【バスケ】2011開幕特集・金子 峻也副将

今回お話を伺ったのは金子副将(環4)。二ノ宮前主将の跡を継ぐ慶大の攻撃的ガードだ。物怖じしない強気なプレイと高い得点力は相手チームにとって脅威となり昨季の慶大の強い武器となった。多くの出場機会を得たことで長所と課題も浮き彫りになった昨季。そして今年はガードとして副将として味方を生かしつつ自分も点を取りチームを引っ張る。

―昨年度を振り返って、二ノ宮前主将(環卒・トヨタアルバルク)の代役を見事に務めましたが

今までは試合に出る機会があまりなかったんですけど、昨年は二ノ宮さんのケガもあってプレイングタイムを長くもらえました。今思えばあの怪我があってよかったというのは変ですけど、今年に向けては僕を含め皆出場機会が増えて良い経験になったと思います。僕としても試合感を取り戻せたというか、遠慮せずにプレーできるようになったのでそれもよかったです。

―試合に出場する中で感じたポイントガードとしての成長と課題とは

成長した部分は先ほども言ったように、自分の持ち味を出せるようになってきたというか、良い意味で遠慮せずにプレーできるようになった所です。それから下手なりにディフェンスが形になってきたので、それは今年も継続していきたいです。課題はいっぱいあるんですけど、一番はアシストが少ないこと。リーグ戦のスタッツ分析をしても二ノ宮さんがいない時はアシストの数が少なかったのでそこを今年は意識したいです。

今季はゲームメイク力が問われる

―経験を経るに連れて持ち味である個人技を出せるようになってきたか

大学入学してから去年の途中まではPG(ポイントガード)として自分の持ち味を出していくか迷っていた部分があるんですけど、試合に出る中で攻めすぎずなおかつ自分から仕掛けるというバランスが取れてきたと思います。あとは大学のトップチーム相手に1対1で仕掛けて点が取れるようになったことは自信になりました。

―それでは今シーズンについて、金子選手は副将になりましたがその経緯と理由は

今年は去年の4年生3人(二ノ宮・酒井・岩下)が抜けて誰が見ても戦力ダウンしているので、練習1回1回の質を高めることを学年で話し合いました。それで僕が自分の性格でもあるんですけど、誰にでも意見を言えるというか、嫌われることを恐れずに注意だったりアドバイスを指摘できるということで、副将になりました。

―役割はチームに厳しさを出すことか

プレーもそうなんですけど、練習の姿勢についても注意することが僕に求められている役割だと思います。僕自身副将になってやりたかったのが、上に立つ人間が練習を全力でやるということ。毎年の練習を見ていて、上手くなる人ほど、ボールを使わない走る練習に全力でハッスルしていない印象を受けていたので、自分は上の立場でも誰よりも全力で体力練習に取り組んで、そういった悪い風習を変えようと思い、副将に立候補しました。今は怪我をしていて練習出来ていないんですけど、怪我する前は誰よりも練習を頑張ってきた自負がありますし、それは4年生になり副将という役職に就かせてもらったことも大きいと思います。

―去年の4年生を見て学んだことは

個人的には祐典さん(酒井前副将・環卒)が同じ副将として、昨シーズンが終わったときに「俺は副将だけど主将のつもりで1年間やっていた」と言っていました。そういう姿勢があったから二ノ宮さんが抜け、主将不在になったときもチームは崩れずにリーグ戦を2位で終わることができたと思うので、そこは僕も学んで副将というよりは家治と2人で先頭に立ってチームを引っ張るという意識でやりたいです。副将としてそういう所を学びました。

―去年と今年のチームの違いは

かなり違いますね。全体の実力では落ちるんですけどディフェンスは今年の方が良いと思います。今年は高さがない分動く量でカバーしなければいけないので、たくさん動く厳しい練習をしています。ディフェンスの高さはないですけどプレッシャーという部分では今年の方が良いと思います。あとは今の課題が得点力とリバウンドですね。これを詰めなきゃ去年のレベルには追いつけないと思います。

