【バレーボール】持ち味失い惨敗、入替戦での勝利を誓う vs駒大/秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

バレー戦評

打点の高い宮川のスパイク

 

先週の敗戦で1部最下位が確定した慶大。入替戦へ向けて、勝って弾みのつけたい最終戦となったが、サイドから放たれる駒大の攻撃に守りがはまらず。チーム本来の力を発揮できずにリードを奪われ、無念の敗北を喫した。チームは来週、1部残留をかけて入替戦に挑む。

 

 

10月20日(土)

秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

最終戦 慶大×駒大

@ビッグタートル深谷

 

得点

慶大

セット

駒大

21

25

20

25

21

25

 

最終戦を前に最下位での入替戦が確定した慶大。だが下を向いている時間はない。対戦相手の駒大も今季は下位に沈んでいる。なんとか勝利をもぎ取って次週の入替戦に良い流れで臨みたいところだ。

 

資料を読むリベロの岩本(右)と永田(左)

だが第1セット最初の得点をレシーバーの間を抜くサービスエースで取られてしまう。それでもエース富澤太凱(経3・慶應)を中心に攻撃を組み立て、加藤真(商2・慶應)もレフトで奮戦するとサービスエースも決めた。ときにサーブで崩されながらなんとか得点に繋げ、サイドアウトの応酬が続く。しかし速い展開で攻撃に繋げる相手に対してブロックを機能させることができず、なかなかブレイクを奪えない。途中からサイドとして宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)を投入して攻撃力の強化を図ると、その宮川が起用に応えるかのように高さを生かしたスパイクで得点を記録した。終盤は2点差まで迫ったが、最後まで相手の攻撃を止めることはできず、このセットを落としてしまう。

 

慶大の3枚ブロック

流れを奪いたい第2セットだったが、チームはネット前でのミスが出て立ち上がりにつまずく。徐々にサーブレシーブも乱れ始め、なかなか自分たちのバレーに持ち込むことができず。試合は中盤を前にして慶大の5点ビハインドとなる。一時、相手のスパイクミスが重なり2点差まで詰め寄るも、得意とするブロックが上手く機能せずにリードを奪えない。終盤はライトから富澤、レフトからは宮川が高さを生かしたスパイクを放ち、得点するシーンも見られたが、最後はブロックを崩され逆転はかなわず。20-25でこのセットを落とした。

 

慶大の司令塔・吉田

追いつめられた慶大。第3セットは富澤が2本のスパイクを決める上々の滑り出し。さらに富澤はサービスエースを決めるなど、サーブで流れを変え、チームは一挙に3連続得点とリードを奪うことに成功する。その後も宮川のスパイクなどで順調にポイントを重ねていく慶大だが、ネット前の連係ミスなどから中盤のスコアを同点に並べられる。両者シーソーゲームを続けながら迎えた終盤。ここに来て攻撃のギアを上げる駒大に、慶大は劣勢を強いられる。清水柊吾(総2・広島城北)がクイックを決めるなどの反撃も虚しく、最後はサーブで流れを奪えずに突き放された。今試合もストレート負けを喫し、最終戦を白星で飾ることはできなかった。

 

「気持ちが前面に出ていなくて」(宗雲監督)。1部最下位の決まった状況で、選手らの気持ちの落ち込みは拭いきれなかったようだ。特にセット終盤は相手に一矢報いるような強い底力を発揮できずに、消化不良のまま終わる印象を受けた。しかし、選手らの視線はもう入替戦に向いているのかもしれない。「勝って帰ってきます」(富澤)。この言葉どおり、漂う敗戦ムードをここで断ちきり、チームの力で1部残留を決めて戻ってきてほしい。

 

 

(記事:尾崎崚登・堀口綾乃 写真:藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合を振り返って

気持ちが前面に出ていなくて。負けたことよりも、そういう試合ができなかったことが残念だと思います。

 

――サーブレシーブが乱れてしまった

バレーボールの土台であるサーブレシーブをするリベロ、キャッチマンがいかにしっかり作ってくれるかが大事なんですよ。そこが今グラグラしている状態ですね。岩本(岩本龍之介=商4・仙台第二)は4年なので、その4年の教示も含めて、見せてくれると思って使っているのですが、残念な結果が多いですね。

