9月に始まったリーグ戦も、残りはあと2試合を残すのみ。すでに1部復帰の夢は断たれてしまったが、ここ最近は強敵相手にも勝利を収めるなど好調をキープしている。この調子を維持して、今シーズンを良い形で締めくくっていきたいところだ。この日の相手は東洋大。現在最下位とはいえ、直近2試合で勝利を挙げて勢いに乗っており、油断は禁物だ。慶大は高橋・鳥羽・原という主力3人を欠く中で勝ち切ることができるのか。大雨にも関わらず訪れた多くの観客が見守る中、試合は幕を開けた。
2017/10/22(日)@東洋大学総合スポーツセンター | |||||
第93回関東大学バスケットボールリーグ戦 vs東洋大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 17 | 15 | 19 | 20 | 71 |
東洋大 | 12 | 13 | 22 | 13 | 60 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
#13 山﨑純 (総2・土浦日大高) | |||||
#20 甲谷勇平(環1・東山高) | |||||
#6 堂本阿斗ディーン(商4・慶應義塾高) | |||||
#14 髙田淳貴(環2・徳島城東高) | |||||
#7 木村能生(環4・東山高) |
1Q、開始早々に山﨑がいきなり3ポイントを沈めて好調ぶりをうかがわせる。だが序盤は両者ともに攻撃が停滞し、得点が入らない時間が続いた。それでも慶大は残り5分に堂本阿斗ディーンが自らのシュートのこぼれ球を押し込むと、続いては弟の堂本魁リン(商1・慶應義塾高)のパスから得点を決め、流れを引き寄せた。残り2分、今度はその堂本魁リンがポストプレーから得点を挙げると、負けじと兄の堂本阿斗ディーンも左コーナーからの3ポイントをヒット。”堂本兄弟”の大活躍にベンチは大いに盛り上がり、5点のリードを奪って2Qへと向かう。
得点とリバウンドで大暴れした堂本阿斗ディーン
2Qも引き続き主導権を握ったのは慶大。このQの攻撃の中心となったのは司令塔の山﨑だ。まずは好調の堂本阿斗ディーンの3ポイントを巧みなパスでお膳立てすると、自らもドライブで敵陣を切り裂き次々と得点を挙げていく。残り2分半にはスティールを奪って速攻に持ち込むなど、守備での貢献も光った。また木村を中心にリバウンドに対する意識も徹底されており、インサイドの攻防でも優位に立つ。慶大の最後の攻撃では、またも山﨑のアシストから甲谷のシュートが決まり、32-25でハーフタイムを迎えた。
両チーム最多の24点を挙げた山﨑
3Q、慶大は堂本阿斗ディーン・山﨑がタフショットを沈めて得点を重ねていく。ところが東洋大にペイントエリアから次々に得点を許し、残り6分を過ぎたところで36-36の同点とされてしまう。それでも甲谷・木村が連続でバスケットカウントを決めて会場を沸かせると、直後に高田の連続得点も飛び出し、何とか流れを取り戻した。その後は堂本阿斗ディーンの巧みなフェイダウェイが決まるも、なかなか点差を離せない苦しい展開が続く。しかし1点リードで迎えた最後の攻撃で山﨑が1on1からの3ポイントを見事にヒット。最高の形でこのQを締めくくった。
スターター起用に見事応えた甲谷
4Q、序盤から慶大が再びペースを掴む。まずは守備で木村が気迫のこもったブロックショットを連続で決めてチームの士気を高めると、攻撃では髙田・山﨑の2年生組が外からのシュートを沈め、相手を一気に引き離した。途中4点差まで迫られる場面もあったが、今度は木村・堂本阿斗ディーンの4年生コンビが、それぞれフリースローとミドルシュートを確実に沈め、相手の反撃を封じ込める。終盤には堂本阿斗ディーンのリバウンドからのシュート、さらには木村の3ポイントまでも飛び出し、勝利を確実なものとした。こうして試合は71-60で終了。慶大は今季のリーグ戦5勝目を挙げた。
攻守にインサイドで奮闘した木村
選手全員が自信を持ってプレーできており、スコア以上に実力が発揮された試合となった。少し時間はかかってしまったかもしれないが、ようやく自分たちのやりたいバスケットボールが体現できるようになったのではないだろうか。現チームに残された試合はあと1試合。選手全員、特に4年生は悔いが残らないような、慶應らしい熱く、激しく、素晴らしいゲームを期待したい。
(記事・徳吉勇斗)
木村能生(環4・東山高)
(今日の試合を振り返って)全員で戦う気持ちを持って、チームとしてすごく良い試合が出来たと思います。例えば工藤が本来のポジションではないのにリバウンドを頑張ってくれたし、各々がしっかりと自分の役割を考えてプレーしていました。全体として良いプレーが出来たし、チームとして成長出来た試合になったと思います。 (東洋大に対して警戒したことは)東洋大は今日負けると最下位が決定するので後がない状況だったと思います。でも僕たちにとっても負けられない試合なので、勝ちたいという気持ちを強く持ちました。そのチーム全員の気持ちが、最後の自分のシュートにも繋がったのだと思います。 (その最後の3ポイントについて)本当に久々に打ちましたね、しばらく打ってなかったので(笑)。(パスを出した)阿斗が絶対にシュートを打つと思っていたので後ろで待っていたのに、パスが来てしまったので、打つか、と思って打ちました。入ったのはラッキーです。でもチーム全員の勝ちたい気持ちが一つになって入ってくれたのだと思います。本当に助かりました。(堂本阿斗ディーン選手の活躍について)高橋が怪我でいない中で、4年生2人でやっていかないといけないと思います。僕も試合中少し怪我してしまってきつかったですけど、そこで勝てたのは大きかったです。(最終戦に向けて) とにかく思い切りやって、今日できたようにチーム全員で戦っていきたいです。ホームゲームでは負けてしまって、たくさん来てくれたお客さんに申し訳なかったので、今度こそ借りを返して、絶対に勝ちたいです。
堂本阿斗ディーン(商4・慶應義塾高)
(今日の試合を振り返って)何より本当に勝てて良かったです。リバウンドなど、リーグ戦前半で出来なかったことが、やっとチーム全体で出来るようになったと思います。 (20得点の大活躍だったが)調子のいい選手が調子の良い時に点を取らないといけないと思うので、その役割を果たせたかな、と思います。 (東洋大への対策は)運動神経の良い選手が多いチームなので、僕自身何本か取られてしまったのですが、リバウンドの所を特に意識していました。それが上手く結果に繋がりました。(弟の魁リン選手との連係プレーもあったが)すいません、あまり覚えてないです(笑)。多分よかったと思いますね(笑)。彼とプレーできるのもあと1試合なので、頑張ってほしいです。(最終戦に向けて) 勝ちたい気持ちが強い方が勝つと思うので、その気持ちを全力でぶつけていきたいです。絶対に勝ちます。