【野球】 コラム”SHOW TIME”⑨次世代の雄、待望の復活 嶋田翔

久々のヒットは貴重な適時打となった

10月27日(土)東京六大学秋季リーグ戦 早大1回戦

 

早大

46年ぶりの3連覇に向け、絶対に負けられない早大1回戦。迎えた6回、無死満塁の場面で嶋田翔(環2・樹徳)が振り抜いた打球は、前進守備だった早大の三遊間を抜けていく―。自らのヒットを確信した彼は、走り出しながら右の拳を天高く突き上げ、1塁に到達すると大きな雄叫びを上げた。

先日のプロ野球ドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから3位指名を受けた小島投手から放った、値千金のタイムリー。そしてこれは、嶋田にとって実に6試合ぶりの快音だった。

 

法大1回戦以来、彼のバットは鳴りを潜めていた。この日も前の打席では見逃し三振に倒れ、打率は.194にまで下降。その中でも「相手は良い投手。全部打つのは不可能」と開き直り、「自分の狙い球をしっかりと絞って打席に立つようにした」ことが功を奏した。

 

不調にあえぎ、なかなかチームに貢献できないことに焦りも感じていた。だがこの2週間で「自分のやるべきことをしっかりやろう」と、林助監督や中村健人(総3・中京大中京)からのアドバイスも受けながら打撃面の修正を重ねてきた。そうしたひたむきな努力によって持ち前の「思い切りの良いスイング」が彼に戻り、ついに今日、ここぞの場面で実を結んだのだ。

強い打球も難なくさばいた

また、この試合では守備においても好プレーを連発。必死に打球に食らいつき、幾度となく先発の髙橋佑樹(環3・川越東)を救った。苦手としてきた守備におけるレベルアップ。試合後には「最近少しずつ自信がついてきました」と少し恥ずかしそうにはにかんだ。

 

「大器晩成」―。褒め言葉には聞こえづらいかもしれないが、私はあえてこの言葉を彼に送らせていただきたい。長い不調による苦しみを乗り越えた嶋田は、今後さらなる成長を続けるだろう。そして、よりいっそう大きく翔ばたいていくに違いないのだ。きっと大丈夫だ、『未来は明るい』―。自身の座右の銘とするこの言葉を胸に、嶋田翔はこれからも進化を続けていく。

(記事:川下 侑美)

 

☆インタビュー

――試合を振り返って

相手投手はドラフト3位の小島さんということで、監督や河合さん(大樹=総4・関西学院)が「接戦になる」試合前におっしゃっていたように、序盤はなかなか点が取れませんでした。相手のミスから最初の点を取ることができましたし、たった1つのミスが命取りになるんだなと感じました。

 

――6試合ぶりにヒットが出ました

早慶戦に対して特別な感覚はあまりありませんでした。「自分のやるべきことをしっかりやろう」とこの2週間で修正することができました。林助監督や中村さん(健人=環3・中京大中京)からバッティングについて教わりながら試行錯誤を続けてきた結果が出せてよかったです。

 

――意識して変えた点は

相手は良い投手ですし、全部打つのは不可能なので、自分の狙い球をしっかりと絞って打席に立つようにしていました。

 

――守備に関してはいかがでしたか

しっかりと準備をして、1つ1つの球に集中しています。守備は最近少しずつ自信がついてきました。これからも継続して練習していきたいです。

 

――明日勝てば3連覇です。意気込みを

明大、立大、法大と2戦目を落としてきてしまっているので、明日は勝ちたいです。投手陣の調子も良くなってきているので、優勝して特別な試合にできるように頑張りたいと思います。

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