 

――1年選手を起用する場面もあった

活躍してくれると素直に嬉しいです。今の宮川や永田(永田将吾=総1・高松)が上級生になるにしたがって、責任感を含めてすごく成長してくれるように期待します。

 

――慶大のブロックについて

駒澤さんは両サイド、特にレフトがすごく速く、それがチームスタイルであるとわかっていたので、それに対するブロックのシステムを考えていたんですけど、結局春と同じことをしていたので、駒澤さんも特にセッターの子が考えて振り分けていたので、上手く効果が出なかったですね。

 

――リーグを振り返って

今日のような試合をしてしまったのも、こういう試合が続いているのも、原因は一つ。けがなんです。マルキの故障と、2戦目の吉田のけが。私が見ても6勝ぐらいできる力は持っているんですけど、序盤のけがで勝ち星を重ねられなかったので、負のスパイラルに入ってしまっているんですね。それがすべてだと思います。これも結局は慶大の層が薄いので、急にAチームの力が落ちてしまうし、その準備ができていない監督の責任ですね。けがは付き物ですから。選手たちにとっても悔しい思いをさせてしまったのも私の責任ですね。

 

――来週の入替戦に向けて修正する点は

気持ちだと思います。今日一番ショックだったことは、今日が最終戦で、慶應が1部で戦えるのはもしかしたらしばらくないかもしれないんですね。最終戦で1部の試合を楽しむこともできず、気持ちも入らず。それが一番ショックです。自分を奮い立たせられなかったことがショックなので、これで1週間準備して、腹くくってできるかだと思います。

 

――入替戦に向けて一言

誰一人として負けたくはないだろうし、もちろん私も負けたくないですけど、勝負ごとなのでこればかりはしょうがないんです。だから、まずはとにかく自分たちの100%の力が出る準備をする。そして終わったときに、達成感を味わえるようにしてほしいし、したいと思います。

 

 

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合を振り返って

勝っても入替戦が決まっている中で、なかなか気持ち的に作るのが選手は難しかったのかなって思っていて。まあその中でも、もうちょっと自分たちを表現できたのかなっていう反省はあります。

 

――先週、もう一度方向性を定めていきたいと話されていたが

ミーティングきっちりして、まず自分たちの分析をして、改善していくところを考えて、練習まで落とし込んでやっていました。

 

――今日両サイドからかなり決められていたが

駆け引きができていなかったのかなっていう感じですかね。駒澤に対しては、そこまで分析はしていなくて、駒澤に対してのミーティングもしていなかったので、まあそこはしょうがないかなって思う部分もありました。

 

――交代選手たくさん起用していたが

練習通りというか、普通にその人たちが持てる力は出せたのかなとは思いますけど、交代選手が入ったときの周りの雰囲気があんまり良くなくて。その人たちが気持ちよくプレーできたかって言ったらそうじゃないと思うので、そこは中の人がもうちょっと考えてやるべきだったのかなって思います。

 

――今リーグの総括を

けがとかあったり、厳しくて、勝てないっていう状況があって。まあそれに関してはもう終わったことなので、しょうがない。そこは来年に向けて、全カレに向けて、修正して、積み上げていかなくちゃいけないなって思っているところです。まあ厳しい戦いだったですけど、学ぶべきところは多かったリーグ戦だったなって思います。

 

――今、慶大に必要なものは

入替戦勝利に向かって、チームが一体になることなんじゃないかなって思います。

 

――来週の入替戦に向けて

もちろん勝つっていうことに向かっていくんですけど、勝つべくして勝てるものだと思っていて。だからそのために、チームが一体になることとか、個々の勝ちたいっていう思いであったりとか、そういう最大限の準備をして、勝って、チームがみんな喜べるような勝ち方をしたいなって思います。

 

 

 

富澤太凱(経3・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

先週最下位が決まって、チーム的にも厳しい状況のなか、先週の敗戦を引きずって自分たちの型が全く出せないで終わってしまったので、非常にもったいないゲームだったと思います。

 