―金子選手自身はどのようなプレーをしていきたいか

シーズンが始まる前に今年はどういうプレーをしようかと考えて、最初はPGとしてパスをしっかりさばくことを重視していました。でも練習してみると思った以上に得点力がないので、パスを出すにも点を取る人を選んだり、困った時は自分で取りにいかないといけないと思います。なので状況をしっかり判断して周りを使うなり自分で仕掛けるなりしていきたいです。

―周りを使うという面で周囲の選手の特徴は掴めてきたか

それもやっぱり昨年のリーグ戦が良い経験になっています。この人はどういうプレーをするのかというのを実戦の場で理解できたことはよかったです。去年から下級生は多く出場していて一緒にプレーしてきたし、連携の部分で劣る所はないと思います。

―今年はガードとして蛯名(法2)とコンビを組むことが予想されるが、蛯名に期待することとお互いの役割分担は

まずはディフェンスとリバウンド、まぁそこは言わなくてもできると思います。あとは攻撃の形として蛯名が点を取るよりは僕が取りに行くケースが多くなると思うので、そこで僕が攻めたときにPG的なポジションをとってバランスを保って欲しいというのがありますね。チームとしても4年生が点を取るのが理想的なので、ドライブして相手を引きつけて外にボールをさばくなどのプレーを増やして欲しいです。

―今期待している下級生、新入生はいるか

それ聞かれると思って考えていました(笑)。今期待しているのは新人の伊藤です(環1・洛南高校卒)。ポジションが同じなんですけど、僕とはタイプの違うガードで僕とのギャップを作って欲しい。バスケ知っているんですよ。あいつが上達することで相手にとってやりにくいチームになると思います。

―伊藤選手と自身の違いとは

簡単に言うと僕はどうやってシュートに持っていくか、点を取るかを考えてドリブルするんですけど、伊藤はいかに味方を空けるかを考えてプレーする感じですね。彼はバスケをよく知っているし、良いパスを出すんですよ。まだ1対1の能力は足りないんですけど、僕とは違う特徴を持った良いプレイヤーです。浅はかな期待としては正1番(ポイントガード)が出てくることで僕が2番(シューティングガード)としてプレイ出来る時間が増えることがありますね。やっぱり1試合の中で数分でいいので2番で、点を取ることにだけ集中してオフェンス出来る時間が欲しいですね。そっちが本業なので。

―2番やりたいですか

いや、もはやそういうことは考えていないです(笑)。でも、できれば嬉しいという気持ちは多少ありますね。蛯名も純粋な1番ではないし、僕が怪我をする前は練習で僕が1番で蛯名と矢嶋が交代で2番をやっていたので先生は蛯名を2番で使うつもりかもしれないです。今は僕が怪我をしてて蛯名が1番、矢島が2番なんですけど。どちらにしても早く復帰したいです。

―ライバルだと思う大学とか選手はいるか

個人的に対戦したいのが筑波大の田渡選手です。タイプも点を取るスタイルで似ているし、奇しくもインターハイでの得点ランキングの1位と2位なんですよ(1位:金子選手、2位:田渡選手)。僕はミニバス時代から知り合いで、試合したことは何度もあるんですけどマッチアップの経験はまだないので今年はやりたいですね。今年は1部チームを見てもPGで上手いのは彼ぐらいなので、目標というか対戦するのが楽しみです。

―最後に今シーズンの目標と抱負をお願いします

まずは皆でトーナメントと早慶戦、リーグ戦、インカレ優勝という目標を立てたのでそれを達成することです。あと抱負なんですけど、僕個人では今年は周りが僕らのことを強いとは思っていないからこそやりがいがあって楽しみにしているし、良い結果を残してビックリさせたいですね。ダークホース的な感じで今年もなんだかんだ慶應強いじゃんっていう印象を周りに与えたいです。大事な時期にプレーできなくて残念なんですけど、チームとしては成長してきていると思うので早く復帰して良い風をチームに吹かせていきたいですね。

特集取材・写真 筬島茂久 梶ヶ野翔太 岡田洋介

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