意気込みをお願いします

友岡:去年負けたこともあって、スタッフとして何ができるのかを考え直さないといけないなと思っています。選手がプレー面で負けたのはもちろんそうなのですが、準備の段階で私たちスタッフももっとできることがあったのかなと思っていて、そういった面に関しては絶対に漏れなく隅から隅まで、当日のスケジュールというのも考えて絶対に選手を安心させてフィールドに送り出したいなと思います。

柳井:スタッフなのですが、絶対に勝ちたいというのがあります。これから早慶戦までの練習で、早慶戦まであと何日なんだという意識を持って選手に接する、危機感を私が感じていてそれを選手が気づいてなかったら気づかせてあげないといけないし、残された時間を早慶戦を意識した上で行動していきたいなと思います。

小出:やっぱり去年負けているので絶対に勝ちたいっていう気持ちがもちろんあります。選手が本当に早慶戦に対してすごく思いが強いので、その思いとそれに向けてたくさん練習してきていることを最大限発揮できるように安全にフィールドに出てもらうために、選手のコンディションを整えて絶対に勝ちたいです。

 

お忙しい中ありがとうございました!

(取材:伊藤史織)

 

 

◇友岡芽唯(経4・慶應NY)

今年度の主務を務める友岡さん。スタッフリーダーとして、スタッフだけでなく17チーム全体を支えています。 

 

◇柳井純央(商3・県立下関西)

副務を務めるほか、早慶ラクロス定期戦実行委員として早慶戦の企画・運営にも携わっている柳井さん。色紙には早慶戦25周年にちなんだ言葉を書いていただきました!

 

◇小出優香(文3・明星学園)

トレーナーリーダーを務める小出さん。自身のラクロス経験と豊富な知識量を基に、選手の健康面をサポートしています。

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