――途中、サーブで流れを引き寄せる場面もあった

サーブはずっと入っていなかったので、あれが普通になるように日々サーブを打っていかなければいけないなと思いました。

 

――攻撃面を振り返って

まだまだできるといった感じです。もっとセッターとも合わせられるところもありましたし、僕のマックスを出せれば一番得点が取れるので、もっと来週以降に向けて調整を重ねていけたらと思います。

 

――リーグ戦を振り返って

本当に悪い方での色んなことが起こって苦しくて、結局入替戦までもつれてしまったのですが、ここで来週を勝ちきれるということは今年のチームを表すことだと思うので、チーム一丸となって臨めたらいいなと思っています。

 

――来週に向けての修正点

お互いチーム全員が思っていることをしっかりと口に出して形にして、その上で修正を重ねていくことが勝利への近道かなと思っています。

 

――入替戦へ向けての意気込みを

来期も一部で戦えるように、勝って帰ってきます。

 

 

 

吉田祝太郎(政2・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

技術的なこともそうなんですけど、今日はなんかもう最下位が決まっちゃっていたから、試合に臨むみんなの気持ちっていうのがうまくいっていなかったなっていうのはありました。別に勝っても負けても12位だし、っていうので臨んじゃったかなっていうのがまず第一ですね。

 

――今日までの1週間について

先週0ー3、0-3で負けちゃって。たしかに相手も強いんだけど、その前に自分たちのことができていないんじゃないか、っていうことをミーティングで話して、この1週間何をどう練習しようかっていうことをみんなで考えて。今までやってきたことをもう一回確認しようということをやっていました。基本的には、来週の青学戦に照準を合わせているっていうのがあるんですが、今日も4年生最後のリーグ戦だったから、もうちょっと気持ちを出せればよかったんですけど、あんまりみんなそういうのじゃなかったですね。

 

――両サイドからかなり決められてしまった

駒澤はすごくサイドが速いチームなんですよ。僕らはリードブロックを練習していたんですけど、試合でやったら全然追いつけなくて。途中からコミットブロックでいって、まあできたんだけど、レシーブが…(ブロックとレシーブの)関係はいいんだけど、そもそもレシーブの能力が足りないっていう感じですね。

 

――交代で入った宮川選手について

すごいですよね、急な出場で。彼は高さがあってスパイクがめっちゃ強くて、しかもサーブカットも全然下手じゃない。前はマルキさん(マルキナシム=総3・川越東)が入っていたじゃないですか。マルキさんと小出捺暉(環1・駿台学園)だったんですけど、捺暉の対角にこの間まで(加藤)真が入っていたんだけど、そうすると攻撃力がどうしても足りない。(宮川)郁真ってタイプ的にはどっちかっていうとマルキさんみたいな、攻撃力が高いタイプだから、前のチームのスタイルには近づくのかなというのはありますね。それこそキャッチ(サーブレシーブ)が返らないときに、サイドアウト切りやすいのは郁真なのかな。今日もすごく切っててくれて、助かりました。

 

――ご自身のトスは

僕のトスはまあ微妙ですね。別に超悪いわけでもないけど、超良いわけでもない。とくに(富澤)太凱さんとのコンビがあんまり合ってなくて、太凱さんが乗らなくて。太凱さんを乗せるのが、まず一番大事なんですけど、慶應は。そこがあんまりうまくいかなかったです。

 

――リーグ総括を

(自分が)抜けて、チームに多大なる迷惑をかけてしまって。4年生にとっては最後のリーグ戦で、4年生は(岩本)龍之介さんしか出れていないという状況で…結果を出して4年生に恩返しをしたかったんですけど、まあ序盤でそれはできないなってなっちゃって、チームの雰囲気も落ちていった。最初2戦で「あ、上位いけるのかな」って思ったけど、結局だめで。チームとして能力が上がっていったわけでもないし、試合を重ねるごとに良くなったとかでもないし、ただひたすら負けちゃって負けちゃって…どうしようどうしようって終わっちゃったなって、もったいなかったなっていう印象です。

 

