【野球】先制されるも、法大エースから一挙５得点を奪い逆転勝利！　法大①

４月２８日（土）東京六大学春季リーグ戦　法大１回戦

同点打を放った河合

第一週で勝ち点を獲得し波に乗る慶大は、２季連続で勝ち点を奪われている法大との対戦を迎えた。試合は、３回に先発・高橋亮吾（総３・慶應湘南藤沢）がつかまり、３点を先制されてしまうが、５回に主将の河合大樹（総４・関西学院）、郡司裕也（環３・仙台育英）、嶋田翔（環２・樹徳）の適時打で一挙５点を獲得し逆転に成功。７回には嶋田のリーグ戦初ホームランも飛び出し、６―３で勝利。まずは慶大が３季ぶりの勝ち点獲得に向け、白星スタートを切った。

慶大バッテリー：髙橋亮、○髙橋佑、石井―郡司

法大バッテリー：●菅野、石川、三浦、朝山―中村浩、鎌倉

慶大本塁打：嶋田１号ソロ（７回）

◆慶大出場選手

ゴールデンウィーク初日ということもあり、神宮球場には炎天下に負けない熱い試合を観るために多くの観客が駆けつけた。先攻の慶大は、初回に２死から柳町達（商３・慶應）、郡司の連続安打で一、三塁のチャンス、２回にも一、二塁のチャンスを作るも、後続が続かず無得点。一方、先発を任された高橋亮は１回２回と得点圏に走者を出すも、後続を断ち切り無失点に抑える。序盤は、両校ともあと一本が出ない展開が続いた。試合が動いたのは３回。粘投を続けていた高橋亮は、１死一、三塁のピンチを作ると、２本の適時打を浴び３点を先制されてしまう。まずは得点を返したい慶大打線だったが、良い当たりが守備の正面をつく不運もあり三者凡退に終わる。

今季初勝利を挙げた髙橋佑

４回からマウンドに上がったのは、髙橋佑樹（環３・川越東）。２死から長打を打たれピンチも招くも、郡司の三盗を防ぐ好プレイに助けられ無失点に抑えた。ここまで好機を逃していた打線だったが、５回ついに法大先発の菅野をつかまえる。先頭打者・瀬戸西純（政２・慶應）の四球から無死満塁のチャンスを作ると、主将・河合がセンター前へ適時打を放つ。法大センターのエラーも重なり、２点を返すことに成功した。続く柳町は空振り三振に倒れたが、なおも１死一、三塁。郡司のレフト線への二塁打で逆転に成功すると、嶋田も右中間への二塁打で続き、この回一挙５得点を挙げた。

逆転に成功した慶大は、引き続き髙橋佑がマウンドに上がった。走者を出すものの、要所を締める投球で５回６回を「０」に抑え、法大に反撃の機会を与えない。すると７回、好調の嶋田が、この回から登板した三浦の甘く入ったストレートを完璧に捉え、打球は一直線にレフトスタンドへ。自身初の神宮球場でのホームランで、さらに１点を追加した。その裏からは、今季から抑えを任されている石井雄也（商３・慶應志木）がマウンドへ。「一球も気を抜かずに丁寧に投げるという意識」（石井）で残り３回、法大に三塁を踏ませない完璧な投球を見せ試合を締めくくった。４回以降、髙橋佑、石井の完封リレーで無失点に抑えた慶大が６―３で勝利。勝ち点獲得へ向け、一歩前進した。

ガッツポーズを見せる郡司

序盤に３点を先制され、苦しい展開を強いられたこの日の試合だったが、ドラフト上位候補と言われる投手から１イニングで５得点を挙げる打線の爆発力と、先発投手が崩れても試合を作り直すことができる投手陣の盤石さを一気に見せつける結果となった。打線は、昨季の先発野手のうち５人が引退し開幕前は不安視されていたが、３試合で７打点を挙げている嶋田を中心に、昨季の打線に劣らない新戦力が台頭してきた。昨年は苦手としていた法大から勝ち点を奪えれば、歓喜の瞬間はグッと近づくだろう。大久保監督の言葉を借りると、「勝ち点を取るまでが六大学野球」。明日も気を引き締めて粘り強く勝利を目指して欲しい。

（記事：内田貴啓、写真：尾崎崚登）

◆打撃成績

◆投手成績

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

前半から、防戦一方といった感じで、毎回走者が出て、先に粘り負けして先制点取られて、苦しい展開だったんだけど、四球をきっかけにミスも絡んで、ビッグイニングを作れて良かったです。あとは投手が、髙橋佑、石井とよく粘ってくれたなと思います。

――法大に１２安打を打たれ、ピンチも多かったですが３失点に抑えました。

野球は点取りゲームであるとともに、ホームに返さないというスポーツだから、ヒットを何本打たれようが最後ホームを踏ませない。そういう意味では、ずっと言っている粘り強く、切れずによくやっていると思います。

――嶋田が好調ですね。

そうなの？（笑）そう見える？そう言ってくれると嬉しいよ。ジャイアンツの岡本くらいになってくれるといいね。

――あまり好調という認識はなかったですか

うーん、もっとやれるかなと思っています。

――５回までなかなかチャンスを掴めませんでしたが

ドラフト候補と呼ばれる投手だから、簡単には打てないですね。打つのは本当に大変。ウチの投手は簡単に打たれるけど（笑）明日はできたら、もっと走者を出すのを減らしたいし、一本でも多く打ちたいです。

――明日に向けて

今日はまだ一つ勝っただけで、勝ち点を取るまでが六大学野球なので、また明日全力で新しい試合に挑みます。

河合大樹主将（総４・関西学院）

――今日の試合を振り返って

今日は劣勢だったのですが常に耐えて逆転で勝とうという話がミーティングでもあったのでそういう試合ができたというのは本当に大きかったと思います。

――今日の勝因は

ここ一番での集中力もそうですし、耐えたというのが本当に大きかったかなと思います。

――５回のチャンスは、どのような気持ちでバットを握りましたか

思い切っていく、というか、チームで攻めていこうという中でどんどん攻めていこうという気持ちで打席に入りました。

――そしてタイムリーのヒットが出ました

完璧に捉えた、という感じでしたし、チームが活気づくような一本が出てよかったと思います。

――守備面ではチームでエラーがみられましたが

先にミスが出てしまったというのは痛いことですが、ミスも含めてチームでカバーし合って耐えて勝とうということを目指しているのでエラーが出た中でも慌てずにいられたのではないかと思います。

――今季３連勝目、法大戦勝ちスタートとなりました、チームの雰囲気はいかがですか

チームの雰囲気は本当に良くて、出ている選手だけでなく練習から皆が勝とうという意識をもってやっているのでそこは本当に良い雰囲気だなと思っています。

――明日の試合に向けて

明日も厳しい試合になると思うのですが、耐えて、しんどい中でも攻めていって勝てるように頑張りたいと思います。

石井雄也（商３・慶應志木）

――今日の試合を振り返っていかがですか

ピッチャーが先に点を取られてしまいましたが野手がなんとか取り返してくれて、その後は０で抑えられたので良かったと思います。

――チームが逆転した後にマウンドに上がりましたがどのようなお気持ちでしたか 

オープン戦からずっと１点リードや２点リードの場面で投げていたので、リーグ戦だからと特に変わることなくいつも通り投げることが出来ました。

――抑えとしてマウンドに上がっていますがどのような意識を持っていますか

一球でも投げミスをしたら一発打たれて逆転という場面が多いので、一球も気を抜かずに丁寧に投げるという意識が強くなりました。

――去年春秋共に勝ち点を取れなかった法大戦で初戦を取ったことについてはいかがですか

チームとしても去年法大にだけ勝てなくて悔しい思いをしましたが特別意識することはないです。ピッチャーのレベルも上がっていて、自分の投球が出来ればある程度抑えられるという自信を持って投げているので今日は良かったと思います。

――明日の試合に向けて意気込みを

明日も今日と同じように競った試合になると思うので自分の役割を果たしたいと思います。

郡司裕也（環３・仙台育英）

――今日の試合を振り返って

先発投手の髙橋亮が苦しいなかで、３点取られてしまったのですが、４点目を与えなかったという点は良かったと思います。髙橋佑と石井雄也がランナーを出しながらもなんとか粘ったというのが、本当に攻撃のリズムを作ってくれたのかなと思います。

――今シーズンの投手陣はどうですか。

東大戦は良く投げてくれていたのですが、やはりレベルが上がって苦手意識のある法大には１２安打打たれてしまったので、もっと出来るなって思います。

――ご自身２安打２打点でしたが。

好調というほどでもないのですが、今日はチャンスで一本打てたのが本当に良かったので、ほっとしたというか、打てない時でも大事なところで一打出来れば良いかなと思います。

――中軸の打力は高いのでは？

中軸が打たないと勝てないぐらいのつもりで練習してきたので、打たなければと思います。

――明日への意気込みをお願いします。

明日も苦しい展開になると思いますが、粘って粘って１点でも多く勝ち切って頑張りたいと思います。

髙橋佑樹（環３・川越東）

――今日の試合を振り返って

３点先制されて厳しい展開の中で相手のミスもありながらビックイニングを作って逆転できたという、課題は多かったですけどいい試合でした。オープン戦でもそうだったんですけどビックイニングがなかなかできない、その中で野手が頑張って点とってくれた僕らの中ではなかなかない展開の試合だったと思います。

――反撃を呼び込む好救援だったのではないですか

高橋亮の具合がいつもと違うなというのは試合が始まってから感じていたので、いけるようにはしていたのですが、まさか５点もとってくれるとは。（笑）正直びっくりしましたけれど、僕自身としては粘って投げれたので良かったと思います。

――今季初勝利です

先発で自分で試合作って初勝利したわけではないので、ラッキーというか降ってきた１勝みたいなものなので。これから僕の力でチームを勝たせるようにできればいいなと思います。

――先週からいい形で投げられているのではないですか

神宮に来るとなぜか調子が少し良くなるので。（笑）今日も良かったわけではないですが、ここから自分の中でレベルアップしていけたらいいなと思います。

――明日に向けて一言お願いします

明日は先に点をやらないようにピッチャーが粘ってゲームを作っていきたいなと思います。