【バスケ】関東大学選手権が開幕!慶大は辛勝スタート

関東の大学チャンピオンを決める関東大学選手権が開幕した。春シーズンの目玉とも言えるこの大会で慶大は一昨年度に優勝、昨年度に準優勝とここ最近は好結果を残している。しかし今年は昨年まで慶大の躍進を支えてきた二ノ宮前主将(環卒)、酒井前副将(環卒)、岩下(総卒)のトリオが卒業したことで戦力の低下が予想され、チームとしての真価が問われる年。「今年は1人1人の力がない分、オフェンスもディフェンスもチーム全員でやらなけらばいけない。」(家治主将)とのように、スター不在のチームが家治を中心にどれくらいまとまれるかが勝ち上がるキーになるだろう。
第60回関東大学バスケットボール選手権大会 5回戦
2011/05/10(火)@代々木第二体育館

1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 31 22 24 23 110
玉川大 22 30 23 22 97
慶大の初戦の相手は関東リーグ3部Aの玉川大。1部の慶大にとっては格下と思われたが試合は予想外の接戦となった。序盤高さで優る慶大はリバウンドを制圧し、インサイドを中心に得点を重ねてリードを得る。しかし玉川大も格上相手に物怖せず、攻撃、守備ともに積極的なプレーを見せ、慶大に食らいついていく。2Qに玉川大が連続スリーポイントで同点に追いつくと、ここから試合は拮抗。互いに一進一退の攻防を見せ、焦りが出てきた慶大はターンオーバーを繰り返すなどミスを連発。さらに追討ちをかけるように蛯名(法2)が5ファウルで退場となり、チームは苦しい状況に。ここでチームを救ったのは家治(環4)と中島(総2)の2人。終盤、重要な場面で中島がスリーポイントを沈めると、家治も個人技で局面を打開し連続得点。相手を突き放した慶大はその後も順調に得点を重ねて110-97で何とか勝利を収めた。

慶大のスタメンは家治主将、桂(政3)、蛯名、中島、矢嶋(総2)。1Q、慶大は家治のミドルで口火を切ると、春本(環4)、中島のゴール下など高さで優るインサイド陣が得点を重ねる。しかし玉川大もドライブからバスケットカウントを奪うなど積極的なオフェンスを見せ慶大の独走を許さない。慶大は家治、桂のシュートなどで突き放そうとするも、ディフェンスではマークに付ききれずフリーで相手にシュートを決められる場面も目立ち、失点を重ねて31―22で1Qは終了。2Q、慶大はパスミスから連続ターンオーバーをとられる最悪の立ち上がり。相手の連続スリーポイントで同点に追いつかれてしまう。チームに焦りの色が見え始めると、その後も攻撃では相手の激しいプレスに苦しんでか普段は決まるはずの家治、中島のシュートも決まらず、ディフェンスでは審判の厳しい判定もありファウルを重ねてしまう苦しい展開。伊藤(環1)、矢嶋の得点でなんとか場を繋ぐも、ファウルトラブルで相手にフリースローを次々と決められ、リードを奪われる。しかし終了間際に権田(総1)がリバウンドをタップで押し込み52-51と慶大1点リードで前半を終える。

3Q、蛯名が強気なドライブでタフショットを沈めると、家治、本橋(環1)のミドルシュートが連続で決まり幸先の良い展開に。しかしここで相手のドリブルを阻もうとした蛯名が5ファウル目を取られ退場してしまう。チームに安定感をもたらすこのガードを失ったことで慶大は浮足立ち、ミスでターンオーバーを犯すなどで攻撃が停滞。相手に逆転を許してしまう。ここで気迫を見せたのが新入生の吉川(環1)。果敢なドライブでファウルを貰いフリースローを決めると、ディフェンスでは相手のオフェンスファウルを誘う好プレーを見せ、慶大に流れを引き寄せる。すると春本、家治が連続得点を奪い反撃し、77-75で3Qが終了。4Q、これまで好調だった玉川大のシュートが落ち始めると、反対に慶大は眠りから覚めたかのようにシュートが決まり出す。中島が速攻、スリーポイントで連続得点を上げると家治もフリースローを含む3連続得点でチームを鼓舞し、点差を一気に10点差まで広げる。相手はアウトサイドのシュートで反撃を試みるも、慶大はその後も伊藤のバスケットカウント、吉川のシュートでリードを保ち、最後は110-97で慶大が勝利した。

「想定外だった」(家治)と、相手のシュートが当たっていたこともあり、慶大は予想外の苦戦を強いられた。普段に比べてシュートが決まらず、すべてのピリオドで5ファウルを取られ、フリースローで得点される苦しい展開。ここで局面を救ったのが家治と中島の2人。それぞれ終盤の大事な場面で連続得点を決め慶大を勝利に導いた。次なる対戦相手は大東文化大。今季より1部リーグに昇格したチームで、今日のような接戦になることが予想される。勝てばベスト8が決まり、最終日まで残ることができる重要な1戦だけに是が非でも勝利したいところだ。慶大がどのような戦いを見せるのか注目したい。

