第76回早慶バスケットボール定期戦まであと2週間となった。今日から3回にわたって、早慶の選手による対談の模様をお送りしていく。第1弾は男子4年生対談。早大の長谷川暢(スポ4・能代工)・富田頼(スポ4・洛南)・岡野佑紀(スポ4・千種)、慶大の澤近智也(環4・高知学芸)・小原陸(政4・慶應義塾志木)・吉敷秀太(政4・慶應義塾志木)の6名が、今回の早慶戦にかける思いを語ってくれた。
――六大学リーグで新チームでの初対戦(67-62で早稲田が勝利)となりましたがいかがでしたか?
富田:慶應は昨年のインサイドの4年生が抜けてサイズは小さくなったけれど、その分ペリメーターでのシュートや動きの精度が高くて、やりにくい部分がありました。
岡野:お互い主力選手が結構いない中での試合だったのですが、それでも慶應のハードワークは健在で、ひたむきにプレスをかけてくる選手が多かったので、そこはとても厄介で気をつけないといけなかったです。
小原:早稲田は本当によく走るチームだなというのが第一印象でした。サイズの大きい選手も多くて外からのシュートも入るので、本当に守りづらかったです。
吉敷:自分たちと比べても全員大きくて、その上で全員シュートもドライブもできるオールラウンドなチームだなという印象がありました。あとは単純に強かったです。
――2月~3月、Bリーグの青森ワッツでプレーした長谷川選手ですが、どういった経験になりましたか?
長谷川:外国人選手と一緒にプレーしたことや、逆に相手に2人も外国人選手がいる中でプレーできたことはとても自信になりました。いろいろと試行錯誤する中で、今までにはなかった余裕や視野の持ち方が身についたと思うので、それは早稲田でプレーする上でもプラスになるはずだし、プロでプレーできてよかったです。
――この春に練習で重視したことは何ですか?
澤近:昨年と比べてサイズがない分、まずは全員でリバウンドを取りきることですね。そこから速攻は出せなくても、セットオフェンスでスクリーンを使ってズレを作ってから1対1を仕掛けようって感じです。そこからディフェンスが来たらパスを出して、ノーマークでシュートを打つ形を目指してやってきました。
長谷川:昨年まではピック&ロールが多かったですけど、今年は1対1を多めにやろうと考えています。なので、攻撃でも守備でも1人1人の責任が大きくなるなというのは練習でも感じています。ただ大きい選手も小さい選手も全員がリングにアタックする、3ポイントを打つ、早稲田らしくディフェンスをする、走るというのは変わらずやっていきたいです。
――新体制で変わったことはありますか?
岡野:新入生で入ってきた2人が結構試合に出ることが多くて、ガンガンやってくれる雰囲気があります。それは今までになかった感じなので、新しい風が吹いていますね。
長谷川:上手くまとめるなあ(笑)。
吉敷:うちはサイズが小さくなって戦術が大きく変わったので、まずはコミュニケーションを取っていかないと始まらないと思って、練習中もとにかく喋ることを意識しています。上手くいかなくてコーチ陣に怒られることも結構ありますけど。
――お互いのチームにはどんな印象を抱いていますか?
富田:慶應は早稲田と戦うときはちょっと目の色が変わるっていうイメージが強くて・・・。
一同:(笑)
富田:自分たちの嫌なところを突いてくるプレーをやってくるので、自分たちも負けてられないですね。良い意味でバチバチやりあえていると思います。
澤近:早稲田は前から激しいディフェンスをしてくるっていうのが一貫していますね。そういうイメージです。はい。
吉敷:短けえ(笑)。
――早慶の選手間で交流はありますか?
一同:ないですよね~。
澤近:でもこの前、就活で濱田健太君に会いました。
一同:(笑)
小原:あとは何となく埼玉県出身が多いイメージが。
長谷川:ここ(長谷川・小原)は中学で試合したことがあって。
小原:ボコボコにされた経験しかないですけど(笑)。
吉敷:(長谷川と)俺も試合してるから!忘れないで(笑)。
富田:原(匠)とは大阪のジュニアオールスターで一緒でしたね。
岡野:鳥羽とはここ(岡野・長谷川)と濱田と4人で高校の時に一緒に代表チームでプレーしたこともあるね。
――オフの日もチームメイトと過ごすことはありますか?
吉敷:最近は就活が忙しいのであんまり・・・。でも基本的には同期で予定合わせて遊びに行くとか・・・だよね?
小原:まあ・・・。でもあんまりなくない?就活が忙しいってことにしとこうぜ。
一同:(笑)
小原:ほんとは仲いいです。
岡野:僕らは同期5人が寮に入っているので、その寮生で遊びに行ったり、5人で一緒に就活やったりしています。うちは仲良くやっています(笑)。
――昨年の早慶戦を振り返っていかがでしたか?
長谷川:今までの試合の中でも特に印象に残っています。1・2年の時は自分も試合に出られなくてチームも負けてしまったので非常に悔しかったです。3回目の昨季も前半は慶應のペースに飲まれていたけれど、最後に勝ち切れたっていうのは早稲田にとっても大きかったし、早慶戦勝利は目標の一つだったので嬉しかったです。
富田:ただただ勝ててよかったです。
澤近:前半は慶應のペースで、これはいけるなって思ったんですけど、後半に早稲田がリードしてからはズルズルいってしまってギアを上げることもできなかったです。不完全燃焼でした。
吉敷:前半は良かったけど、後半に長谷川君が鬼のように襲い掛かってきたので・・・。
一同:(笑)
吉敷:その気持ちに圧倒されて流れを持っていかれたのが全てだったかなと思うので、今年は40分間気持ちのこもった戦いができればなと思います。
――今年の早慶戦の勝敗を分けるポイントは何だと思いますか?
長谷川:早稲田は慶應よりもサイズがあるのでそこを突いていくのは勿論ですが、早慶戦は気持ちの部分が大事で、一瞬でも引いてしまうと一気に流れを持っていかれると思います。技術やプレーではなく勝ちたい気持ちが強い方が勝つと思うので、僕たちは全力で向かっていくだけですね。
吉敷:僕も気持ちの面は大事だと思っていて、それが表れるのはリバウンドやルーズボールなので、そこはプライドを持ってこだわっていきたいです。会場の雰囲気も凄いし、一度流れを失ったら簡単には取り戻せないので、気持ちの部分は常に意識してやっていきたいです。
――自チームのキーマンとなる選手は誰ですか?
澤近:慶應は、山﨑純です。
吉敷:他人任せかよ。
一同:(笑)
吉敷:あとは髙田淳貴の新3年生二人が、もともと技術的にもチームトップクラスだし、上級生になって言動も重みが出てきたし、チームに不可欠な存在に成長してくれたと思います。
岡野:誰だろうね、キーマン。
富田:長谷川とか。
長谷川:いやいや、僕じゃないです(笑)。
富田:4年生全員とかは?
吉敷:あ、逃げたな。
一同:(笑)
富田:じゃあ、はまけん(濱田健太)で。
岡野:もう、はまけんでいいよ。
長谷川:あいつのキャプテンシーに期待します(笑)。
――最後に早慶戦への意気込みをお願いします
長谷川:昨年の勝利が、余計に今年も勝ちたいという気持ちを強くしてくれました。最後の早慶戦で絶対に連覇を成し遂げたいので、全力で慶應に向かっていく、それだけです。
岡野:昨年初めて試合に出て、楽しかったっていうのが第一の感想なので、今年も楽しむことを第一に考えながら、自分の役割を愚直に体現していきたいです。
富田:自分たちの代で勝ちたいという思いが強いです。あとは個人的には昨年は満足のいくプレーができなかったので、今年は出だしから頑張っていきたいと思います。
澤近:春の目標が早慶戦の優勝で、しかも自分たちの代なので、絶対に勝ちたいという強い気持ちで下級生を引っ張っていきたいです。
吉敷:高校から7年間早慶戦を見てきて、出場するのは最初で最後だと思うので、自分にできることを全力でやってチームの勝利に貢献したいと思います。
小原:勝ちたい気持ちが強い方が勝つ試合なので、上級生として強い気持ちを持ちつつ、自分たちにできることを体現していきたいです。
※この対談は4月8日(日)に行われました。
(取材:徳吉勇斗、写真:内田貴啓)
第76回早慶バスケットボール定期戦は7月7日(土)に大田区総合体育館で開催されます。早慶両校の意地と意地がぶつかり合う白熱の一戦を、ぜひ会場でご覧ください!
女子戦12:30~ 男子戦14:30~