――入替戦に向け、今何が必要か

まあ気持ちですよね、多分入替戦って。実力はわからない、向こうの方があるかもしれないし、こっちの方があるかもしれない。それはわからないですけど、僕らも上がるとき(昨春の入替戦)、気持ちが優って勝てたかなって。もっとやっぱり、もう一回このチームでプレーしたいとか、負けたくないっていう気持ち。やっぱり最近欠けてきているので、そういう気持ちをもって一週間頑張りたいなって思っています。

 

――来週に向けて

絶対に負けません!1部に残ってプレーしたいので、頑張ります。

 

 

 

樫村大仁(環2・茨城高専)

 

――今日の試合を振り返って

もう入替戦に行くっていうことが決まっていて、モチベーションをどこに置いていいかわからないっていう、なんかそういう漠然としたよくない雰囲気が流れていて、自分としてもなんかちょっとやりにくい感じで、グダグダと最後まで試合が流れてしまって、ちょっともったいない試合になっちゃったなっていうふうに思いました。

 

――リーグの総括を

このリーグは、今までと違って結構けが人とかが出てしまって、自分たちの描いていたとおりの展開というか…日本一を狙ってやっていたんですけど、結構難しい状況に追い込まれてしまったときに、そういう状況でも自分たちの力を出そうって色々話し合っていたけど、結局最後までグダグダになってしまって…せっかくこういう、リーグっていうチャンスがあったのに、もったいない感じになっちゃったかな、って思っています。

 

――入替戦に向けて必要なことは

相手は青学って決まっているので、そこに対してしっかり対策することと、自分たちの気持ちを、勝とうっていう気持ちをしっかり上げて、最善を尽くすことだけを意識すれば、良い試合ができるんじゃないかなって思います。

 

――来週の入替戦に向けて

来週は来週で、リーグ戦と違って、なんか独特な雰囲気というか。僕も一回、2部から上がるときに経験したんですけど、相手も本当に上がりたいっていう気持ちで来ると思うので、その気持ちを押し返すような、こっちも気迫をもって、やっていければいいかなと思います。

 

 

 

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

――試合を終えての気持ちは

途中からだったんですけど、すごく緊張して自分のプレーができるまで(時間が)かかってしまいました。終盤は自分のプレーができるようになりましたが、結果的にチームが負けてしまったので悔しいです。

 

――コートに出た時の思いは

いつもはブロックのときだけ出してもらっていますが、サーブレシーブも含めて一連の流れで出るのは(リーグ戦では)初めてだったので、すごく緊張しました。

 

――高さのあるスパイクで得点していたが

最初は緊張で自分が持っているものが出せなかったですが、(吉田)祝太郎さんが高さを引き出すトスを上げてくれるので、自分は打ち分けていくだけかなと思っています。

 

――守備では苦戦していたが

もっといつも強いボールを受けていますが、簡単なボールをAパスに持っていけないのが結果的に今日の負けに繋がったかなと思います。

 

――今リーグを振り返って

なかなかチームも勝てなくて雰囲気も持っていきづらいこともありました。ただ、終わったことなのでしっかり切り替えてまずは入替戦に勝って、早慶明(第71回早慶明定期戦)、全カレ(全日本大学選手権)と繋げていければいいなと思います。

 

――入替戦に向けて

来年どうしても1部の高いレベルの中でやりたいと思っているので、なんとしてでも勝ってまた全カレに向けて頑張っていきたいと思います。

 

 

出場選手

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

加藤真(商2・慶應)

センター

清水柊吾(総2・広島城北)

セッター

吉田祝太郎(政2・慶應)

リベロ

岩本龍之介(商4・仙台第二)

 

永田将吾(総1・高松)

途中出場

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

谷舜介(環1・徳島城東)

 

五味渕竜也(環3・習志野)

 

 

最終順位

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

10

2.5833

2位

日体大

2.1538

3位

筑波大

2.0000

4位

明大

1.6471

5位

東海大

1.3684

6位

中大

1.2632

7位

順大

1.1500

8位

日大

0.5600

9位

駒大

0.6154

10位

学芸大

0.4815

11位

国士舘大

0.4643

12位

慶大

0.2500

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

タイトルとURLをコピーしました