By Shota Kajigano

佐々木HC

今日みたいに混戦になると少し予想してたけどちょっと長引きすぎたかな。(接戦が続いた原因は)1年を使わないから。最初から使ってたらこんなに接戦にはならないかな。吉川はまだスタートで使うには早いけど、伊藤を最初から出してれば蛯名の5ファウルもないしね。(ファウルが多かったですが)今日は審判が厳しかったし仕方ないんじゃない。そこでうちのディフェンスの姿勢を変えているようじゃ青学には永遠に勝てないし、他のチームにも負ける可能性がある。(3Q開始時に4ファウルの蛯名を出場させてきたが)蛯名は外せないメンバーだから退場になるのを気にせず使い続けましたね。(4年生の出来は)家治は良かったとして、ほかの4年生はまだまだですね。4年がもうちょっとちゃんとやればもっといいプレーが出るはず。(4年生に求めるプレーとは)流れを変えるプレーですよ。例えば春本はちょこっとリング下のボールを拾ってシュートを決めていたけど実はああいうプレーが流れを変える。金子なんかもチームを落ち着かせるためにまずディフェンスを頑張って、オフェンスでは良いパスをしてあげて、それでじゃあ最後私が決めましょうという体制じゃないと。4年生はチームを落ち着かせないといけない。

家治主将

今日は2Qの入りが今日の試合の全てだったかなと思います。10点差くらいで1Qを終えて2Qの入りでそれを20点差に出来ればそこで試合も終わってたと思うんですけど、そこでターンオーバーを続けてしまって悪い流れになったのが競った原因だったかなと思います。でも後半1年生が充実感を持ってやってくれて、そこから流れが来たので、最後はその充実感にみんなが乗れたのが良かったと思います。(3Qまで競ったが想定内だったか)僕自身想定外でしたね。仕掛けるディフェンスっていうのを1回戦は実践しようと話していて、多少やられるのは想定内だったんですけど、いかんせん相手のシュートがすごい入って、それをやり返すだけの流れがなかなか来なかったので今日の展開は想定外でしたね。(トーナメントに主将として臨む心境は)最上級生というのもありますし、最後のトーナメントでもあるので今までとは違う緊張感というのはありました。それでも試合始まったら緊張というのは思っていたほどなくて、自分では良かったと思います。(コンディションは)練習する中で大きい怪我もしていないので、自分では調子良いと思うのでトーナメントに向けてのコンディションはしっかりと作れたかなと思います。(今日も苦しい展開の中でチームを引っ張ったが)今のチーム状況は下級生主体というのがあると思うんですけど、その中でも流れが悪い時、点がほしい時は僕が攻めることを先生が求めているので流れが悪い時とか苦しい時はボールをくれと要求もしますし、そこでしっかりとプレイしようという意識は常に持っていますね。

春本

相手が3部4位ということだったんですけど、今日の競った展開は自分たちのおごりがあったからだと思います。(コートに立つ4年生が少ない中での意識や心境は)金子は春先の怪我で出遅れているんですけど、自分と家治、店橋が結構出ていて、店橋よりも自分の方が経験があると思うので引っ張っていかなきゃいけない気持ちがあります。今のところスタメンは下級生の本橋と中島で、自分は途中から出る形が多いと思うんですけど、そこは4年生、やっぱり体育会の4年生は特別な扱いがあるので、気合というかラストイヤーなので頑張りたいなと思います。(4年生として貢献したい部分は)岩下さんのいなくなった穴を埋めるためにまず自分はリバウンドとディフェンスから貢献していきたいですね。あとは去年黒澤さんだったり一昨年の石井さんだったりハッスルするムードメイカーがいて、僕はあまり得意じゃないんですけど、出来るだけ盛り上げるためにアップの時は声出すようにしてます。(上級生として下級生に求めることは)僕が試合に出て活躍するのが自分としては理想なんですけど、色々考慮した上で先生は下級生をスタメンにしていると思うので、求めることはただ単に思い切りやってほしいです。いくらでもフォローできるので頑張ってほしいですね。

中島

個人的にはエンジンのかかりが遅くてシュートとかリバウンドの集中力が悪くて反省の残る試合だったと思います。(接戦になった要因は)終始相手の流れに合わせてしまった感があって、相手のプレーに対応出来なかったことが40分間続いて接戦になった原因だと思います。(ファウルトラブルについて)審判の笛に対応できなかったし、ファウルがたまって相手にフリースローを決められたことも接戦の原因の一つですね。(去年の4年生3人が抜けて感じたことは)あの3人がいなくなって責任が重くなったし、今日に関して言うと初戦の難しさというのを大きく感じましたね。プレー面での役割だと岩下さんと祐典さん(酒井)がいなくなってリバウンドにより集中しなければいけないし、得点の部分でも自分がもうちょっと多く取らなければいけないと思います。

吉川

今日は初めての試合だったんで、一生懸命やることを心がけていたんですけど全然シュートも入らなくてまだまだでしたね。(勝負所で出されたがその時の心境は)自分が流れを変えようと頑張りました。(今日の試合で意識したことは)先生にいつも点を取れと言われているので、シュートいこうとそこだけ意識していました。(自分の持ち味は)やっぱり得点能力だと自分で思っているんですけど、まだ未熟なのでこれから頑張っていきたいですね。(1年生の意気込みは)まだまだ実力不足で力になれないかと思うんですけど自分が出る時に少しでも得点してチームにプラスになっていきたいと思ってます。(吉川選手から見たチームの雰囲気は)2年生主体なんですけど家治さんがまとめていて良い雰囲気でやっているので明日からもっと良い試合がしたいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました